タカムラ ワイン ハウス のブログです！

2013年11月の前回の来日セミナー開催時、人気の高さを見せつけた、あの人が再びやって来ました。

ドメーヌ・ド・ベレーヌ、そしてメゾン・ロッシュ・ド・ベレーヌ等を率いる、ニコラ・ポテル氏です！


偉大な父ジェラール・ポテル氏を持つサラブレッドながら、ジェラール氏の急逝、自らの名をワインに付ける権利を大手に奪われたような形になってしまうなど、逆風も沢山受けながらも、造り手として常に前に進んで来た、ニコラ・ポテル氏。

今回も、新たなプロジェクトの話や、よりドメーヌに力を入れていく事（オート・コートに新しい畑も取得！）、ディジョン大学との研究で、光によるポリフェノールの影響を最小限にするため、醸造所の灯りを最小限にしている事など、様々な事を話してくれました。

2015年の試飲では、綺麗な凝縮感はあるのに、伸びやかな酸味がありる事を伝えると

『実は、収穫は誰よりも遅かったんだ。そう、2015年は暑い年だから収穫が遅いと酸が落ちると思われがちだけど、葉を残し、ブドウに陽があたらないようにする事で、僕のワインはちゃんと自然な酸が残っているんだよ。』

との事。父の元だけでなく、沢山の経験、そして結果を導き出せるセンスがあってこその選択だと思います。


色々な話の中で、彼の根幹となるようなエピソードを伺いました。

『ジャン・マリー・ルーミエ（ジョルジュ・ルーミエの現当主、クリストフ氏の父）は、偉大な人だった。

造り手として、良いワインを知るのはとても大事な事だという事をよく分かっていて、働いていた僕たちにも、一級や特級ものも飲ませてくれた。

ファミリーにはシビアな人の方が多かったから、彼らに見つからないように、ガメイのボトルとかにこっそり移し替えてね（笑）

父は彼の事もよく知ってたから、家に帰ったラ『今日は何を飲ませてもらったんだい？』と、聞かれたよ。』

この話をしている時の、ニコラ氏のイキイキとした表情を見ていると、話を聞いていて、まるで私もその時代にタイムスリップしたかのような気分になる事が出来ました。

ニコラ氏の父、ジェラール氏も、あのデュジャックのジャック・セイスに手取り足取りワイン造りの基礎を教えた人物として知られていますが、こうして誇り高くかつ心優しき先人たちが、次の才能を育ててき事を改めて感じられる機会でした。

実は、ニコラ氏は苗木などにもかなり詳しいらしく、新たな区画を借りたり買ったりする際も、必ず苗木をしっかりチェックし判断するのだそうです。

一体、彼の頭にはどれだけの経験値と情報量が詰め込まれているのかと思いますが、決しておごることなく、心からワインを愛している事、そのワインを多くの人に楽しんで欲しいと思っている事は隠しようがありません。

先人たちから学んだ、ブルゴーニュの本質を踏まえつつ、先を見据えたチャレンジを恐れない心。

ニコラ・ポテル氏の手掛ける、ドメーヌ・ド・ベレーヌ、そしてメゾン・ロッシュ・ド・ベレーヌの美味しさの秘密、ここにあり！

新ヴィンテージも順次入荷しますので、お楽しみに！