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日別記事一覧

2019/10/03 21:34

インドのモンスーンの洪水被害は死者数が1600人を突破。総雨量は過去25年間で最大に

2019年10月2日
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過去25年間で最大の雨量に

南アジアでは、雨季にあたるモンスーン・シーズンが続いていますが、今年のモンスーンの雨量が平年より飛躍的に多いこともあり、被害が拡大し続けています。

8月に以下の記事で、6月からのモンスーンでの洪水などによる死者数が、1100人を超えたことを取り上げました。

インドのモンスーンによる洪水の死者数が1100人を突破し、史上最悪規模を更新しつつある

2019年8月19日 インド・コルカタ市の光景
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今年のインドは、南アジアの雨季であるモンスーンの到来が遅れ、7月までひどい水不足と干ばつが続いていました。

ところが、7月中旬に、待望のモンスーンがやってきたと共に、一転して、インドは激しい洪水に見舞われることとなりました。

これにつきましては以下の記事でご紹介したことがあります。

インドとネパールが干ばつから一転してモンスーンの豪雨による大洪水に。1000万人が洪水の影響を受け、300万人が避難を開始

インドとネパールの豪雨被害を伝える2019年7月17日の報道より
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ほんの少し前まで、歴史的な水不足と大干ばつに見舞われていたインド、そして、ネパールが、モンスーンの雨季に入って以来、一転して、今度は歴史的な豪雨と大洪水に見舞われています。

その後もモンスーンの大雨が続いていましたが、8月21日に、インド国家緊急対応センター(NDMI)が発表した報告書によれば、モンスーンが始まって以来のインドでの死者数が、 1149人に達していることがわかりました。

インド 29州のうちの 9州で死者が出ており、死者の多かった州は、

・マハラシュトラ州 248人
・ケララ州 170人
・西ベンガル州 155人
・ビハール州 130人
・グジャラート州 107人


となっていまして、下にそれぞれの州の場所を示しましたが、洪水の被害が、ほぼインド東西南北の全域に広がっていることがわかります。

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水没したケララ州マラプラム地区
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モンスーンに入って以来、家から避難しなければならなかった人の数は、180万人に達しています。

避難する人々
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国家緊急対応センターなどによれば、インドの豪雨は、今後さらに激しくなることが予測されているようでして、被害はさらに拡大する可能性があります。

インドでモンスーンの際に洪水が起きること自体は珍しいことではないですが、最近数年は、被害が甚大になることが多く、昨年も大変な被害が出ています。

しかし、それでも、昨年の以下の記事で取りあげていましたように、2018年は、ほぼ同時期のモンスーンでの洪水による死者数は 800人以下でしたので、人的被害に関しては、今年のほうが大きな被害となっていると思われます。

モンスーンの豪雨によるインドでの洪水と地滑りによる死者数が774人にのぼっていることが判明。特にケララ州は前代未聞の大惨事に

2018年8月12日のアメリカの報道より
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2018年8月10日 洪水で破壊された村。インド南部ケララ州コーリコード
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インドのモンスーンの時期はまだしばらく続くため、現時点で洪水が発生している場所において、その洪水がおさまるのはまだ先のこととなりそうです。

最終更新:2019/10/03 21:34

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2019/10/03 21:02

アメリカのモンタナ州で9月としては歴史上最大の暴風雪。積雪は1メートルを超え、州全土に非常事態が宣言される

2019年9月29日の米CBSニュースより
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アメリカの北東部が、9月としては考えられない雪の嵐に見舞われています。

特に、モンタナ州では、9月30日までの積雪が 4フィート (1メートル20センチ)を超えた場所も出ていると報じられていて、これは、9月の積雪としては、1934年に経験した大雪を記録を越え、過去最大の秋の暴風雪となっているようです。

9月30日 モンタナ州にて
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モンタナ州の場所
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モンタナ州知事は、9月29日にモンタナ州全土に非常事態を宣言し、交通、あるいは農作物管理に厳重な注意を呼びかけています。


2019年9月29日-30日 米モンタナ州各地の光景
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他に、アイダホ州やワシントン州でも大雪が記録されていて、ワシントン州のスポケーンという街では、1881年に観測が開始されて以来、初めての 9月の降雪となっています。

気象予測では、数日中に、この異常な 9月の暴風雪は収まると見られていて、週末までに積もった雪もすべて溶けると見られています。

これからの気象を予感させるような異常事態がアメリカ北東部で起きています。

最終更新:2019/10/03 21:02

2019/10/03 20:48

子どもたちが築くべき未来の社会は 虐待やネグレクトを経験した子どもは、そうでない子どもに比べて重度の精神疾患にかかる確率が極めて高いことが英国の大規模研究で判明

2019年9月26日の英バーミンガム大学のニュースリリースより
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子どもに対しての虐待やネグレクト(育児放棄)を受けた子どもたちが、その後に精神的に不安定になるであろうことは、普通に考えてもわかるのですけれど、最近の研究では、「具体的な数値」が出てきていまして、それらについては、In Deep での記事でも、これまでずいぶんとご紹介しました。

たとえば、今年 1月にご紹介しました記事では、英国のマンチェスター大学とサウスウェールズ大学の共同研究の論文の内容をご紹介していますが、その研究では、

・子どもの時に性的虐待を経験した人の自殺企図リスクは 3倍に

・子どもの時に身体的虐待を経験したことのある人の自殺企図リスクは 2.5倍に

・子どもの時に精神的虐待またはネグレクトを経験した人々の自殺企図リスクは 2.5倍に


なることがわかったことをお伝えしたことがあります。

今回は、イギリスの名門バーミンガム大学が発表した論文の内容についてご紹介したいと思います。

まずは、そのニュースリリースをご紹介します。

Abused or neglected children are four times more likely to develop serious mental illness, study finds
University of Birmingham 2019/09/26

虐待またはネグレクトを受けた子供は、重度の精神疾患を発症する可能性が4倍高いことが研究で判明

バーミンガム大学の最近の研究で、児童虐待やネグレクト(育児放棄)を経験した子どもたちは、統合失調症、あるいは双極性障害など重度の精神疾患を発症する可能性が4倍高いことが示された。

医学誌ランセット・サイカトゥリ (Lancet Psychiatry)に本日発表されたバーミンガム大学の研究者による論文によれば、虐待を受けた人たちは、虐待の経験がない人たちと比べて、統合失調症、双極性障害などの重度の精神疾患を発症する可能性が倍以上高いことが見出された。

研究者たちはまた、虐待を受けた子どもたちがうつや不安などの何らかの形の精神疾患を発症する可能性も倍あることも発見した。

研究者たちは、小児虐待やネグレクトを経験したか、あるいは経験した疑いのある 18歳未満の 21万7758人の被験者の 1995年から 2018年までのGPレコード (イギリスでのかかりつけ医の記録)を精査し、それを経験していない 42万3410人の被験者の記録と比較した。

現在は、あらゆる形態の身体的虐待、性的虐待、あるいは精神的な虐待は、18歳未満の 3人に 1人の子どもに影響を与えているとされ、世界的な公衆衛生および人権の問題となっている。この中には、養育すべき者がその世話を怠り育児放棄に至るネグレクトと定義される事例も含まれる。

今回の研究は、虐待やネグレクトと、その子どもたちの精神疾患の発症との関連性を探るこの種の研究としては過去最大のものとなった。

研究者たちはまた、GPレコードでの児童虐待についての明確な「記録の過小」を見出しており、これにより、個別の児童虐待が見逃されていたり、子どもたちの管理計画を実施する潜在的な機会を見逃していると述べている。

論文の筆頭著者であるバーミンガム大学応用健康研究所のジョート・シン・チャンダン (Joht Singh Chandan)博士は、次のように述べる。

「私たちの今回の調査結果は、他の世界的な研究からのエビデンスと共に、子どもへの虐待やネグレクトの後、子どもたちが精神的な疾患に陥る重大なリスクを示しています」

「虐待は広く蔓延しており、虐待が精神疾患の重要な危険因子であるということがわかった以上、精神疾患の予防と検出のために、虐待の問題にはさらに取り組まなければならないと思います」

「小児期の虐待とそれに関連する否定的な結果を防止および検出するための公衆衛生アプローチを再考する必要があります」

論文の共同著者であるバーミンガム大学看護学部のジュリー・テイラー (Julie Taylor)教授は次のように述べている。

「虐待から救出された子どもたちの回復力を構築することを目的とする公衆衛生サービスによって、精神疾患の発症が減少することに私たちは大きな期待を持っています」

「虐待と精神疾患の関係の調査が今回のような規模でおこなわれたのは、これが初めてであり、この結果を受けて、虐待やネグレクトを受けている子どもたちの生活への早期の介入の重要性があらためて認識されます」

また、やはり共著者であるバーミンガム大学のクリッシュ・ニランサラクマール (Krish Nirantharakumar)教授は、以下のように付け加えた。

「ここには、小児期の虐待を予防、検出するアプローチだけでなく、小児期の虐待を経験した人たちの精神疾患を予防する、あるいは、それを検出する方法を探求するための重要な公衆衛生のメッセージが含まれていると考えています」

ここまでです。

児童虐待は、日本を含めて、特に主要国では、どの国でも増加し続けているようでして、下は日本の虐待相談件数と、イギリスの性的虐待の件数の推移です。

1990年 - 2014年の日本の児童虐待報告数の推移
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2004年 - 2017年までの英国の性的被害の推移
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日本の場合、異常な増加ぶりを見せていますが、これは単に虐待が増えたということより、報告対応のシステムが変化してきたことや、統計の取り方の変化などにも関係しているようですが、しかし、虐待件数が増えているということもまた事実だとは思います。

今回のバーミンガム大学の論文は、虐待やネグレクトを受けた子どもたちが、その後、精神疾患になる確率の高さがわかったというものですが、「そうなる理由」と、「その精神的トラウマは世代を超えて受け継がれるか」ということについては、2018年のカナダでの研究などで、少しわかった部分があります。

そのカナダの研究によりますと、虐待を受けると DNA に傷が残るのです。

以下はそれを報じた AFP の報道からの抜粋です。

児童虐待、被害者に残る「分子の傷跡」 研究
AFP 2018/10/03

虐待を受けた子どもは、そのトラウマ(心の傷)を示す物質的特徴が細胞の中に刻み込まれている可能性があるとする研究論文が発表された。研究は、トラウマが世代間で受け継がれるのか否かをめぐる長年の疑問解明への一歩ともなり得る。

カナダ・ブリティッシュコロンビア大学などの研究チームは今回の研究で、児童虐待の被害者を含む成人男性34人の精子細胞を詳しく調べた。

その結果、精神的、身体的、性的な虐待を受けたことのある男性のDNAの12の領域に、トラウマによる影響の痕跡がしっかりと残されていることが分かった。

研究チームは、未来の児童虐待容疑の捜査において、「メチル化」として知られるこのDNAの改変を捜査当局は調べることになるだろうと予想する。

研究チームは、メチル化が個人の長期的な健康にどのような影響を与えるかについてはまだ不明だとしている。


このように、DNA そのものに傷跡が残るということは、本人の長期のトラウマとも関係するでしょうし、あるいは「あとの世代に遺伝」さえしてしまう可能性もあるのかもしれなません。

また、2017年5月には、アメリカ・ノースウェスタン大学の研究者たちが、「子どもたちの DNA は《子どもの頃に過ごす環境により変化する》」ことを発見したことを発表しています。ここでいう「環境」とは、主に精神的な環境のことです。

2018年5月25日に発表された医学論文より
dna-methylation-child02b.jpg

これは、幼少時に肉体的・精神的に苦しい経験をした子どもたちと、そうではない子どもたちの DNA を比較調査したもので、「抗炎症などに関与する DNA の変化に差異がある」ことが明らかとなったというものでした。つまりは、

「 幼少期の精神的な環境により、子どもの DNA は具体的に形が変化する」

のです。

この論文のタイトルには「炎症遺伝子のメチル化」などという言葉が出ていたりして難解そうで、DNA のメチル化というのは、とても難しい概念なのですが、たとえば、以下のように理解して問題ないのかもと思います。

DNA のメチル化

・DNAはアデニン、グアニン、シトシン、チミンの4つの塩基から成る
dna-agct.jpg

・4つの塩基の中のシトシンについている水素がメチル基(CH3)に変わる
dna-c-h3c.jpg

・ここがメチル基に変わると、その後、遺伝子が働かなくなる

理解は難しいにしても、つまりは、DNA がメチル化すると「具体的に遺伝子の働きが変化する」のです。

身体が変わってしまうといっていいのだと思われます。

あと、以下の記事でご紹介したことがありますが、私たちの染色体には「テロメア」という部分があり、これは、細胞の老化と関係しているもので、「短くなればなるほど老化が進んでいることを意味する」ものなのですが、

「幼少時代にストレスを受けると、このテロメアが短くなる」

ことを、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学が発見したことをご紹介しています。

Scientists: burdens in the childhood reduce life at the cellular level
Earth Chronicles 2016/10/04

科学者グループ:子ども時代の負荷は、細胞レベルで人の寿命を短縮する

小児期における離別や悲痛が DNA の損傷に対して保護をする役割を持つ染色体の先端部分にあるテロメアの長さを減少させることが判明した。

テロメアの長さの減少はヒトの細胞の老化を意味する。

研究は、カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究チームにより行われ、その結果が先日、米国科学アカデミー紀要に掲載された。

テロメアは、人体の各細胞の核にある染色体の末端部分にある部位で、DNA を損傷から保護する働きをもつ。テロメアは、細胞分裂を繰り返すたびに徐々に短くなっていき、短くなると染色体は不安定になり、最終的に分裂をしなくなる。

その時に細胞は死滅する。

つまり、テロメアの長さが短いほど、細胞の死滅が近いということになり、それは老化を意味する。

最近、科学者たちは、テロメアの長さが加齢の状況だけで変化するのではないことを見出した。

加齢だけではなく、うつ状態、経済的困難、そして、ストレスと結びついた構造体の中でのプロセスの結果として、テロメアの長さが変化することがわかったのだ。また、親しい人との離別と孤独は、より強くテロメアを短くすることもわかった。

ブリティッシュ・コロンビア大学のエリ・ピュートマン(Eli Puterman)氏が率いる研究チームは、小児期にストレスが多い状況で過ごした場合、それが、テロメアの長さと細胞の健康に影響するかどうかを確かめる大規模な調査を実施した。

この研究のために、科学者たちは約 4600人のアメリカ人の高齢者を分析した。これは、染色体におけるテロメアの長さと老化の関係を調べるものとしておこなわれた調査としては、アメリカで最大規模のものとなる。

その結果として、興味深い事実として浮かび上がったのは、調査に参加した人たちの中で、幼少期に深刻な状況を経験した人たちや、人生の最初の数年間に困難を乗り越えなければならなかった人たちについてのものだった。

幼少期の困難の理由は事情により様々だ。両親が貧困だった場合や、離婚などによる父親や母親との離別を体験した人たち、あるいは、親がアルコール依存症や麻薬常習者だった場合、あるいは、学校や親族などに関係する様々な問題もある。

また、幼少での犯罪経験や、それと類似したネガティブな問題も含まれる。

そのような子ども時代の問題の追跡に加えて、研究では、彼らが大人になってからの逆境や災難の経験についても追跡した。

この分析は、小児期と成人期における有害要因の、それぞれ一部はテロメアが短くなることと結びつくことを示し、高齢者において寿命を短くさせることを加速させた。

しかし、このすべてのプロセスのほとんどは、成人期より、小児期における有害要因の影響を受けることが見出され、その場合、テロメアが平均で 11%短くなっていることが示された。

興味深いのは、小児期の体験が高齢期のテロメアの長さに影響するのに対して、青年期の体験に関しては、そのプロセスにまったく影響を及ぼさなかったことだ。

科学者たちは、幼少期の社会状況のあり方は、人の余生の長さと人生の質に強力に影響すると考えられるとし、また、ストレスの多い状況では、テロメアが損傷しやすい傾向から、慢性疾患の素因にも影響するかもしれないという。

心臓や血管に関しての慢性疾患や、糖尿病やその他の危険な疾患になりやすいことなどが考えられる。

じきに、同様の調査がヨーロッパにおいてもおこなわれる予定となっている。


染色体の中のテロメアの場所
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テロメアが短いということは、端的にいえば、「老化が進んでおり、寿命が短い」ことを意味します。つまり、幼少期に強いストレスを受けること自体が、それだけで「その子どもの生命力を弱めている」と言えるのです。

こういうように、幼少期の精神的な環境の状態は、子どもたちのその後の人生の大部分にも影響することは、具体的な現実だといえます。

ですので、当たり前の言い方にはなるのですが、「幼少時を過ごす環境は非常に大事だ」ということは、具体的な意味で「強い真実」なのですね。

そして、これは本人と家族だけの問題ではないです。

今回ご紹介したように「虐待を受けた子どもたちが、精神疾患になる確率が飛躍的に高くなる」ということは、その子どもたちが「次の世代の家庭や社会」を作っていく時に、もしかすると、また同じ問題を作り出してしまう可能性もないではないのかもしれないと思わざるを得ないのです。

ですので、子ども時代の良い環境の構築というのは、それぞれ個人の家庭の問題を超えて、「社会そのものを構築する上での重要な問題」だと思います。

日本だけではないですけれど、日本も含めた今の世界では、それができていない状態が圧倒的に増加しており、そのような場所に、良い社会や良い世界が生まれ得るかどうかというのは疑問です。

最終更新:2019/10/03 20:48

2019/10/03 20:31

WHOと世界銀行が「36時間以内に地球の人間を8000万人殺すパンデミックを起こす可能性」を懸念する《病原体X》とは一体何なのか?

2019年9月19日の米インターナショナル・ビジネスタイムズより
desease-x-8000m.jpg

WHOの重大感染症リストに記載されている病原体Xとは

アメリカやヨーロッパで、、

「新たな感染症で 36時間以内に 8000万人が死亡する懸念をWHOが発表」

という物騒なタイトルの報道が一斉に掲げられました。

よくわからない話でしたので、「何の話だい?」と、いくつかの報道を読んでみましたが、やはりよくわからないのです。「病原体X (Disease X)」という名称がつけられた次のパンデミックの懸念についてのものらしいのですが、

「何の具体的な現実の出来事も示されていない」のに、「恐怖だけが過剰に煽られている」のです。

たとえば、その中の報道のひとつであります冒頭のインターナショナル・ビジネスタイムズの記事を先にご紹介しておきます。

ここからです。

Disease X Will Kill 80 Million In 36 Hours, WHO Panel Warns
IB Times 2019/09/19

「病原体X」は36時間以内に8000万人を殺すだろうとWHOの専門家機関は警告する

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世界保健機関(WHO)と世界銀行が招集した独立監視機関による報告書は、新しいパンデミックが、わずか 36時間で最大 8000万人を一掃する可能性があると警告している。この報告書によると、今日の社会には、「病原体X (Disease X)」が世界中に急速に広まる原因となるさまざまな要因がある。

病原体Xは、将来的に、致命的な感染症の流行やパンデミックを引き起こす可能性のある未知の病原体に指定されたコードネームだ。エボラウイルスとともに、WHOの危険な疾患の優先リストに含まれている。

病原体Xの発生の可能性に備えて、WHO と世界銀行が共同で開催した「世界準備監視委員会(GPMB)」は、最初の年次報告書を発表した。

この報告書では、この新しい致命的な感染症が、世界にどのように影響するかについての評価を提供している。

世界準備監視委員会の報告書に示されているように、今日の悪化している状況は、新しい感染症の広がりと影響を増幅する可能性がある。

報告書は以下のように述べる。

基本的な医療サービスや清潔な水、そして衛生設備へのアクセスが不足している場所での感染症の発生事例は、資源の少ないコミュニティに大きな打撃を与える。このような状況は、感染性病原体の拡大を悪化させるだろう。

また、以下のようにも述べる。

人口増加とその結果として生じる環境への負担、気候変動、人々が密集した都市化の増加、そして、避難民などのような強制的な住居地の移動、あるいは、人々の自発的な海外旅行などによる人口の大きな移動、そして、各国を移動する移民たちの数の指数関数的な増加は、あらゆる場所のすべての人々のリスクを高めている。

世界準備監視委員会によれば、最も致命的なパンデミックの 1つと見なされている病原体は、20世紀初めに世界中に感染が拡大したスペイン風邪と似た病気で、そのような感染症に見舞われた場合、世界では、約 8千万人が 2日以内に死亡する可能性があるという。

委員会は、「感染地域の移動の速度が早く、そして毒性の高い呼吸器系病原体のパンデミックに対して世界はまったく備えていない」と述べ、以下のように続けた。

1918年に大流行した世界的な新型インフルエンザのパンデミック(スペイン風邪)により、世界人口の 3分の 1がこの感染症にかかり、5000万人が死亡した。この死亡率は、当時の総人口の 2.8%にあたる。

同様の感染が今日発生した場合、現在の人口は当時の 4倍であり、また、今では、世界のどこへでも 36時間以内に移動することができ、このような状況では、短時間のうちに、この病原体で、世界で 5000万人から 8000万人が死亡する可能性がある。


このような極めて高い致死率を持つ感染症が広範囲に広がるような大規模なパンデミックが起きた場合、各国の国民たちは、自分たちの政府は自分たちの安全を守ることができないと考えるようになる可能性がある。

それにより、このようなパンデミックは、大規模な社会の不安定化と、経済的破綻につながる可能性があると報告書は述べる。

ここまでです。

ここで言われている感染症は、これまで、いわゆる「パンデミックを起こす新型インフルエンザ」として、ずっと昔から言われている話と同様と考えていいと思うのですが、なぜ今になって、WHO と世界銀行が手を組んで、この危険を過度に言い始めているのかがよく理解できないのですね。

記事で取り上げています「世界準備監視委員会(GPMB)」の報告書はこちらのページにありますが、たとえば、どこかの国や地域で、実際に「新型インフルエンザのような疾患の感染拡大の徴候がある」とか、そういうことがあるならばわかるのですが、そういうことではないですし、そもそも、次に起こるかもしれない新型インフルエンザのパンデミックに対しての大きな懸念は、十数年前くらいから言われていることで新しい懸念ではないです。

さらには、「なぜ世界銀行が?」とも思います。

世界銀行というのは、Wikipedia の説明では、以下のような組織です。

世界銀行は、各国の中央政府または同政府から債務保証を受けた機関に対し融資を行う国際機関である。

国際通貨基金(IMF)と共に第二次世界大戦後の金融秩序制度の中心を担い、貧困削減と持続的成長の実現に向け、途上国政府に対し融資、技術協力、政策助言を提供している。


確かに、ここで想定されているようなパンデミックが起きる可能性はゼロではないでしょうし、その場合、多くの、特にあまり強くない国々は壊滅的な影響を受けることになるかもしれません。世界銀行が「地球の貧困削減と持続的成長の実現」を目指している組織だというのなら、確かにパンデミックへの懸念ということとも関係は出てくるものなのかもしれないですが……。

ただ、この世界準備監視委員会は、上の記事にありますように、声明で、

「パンデミックに対して世界はまったく備えていない」

と述べていますけれど、逆に多くの人々が聞きたいことは、「どのように新型インフルエンザのパンデミックに備えろと?」ということではないでしょうか。

それがないから脅威となっているはずです。

また、やや面白いのが、上の記事には、

病原体Xは、将来的に、致命的な感染症の流行やパンデミックを引き起こす可能性のある未知の病原体に指定されたコードネームだ。エボラウイルスとともに、WHOの危険な疾患の優先リストに含まれている。

とありますが、WHO のページを見ますと、その「危険な疾患の優先リスト」が示されているのですが、「すべて実在する感染症」なんです。その中に「未知の」病原体Xがリストされているのです。

まだ現実には登場していない病原体が、この具体的な感染症リストに載せられているのは奇妙な光景ではあります。

WHO の危険な疾患の優先リストは以下のようになります。

WHOによる重大な感染症リスト

・クリミアコンゴ出血熱
・エボラウイルス病
・マールブルグウイルス病
・ラッサ熱
・中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS)
・重症急性呼吸器症候群(SARS)
・ニパウイルス病
・リフトバレー熱
・ジカ熱
・病原体X


WHOは、この病原体Xは「短時間で 8000万人を殺す可能性を持つ」としているのですけれど、しかし、この表現にある数値は、他の重大な感染症リストから比べると、並外れて高いことがわかります。

たとえば、最近では、アフリカのコンゴ民主共和国でエボラ出血熱が流行し、その流行は現時点でも継続していまして、これは「史上2番目の規模のエボラの大流行」となっています。

それは確かに深刻なものですが、しかし、それでも、この史上2番目に大規模な流行は、どのような状態かといいますと、9月頭の報道では、

11ヵ月間で 3000人が感染し、2000人が死亡した

というもので、およそですが、「 1日に 6人ほどがエボラ熱で亡くなっている」ということになっています。

確かに深刻な流行ではあるのですけれど、WHO の言う

「 36時間で 8000万人が死亡する」

という表現は、やはり過度かなと正直思います。歴史的に、感染症とはそういうものではないです。

仮に、1918年のスペインかぜと同じような壊滅的なインフルエンザ(世界で、推定 5億人から 6億人が感染し、5000万人が死亡)が今後、流行する可能性があるとして、それでも、やはりこの表現は過剰だと思います。

このスペインかぜの感染者数は、世界で 5億人ほどと考えられていまして、死者数は 5000万人程度と推測されていますが、正確な数字が残っている国は極めて少ないのです。

というのも、スペインかぜの流行時期が第一次世界大戦と重なったために、ヨーロッパなど戦争に参加していた国では、「戦争を含む、すべての死者数は機密」であり、スペインかぜでの死者数も、ほぼ発表していなかったと思われます。

統計そのものがとられていた国が少なく、そのため、スペイン風邪の感染率と致死率に関しての記録がまともに残っているのは、アメリカと日本くらいであり、そして、その中で、最も詳細な記録が残っているのは、実は「おおむね日本だけ」なのです。

これは、現在は、東京都健康安全研究センターにある以下の資料に残されています。

・日本におけるスペインかぜの精密分析 http:●//www.tokyo-eiken.go.jp/assets/SAGE/SAGE2005/flu.pdf

これによりますと、スペインかぜの日本での流行の全期間は「 1918年8月から 1921年7月」までと「 3年間」におよびました。この間に流行のピーク時と、そうではない時期が繰り返されるのですが、全期間のうち、特に 2018年と 2019年の 2度、大流行が起きています。

その主要な流行期間での、日本でのスペインかぜの影響は以下の通りでした。

1918年から1919年の日本でのスペイン風邪の感染と死者数

・総感染者数 2380万 4673人 (当時の日本の人口は約 5000万人)

・総死者数  38万 8727人

・感染者の致死率 1.6%


このように、国民の半数ほどが感染したという驚異的なインフルエンザだったことは事実ですが、しかし、それは 3年間の経過の中で起きているもので、「 36時間」とか、そういう話ではありませんでした。

なお、この日本のスペインかぜの致死率 1.6%は、他の国に比べて

「飛び抜けて低い」

ものでした。世界全体のスペインかぜでの致死率は 8%を超えていたという統計もあり、日本のこの致死率の低さは、「当時の日本の生活」の中の何かに、新型インフルエンザに対しての効用があるものがあったのかもしれません。

いずれにしましても、このように、先ほどのエバラ出血熱も、1918年のスペインかぜも、パンデミックというものは、WHO の想定するような「瞬時に数千万人を殺す」というようなものは、地球上に出現したことはないと思えます。

これは、たとえば、現在拡大が続いている豚類の感染症であるアフリカ豚コレラの拡散の状況を見てもわかりますが、あれだけ強力な感染力のあるものでも、国単位の拡大には1年などがかかっています。

ですので、今回の WHO の警告は、ちょっと「盛りすぎ」感が強いです。

まあ、「何らかの薬やワクチン」とか、そういうものの登場の布石である可能性はあるのかもしれないですが・・・。

あるいは、何らかの理由や取得されている情報によって、「今まで地球上にあらわれたことのないようなスピードで拡散していく感染症」というものの徴候が、何かあるのかもしれませんが、そのあたりは、WHO の資料には明記されていません。

ただまあ、いずれにしましても、パンデミックに関して、このような緊張感のある警告が大々的に報じられたということには、何らかの事態が起きることに対しての下地というような部分もないではないのかもしれません。

新型インフルエンザのパンデミックは確かにいつかは必ず起きるものでしょうが、その時期が少しずつ近づいているということなのでしょうか。

最終更新:2019/10/03 20:31

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