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2017/05/08 19:01

毎度お引き立てを頂き、ありがとうございます。料亭離宮和久庵でございます。
このコラムでは、私どもが皆様にお届けする仕出しにつきまして、
心がけていること、大切にしていることを書き留めて参りたいと存じます。
皆様がご家庭でお料理をなさる際にお役に立てそうな、料亭の技なども織り交ぜていきたいと存じます。
少しでも皆様のお役に立つことができましたら幸いです。



前回のコラムでは、和食の味を左右する「おだし」につきましてお話をさせていただきました。
今回は、私どもが、おだしをどのように取り、どのように使っているかについてお話しさせていただきたいと存じます。



■血合い抜きのかつお節を使っています



まず、私どもが使っているのはいわゆる「黄金のだし」。昆布とかつお節で取る「だし」でございます。
かつお節は、血合い抜きのかつお節を使っております。
 血合いは、輪切りにした魚の中央にある赤い帯のような部分です。赤く見えるのは、赤色筋繊維という細胞が多く集まっているからです。
お魚の切り身を焼魚や煮魚にすると、身の真ん中あたりが茶色くなりますよね。あの部分です。鰹やまぐろなど、赤身の魚に多いのが特徴です。
血合いは栄養が多い部位ですが、魚の香りがややきつめです。かつお節の血合いを除くことで、鰹が香しく、
上品な味わいと風味がたちのぼるかつお節になりますし、お料理の色合いがとてもきれいです。
 このかつお節の味を存分に引き立てるため、一番気を付けているのが「時間」です。
だしを取る時間が長すぎると、だしがにごってしまいます。
色が黄金色に澄むよう、心を込めてだしを取り、ていねいに濾しています。



■お吸い物も含めたお料理すべてのバランスが大切



鰹の香りは、引いた次の日にはもう飛んでしまいます。
鰹のいい香りをお客様にお届けするには、その日のうちに鰹を引いて、その日のうちに使うのが基本です。
 とはいえ、お吸い物が目立ちすぎるようでもいけません。和食は、先付、椀盛、お作り、八寸、焼き物、箸休め、留肴、ご飯、水物・果物など
たくさんの器で形作られるひとつの世界。すべてのお料理の調和が何よりも大切です。
 最近、お客様に「さすが、基本を大切にしていらっしゃいますね。
お吸い物をいただけばわかりますよ。目立ちすぎず、とてもいい仕事をしていらっしゃる」とうれしいお誉めの言葉をいただきました。
とてもありがたいお言葉です。これからも精進して参ります。



■ご家庭でお吸い物をつくるときのポイント



 ご家庭でも、黄金のだしが取れます。最近のだし調味料はとてもよくできていますが、自分で取っただしの味は格別です。
こちらにだしの取り方を掲載しております。
 ご家庭でつくられるときは、お麩はもちろん、筍や木の芽、三つ葉など、旬の食材をあしらっていただけると見た目も麗しく、味わい豊かになります。
少しボリュームを出したいときは、しんじょうがおすすめです。
 エビも紅の彩りがよく、腰が曲がった姿が長寿をあらわすといわれることから、お祝い事によく使います。
エビをお吸い物に入れるときは、エビを開いて「葛打ち」するとお吸い物の格がぐっと上がります。
「葛打ち」とは、くず粉や片栗粉をまぶして軽く茹でること。くさみがなくなり、見た目もきれいです。



 次回は、お料理の器についてお話をさせていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

最終更新:2017/05/08 19:01

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