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2020/10/16 23:12

新型コロナの変異株がますます増加していることをネイチャーの論文で知る。そのうち少なくとも10種の変異株には「既存の抗体が効かない」模様。こうなると免疫もワクチンも何も関係なく

2020年10月15日
複数の変異株で既知の抗体への耐性が確認される

最近ふと見た医学記事で、「ますます新型コロナウイルスの変異種が増加している」ということを知り、そこに科学誌ネイチャーの論文のページのリンクがありましたので、見てみました。

以下の論文です。

・Profiling and characterization of SARS-CoV-2 mutants’ infectivity and antigenicity
(SARS-CoV-2変異体の感染性と抗原性のプロファイリングと特性評価)
ht●●tps://www.nature.com/articles/s41392-020-00302-8


論文からいくつか抜粋しますと、まず冒頭が以下のようになっていました。

研究者たちは、中和抗体と組み合わせ、偽ウイルスベースの中和アッセイを使用し、感染性と抗原性の観点から、SARS-CoV-2 の 80 の天然変異体と 26 のグリコシル化スパイク(S)変異体を調査した。

研究者たちは、ウイルスの感染力と中和抗体に対する反応性に重大な影響を与える可能性のあるいくつかの変異を特定した。(Nature)


冒頭から専門用語ばかりでわかりにくいですが、おおむね以下のような感じだと思います。

・偽ウイルスベースの中和アッセイ → 中和抗体を検出するために、偽ウイルスを利用するウイルス中和試験というものがあり、その概念だと思われます。

・グリコシル化スパイク → 「グリコシル化」とは、タンパク質に糖類が付加する反応のことらしいですが、この「スパイク」というのは、たとえばコロナウイルスでしたら、ウニみたいな感じでたくさんの突起がありますが、あれのことで、こことヒトの細胞が合致した場合に感染が発生します。スパイクタンパク質がグリコシル化したというのは、つまり、その「感染する突起の部分が変化した」ということかと。

それで、私の勘違いでなければ、この冒頭の部分だけで、

「新型コロナの変異種が少なくとも 80種ある」

ということと、

「多くの変異したスパイクタンパク質がある」

ということになるのではないかと。

もし間違っていれば、申し訳ないですが、論文にある「図」は以下のようになっていました。

これは、新型コロナの「スパイクタンパク質のアミノ酸の変化の概略図」と説明されています。

mutants-spike-002.jpg

こんなに数多くの変異があるようですが、この色分けは、日本語にしますと以下のようになります。

infection-level-003.jpg

青で示される株は「 D614G 」と表記されているものが多いですが、これが今、世界で主流の株で、感染力が以前より強くなっていることが示されています(論文では、武漢の最初のウイルスより最大で 400倍感染力が高いと示されていました)。

ここにある「mAb」というのは、モノクローナル抗体という、作られた抗体ということのようで、詳しいことはともかく、

・中和mAbに対する感受性の増加
・中和mAbに対する感受性の低下


というのは、それぞれの変異の抗体に対しての耐性のことで、たとえば、現在開発されているワクチンなどで使われている抗体などに対して、耐性があるかないかというようなことだと思われます。

そして先ほどの図を見ますと、もう、いろんな種類のコロナウイルスが出ているわけですね。感染力が強い株、感染力が弱い株、そして、抗体に耐性がない株、耐性がある株。

図を見る限りは、それが何十種類とあることがわかるのですが、

「これで効果的なワクチンなんて作ることは可能?」

と思ってしまうのです。

抗体への耐性がある株がこんなにある中で、どう対処されるのかがわからないのですね。

もう少し詳しく抜粋しますと、論文には以下のようにあります。数字と記号で示されていてるのは、すべて変異株のことのようです。

この研究では、SARS-CoV-2 の 106の偽型ウイルスが構築され、一連のヒトおよび動物の細胞株に感染した。その結果、D614G 変異または D614G + V341I、D614G + K458R、D614G + I472Vなどの複合変異が実証された。

D614G + D936Y、D614G + S939F、および D614G + S943Tは、武漢 - 1株(武漢で最初に検出されたコロナウイルス)と比較して 4〜 100倍の感染力の増加を示した。

現在、D614G 変異株は世界的な増加が見られており、この(感染者の)増加は、この変異株の適合性(ヒトの細胞へのスパイクタンパク質の適合性)が増加していることを示唆している可能性がある。変異と疾患の重症度との関連は明らかにされていない。(Nature)


秋以降の世界的な感染拡大について、一般的には「第二波」というような表現がされることも多いですが、第二波というより、「別の流行が起きている」というようなこともいえるのかもしれません。

ここには、「すでに以前の抗体への耐性を持っている変異株がある」ことが書かれてあるのです。

抜粋しますと、以下の部分です。

その後、研究者たちは 13個の中和 mAb (抗体)を使用して感染性変異体の抗原性を調査することに成功した。

研究者たちは、N234Q、L452R、A475V、V483A、および F490Lなど、一部の mAb に対して著しく耐性のある 10個の変異を発見した。(Nature)


ここに、

「従来の抗体に対して著しく耐性のある 10個の変異を発見した」

とありますので、現時点で開発されているワクチンの抗体に「効果がない」変異株も存在するようです。

このネイチャーの論文を紹介していた記事では以下のように書かれていました。

これらの結果を受けると、望ましいワクチン候補あるいは mAb (抗体)は、循環しているすべての変異株を無力化できる広域のスペクトルに反応する性質を持つ必要があるだろう。

現在開発されている、あるいは、フェーズ 3試験中のワクチンは、すべてこの基準を満たしていない。(thailandmedical.news)


そして、このようなペースで従来の抗体が意味をなさない変異株が増えていけば、第三波とか四波とか五波とか、そういうようなことは普通にありえるわけで、あるいは「二度感染する」とか、そういうことも起こり得ると思います。

二度感染に関しては、すでに各国で報告がありますが、もともと新型コロナウイルスは、「数カ月ほどで抗体が消える」という研究も多く、同じ株に再度感染する可能性もあるとは思いますけれど、そういうことが頻繁に起きていく可能性があるのかもしれないです。

以下の記事のタイトルに「コロナは終わることがない事態へと」というように書いていますけれど、まったくそういうことになりかねないです。

世界の出来1577 ヨーロッパの各国でパンデミック開始以来最大の新たな感染者数を記録中。

ただ、この記事にも書きましたけれど、感染力は強くなっているにしても、致死率が春と比べて極めて低くなっていることは事実です。

先ほどの変異の状態を見ていますと、効果的なワクチンというものができる可能性も早期ではあまりなさそうです。これは、ワクチンという存在そのものの可否を言っているのではなく、効果のあるものができるとは考えにくいということですね。

これとは関係ない話にはなりますけれど、ここにきて、各社のワクチンの治験が次々と停止され続けています。

イーライリリーが新型コロナ抗体薬の治験停止、安全性に懸念
米製薬大手イーライリリーは13日、新型コロナウイルス感染症抗体治療薬の臨床試験で被験者の登録を停止したことを明らかにした。安全性への懸念が理由。独立したデータ安全性監視委員会から停止の勧告を受けたと述べた。データ委員会が停止を勧告した理由について詳しい情報は明らかにしていない。

ジョンソン・エンド・ジョンソンのコロナワクチン臨床試験中断、参加者が原因不明の病気
米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が進めている新型コロナウイルスワクチン研究が一時的に中断された。同社は臨床試験参加者の原因不明の病気が理由だと説明した。


なお、上の報道に「試験参加者の原因不明の病気」ありますが、ワクチン治験に出た「症状」の実際について、アメリカで治験に参加した人たちのうちの何人かが語った内容が報じられています。

今回は、その中の、アメリカの男性の例をご紹介して締めさせていただこうと思います。決して軽いとは言いにくいものです。

ユタ州の 44歳の生物学者であるルーク・ハッチソン氏は、科学者としてワクチンに大きな確信を持っていたために、モデルナ社の第 3フェーズ試験に登録した。

ハッチソン氏は会社の RNA ベースのワクチンのアプローチに興味をそそられたので、モデルナ社の努力を支援したかったという。

8月18日に最初の接種をした後、ハッチソン氏は、数日間、微熱を感じていたと述べる。

その後、9月15日にクリニックで 2回目の接種をした。

2回目の接種から 8時間後、ハッチソン氏は、38℃を超える高熱と、震え、悪寒、激しい頭痛、息切れに見舞われ、ベッドから起き上がることができなくなっていた。その夜はほとんど眠れず、体温は 5時間のあいだ 38℃を超えていたことを記録した。

12時間後に体調が正常になったことを感じた。治験の同意書に署名したハッチソン氏は、接種後に何らかの症状が現れる可能性があることは認識していたが、その重症度と持続時間にやや驚いたという。(CNBC 2020/10/01)


こういうような可能性があるものが何億人にも接種されるより、人々の基礎体力の上昇とメンタル面での健康と健全を各国が目指したほうが、はるかに効果的な気もしますが、もう世界は止まらないようです。

最終更新:2020/10/16 23:12

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