タカムラ ワイン ハウス のブログです！

1776年に設立された老舗シャンパーニュメゾン、ルイ・ロデレールより、７代目にあたる現当主フレデリック・ルゾー氏が来日。

ルイ・ロデレールを代表する、フラッグシップとも言える《クリスタル》のヴィンテージ違いや、超希少なヴィノテックを味わう機会に恵まれました！



先ずは、フレデリック氏より、ルイ・ロデレールのクオリティを知るための４つのキーワードをお話下さいました。

１、
創業当時から一貫して家族経営であり続けていること。
利益優先の企業的な形態を取らず、常に長期的な視野でシャンパン造りを行う。

２、
シャンパーニュ地方随一とも言える200ヘクタール以上の自社畑を所有。
早くからビオディナミに転換するなど、その土地ならではの生物多様性を尊重しつつ、
栽培過程での味わいの選択肢をさらに広げることが可能になった。

３、
リザーブワイン。
長期的な視野で造りを行う家族経営のため、手間とコストをかけてでも、
最高のシャンパンを生み出すべく、リザーブワインを大量に保有している。

４、
3年以上の瓶内熟成。
規定の15ヶ月の倍以上の、3年以上もの熟成を経てリリースしている。

これらを総合して、ルイ・ロデレールのルイ・ロデレールたる所以のシャンパンを生み出しているのです。

また、直近ではイギリスの専門誌《ドリンクス・インターナショナル》の『世界で最も称賛されるシャンパーニュ・ブランド2018』にて、第１位に選出。
（※最新情報では、2020年度も第１位に選出！）

《シャンパーニュ＆スパークリング世界選手権2019》では、ブリュット・ヴィンテージ2012年が部門最高賞（ワールド・チャンピオン）、栽培・醸造最高性責任者であるジャン・バティスト・レカイヨン氏が生涯功労賞に輝くなど、数多くの栄冠に輝いています！

今回、提供されたのは…

▼ブリュット・プルミエＮＶ
▼クリスタル2008
▼クリスタル・ロゼ2008
▼クリスタル2002
▼クリスタル・ヴィノテック1995


※手前から、ヴィノテック1995、クリスタル2002、クリスタル・ロゼ2008、クリスタル2008

ブリュット・プルミエは、アペリティフに相応しいエレガンスとフレッシュを持ち合わせています。
少なくとも4つのヴィンテージのワインをブレンドし、リザーブワインも贅沢に使用しているので、程よくリッチで複雑な味わいは、これ１本で通して食事を楽しめます。

クリスタル2008は、ほとばしるような酸が強烈なインパクトをアタックに感じつつ、時間と共にボリュームが増していき、果実のニュアンスも濃くなり、最後にシャープな酸が余韻を引き締め、思わず杯がドンドン進んでしまう危険な１本（笑）

2008のロゼは、さらに果実がダークでリッチになり、香りも一段とゴージャスに華やいだ感じに。

クリスタル2002は、まさに圧巻のひと言！2008と比べて、より包み込むような温かさ、クリーミーさ、芳ばしさ。果実もコンフィチュールのような粘性のある甘さを感じつつ、前出のキュベと同じく、アフターに酸が表れ、凜としたフィニッシュを迎えます。

ミルフィーユのように何重にも折り重ねられた重層的な香りと味わいにも関わらず、重くも派手にもならず、フィネスに包まれていたのが印象的でした。

そして今夜の真打が登場です！

ヴィノテック1995は、クリスタルの最低熟成期間6年から更に熟成させてリリースされた唯一無二の１本。
いつまでも立ち昇り続ける永遠の泡立ち。どのキュベよりも重厚で、イキイキとした生命力に溢れたエネルギーを感じます。

誤解を恐れずに言うなら、『フレッシュな熟成感』。様々な相反する要素がボトルに凝縮されているという矛盾エンターテイメント！残念なのは、この会だけの特別な提供で販売できる数はないのだとか（涙）

それにしても、全てのキュベで、香りを取る度、味わう度に違った顔を見せてくれ、そこには緊迫感、臨場感、ドラマ、クライマックスがあり、色んな要素が高次元で釣り合っているような感覚を、幾度となく感じました。

テロワール、ブドウ、人、時間。ルイ・ロデレールを形作る全てにおいて、どこまでも高みを目指し続けるという意思を、穏やかな眼差しのフレデリック氏から力強く感じました。

フレデリックさん、大変貴重な経験をありがとうございました！！