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2020/04/07 21:26

治療薬として有望なクロロキン等より「緑茶に含まれるエピガロカテキンガレートのほうが新型コロナウイルスへの抗ウイルス作用がはるかに高い」ことが公開された論文で判明。そして思う日本人の日常食のすごさ

2020年4月3日
egcg-coronavirus-era.jpg
・公開された論文(査読前)より。

緑茶と海藻の威力をパンデミック下に想う

今回の記事の内容を一言で書きますと、

「緑茶は新型コロナウイルス対策にものすごくいいかもしれません」という内容です。

もうそれだけです。

これは関係のない話ですが、先日、ニューズウィークの「日本で新型コロナの死亡率が低いのは、なぜなのか?」という記事に、「新型コロナウイルでの人口に対する死亡率の比較」が掲載されていました。

感染者数からの致死率は、感染者の実数が明らかではない現状では、やや意味がない面もありますが、人口比ですと、わりと確実で、以下は「人口10万人当たりの死亡者数」の比較です。

・イタリア 人口10万人当たりの死亡者数 10.03人
・スペイン 人口10万人当たりの死亡者数 5.68人
・米ニューヨーク州 人口10万人当たりの死亡者数 0.61人
・韓国 人口10万人当たりの死亡者数 0.21人
・日本 人口10万人当たりの死亡者数 0.03人


3月24日時点までのもので、現在までも比較としては、あまり変わっていません。

日本の人口比の死亡率は、「イタリアの 330分の1であり、スペインの190分の1」となっています。かなり死亡率の低い韓国と比較しても「 7分の 1」となっていて、日本の死亡率の差がかなり明確になっています。

この新型コロナウイルスに関しては、先日の記事でもふれましたけれど、数多くの種類の「株」があるため、そのためということもあるでしょうけれど、それにしても、同じコロナウイルスでこの差はちょっとすごい。

以前、以下の記事で、「なぜ 1918年のスペインかぜで、日本人は死亡しにくかったのだろうか」ということにふれたことがあります。

なぜ100年前の日本人は新型インフルエンザであまり死亡しなかったのか

1918年から流行が始まった新型インフルエンザのパンデミックだったスペインかぜは、世界人口の3分の1が感染したとされています。

そして、2005年のアメリカの研究においては、最大で 1億人以上が亡くなったとされています。

その致死率となると、当時は、正確な統計がとられていない国や地域も多く正確なところはわかりようがないですが、しかし、国立感染症研究所のページには、「世界人口の 3分の 1の約 5億人が感染して、死亡者数は全世界で 4,000万人から 5,000万人」とありまして、この推計からは、最大で 10%ほどの致死率があったことになりますし、英語版のスペインかぜの Wikipedia には、「感染した人の 10%から 20%が死亡したと推定されている」とあり、いずれにしても、とんでもない高い致死率でした。

感染率や致死率は国や地域により差があったのですが、「致死率がとても低い国」には、日本が含まれていました。

日本にはスペインかぜについてのかなり正確な統計が残っていて、致死率については、統計上の問題なのか、数値に幅がありますけれど、日本でのスペインかぜでの致死率は、 0.7%から最大でも 1.6%(2300万人が感染して 38万人が死亡)となっています。

2300万人が感染して、38万人が亡くなるというのは、確かに大きな厄災ですが、それでも、致死率の点からだけでは、世界平均より極端に低いのです。

感染率そのものは特に低いわけではなく、当時の日本国民の 4割くらいがスペインかぜに感染したと思われますが、しかし、死者が少なかったということは「重症化する人が少なかった」ということだと言えます。

私はこの、なぜ日本の致死率は極端に低かったのかということについて以前から考えていましたけれど、「過去のことだし、別にいいや」と、最近はどうでもよくなっていたのですが(おいおい)、最近の新型コロナウイルスの流行の中で、また考えるようになりました。

インフルエンザにしてもコロナウイルスにしても、高齢者や基礎疾患のある人の重症化とは別に、一般の元気な方々が重症化する原因として、「サイトカインという物質が過剰に放出される」ということがあります。

サイトカインとは体内にあるタンパク質のことで、これが悪い物質であるわけではなく、病原体に感染した際などに免疫機能としての反応を起こしてくれる物質であり、病原体を排除するインターフェロンなどの放出させることで、病原体を速やかに排除させるという意味で重要な物質です。

しかし、風邪などを引いた時に身体に起きることなどを考えれば、病原体に対しての身体の反応は、悪寒だったり嘔吐だったり、倦怠感、頭痛、発熱であったりと、苦痛を伴う反応が多いものです。

それがあまりに進行すると、身体の危険度も高まることになってしまいます。

このように、サイトカインの「過剰な放出」により、症状が激しくなってしまうことがあるのです。それが重症化に結びついてしまう。

若くて病気のない元気な人が重症化する場合、「免疫反応によりサイトカインが過剰に放出し、結果として、免疫系が自分を守るのではなく、自分を攻撃するものとなってしまう」ことにより、悪化してしまうという場合があるのです。

スペインかぜでは、亡くなった人たちの多くが若い世代でしたが、それは普通のインフルエンザと違う(普通は乳幼児や高齢者の死亡率が高くなります)状況でした。

その理由のひとつに、サイトカインの過剰な放出(サイトカインストーム)があったのではないかという推測はあります。

また、2009年の新型インフルエンザのパンデミックでも若い世代の死亡率が高かったのですが、サイトカインストームが理由であった可能性があります。

そして、現在流行している新型コロナウイルスでも、このようなサイトカインストームが起きる可能性はあると思われます。

そういう意味では「感染しないように気をつける」ということは大事なことなのかもしれないですが、しかし、新型コロナウイルスの場合、これだけ感染力が強い上に、エアロゾル感染の可能性も高くなっている中で、「感染しないようにする」という完璧な手段は存在しないと思われるわけで、それよりも、「重症化しないためにはどうするべきか」ということを考えたほうがいいのかなと思っていました。

それで、1918年のスペインかぜで、日本人の致死率がとても低かった理由は、おそらくは、当時の多くの日本人には「サイトカインの過剰な放出」があまり起きていなかったのではないかと考えていたのです。

そうしましたら、最近、アメリカ国立衛生研究所のライブラリーで、以下のふたつの医学論文を見つけました。

・Fucoidan Inhibits Radiation-Induced Pneumonitis and Lung Fibrosis by Reducing Inflammatory Cytokine Expression in Lung Tissues (2018/10/19)
ht●●tps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30347679
(フコイダンは、肺組織における炎症性サイトカインの発現を低下させることにより、放射線誘発性肺炎と肺線維症を抑制する)


・A marine-sourced fucoidan solution inhibits Toll-like-receptor-3-induced cytokine release by human bronchial epithelial cells(2019/01/01)
ht●●tps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30797011
(海洋由来のフコイダン溶液は、ヒト気管支上皮細胞によるTLR3誘導性サイトカイン放出を阻害する)


ここに出てくる「フコイダン」は、ご存じかと思われますが、ワカメとかモズクとかメカブとか、そういう「ぬるぬるした海藻」全般に含まれているものです。

論文の表現はどちらも難しいものですが、ごく簡単に理解したところでは、「フコイダンはサイトカインの発現パターンを変化させ、肺炎の症状を抑制する」というようなもののようです。

つまり「重症化を防ぐ」と。

どうやら、ワカメとかモズクとかメカブとかに含まれるフコイダンには、ウイルス感染時に、サイトカインの過剰な放出を抑制して、症状を鎮める作用があるようなのです。

さらに、2014年の科学記事で、以下のようなものを見つけました。

アメリカの代替医療やホメオパシーなどの研究が専門の科学者のページです。

・Red Algae Extract Fights Ebola, HIV, SARS and HCV
ht●●tps://plantmedicines.org/red-algae-extract-treats-ebola-and-hiv-sars-and-hcv/
(紅藻エキスはエボラ、HIV、SARS、C型肝炎と戦う)


「紅藻」というのは、たくさんの種類がある海藻のカテゴリーですが、食用としてわかりやすいものとしては「岩のり」とか「テングサ(寒天やところてんの材料)」、あるいはフノリなどで、日本人にはそれほど特別なものではありません。

この記事の中で注目したのは、2006年に、アメリカ保健福祉省が、この紅藻から抽出させる成分を「特許申請した」ことが記されていたことでした。国の機関が岩のりの成分を特許申請しているのです。

この「米国特許 #US 8088729 B2」を見てみますと、紅藻から抽出された成分に、抗 RNA ウイルス作用があることが書かれています。インフルエンザウイルスもコロナウイルスも RNA ウイルスですが、そのようなウイルスに感染にしくくなると書かれているのです。

特許の説明の中には、「ニュージーランドの海で採取された紅藻から抽出されたグリフィスシンという成分を投与した後」として、以下の文章がありました。

C型肝炎ウイルス感染、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス感染、 H5N1 ウイルス感染症、またはエボラウイルス感染症への感染が抑制された。

とあるのでした。 SARS ウイルスは、新型コロナウイルスと同じ系統のウイルスです。

岩のりとかトコロテンに含まれる成分が RNA ウイルスのウイルス感染を抑制していることがわかり、アメリカ保健福祉省はこれを「特許申請」していたのでした。

海藻に関して、先ほどのフコイダンの論文と合わせると、以下のようなことになりそうなのです。

メカブやモズクなどの海藻に含まれるフコイダンは、サイトカインを抑制して症状を和らげ、岩のりとかトコロテンなどのグリフィスシンという成分は、ウイルス感染そのものを抑制する。

スペインかぜの死者数の都道府県別の比較を見てみると

まず、以下の図は、東京都健康安全研究センターの「日本におけるスペインかぜの精密分析」という資料にある 「スペインかぜの都道府県別の月別死亡者数」です。

資料では、全期間のマップが載せられていますが、表示が小さくなってしまいますので、わかりやすい部分として、日本で最もスペインかぜの感染が激しかった、

・1918年11月
・1920年02月

のスペインかぜの死亡者数のマップです。

茶色が濃くなるほど死亡率が高く、緑は死亡率が低いことを示します。

実際のマップに県名は書かれていませんが、特に死亡率が「低い」都道府県を書き込ませていただいています。

2018年11月と1920年2月のスペインかぜの都道府県別の死者数
spanish-flu-states1920.jpg

一回目の流行の時には、山形や宮城、山梨などが死亡率が大変に低く、そして、二回目の流行では、青森などの東北と、石川や福井などの死亡率がとても低いのですが、この二回目のスペインかぜの流行期だった 1920年2月のこの分布図と、「とてもよく似た傾向のあるマップ」を見つけたのです。

それは、下のマップです。

konbu-map-2016.jpg

二回目のスペインかぜの流行時に、著しく死者が少なかった県の色がとても濃くなっていますが、これは何の分布を示す図だと思われますか?

実はこれは、「昆布の消費量の都道府県別分布」なのです。

どの都道府県が昆布をたくさん食べているか、あるいは食べていないかを示したマップです。
2016年のデータです。

昆布の消費量上位5位
1位 岩手県
2位 青森県
3位 富山県
4位 山形県
5位 宮城県

ちなみに「ワカメ」の消費量は以下のようになっています。
ワカメの消費量上位5位
1位 岩手県
2位 静岡県
3位 秋田県
4位 宮城県
5位 福井県

(わかめの消費量の都道府県ランキング / 平成28年)
海藻の消費量と、スペインかぜの死者数の率がわりと「逆相関」でリンクしているのです。

もちろん全部がそうではないですが、全体として、海藻の消費が多い県のスペインかぜでの致死率が低く、海藻の消費の少ない県はその逆となっている傾向はかなりあります。スペインかぜは 100年前ですので、今とは消費量は変わっているかもしれないですが、都道府県別の比較としての傾向はそんなに変わっていないのではないかなと思います。

なお、さきほどのスペインかぜの死亡者数の都都道府県別の比較で最も注目すべき県は、実は、「沖縄県」です。

沖縄はスペインかぜの一回目の大流行の際も、二回目の大流行の際も、どちらも薄い緑であり、つまり、スペインかぜの流行期間の全体において、沖縄では死者は少なかったといえそうなのです。つまりは、「沖縄では重症者が少なかった」といえるかと思います。

そして、沖縄で独占的に生産されているもののひとつは「もずく」なんですね。

生産率は以下のように、「日本で流通しているもずくの 99%以上が沖縄産地」なのであります。他の県の順位を示す必要がないほどなんです。

都道府県別のもずくの生産量

1位 沖縄県 生産量 15,336トン 日本での生産の 99.1%を占める。

もずくは先ほどの論文でご紹介しましたように、サイトカインを抑制するフコイダンを豊富に含んでいる食品です。

もずくの「消費量」の分布のほうはデータが見当たらなく、正確にはわからないのですが、しかし、これだけ生産している沖縄で消費量が低いとも考えられず、また、スペインかぜの流行した 100年前は、現在のような全国規模の流通がそれほど発達していなかったと思われますので、むしろ、当時の沖縄の人は、今よりもずくをよく食べていたのではないかと考えられます。

最近は周囲にあまり沖縄料理屋さんがないですので、あまり行かなくなりましたが、かつてはよく沖縄料理屋さんに行っていました。以前住んでいた東京の西荻窪という街には、沖縄料理屋さんがたくさんあったんです。

それで知ったのですが、私たちのもずくの食べ方は、三杯酢とかそういう食べ方ばかりですが、沖縄料理では、天ぷらにするんです。もずくの天ぷらは沖縄のソウルフードとさえ言われています。

ですので「食べる量が違う」。

三杯酢などのもずくをどんぶり一杯食べるのは難しいですが、天ぷらだと、食べるもずくの量そのものがとても多いのですね。

沖縄では昔からそのような食べ方をしていたと思いますので、たくさんもずくを食べていたんだと思います。

その結果として、沖縄の多くの人たちは「フコイダン大量摂取人」ということになり、新型インフルエンザのような重篤な感染症でも重症化する率が低かったのだろうと推測します。沖縄も、今は昔とは食生活が変わったでしょうけれど、そういう食文化だったことが、先ほどのような「スペインかぜの低い死亡率」に結びついたのだろうなと。

まあ、この海藻消費量のマップの比較だけで、どうこう言うつもりはないですが、先ほどのフコイダンに関しての2つの論文や、アメリカ保健福祉省の「紅藻」の成分に関しての特許取得などを見ましても、少なくとも、

「海藻を食べることは感染症の流行の時期に悪いことはない」

と思います。

なお、世界で海藻を日常的に食べる国は、日本と韓国くらいだと思いますが、スペインかぜの際の韓国(朝鮮)の致死率は 1.88%だったそうです( 742万人が感染し 14万人が死亡)。

致死率 0.7%だった日本の倍はありますが、世界平均から見れば、大変に低い数値だと思います。

ちなみに、私はめかぶとかワカメとか大好きなんですけれど、日常的に食べ始めたのは、東京に出てきてしばらく経ってからでした。

北海道は海藻類をたくさん食べているような雰囲気があるかもしれないですけど、「全然食べない」のです。

少なくとも、私が子どもや少年のときには、ダシをとる昆布以外では見ることもなかったですからね。実際、今でもデータを見ますと、北海道では昆布の消費は全国 38位、ワカメの消費に至っては、全国 44位でした。今でも北海道では海藻はあまり食べられていないようです。

ただ、スペインかぜの時の状況を見ましても、日本では「感染率が下がっているわけではない」ですので、フコイダンの効果は、サイトカインの抑制で重症化を防ぐことにあると思われ、感染の予防とは関係ないようです。

感染そのものの抑制効果に関しては、アメリカ保健福祉省が特許をとった紅藻がいいのでしょうね。紅藻に関しては、農林水産省の「海そうを見直そう」というページに紅藻類の一覧と説明があります。

食用としては、以下のようなものがあるらしいですが、知らないものも多いです。

食用の紅藻
・イワノリ
・トサカノリ
・イギス
・エゴノリ
・ギクンナンソウ
・フノリ
・テングサ

新型ウイルスどうのこうのということではなくとも、風邪や感染性胃腸炎などの今のような感染症が流行しやすい時期に海藻類をよく食べるのは悪いことではないと思います。

なお、フコイダンや紅藻などの医学的研究が、日本よりも、むしろ西欧で活発な理由は、西欧では海藻を食べる習慣がまったくないからだと思います。なので、あちらの国ではサプリメントなどにして服用するしかないようなのです。

もちろん実際のところはわからないにしても、数々の医学論文を検証していく中で、

・海藻に含まれるフコイダンは、サイトカインの発現パターンを変化させ、重症化を防ぐ
・岩海苔などに含まれるグリフィスシンという成分にSARS ウイルスのウイルス感染を抑制する効果がある


ことがあることを知ったのです。

下のほうの岩海苔の成分に関しては、アメリカ保健福祉省が、岩海苔とかテングサから抽出できるこの物質の「特許」も取得しています。

それでまあ、考えてみれば、「海苔とか海藻って、世界のほとんどの人たちが食べないのだよなあ」ということに思い至り、
「関係あるかもなあ」と思いまして、先ほどの記事を書きました。

今回の新型コロナウイルスの死亡率の低い国である日本と韓国もまた、日常食として海苔と海藻を食べる数少ない国でもあります。

また、海苔の多糖類を分解できるのは、基本的に「日本人だけ」ということもありまして、食生活として海藻をよく食べるのは理解できることでもあります。以下は、2010年のネイチャーの論文を紹介した AFP の記事からです。

日本人がノリを消化できる理由を発見
AFP 2010/04/08
日本人の腸が海草に含まれる多糖類を分解できるのは、分解酵素を作る遺伝子を腸内に住む細菌が海洋性の微生物から取り込んでいるためだとする論文が、英科学誌ネイチャーに発表された。

フランスの海洋生物学と海洋学の研究・教育機関「ロスコフ生物学研究所」の研究チームは、ゾベリア・ガラクタニボランという海洋性バクテリアが、アマノリ属の海草に含まれる多糖類を分解する酵素を持っていることを発見した。

公開されているDNAのデータベースを調べたところ、ヒトの腸内に住むバクテロイデス・プレビウスという微生物が、同じ酵素を作る遺伝子を持っていることが分かった。このバクテリアはこれまで、日本人の排泄物からしか見つかっていない。


そして、最近発表された医学論文のリンクを辿っていましたら、公開されていた論文の中に、新型コロナウイルスの治療薬としての食品成分の抗ウイルス作用の同定に関しての以下のものを見出しました。

・Identification of Dietary Molecules as Therapeutic Agents to Combat COVID-19 Using Molecular Docking Studies
ht●●tps://www.researchsquare.com/article/rs-19560/v1
分子ドッキング研究を使用してCOVID-19と戦うための治療薬としての食物分子の同定


これは、インドのERA医科大学という医学系大学の研究者たちが、知られている 18種類の食品成分について「分子ドッキング」という方法で探査したものです。

その結果、「エピガロカテキンガレートという物質に最も高い抗ウイルス作用があった」というものだったのです。

この「エピガロカテキンガレート」というのは、「カテキン」の一種なんですが、つまり「緑茶」に含まれているものです。

ところが、普通のカテキンは、紅茶とかウーロン茶とか、さまざまなお茶に含まれているのですけれど、「エピガロカテキンガレート」というのは、少なくとも手軽に手に入るものとして、

「緑茶にしか含まれていない」

のです(後に「テトウストレ」というものにも含まれていると知りました)。

この「緑茶」というのも、日本以外では、世界中の人が日常的に飲んでいるとはいえないものでして、2015年9月6日の日本経済新聞の記事に「世界で飲まれ始めた日本の緑茶 」というものもありましたので、以前ほど「日本人オンリー」ではないかもしれないですけれど、でも、海外では緑茶は一般的なお茶とはいえないです。

海外では、缶飲料の「グリーンティー」などは、「緑茶にどっさり砂糖が入れられていること」もあり、驚きの「甘い緑茶」を購入してしまうこともあると思います。

ともかく、そういう「日本人だけが日常的に飲んでいる緑茶」というものが、現在わかっている分には、「この世の食品成分の中で最も新型コロナウイルスに有効」だと知りまして、海藻の存在と共に、何とも感慨深く思った次第です。

先ほどの論文には、18種類の食品成分がすべて数値として比較されているのですが、参考として、新型コロナウイルスの治療薬として期待されている「クロロキン」とか「レムデシビル」との数値を比較しますと、ウイルスの受容体によっては、

「緑茶の成分は、抗ウイルス薬の最高で 2倍ほどの抗ウイルス活性がある」のです。

副作用が強いとされる抗ウイルス薬より、医薬品関係の方などがいらっしゃいましたら、この緑茶の成分エピガロカテキンガレートをベースにした治療薬なり、他の何かなりの考察を持たれていただければ幸いです。

しかし、私たち一般人としては、とにかく、「日常で緑茶をたくさん飲んで、海藻類をたくさん食べましょう」というようなことでよろしいのではないかと思います。

この論文は、まだ査読されていないもので、現在、世界の科学者に公開されている状態ですが、コメントには「エピガロカテキンガレートは、酵素フーリンへのウイルス結合も阻害するので非常に素晴らしい着想だ」とありまして、論文として認められる時が楽しみです。

この論文を読んだ時は、ちゃんと読んでいない段階でしたので、ブログに書くのは無責任だと思いましたが、メルマガの読者の方には号外でお伝えてしていました。

それを編集して公開させていだきます。

この中に、その他の有効な食品成分もすべて記載しています。

その多くが、従来より「健康にいい」と言われているものばかりですが、これを知りますと、やはり食生活というのは大事なものだと思います。

まあ、その食品流通が危うくなってはいるのですけれど、何とかやっていきたいものですね。

ここからです。

「緑茶の効用」

インドのエラ大学という医学系大学の研究者たちによる、「COVID-19の治療薬としての食物分子の同定」というタイトルの論文が公開されていました。

この論文の目的は、「この世界中の健康危機を見て、SARS-CoV-2を標的とすることができる適切な薬剤候補を見つけることが私たちの目標だった」

とありまして、新型コロナウイルスの治療約の候補として、何が、最も、その感染等を阻害するか(防止するか)ということについて、18の「食品分子」について調査したものです。これは、ウイルスの「スパイクタンパク質」をターゲットにしたものでして、平たくいいますと、「食物に含まれている成分で何が新型コロナウイルスに最も有効か」というものを同定したものです。

論文は、以下の URL にあります。
ht●●tps://www.researchsquare.com/article/rs-19560/v1

その成分は以下のようになっていました。

論文には、すべての数値が書かれていますが、

名称だけを書かせていただきます。


新型コロナウイルスに有効な成分(効果の高い順)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. エピガロカテキンガレート
2. クルクミン
3. アピゲニン
4. ベータグルカン
5. ミリセチン
6. ケルセチン
7. ピペリン
8. ゲニステイン
9. ジアゼイン
10. フェルラ酸
11. アリイン
12. リポ酸
13. レスベラトロール
14. グルコサミン
15. ジンゲロール
16. スルフォラフリン
17. アリシン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(ここまで)


「エピガロカテキンガレート」というのが、ダントツの一位ですが、これだと何だかわからないと思われますので、成分の後ろに「主にどんな食品に含まれているか」を加えます。

新型コロナウイルスに有効な成分(効果の高い順)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. エピガロカテキンガレート (緑茶)
2. クルクミン (ウコン)
3. アピゲニン (パセリ、セロリ、グァバ)
4. ベータグルカン (きのこ類、最も多いのは、ハナビラタケ)
5. ミリセチン (クルミ、ブドウ、ベリー類)
6. ケルセチン (たまねぎ、そば、りんご)
7. ピペリン (黒コショウ)
8. ゲニステイン (大豆)
9. ジアゼイン (大豆)
10. フェルラ酸 (コメ、大麦、小麦)
11. アリイン (ニンニク)
12. リポ酸 (牛・豚のレバー、腎臓、心臓)
13. レスベラトロール (ぶどう、赤ワイン)
14. グルコサミン (カニ、エビ)
15. ジンゲロール (生姜)
16. スルフォラフリン (ブロッコリー)
17. アリシン (ニンニク、玉ネギ)
(参考までに)
18. レムデシビル (抗ウイルス薬)
19. クロロキン (抗ウイルス薬)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(ここまで)


こうなるのでした。新型コロナウイルスに対して、最も高い薬理活性を示したのは、「エピガロカテキンガレート」という緑茶の成分だったのです。

最近、抗ウイルス薬などの、レムデシビルという薬や、クロロキンという薬が、新型コロナウイルスの治療薬として効果についてが報じられることがありますが、論文には以下のようにありました。

(論文より)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
EGCG(エピガロカテキンガレート)
の計算された活性は、両方の参照薬で
あるレンデシビルとクロロキンよりも
高いことが判明した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(ここまで)


つまり、緑茶に含まれている、このエピガロカテキンガレートという物質は、「抗ウイルス薬より新型コロナウイルスに有効である可能性」があるのです。

そして、重要なことは、「このエピガロカテキンガレートは、この世で緑茶にしか含まれていない」のです。

紅茶にもウーロン茶にも含まれてはおらず、「緑茶だけ」なのです。

カテキンそのものは、他のお茶類にも含まれますが、エピガロカテキンガレートは、緑茶だけにしか見出されていないのだそうです。

ちなみに、緑茶のカテキンは、以下の化学構造の違いから、以下の4つに分類されています。

1.エピガロカテキンガレート(EGCG)
2.エピガロカテキン(EGC)
3.エピカテキンガレート(ECG)
4.エピカテキン(EC)

すべて体にいいのだと思いますが、この中の「エピガロカテキンガレート」が、新型コロナウイルスに対して、特に良いようなのですね。

エピガロカテキンガレートには、もともと、抗炎症作用など免疫抑制作用があるとされていましたが、今回の新型コロナウイルスに対しての研究でも、それが示されたと思われます。

なお、エピガロカテキンガレートを最もよく抽出するには、80℃ほどのお湯でお茶をいれるのがいいようです。

まあしかし、先ほどの一覧を見ますと、緑茶以外にも、ウコン(ターメリック)、きのこ、たまねぎ、大豆、コメなどから、ニンニク、ブドウ、生姜など、一般的に体に良いと言われているものが多く、これらは、抗ウイルス作用も保持している食べ物のようです。

何とかいろいろと免疫をつけて、乗り切りたいですね。

最終更新:2020/04/07 21:39

2020/04/07 20:44

世界全体で食品流通が崩壊しようとしている。そのような中、国連とWHOは世界的な食糧危機が「数週間以内に起きる可能性」を警告

2020年4月2日
coronavirus-food-crisis2020.jpg

予想より早く食糧危機が到来した理由は「封鎖と移動の制限」

むかしから、散歩がてら、いろいろなスーパーを覗くのが習慣なんですが、私の住んでいる場所は、ベッドタウンであるせいなのか、徒歩圏内に 6つの大きなスーパーがある立地でもあります。

最近は、食料などの一部の商品に「お一人様3つまで」というような表示が見られるようになりましたが、本日、近所のスーパー中で、唯一、食べ物に対しては購入数の制限をしていないスーパーを見てみましたら、今日になり「いろいろなものが売り切れになっている」のでした。

麺類やレトルト、あるいは小麦粉とかホットケーキの粉などの「粉類」の棚はかなり空になっていまして、ここに来て、何かの報道でもあったのかどうか知らないですけれど、また急激にパニック買い的なことが起きている面もあるようです。

このような身近な変動はともかくとして、昨日、食糧農業機関(FAO)、世界保健機構(WHO)、世界貿易機関(WTO)の 3つの国際機関の各事務局長が、「各国が協調しなければ、食糧危機の発生を防ぐことができなくなる」という共同声明を発表していました。

それを取り上げていた海外の報道をご紹介したいと思います。

現在、国境の封鎖や移動の制限により、農業は生産から流通までが「破壊」されつつあるようで、また、いくつかの食料生産国は、食物の輸出禁止措置を打ち始めています。

新型コロナウイルスの流行が始まった頃、アフリカや南アジアでは、イナゴ(サバクトビバッタ)のかつてない大群が発生し続けていることなどを含めて、「食糧危機が近いのかも」というようなことで、以下の記事を書いたのが、2月18日でした。

「大惨事」:東アフリカの過去数十年で最大のイナゴの発生で国連は悲惨な警告を発する
'Catastrophe': Huge locust swarm triggers dire warning amid biggest outbreak for decades in East Africa
Independent 2020/02/12

ウガンダ政府は、地域として過去数十年間で最悪のイナゴの侵入と闘うために軍隊を投入した。

国連は、このイナゴが大災害となる可能性について警告している。

ウガンダでイナゴの大発生が最初に見られた後、政府の緊急会議は、農薬を通して作物を保護する努力を支援するために軍隊を使用することを決定した。 また、飛行機を使用して、空から農薬を散布する。

イナゴの大群はすでにケニアで過去 70年で最悪の農作物の被害を与えている。大群は、エチオピアやソマリアなど、東アフリカの他の国々にも脅威をもたらしている。

国連によると、平均 4000万匹のイナゴの大群が 1日に 150 km移動し、3400万人を養うのに十分な食物を破壊するおそれがあるという。

ちなみに、今現在、すでにアフリカでは「 2億人以上が飢餓で苦しんでいる」ことが報じられています
2020年2月9日の報道より
239-million-hunger.jpg

アフリカでは、すでに大変な数の人たちが飢餓に陥っている中、東アフリカを中心として「過去最悪のイナゴによる農業被害」が起きているのです。

しかも、国連や専門家の予測では、初夏までにイナゴの数は今の何倍にもなるとしていまして、場合によっては、アフリカの飢餓の状態が過去にないほど激しいものとなる可能性があります。

過去と違うのは、そのような事態を援助していた主要国にも「食料不測の気配が漂い始めている」わけです。

しかし、この記事を書いた時には、そのような危機が来るにしても、夏以降とか、つまり、ゆっくりと影響が出てくるのだろうと思っていましたが、現実には「いつ始まっても、おかしくない状態」となっています。

この原因は、各国が無分別に続けている封鎖と移動の制限にあり、これが続く限り、食料生産と供給チェーンがすべて崩壊の危機に直面する可能性があることを報道は伝えています。

記事をご紹介します。

コロナウイルスの影響で世界は食糧危機に直面する可能性がある
Coronavirus impact: World could face food crisis
siasat.com 2020/04/01

各国政府の当局者たちが、進行中の新型コロナウイルス危機を適切に管理できなかった場合、世界的な食糧不足が発生する可能性があることを 4月1日に、食糧農業機関(FAO)、世界保健機構(WHO)、世界貿易機関(WTO)の 3つの国際機関の代表が警告した。

国際貿易、食品サプライチェーンの減速

各国政府の多くが、新型ウイルスの蔓延を遅らせるために、自国において国家封鎖あるいは都市封鎖(ロックダウン)の措置を実施している。しかし、これが、国際貿易と食物供給システム(サプライチェーン)における深刻な減速をもたらした。

一方、封鎖された都市で孤立した人々によるパニック買いは、多くの国でスーパーマーケットの棚を空にしており、どのような国であっても、すでに食糧サプライチェーンの脆弱性が示されている。

国連食糧農業機関(FAO)長官の屈冬玉(チュー・ドンユィ)氏と、WHO 事務局長のテドロス・アダノム氏、そして世界貿易機関(WTO)事務局長のロベルト・アゼベド氏の三者は 4月1日に署名した共同文書で「食糧の入手可能性に関する不確実性は、輸出制限の波を引き起こし、世界市場に不足をもたらす可能性がある」と述べている。

そして、これはすでに具体的な状況となって現れている。たとえば、2007年の世界金融危機後、コメの大生産国であるインドとベトナムは、予想される価格上昇を防ぐために輸出を制限した。その結果、コメの価格が高騰したため、途上国のいくつかの地域では食糧暴動が発生した。

そして、今、ベトナムはまたコメの輸出を禁止する法令に署名した。少なくとも、3月28日までは、ベトナムは海外へのコメの輸出を許可しない。

また、小麦の主要輸出国であるカザフスタンは、3月初めにソバ、ライ麦粉、砂糖、ニンジン、ジャガイモの出荷を禁止した。

現在、ロシアの当局者たちが小麦の輸出を制限しているため、国際機関のこの警告は、主にロシアに向けられている可能性がある。

食品のサプライチェーンを混乱させてはいけない

国際機関の共同声明は、「 COVID-19 の封鎖の中、特に食糧不足を回避するために、貿易が可能な限り自由に流れるようにあらゆる努力を払わなければならない」と述べている。

共同声明は、「各国の国民の健康と福祉を保護するために行動するとき、各国は貿易関連の措置が食糧サプライチェーンを混乱させないないように行動するべきだ」と付け加えた。

封鎖対策と移動の制限は、長期的には、農業労働力が利用できないことと食品を市場に届けられないことにより、農業生産の混乱を引き起こすリスクがある。

「農業や食品業界の労働者の移動の制限、食品容器の配達遅延の拡大などの混乱は、生鮮食品の腐敗や食品廃棄物の増加をもたらす」と 3人の事務局長は述べた。

今回の国境の閉鎖は、主要国のいくつかの国で、作物を生産するために外国人労働者たちにどれだけ依存しているかを明らかにした。

危機の始まり

たとえば、アメリカは、現在、メキシコからの季節農場労働者の不足により、多くの作物の生産が危険にさらされている。

西ヨーロッパでは、北アフリカと東ヨーロッパからの労働者の不在が同様の結果を生み出す可能性がある。

これは、解決策がすぐに見つからない限り、深刻な事態を招く可能性がある。

食糧農業機関の上級エコノミストであるアブドルレザ・アッバシアン氏は「私たちはこの危機の始まりに立っているに過ぎません」と述べ、特に生産そのものより、輸送と物流の問題が大きいという。

アッバシアン氏は、現在、インドの状況を注視している。全土の封鎖が、さらに 2週間にわたって続いた場合、何が起きるか。インドは、人口の規模が大きく、また輸出国としての重要な役割を持っており、今後のインドの状況は大きな影響を及ぼすと確信している。

「農作物の収穫は、あと数週間内に始まります。その際において、農作物の流動的な動きが保証される必要があるのです」とアッバシアン氏は、電話インタビューで AFP に語った。

国連食糧農業機関、WHO、世界貿易機関の指導者たちはまた、多くの人たちの健康のために、食品の生産、加工、流通に従事する従業員を保護し、食品のサプライチェーンを維持する必要性を強調した。

イタリアとフランスでは、スーパーのレジの人々の多くが新型コロナウイルスに感染し、それらの店舗では、スーパーの労働者たちを保護する手段と設備の不足に対してのストライキが行われた。

アメリカの上級階級向け食料スーパーマーケットの「ホールフーズ・マーケット」も営業の停止に直面している。

ここ数年は、アメリカの国際協力が機転をみせ、ドナルド・トランプ大統領は国際協定や制度を利用し、貿易戦争をたびたび起こしている。

しかし、国際機関のトップたちは、新型コロナウイルスと戦うための対策によってもたらされる食糧不足を回避するために、各国が協力する必要があると述べた。

ここまでです。

基本的には、以下のふたつの問題が重なっているようです。

・移動の制限によって、物流に混乱が起きている
・多くの主要国が、農業労働力を外国人に頼っていたため、国境の封鎖によって、その労働力が失われ、農業自体が立ち行かない


なお、国連食糧農業機関は、4月から 5月にかけて混乱が起きる可能性があると声明で述べています。
アメリカの CNBC は、今後のアメリカの食料供給の見通しについて、

現在のところ、アメリカでの食料供給は十分であり、混乱は最小限に抑えられている。しかし、FAO によると、価格の急騰は、十分に供給されている主食よりも、肉や生鮮商品などの高価値製品で起きる可能性が高いという。 (CNBC)

と記しています。

現在、世界の主要国の多くは、コメや小麦などの備蓄は大量にあるため、主食が手に入らなくなるというようなことはすぐには起きないでしょうけれど、今後、生鮮品などの価格が影響を受けてくる日も出てくるのかもしれません。

また、アメリカでは「農業の経営そのもの」が危うくなっている生産者が多いことを 米 CNBC は以下のように伝えています。

昨年のアメリカでは、米中貿易戦争により多くの農民が廃業した。

その後、農地が洪水に破壊され、記録的な低い収穫だった農家が多い。そして夏には、猛烈な熱波がアメリカ中西部の作物の成長を妨げた。

現在、新型コロナウイルスのパンデミックは、すでに脆弱になっているアメリカの農業経済に新たな打撃を与えており、パンデミックにより作物や家畜の価格が下落し、農家は突然の労働力不足に苦労している。

アイオワ州で農業を営むロブ・エウォルト氏はこう語った。

「私たち農家の多くは、新型ウイルスの問題以前に極端な財政的圧力にさらされていました。そして、ウイルスによる作物価格の下落にとどめを刺されたのです」

「(昨年の農業の状況がひどかったために)私たちの多くは今年に希望を抱いていました。しかし、ウイルスが私たちの業界をすべて止めてしまいました」 (CNBC)


このように、現在のアメリカ、そして多くの国々では、「農業の生産自体が停滞している」上に、生産された貴重な作物も「輸送に混乱が起きている」ことで、正常な流通になっていないようで、今後、封鎖と移動の制限の措置が拡大すれば、さらに混乱は大きくなっていくと思われます。

なお、中国語報道の NTD は、4月1日に中国湖北省のいくつかの街で、「穀物と石油のパニック買いが発生し、当局は、噂の流布の禁止と店舗の閉鎖を命じた」と報じています。

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これも、先ほどご紹介したことと関係していまして、国連などの食糧危機の声明や、いくつかの国が食糧輸出を禁止したというような報道を受けて、

「世界最大の食糧輸入国の中国で食糧不足が発生するのではないか」

という「噂」が中国各地で流れ、それによりパニック買いが発生したようです。

なお、国連などは「各国が協調して対応するべきだ」というように言っていますが、今、そのような余裕のある国がそれほどあるとは思えません。

そもそも、思考的に余裕があれば、「極端な封鎖対策と移動の制限政策は食糧生産を破壊する」ことを想定できたと思うのですが、結果として、おそらく、すでに取り返しのつかない局面にまで来ている可能性があります。

流通に関わる経済にしても、多くの農業生産者たちの経済そのものについても、すでにあまりにも破壊され過ぎていて、今後の見通しは立ちにくい状況のようです。

この後、各国の封鎖と移動の制限がいつまで続くのかによって、あるいは、イナゴの発生状況やアフリカ豚コレラの発生状況などによっては、かつて経験したことのないような世界全体規模での食糧危機も起こり得る雰囲気となってきています。

最終更新:2020/04/07 20:44

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