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日別記事一覧

2019/11/08 18:28

アメリカで農家の破産が増加中。しかも農業従事者たちは46兆円という過去最大の借金を積み上げており、「農家の破綻の連鎖」の一触即発状態に

2019年9月までに連邦破産法を申請した農家の地域ごとの昨年比
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記録的な気象に貫かれた1年の中で

米国最大の農業圧力団体「アメリカ・ファームビューロー連合 (AFB)」が、今年のアメリカの「農家の破産」が、前年比で夥しく増加していることを発表していました。

アメリカで破産した農家の数(アメリカ合衆国連邦破産法が申請された数)は、9月までに 580件にのぼり、前年比で 24%の増加だそうです。

遡れば、今年のアメリカは、春までの激しい寒波から中西部などの大洪水によって、作物の植え付けが大幅に遅れ、トウモロコシや大豆などにおいて収穫量の不足が予測されていました。これは、6月の以下の記事で取りあげています。

アメリカでのトウモロコシと大豆の歴史的な収穫不足が決定的に。納豆、豆腐、油揚げ…日本の国民食の根幹の大豆はそのほとんどがアメリカからやってきていて

2019年6月24日
アメリカ農業の危機を報じるブルームバーグの記事より
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2017年の日本の大豆の国内生産と輸入状況
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毎日、納豆を食べる私に迫る危機

今年は、春の早い段階から、主に気象の問題による「農業への影響」がかなり強く出ていることを、例えば以下のような記事を含めて、何度か取り上げさせていただいたことがあります。

世界的な食糧危機がやってくる フランス、アメリカ、オーストラリアなど農業輸出大国で記録にないような甚大な被害が進行していることが明らかに

2019年5月23日
凍結して収穫不能となったフランスのトウモロコシ
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記録にない地球規模の農作物被害

世界各地で深刻な農業被害が起きていることを、アメリカのメディアが特集していまして、その記事のすべてに報道へのリンクがつけられていましたので、今回はそこで取り上げられていた「世界各地の農業被害」についてご紹介させていただこうと思います。

最初に書いておきますと、その破壊の規模は「すさまじい」ものです。

取り上げられていた国は、

・フランス
・オーストラリア
・イタリア
・メキシコ
・北朝鮮
・アメリカ
・アルゼンチン

です。北朝鮮は別として、他の国はどの国も「果実を含む農作物を大規模に輸出している農業大国」となるわけで、それらの国で、このようにいっせいに大規模な農業被害が発生するというのは、記録にもないのではないでしょうか。

穀物の大輸出国であるオーストラリアなどは、今年は、「穀物を輸入する」事態となったほどです。

長くなるかもしれないですので、始めたいと思います。

フランス 記録的な寒波で農作物に甚大な影響

まず、フランスの状況からです。

フランスという国は、トウモロコシの輸入で世界第3位であることを始め、ブドウ生産などを含めた農業大国ですが、そのフランスで、トウモロコシとブドウ畑が、異常といっていい寒波の中で甚大な影響を受けています。

以下が報道です。

フランスで寒波が続く中、種まきがさらに遅れる
electroverse.net 2019/05/17

フランスでのトウモロコシの種まきは今週(5月第3週)も再び停滞している。

中央ヨーロッパ諸国は、気温が低い状態が続いているために、多くの国や地域で農作物の種まきが遅れている。

フランスでは通常、4月下旬から 5月上旬は、植栽と種まきが始まる重要な時期だが、今年は残酷なほどの寒波がとどまり、多くの地域で農作業が始められていない。

フランスは世界第 3位のトウモロコシ輸出国であるため、この収穫の遅れや、おそらくは収穫量も大幅に減少するであろうことは、フランス国内の問題に止まらず、世界市場に大きな影響を与えることになるだろう。

フランスでは、ここ 4週間ほどの間、広い範囲で深刻な霜が広がっており、農家は霜の被害を受けやすい作物を保護するために、定期的に畑や果樹園で大規模な焚き火をおこなっている。

5月6日には、フランスで 1979年以来最も寒い 5月の朝となり、気温は平均 2.5℃だった。

この中央ヨーロッパの低い気温は、今週やや落ち着くが、来週(5月の第4週)には、冷たい大気が中央ヨーロッパに降りてくると予想されており、この異様に低い気温は、5月いっぱい続くと見られている。


ここまでです。

>定期的に畑や果樹園で大規模な焚き火をおこなっている。

という「焚き火」は、フランスのぶどう園などで、寒波の際に行われることがあり、最近では、 2017年におこなわれていたはずですが、「焚き火」というのんびりとした響きとは違い、大変な大規模なものです。

作物を霜の被害から守るためのフランスでの大規模な焚き火
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このように農地全体で火が焚かれ、そして、火が焚かれるのは、気温が下がる夜間であるために、フランスの農業地帯では「大地が燃え上がる」ような状態が続いています。

オーストラリア 穀物の一大輸出国が輸入に転じる

オーストラリアが十数年ぶりに海外から穀物を輸入する事態に

ABC News 2019/05/15

オーストラリアの農業省は、カナダからの小麦の輸入許可を承認した。これによって、2007年以来の外国産の穀物の輸入に踏み切ることになる。

オーストラリアの卸売り業者マニドラ・グループは、加工品にカナダの小麦粉を使用すると発表した。同社によると、オーストラリアでの 116年ぶりの最悪の干ばつにより、オーストラリア産の高タンパクの小麦が不足しており、小麦製品の加工を続けるには、カナダ産の小麦を使用するしかないという。

オーストラリアの農業大臣は、「小麦の輸入はこれが初めてではなく、以前にも干ばつで穀物を輸入したことがある」と説明するが、小麦輸入に反対の立場を取る人たちからは以下のような発言がある。

「オーストラリアのような巨大な農業国が穀物を輸入するという事実をすべてのオーストラリア人は懸念すべきだ」

極端な干ばつがオーストラリアの東海岸の収穫を荒廃させ、穀物の国内価格を押し上げたために、輸入についての憶測は、この数カ月間繰り返されていた。当局のスポークスマンによれば、オーストラリアでは、1994 - 95年、2002 - 03年、および2006 - 07年にも、数カ国からの穀物の輸入を承認したことがあるのだという。

今回の輸入の許可は、キャノーラ、小麦、トウモロコシに適用される。


イタリア ほぼ全土的に雹と洪水で農業は壊滅的な状態

次はイタリアの話ですが、昨年以来、地中海の周囲の国では非常に気象が荒い状態が繰り返して起きていまして、今の季節の段階で、このような雹や洪水の影響を受けているということは、気象が本格的に荒れるシーズンとなるこれからは、さらに同じような事態が発生していく可能性は高いと思われます。

それは、トルコやギリシャなどを含めて、地中海周辺の農業国すべてに当てはまることのようにも考えます。

イタリア:洪水、雹、そして悪天候が果樹園や農作物に影響を与えている
freshplaza.com 2019/05/14

5月12日にイタリアのバジリカータ州とプーリア州で激しい雹嵐が記録され、その後、雹と雨とが混ざった「水爆弾」が、同じ地域に影響を与えた。この悪天候による果樹園の果物や、スイカ、ブドウなどの被害の拡大が懸念されている。

翌日には、エミリア・ロマーニャ州のいくつかの地域が、非常に激しい雨に見舞われ、河川の氾濫により洪水が発生し、桃、アプリコット、ネクタリンを含む果物が浸水により腐敗し、出荷できる状態ではなくなった。

これらの雹や洪水などにより地域の果物の 70%以上が失われたと考えられる。この地域の経済の礎石が農業であることを考えると、驚くべき被害といえる。

さらには、イタリアのプーリア州も大雨により、サクランボなどで最大で 50%の収穫が失われ、チェゼーナ州でも洪水で農作物の多くが失われた。

ラヴェンナ県も大雨により河川の氾濫が発生し、農作地が被害を受け、また、桃の木が長く水没してしていて、桃の木が枯死する地域が出る可能性があるという。


メキシコ 干ばつでユカタン半島のほぼすべての作物が消失
続いて、メキシコです。

これまでは、寒波や洪水による被害でしたが、メキシコでは、記録的な干ばつが進行しています。

メキシコのユカタン州における壊滅的な干ばつ。雨不足のために収穫の大部分が失われた
freshplaza.com 2019/05/17

ユカタン州での干ばつが厳しさを増している。同州には灌漑インフラがないために、3,000人以上の農業生産者たちが作物の収穫をすることができなくなった。

この干ばつに対して、メキシコ農地開発省から公的な支援がなかったために、状況はさらに悪化している。

これまでのところ、当局は、農業生産者たちに経済的補助や肥料、種子、電気資源などの重要な手段を提供していない。

生産者の代表は、当局による公的支援の欠如がユカタン州での生産者たちの破滅を引き起こしていると述べ、この壊滅的な干ばつに対して、農地開発省に対して、作物と果物の被害に対しての公的な支援を要求すると述べた。

ユカタン州農業連盟の代表は、現在の干ばつが長引いた場合、ユカタン州の収穫のほとんどが失われてしまい、農業州であるユカタン州が、他の地域から食糧を輸入しなければならないことになるだろうと述べている。

など

その中でも、食糧品の超輸出大国のひとつであるアメリカは、特に中西部を中心に洪水によって農作地が壊滅的な影響を受けたことが伝えられました。

その後も、アメリカ中西部での大雨は断続的に続き、主力農産物のひとつであるトウモロコシなどが「植え付けできない」状態が拡大しています。

そして、最近、米ブルームバーグなどの調査で、この記録的ともいえる植え付け不能の状態が、「大豆」にも広がっていることがわかりました。

そして、輸入大豆の大部分がアメリカ産。
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「豆腐は日本の国民食」とか「納豆は東日本の心」とかいうようなことを、いくら言ってみたところで、すでに今の日本は「自力では、豆腐も納豆もほぼ作ることができない」という状況なのが現実です。

この状況はずっとそうですから、今後もそうなのだと思いますけれど、「大豆だけは何とかならんのか」と昔から思っています。

大豆を原料とした日本特有の食べ物がどれだけあることか。

輸入大豆の大部分がアメリカ産と、先ほど書きましたけれど、そのアメリカで、トウモロコシに続いて、大豆の植え付け状況も、「過去最悪級」となっていることが報じられています。

今回は、その状況について、ブルームバーグの記事やアメリカ農務省などの資料をまとめた、アメリカのブログ記事を翻訳したいと思います。

現段階では、日本に対して、どの程度の影響になるかはわかりません。

しかし、すでにアメリカの大豆の植え付け面積は平年より極めて低い上に、今後、仮に、夏の気候などに異常なことがあれば、さらに農作物の状況は壊滅的になる可能性もあります。

ここからです。

US farming crisis: It’s not only corn! American farmers now face the prospect of also failing to plant soybeans because of rampant rainfall
strangesounds.org 2019/06/21

アメリカの農業危機 : それはトウモロコシだけではない。アメリカの多くの農家が、雨のために大豆の植え付けに失敗するという見通しに直面している

今年のアメリカは、記録的な数のトウモロコシの植えつけができない農場の面積が記録されている。そして今、アメリカの多くの農家は、雨のために大豆の植え付けにも失敗する見通しに直面している。

トウモロコシ関連産業について

イリノイ州で 1957年からトウモロコシの栽培をおこなっているマッキューン氏は、「この時期にトウモロコシの高さがこの程度だとは考えもしなかった」と言い、手で腰のすぐ下あたりを示した。

イリノイ州は、アメリカで2番目にトウモロコシの生産量が多い土地だが、今年は、あまりにも条件が悪く、そのため、農家の人々の士気も著しく低い。この日、マッキューン氏を含む地元の 125人の農家の人々が、地元のレストランに集った。

農作物の生産者たちが直面している逆風の要因は複数ある。

記録的な大雨がアメリカ中西部を浸水させ、ミシシッピ川の交通を奪った。これらは、農家の人々が必要とする物資を引き入れるため、そして彼らが農作物を出荷するためのルートに極めて重要なのだ。

この春、トウモロコシの植え付けが失速したため、6月の報告書でアメリカ農務省は、今年のトウモロコシの収穫予測を引き下げることを余儀なくされた。

マッキューン氏と他の農家の人々は、今年のトウモロコシの収穫が、どれほど悪いものになるかについてのアメリカ農務省の報告書はまだ完全に把握はしていないと述べた。

マッキューン氏によれば、現在まで、彼の 2500ヘクタールの農場の面積のうち、まだ 380ヘクタールしか植え付けできていない。悪天候が原因だという。

同じイリノイ州で農家を営むスネッチャー氏は、トウモロコシの植え付けを行ったが、「それは戦いだった」と述べる。

「1週間かけて植え付けをした。そうしたら、その3日後に激しい雨に見舞われ、結局その1週間後には、はじめから植え付けをやり直すしかなかったんだ。今年は、大雨の泥に対処することにうんざりしているよ」

大雨以外にも、農家の人々で、ドナルド・トランプ大統領による中国との貿易戦争を非難している人も多い。しかし、マッキューン氏とスネッチャー氏は、トランプ大統領を支持しており、彼らはむしろ、アジア諸国による不公正な取引慣行が問題だと述べる。

イリノイ州タンピコで農家を営んでいるウェッツェル氏は、トウモロコシ生産地帯の影響は長く続くだろうと警告する。ウェッツェル氏は、およそ 400ヘクタールの畑のうちの 75%に植え付けすることができたが、しかし、彼は次のように言う。

「正常な状態に戻るには、2年から 3年の歳月が必要だろう」

1000ヘクタールの農場を営むクリステンセン氏は、今年はふだんの収穫量の 3分の1さえ植えることができなかったと述べる。

先祖がドイツからアメリカに移住して現在に至るコスター氏は、イリノイ州の一部の農家は、この深刻な状況を乗り切ることができなかったと語る。

「この小さな町では、農業の影響がすべてに波及するんだよ。肥料の事業、種子の事業、農作機械の事業、輸送、エレベーター関係、すべてが農業に依存している」

大豆関連産業について

深刻な農作状況に陥っているのは、トウモロコシだけではない。アメリカの農家は現在、あまりにも降雨量が多いために、大豆の植え付けにも失敗する見込みに直面している。

アナリストの平均推定によると、大豆の生産者たちは 89万ヘクタールという広大な面積で大豆の植え付けができなかったとして、保険会社に保険金の請求をおこなうと予測している。

トウモロコシについては、19人のアナリストの調査によると、大雨や洪水など自然の状況により植え付けができなかった農地面積は、総計 270万ヘクタールとなっていた。

これは、5月30日にブルームバーグがおこなった世論調査の平均値である 240万ヘクタールから増加している。

なお、アメリカの過去 1年間は、過去 125年の記録の中で最も雨が多かった。アメリカ農務省が、平年より早い時期に、トウモロコシの予想収穫量を引き下げたのは、ここに理由がある。

大豆についても、7月11日に発行されるアメリカ農務省の月例報告で、予想収穫量が引き下げられる可能性がある。

人工知能と機械学習を使用して農業を分析する企業 Gro インテリジェンス社の最高経営責任者(CEO)サラ・マンカー氏は次のように述べている。

「予測は現時点でも良くありません」

今年の雨の見通しは、農作物の損失や収穫時の価格の下落をカバーする保険契約の植え付け期限に間に合わなかった。

Gro インテリジェンス社の上級アナリストは次のように述べる。

「農家の方々は、トウモロコシを植えることができませんでした。そして今は大豆を植えることができていません。作物の植え付け面積の減少のリスクが最も大きい地域としては、イリノイ州、インディアナ州、アイオワ州、ミネソタ州、サウスダコタ州があります」

「長い大雨によって荒れた畑が乾燥するまでには、かなりの時間がかかります。乾燥するのを待つあいだに、植え付けできる期間が終わってしまうのです」

ここまでです。

なお、このアメリカ中西部の今後の中長期の気象予測は「 7月は冷夏」ということになっています。

そして、雨が多い状況はさらに続くと予測されています。

以下の図は、アメリカ海洋大気庁 (NOAA)による今年 7月のアメリカの降水量の予測です。「緑」は、平年より雨が多い予測であることを示します。

そして、この緑の地域こそ、今回ご紹介した記事に出てきた地域です。

NOAAによる2019年7月の米国の降水量予測
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また、この地域は、気温もとても低くなる予測が出されていて、つまりは、

・寒い7月
・日照の少ない7月
・雨の多い7月


ということになっていまして、場合によっては、再度の洪水などもあり得ないわけではなさそうです。

日本の農作の状況も、地域によってはなかなか厳しくなっているようで、読売新聞の報道には、以下のような話も出ていました。

「田んぼを50年以上やっているが、6月半ばでまだ田植えができない年は初めて。収量はせいぜい平年の半分程度だろう」。12日、矢吹町のコメ農家高久正美さん(72)は、ようやく水が流れ込んできた水田を見つめ、無念そうに語った。

矢吹町やJA夢みなみによると、田植えが遅れているのは同町東部の沢尻地区など4地区の約3ヘクタール。まだ水を張れてもいない田もある。


というように、

> 50年で初めて

というような状況になっている場所もあるということで、日本も、地域によっては厳しい状況のところも出ているのかもしれません。

全世界的な農作の危機というものが拡大している気配がさらに強くなっています。

聖書のヨハネの黙示録には、以下のような下りが出てきます。

新約聖書「ヨハネの黙示録」 06章06節

すると、わたしは四つの生き物の間から出て来ると思われる声が、こう言うのを聞いた、「小麦一ますは一デナリ。大麦三ますも一デナリ。オリブ油とぶどう酒とを、そこなうな」。


そして、今度は、10月になると、平年とはまるで違う規模の「大寒波」に見舞われる地域が多くなり、やはり作物の収穫が厳しくなっていると思われます。

前の以下の記事で取りあげさせていただいています。

ミニ氷河期の渦中のアメリカ 観測史上最低の気温が次々と更新され、各地で100年来の早い降雪に。その影響で全米各地で農作物の収穫が完全に停止

アメリカの異常な寒波を報じる2019年10月30日のUSA トゥディ
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このあたりの流れからは、今年の集計が終わった 9月より後に、さらに深刻な影響が明らかとなってくる農家の数は増えるのだと思われます。

気象や自然災害による農作物の損害に対しては、基本的には保険が支払われますので、損害そのものはカバーできるとしても、今のような「破産の連鎖」に至った理由のひとつとして、アメリカファームビューロー連合の報告にあった、以下のグラフがあるように思います。

それが示すのは、農家の世帯の「債務」つまり借金の増加です。下のグラフは、アメリカの農家の借金の満期(返済期間)の推移で、どんどん長くなっていることがわかります。

アメリカの農家の債務返済の満期(月)の推移
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赤いラインの「農家のすべての種類のローン」は、1980年頃には、債務は平均 6ヵ月くらいで返済されていたものが、2017年には、返済するのに平均 16ヵ月と 1年以上かかっています。

これは普通に考えれば、「農作期間の1サイクルで返済し終えていない」ということになり、しかも、アメリカ・ファームビューロー連合の報告では、低金利のために、農家の人たちは以前よりも借金がしやすくなっているため、農家の債務は段階的に増加しているのだそう。

2019年のアメリカ農家の債務の合計は、4160億ドル(約 46兆円)となる見込みだそうで、比較してみますと、ノルウェーあたりの GDP と変わらないような額となっています。

このように過度に肥大した債務と、現在の気象状況、そして農家の高齢化、などを考えると、アメリカも農業の未来は明るいとは言えないかもしれません。

農家の高齢化というより「アメリカでは農業人口自体がおそろしく減少している」ということがあり、こちらの過去記事で以下のグラフをご紹介したことがあります。

1840年から2000年までのアメリカの「全労働者に対しての農業従事者の割合」
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現在のアメリカは、農家の平均年齢が 58歳であり、さらには、全体の3分の1が 65歳以上という高齢化にも見舞われています。

農業人口の減少と農家の高齢化は、日本はもっと深刻でしょうが、アメリカの場合は、

「他の国の食糧事情への影響が極めて大きい」

ということが問題でして、アメリカの農業が苦境に陥るようなことがあれば、影響は世界に迅速に広がっていくと思われます。

アメリカは、そういう人的な不足などの現実を補うためもあり、大規模生産のために、さまざまなテクノロジーを用いています。

遺伝子組み換えや、強すぎる除草剤、殺菌剤、防かび剤の使用などもそうでしょうけれど、そして、それらはそれらでいろいろと問題を起こしているものでもありますが、次第に、

「そのようなテクノロジーを用いても対抗できない気象が定着しつつある」

というようにも言えなくもなく、そして、そのような中、農家の方々は、どんどんと借金を増やしている・・・という図式でして、相当危うい感じがいたします。

拡大している気配がさらに強くなっています。

聖書のヨエル書(口語訳)第1章15-20には、以下のような下りが出てきます。
15 ああ、その日はわざわいだ。主の日は近く、全能者からの滅びのように来るからである。
16 われわれの目の前に食物は絶え、われわれの神の家から喜びと楽しみが絶えたではないか。
17 種は土の下に朽ち、倉は荒れ、穀物がつきたので、穀倉はこわされる。
18 いかに家畜はうめき鳴くか。牛の群れはさまよう。彼らには牧草がないからだ。羊の群れも滅びうせる。
19 主よ、わたしはあなたに向かって呼ばわる。火が荒野の牧草を焼き滅ぼし、炎が野のすべての木を焼き尽したからである。
20 野の獣もまたあなたに向かって呼ばわる。水の流れがかれはて、火が荒野の牧草を焼き滅ぼしたからである

聖書のゼパニヤ書(口語訳)第1章2-3には、以下のような下りが出てきます。
2 主は言われる、「わたしは地のおもてからすべてのものを一掃する」。
3 主は言われる、「わたしは人も獣も一掃し、空の鳥、海の魚をも一掃する。わたしは悪人を倒す。わたしは地のおもてから人を絶ち滅ぼす」。


「食糧」という根幹の問題について、この先、10年くらいのあいだに、ものすごく大きな問題が明らかになってきそうな感じはあります。

アメリカ・ファームビューロー連合の報告をご紹介して締めさせていただきます。

Farm Bankruptcies Rise Again
American Farm Bureau Federation 2019/10/30

農家の破産数が再び上昇

連邦破産法申請は前年比で24%増加
アメリカ合衆国農務省 (USDA)は、2019年の農業収入を 880億ドル (9兆7000億円)と予測している。これは、2014年の 920億ドル (10兆1000億円)以来の最高の純農業収入だが、2013年の最高記録をまだ 29%下回っている。

さらに、その農業収入の約 40%(合計 330億ドル / 3兆6000億円)は、貿易援助や災害援助、そして農場手形や保険の補償と関連しており、農家や牧場主は、今のことろまだ完全には受け取っていない。

実際、以前の報告で述べたが、地価や賃料そして債務などから総合的に判断すると、アメリカの農業経済指標は実際には落ち込んでいる。

さらに、2019年の農家の債務は、過去最高の4,160億ドル (約46兆円)になると予測されている。内訳は、不動産債務が 2,570億ドル(25兆円)で、非不動産債務が 1,590億ドル(17兆円)となっている。

連邦準備制度のデータによると、この債務の返済条件は、さまざまな分野で過去最高を記録した。

すべての非不動産ローンの平均満期は 15.4か月、家禽農家の平均満期は 13か月、その他の飼育動物農家の満期は 18か月と過去最高を更新している。これは簡単に言えば、農家は借金を返済するのに以前より長い時間がかかっていることを示す。

歴史的な低金利のために、この傾向が容易となった。

連邦破産法による破産の増加
過去最高の借金と返済期間を延長する農家が増えたことで、連邦破産法による農家の破産が依然として増え続けていることは驚くには当たらない。

裁判所のデータによると、2019年 9月までの 12か月間で、連邦破産法による農家の破産は合計 580件となり、前年から 24%増加した。これは、2011年の 676件以来の最高レベルだ。

過去12か月間の破産率は、米国のすべての地域において前年に比べて高くなった。

農家の破産の 40%以上にあたる 255件は、アメリカ中西部 13州のものだった。中西部の破産は、前年度のレベルと比較して 13%増加し、過去 10年以上で最高レベルだった。中西部に続いて、南東部では過去 1年間に 118件の破産があり、前年比で 31%増加した。

これらの連邦破産法による破産の件数は、過去最悪だった 1980年代に経験した過去最大数を下回ってはいるが、この傾向が増加していることが懸念される。

2018年と 2019年に農家に提供された支援は、農家の経済的ストレスの一部を軽減すると予想されるが、すべての農家が、援助、農法案プログラム、作物保険または災害援助の恩恵を受けられるわけではない。そのため、農家の破産傾向に、財政的救済が現れるまでに時間がかかる可能性がある。

最終更新:2019/11/08 18:31

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2019/11/08 17:39

ロシアでこの秋はじめて「氷点下40℃」を記録した地点が登場。そして各地で、早くも超氷点下の象徴である光柱が出現中

2019年11月1日 ロシアのビリビノに出現した光柱。気温は -26℃
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アメリカやカナダ、北欧などをはじめとして、北半球の多くの場所で、時期としては異様に早い極寒や降雪が始まっています。

記事で取りあげましたように、アメリカでは、10月の終わりから、かつてない寒さの記録が各地で打ち立てられています。

アメリカ建国以来で最も寒いハロウィーンだったかもしれない2019年10月。全土の7000以上の観測地点で「低温の新記録」が樹立され、ミニ氷河期状態はさらに進行中

信じがたい気温と降雪に見舞われていた2019年10月のアメリカ
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そして、ロシアでも、通常より非常に早い段階で、厳しい寒さが訪れています。

下は、11月6日のロシア中部から東部の各地の最低気温です。

2019年11月6日のロシア東部の最低気温
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ロシア連邦サハ共和国の首都ヤクーツクでは、11月6日、最低気温が、氷点下 40℃に達しました。

その周辺も、-20℃、-30℃ といった気温の地域が多くありますが、この気温分布の場所は、地図ではおおむね以下のようになります。

気温表示の範囲とヤクーツクの場所
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この地域の多くは、冬になれば、非常に気温が下がる場所が多いですが、しかし、10月の終わりから 11月初旬に、このような気温になることは普通はあまりないと思われます。

ロシアでは、雪や凍結の様子が各地で見られ、またかなりの氷点下の気温でないと出現しない「氷柱」も、早くもロシア各地で観測されています。

以下の光柱は、おそらく、光源となっているのは夕陽の太陽光だと思われるのですが、かなり幻想的な光景となっています。

11月4日 シベリアのヤマロで撮影された光柱
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以下は、ロシアのビリビノという場所で 11月1日に撮影された写真で、この日、ビリビノの気温は -26℃まで下がりました。

ロシアのビリビノで凍結した樹木
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ヤマルの光柱
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ムルマンスクでは、11月4日に -20℃を下回り、そして、同時にオーロラも観測されたために、雪とオーロラによって以下のような、やはり幻想的な光景が広がりました。

11月4日 ロシア・ムルマンスク
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気温もある度を超えて下がると、むしろふだんは見ることのできない美しい光景を見せてくれるものでもあることがわかります。

しかし、その気温は多くの生き物には暮らしにくい環境でもあります。

最終更新:2019/11/08 17:39

2019/11/08 17:30

凍りついたニュージャージー州のクランベリー畑に見るアメリカの異常な寒波

2019年11月4日 凍りついたニュージャージー州のクランベリー畑
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アメリカが現在、桁外れの寒波に見舞われていることは、記事で取りあげたことがあります。

Record Low Temps Up To 50 Degrees Below Normal Threaten To Absolutely Wreck The Rest Of The Harvest Season
End Of The American Dream 2019/10/31

平年より最大で華氏50度も低い米国の記録的な低温の中で、収穫前の農作物が完全に破壊される可能性がある

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10月に、アメリカがこのような寒さに見舞われることは想定されていなかった。

アメリカの大部分の地域では、正式な冬の始まりまで、まだ 2か月近くあるが、西側の半分の大部分での天候は、今のところ、平年での 1月中旬に予測されるような気温や気象と似ている。

この極寒大気は、週末(11月2日)までに、アメリカ中西部にまで押し寄せ、予測では、ハートランドの気温は通常よりも最大 50度(華氏)低くなるが、この土地では残念ながら、まだトウモロコシの約半分が収穫されていない。

今年の初めは、前例のない降雨と極端な洪水により、多くのアメリカの農作家が、作物の植え付けの並外れた遅れに直面した。農家は、収穫シーズンの終わりに良い天候が続いて、作物が完全に成熟して収穫される時間が提供されることを望んでいたが、残念なことに、この季節に悪夢のシナリオが実現してしまった。

中西部では、すでにいくつかの地域で、モンスター的な暴風雪に襲われており、それに伴う記録的な降雪と低温が収穫期の残りの作物を完全に破壊する懸念が出てきている。

トウモロコシの場合、気温が数時間以上にわたって氷点下を大幅に下回ると、作物は完全に枯れるとされている。

そして今、その危機に直面している。なぜなら、全米のトウモロコシで、すでに収穫されているのは、全体の半分以下に過ぎないのだ。いまだに、半数以上のトウモロコシが収穫されていない。

実際、最新のアメリカ農務省(USDA)の作物進捗報告書には以下のように記されており、アメリカの全トウモロコシの 40%ほどしか収穫されていないことが示されている。

10月28日のアメリカ農務省の作物進捗状況の報告書より

アメリカ農務省は、10月28日の週次作物進捗報告書で、アメリカのトウモロコシの 41%の収穫が完了したことを報告した。これは、貿易の予測である 48%を下回っている。また、過去 5年間の平均 は61%であり、大きく下回っている。

トウモロコシの収穫に関して最も遅れているのは、ミネソタ州で、10月28日の時点で、22%しか収穫されていない。ミネソタ州の同時期の過去 5年間の平均進捗率は 56%だ。


この数字から「悪夢のシナリオ」という言葉が誇張でないことがおわかりかと思われる。

今週(10月最終週)のアメリカの気温は信じがたいものだった。

USA トゥディは、ユタ州では、氷点下 43℃に達した郡があったことを以下のように伝えている。

10月30日のUSA トゥディの報道より

氷点下の寒さに見舞われている地域が広がっており、10月30日には、ワイオミング州ビッグパイニーで、日の出前に -31℃まで気温が急落した。

ユタ州ピーターシンクスでは、30日の早い時間に、信じられないことに -43℃まで気温が下がった。ユタ州の気象学者ティモシー・ライト氏によると、これは、アメリカ本土 48州すべてにおいて、10月として観測史上最も低い気温だと思われると話した。


アメリカは各地が非常に寒い。特に、国の西半分のすべての場所が寒冷化しており、多くの都市で 10月としては史上最低の気温を記録した。

その例として、ウェザーチャンネルには以下のような記録が示されている。

アメリカの10月としての最低気温を更新した場所の一例 (摂氏)

・モンタナ州ボーズマン:-25℃(10月29-30日)

・ワイオミング州キャスパー:-22℃(10月29-30日)

・コロラド州グランドジャンクション:-11℃(10月30日)

・モンタナ州リビングストン:-24℃(10月29日)

・ワイオミング州ローリンズ:-28℃(10月30日)

・ワイオミング州ロックスプリングス:-21℃(10月30日)

・ソルトレイクシティ:-10℃(10月30日)


これまで、アメリカで 10月中にこのような気温が広範囲に出現したことはない。

コロラド州デンバーでは、3日間連続で、記録的な低温だったことを CBS が以下のように報じている。

10月30日のCBSニュースの報道より

デンバーの気温は、10月30日の早朝に -16℃ まで下がった。これは、10月30日にデンバーで記録された過去最低気温より 15℃も低い気温だ。10月30日には、さらに気温が低下すると見られている。


現在、アメリカでは、カリフォルニアで恐ろしい山火事が続いている。そのような中、アメリカの多くが経験したことのない寒さに震えている。今年のアメリカはずっと、このような奇妙で極端な気象に覆われている。

そして、今のアメリカの気候や気温を見る限り、この冬も極端な気候になると考えざるを得ない。

この寒さは、アメリカの「いつも暖かい都市」にも影響を与えている。たとえば、10月31日の朝、ニューメキシコ州のアルバカーキの最低気温は、 -7℃という記録的な最低気温となる予測が報じられた。

アメリカ国立気象局によると、ニューメキシコ州東部中央および南東部を含むアルバカーキ南部のある場所では、2月以外では、このような気温が観測されたことはないという。

しかし、この異常に冷たい空気がアメリカ西部に移動すると、実際の被害が発生する。USA トゥディによると、中央平野部に流れ込む上空の大気は「通常より 30〜 50度(華氏)低い」ことがわかっているという。

そのため、11月6日までの最高気温は、コロラド州、テキサス州および中央平原で平年より極端に低くなることが予測されている。

現在、アメリカ中西部の大部分は雪で覆われている。これにより、多くの農家が、作物を収穫することができなくなっており、そこに今度は壊滅的な寒気が流入してくる。

11月2日のアメリカの積雪の状況
snow-us-1102.jpg

多くの地域で作物の損失が深刻になる可能性がある。そして、現在世界の他の場所でも起きている気象の問題を考えると、そろそろ余裕がない時期が近づいているのではないだろうか。

農業は現在、高度な技術を用いているが、それにもかかわらず、農業は結局、天候に大きく依存する。これは、「私たちの食糧を作り出すのは天候」だという言い方でもいいのかもしれない。

これまでの段階で、今年はアメリカの農業に最悪の年となりつつあったが、記録的な寒波と異常に早い降雪は、アメリカの多くの農家にとって、致命的となる可能性がある。

そのアメリカのニュージャージー州から「凍結したクランベリー畑」の画像が投稿されていました。

投稿を読みますと、どうやら散水した後このようになってしまったようです。

frost-nj-crop02.jpg

なぜ散水したのだろうと思いましたが、このクランベリー畑のある地域は、「平年なら散水して当然の気候」だというこうになるのかもしれません。

それが今年は、散水した直後に、このようになってしまったと。
frost-nj-white003.jpg

ニュージャージー州は、ニューヨークと隣接している場所で、気温はニューヨークと同じ推移だと思いますが、この日はどのような気温だったかといいますと、以下のようになっていました。

11月4日のアメリカ東部の朝の気温
cold-temps-1104.jpg

この日の朝は、氷点下近くまで下がっていたようで、それと風などの影響によって、クランベリー畑は凍結してしまったようです。

なお、今後のアメリカの予想気温を見て見てみましたら、さらに寒くなっていくようでして、11月8日のアメリカの予想最高気温を見ますと、シカゴなどでは、0℃となっています。もう一度書きますけれど、「最高気温」です。

体感気温を見ますと、以下のように激しい寒さとなる予測です。アメリカでは気温の表示は華氏ですが、華氏では「 32度」が摂氏 0度となります。

つまり、32以下の気温が表示されている場所は、氷点下ということになりますが、今週、アメリカ東部のほぼすべてが氷点下の体感気温となるようです。

11月8日のアメリカの予想体感気温
wind-chill-1108.jpg

このような気温ですと、ニュージャージー州のクランベリー畑の例に見るように、農作物には厳しい状態となっていると考えられます。

そして、このような気温がアメリカの東部から中央部に広く拡大しています。

皮肉なことに、現在、アメリカで平年より気温が高い場所は、激しい山火事が続くカリフォルニア州などの西部だけとなっています。他は、平年より低いか、激しく低い状態です。

なお、アメリカと同じように、現在、北極からの大気の影響を受けている北欧やロシアでも、時期としての観測史上最低クラスの気温が各地で記録されています。

この寒波のアジアへの影響はまだ見られませんが、今後、この冷たい大気が北半球に拡大していけば、同じような状況も起き得るかもしれません。

最終更新:2019/11/08 17:30

2019/11/08 17:18

アメリカ建国以来で最も寒いハロウィーンだったかもしれない2019年10月。全土の7000以上の観測地点で「低温の新記録」が樹立され、ミニ氷河期状態はさらに進行中

信じがたい気温と降雪に見舞われていた2019年10月のアメリカ
freezing-us-flag2019.jpg

過去100年以上の寒波の記録が次々と更新される

先日、以下の記事で、10月下旬のアメリカの広い範囲で、非常に気温が低い状態と、季節外れの大雪が続き、「まるでミニ氷河期のよう」だというようなことを記しました。

ミニ氷河期の渦中のアメリカ 観測史上最低の気温が次々と更新され、各地で100年来の早い降雪に。その影響で全米各地で農作物の収穫が完全に停止

アメリカの異常な寒波を報じる2019年10月30日のUSA トゥディ
us-cold-2019oct.jpg

その後、11月に発表された NOAA (アメリカ海洋大気庁)の記録によれば、2019年10月のアメリカは、驚異的な「低温記録」が各地で更新されていたようです。

以下のように、実に 7000以上の観測地点で「同日としての最低気温が更新」されていました。

アメリカで10月の低温記録を更新した観測地点(7112カ所)
low-temps-oct2019.jpg

NOAA のデータを精査したこちらのウェブサイトによりますと、2019年10月のアメリカでの気温の記録は以下のようになっていました。

2019年10月のアメリカの気温の記録

・10月としての「低温」記録を更新した観測地点 7,112

・10月としての「高温」記録を更新した観測地点 1,605

・季節と関係なく、過去すべての低温の記録を更新した観測地点 61


このようになっていました。

高温の記録を更新した場所も 1600以上あるわけですが、しかし「低温の新しい記録」が作られた地点が 7000 以上あるというあたりを見ますと、

「この 10月においてのアメリカは、寒さが圧倒していた」

といえそうです。

ほとんどの記録は、10月下旬に観測されたものですが、しかし、まだ 10月だというのに、「その地点の過去のすべての観測記録を更新する低い気温」も 61カ所で観測されており、つまり通常なら、1月とか 2月くらいにしか示されないような「異様な低温」に見舞われた場所もあったようです。

10月の下旬というのは、ハロウィンのあるあたりの日でもあり、外に出るアメリカ人も多かったと思われますが、今年の 10月31日は「歴史的に寒いハロウィーン」となったようで、クリスマスあたりのイベントと大差ない気温の場所も多かったようです。

2019年10月31日のアメリカ各地の最低気温や降雪の状況

・コロラド州デンバー -13.9℃ (同日の低温記録を更新)

・カリフォルニア州サンディエゴ 6.7℃ (125年前の低温記録を更新)

・テキサス州ラボック -8.9℃(同日の低温記録を更新)

・ウィスコンシン州ミルウォーキー 積雪量 13.7cm(同日の積雪記録を更新)

・ウィスコンシン州マディソン 積雪量 9.9cm(102年前の積雪記録を更新)

・イリノイ州ロックフォード 積雪量 9.4cm(同日の積雪記録を更新)


他にもこういう場所がとても多かったようですが、10月下旬のアメリカにおいて、他に、低温の記録が立てられたものの中で際立つものについて、いくつかの報道やメディアからピックアップしたいと思います。

2019年10月30日-31日のアメリカ各地の気温の状況

・ネバダ州ユーレカで最低気温が -16.7℃に (131年前の低温記録を更新)

・ネバダ州マクダーミットで最低気温が -23.3℃に (同日の低温記録を更新)

・コロラド州ラマーで最低気温が -16.3℃に (同日の低温記録を更新)

・テキサス州ハスケルで最低気温が -7.8℃に (131年前の記録を更新)

・ワシントン州スポケーンで最低気温が 5.6℃に (100年前の記録を更新)

・ユタ州ピーターシンクスで最低気温が -41℃に(過去すべての低温記録を更新)

・ユタ州ソルトレークシティで最低気温が -10℃に (145年前の記録を更新)


この 10月30日から 31日に、アメリカで最も気温が低かったのは、上にもありますユタ州ピーターシンクスという場所での「最低気温 -41℃」ですが、これは、高所で観測された気温ですので、記録は非公式だそうです。

それでも、温度計にはそう示されていたわけで、高所とはいえ、10月に氷点下 40℃以下になるというのはなかなかのことです。

ヨーロッパでも、北欧などが記録的な寒さと大雪に舞われています。

60年ぶりに11月の積雪量の記録を更新したフィンランド (11月5日)
finland-snow-nov05.jpg

11月初旬にして上のような光景となっているフィンランドでは、地域によって、-28℃を下回る気温を記録し、観測史上もっとも低い気温が各地で記録されているようです。

ノルウェーでも、最低気温が -29℃に達している場所があり、また、トロムソでは 50cm以上の積雪が記録されています。11月初旬にトロムソで雪が降ったのは、過去 97年間で 1度だけだそうです。

あと、海外の気象サイトによれば、ロシアでも大変な雪の地域が出ているようで、11月が始まったばかりですが、「過去の 11月として最大の積雪」となっている地域が多くあるとのことです。

なお、アメリカにしてもヨーロッパにしても、実は、

「これからさらに気温が下がる」

と予測されていまして、ピークは今後数日くらいではないかと思われます。

その後のことはわかりません。

たとえば、先ほどのアメリカの記録のように、この 10月に「高温の記録」もいくつかの地点で観測されているわけで、単純に気温が高いとか低いとか言えるような予測は難しいです。

しかし現在、アメリカやヨーロッパを襲っているような「北極からの強烈な寒気」は、この数年、繰り返し、アメリカやヨーロッパなどに訪れるようになっていまして、今よりもっと冬が進んだ時に、この強い寒気がアメリカなどにやって来た場合には、「さらに壮絶な気温」が表示される可能性はあると思います。

何しろ地球の上空の大きな大気の流れや、そして海流などは、すでに大きく変化してしまっているのですから、気候に対する以前の予測はあまり役に立たないと思われます。

最終更新:2019/11/08 17:18

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