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日別記事一覧

2019/08/15 22:25

またも「食糧の黙示録」的状況が : 農作物に対しての最大級の大害虫ツマジロクサヨトウが信じられない速度で、中国、そして日本を含むアジア10カ国に急拡大中

2019年8月13日の米ゼロヘッジより
armyworm-invades-china.jpg

アジアの史上最悪の害虫による農作物被害が近づいている

今年は、世界の食糧事情にいろいろな「危険信号」がともっていることについて取り上げてきました。

それは、場合によっては、黙示録的な状況さえ、この世に出現させかねないものだったりする可能性のあるものでもあります。

最も懸念されていたのは、この春から夏に続いた異常な気象や気温によるもので、たとえば、以下のような記事以来、そのことには何度かふれてきました。

世界的な食糧危機がやってくる : フランス、アメリカ、オーストラリアなど農業輸出大国で記録にないような甚大な被害が進行していることが明らかに

フランス 記録的な寒波で農作物に甚大な影響
まず、フランスの状況からです。

フランスという国は、トウモロコシの輸入で世界第3位であることを始め、ブドウ生産などを含めた農業大国ですが、そのフランスで、トウモロコシとブドウ畑が、異常といっていい寒波の中で甚大な影響を受けています。

以下が報道です。

フランスで寒波が続く中、種まきがさらに遅れる
electroverse.net 2019/05/17

フランスでのトウモロコシの種まきは今週(5月第3週)も再び停滞している。

中央ヨーロッパ諸国は、気温が低い状態が続いているために、多くの国や地域で農作物の種まきが遅れている。

フランスでは通常、4月下旬から 5月上旬は、植栽と種まきが始まる重要な時期だが、今年は残酷なほどの寒波がとどまり、多くの地域で農作業が始められていない。

フランスは世界第 3位のトウモロコシ輸出国であるため、この収穫の遅れや、おそらくは収穫量も大幅に減少するであろうことは、フランス国内の問題に止まらず、世界市場に大きな影響を与えることになるだろう。

フランスでは、ここ 4週間ほどの間、広い範囲で深刻な霜が広がっており、農家は霜の被害を受けやすい作物を保護するために、定期的に畑や果樹園で大規模な焚き火をおこなっている。

5月6日には、フランスで 1979年以来最も寒い 5月の朝となり、気温は平均 2.5℃だった。

この中央ヨーロッパの低い気温は、今週やや落ち着くが、来週(5月の第4週)には、冷たい大気が中央ヨーロッパに降りてくると予想されており、この異様に低い気温は、5月いっぱい続くと見られている。

ここまでです。

ここにあります、

>定期的に畑や果樹園で大規模な焚き火をおこなっている。

という「焚き火」は、フランスのぶどう園などで、寒波の際に行われることがあり、最近では、 2017年におこなわれていたはずですが、「焚き火」というのんびりとした響きとは違い、大変な大規模なものです。

作物を霜の被害から守るためのフランスでの大規模な焚き火
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このように農地全体で火が焚かれ、そして、火が焚かれるのは、気温が下がる夜間であるために、フランスの農業地帯では「大地が燃え上がる」ような状態が続いています。

オーストラリアが十数年ぶりに海外から穀物を輸入する事態に
ABC News 2019/05/15

オーストラリアの農業省は、カナダからの小麦の輸入許可を承認した。これによって、2007年以来の外国産の穀物の輸入に踏み切ることになる。

オーストラリアの卸売り業者マニドラ・グループは、加工品にカナダの小麦粉を使用すると発表した。同社によると、オーストラリアでの 116年ぶりの最悪の干ばつにより、オーストラリア産の高タンパクの小麦が不足しており、小麦製品の加工を続けるには、カナダ産の小麦を使用するしかないという。

オーストラリアの農業大臣は、「小麦の輸入はこれが初めてではなく、以前にも干ばつで穀物を輸入したことがある」と説明するが、小麦輸入に反対の立場を取る人たちからは以下のような発言がある。

「オーストラリアのような巨大な農業国が穀物を輸入するという事実をすべてのオーストラリア人は懸念すべきだ」

極端な干ばつがオーストラリアの東海岸の収穫を荒廃させ、穀物の国内価格を押し上げたために、輸入についての憶測は、この数カ月間繰り返されていた。当局のスポークスマンによれば、オーストラリアでは、1994 - 95年、2002 - 03年、および2006 - 07年にも、数カ国からの穀物の輸入を承認したことがあるのだという。

今回の輸入の許可は、キャノーラ、小麦、トウモロコシに適用される。


イタリア ほぼ全土的に雹と洪水で農業は壊滅的な状態

次はイタリアの話ですが、昨年以来、地中海の周囲の国では非常に気象が荒い状態が繰り返して起きていまして、今の季節の段階で、このような雹や洪水の影響を受けているということは、気象が本格的に荒れるシーズンとなるこれからは、さらに同じような事態が発生していく可能性は高いと思われます。

それは、トルコやギリシャなどを含めて、地中海周辺の農業国すべてに当てはまることのようにも考えます。

イタリア:洪水、雹、そして悪天候が果樹園や農作物に影響を与えている
freshplaza.com 2019/05/14

5月12日にイタリアのバジリカータ州とプーリア州で激しい雹嵐が記録され、その後、雹と雨とが混ざった「水爆弾」が、同じ地域に影響を与えた。この悪天候による果樹園の果物や、スイカ、ブドウなどの被害の拡大が懸念されている。

翌日には、エミリア・ロマーニャ州のいくつかの地域が、非常に激しい雨に見舞われ、河川の氾濫により洪水が発生し、桃、アプリコット、ネクタリンを含む果物が浸水により腐敗し、出荷できる状態ではなくなった。

これらの雹や洪水などにより地域の果物の 70%以上が失われたと考えられる。この地域の経済の礎石が農業であることを考えると、驚くべき被害といえる。

さらには、イタリアのプーリア州も大雨により、サクランボなどで最大で 50%の収穫が失われ、チェゼーナ州でも洪水で農作物の多くが失われた。

ラヴェンナ県も大雨により河川の氾濫が発生し、農作地が被害を受け、また、桃の木が長く水没してしていて、桃の木が枯死する地域が出る可能性があるという。


メキシコ 干ばつでユカタン半島のほぼすべての作物が消失
続いて、メキシコです。

これまでは、寒波や洪水による被害でしたが、メキシコでは、記録的な干ばつが進行しています。

メキシコのユカタン州における壊滅的な干ばつ。雨不足のために収穫の大部分が失われた
freshplaza.com 2019/05/17

ユカタン州での干ばつが厳しさを増している。同州には灌漑インフラがないために、3,000人以上の農業生産者たちが作物の収穫をすることができなくなった。

この干ばつに対して、メキシコ農地開発省から公的な支援がなかったために、状況はさらに悪化している。

これまでのところ、当局は、農業生産者たちに経済的補助や肥料、種子、電気資源などの重要な手段を提供していない。

生産者の代表は、当局による公的支援の欠如がユカタン州での生産者たちの破滅を引き起こしていると述べ、この壊滅的な干ばつに対して、農地開発省に対して、作物と果物の被害に対しての公的な支援を要求すると述べた。

ユカタン州農業連盟の代表は、現在の干ばつが長引いた場合、ユカタン州の収穫のほとんどが失われてしまい、農業州であるユカタン州が、他の地域から食糧を輸入しなければならないことになるだろうと述べている。


北朝鮮 1000万人以上が食糧不足に

北朝鮮の農業の状態と日本の食糧事情が関連するわけではないですが、これをご紹介する意味は、今の北朝鮮は、海外からの食糧支援を受けないと立ち行かない状態なのに対して、今回取り上げていますような「世界の農業大国の極端な農作の不振」が拡大しますと、

「食糧支援どころではない」

ということになる可能性が高まるように思うのです。

現在の北朝鮮では、1000万人の人たちが「即刻の食糧支援を必要としている」と国連は述べていますが、今年の収穫期などに、世界は、この 1000万人分というような食糧支援が出来る状態にあるのかどうかということですね。

その状況次第では、北朝鮮の国内状況がとても厳しいことになったり、あるいは政治的な混乱が発生する可能性もあるかもしれません。

そうなりますと、食糧という範疇の問題を超えて、政治的な意味での日本への影響が出てくる可能性があるかもしれないということが問題となりそうです。

北朝鮮 「過去37年間で最悪の干ばつ」 食糧不足が深刻化
BBC 2019/05/16

北朝鮮が干ばつに見舞われ、食糧不足が深刻化している。国営メディアは 1982年以降最悪の干ばつだとし、国民に農作物の不作と闘うよう呼びかけている。

北朝鮮の食糧事情については、最大 1000万人が「緊急の食糧支援を必要としている」と国連が指摘している。今年に入ってからは、同国民は1日300グラムの食べ物で暮らしていると報告している。

国営朝鮮中央通信によると、北朝鮮の今年 1~ 5月の降水量は計 54.4ミリメートルで、過去 37年間で最も少ない。

国連の世界食糧計画(WFP)と食糧農業機関(FAO)が先月公表した共同報告書では、北朝鮮の昨年の農作物の生産量は 2008年以降で最低レベルだったとされる。
また、全人口の 40%に当たる 1000万人が食糧不足に直面していると記した上で、「 5~ 9月の収穫が少ない時期に状況は悪化する恐れがある」と警告している。


アメリカ 寒波と洪水で農作開始の目処が立たず
現在のアメリカは、

「記録に残る中で、このように春の農作業の開始が遅れた年はない」

という状態となっているようです。

寒波と洪水によるものですが、特に、トウモロコシと大豆が甚大な影響を受けていまして、このふたつは、農業分野でも非常に重要なものですので、先行きが懸念されます……というか、春の作付けができないままシーズンに入りましたので、好転する可能性はないと思われます。

アメリカの食糧危機 : アメリカの一部地域で春の記録的な遅れの到来が食品業界に壊滅的な影響を与えている
strangesounds.org 2019/05/17

アメリカの気象当局のデータによると、カンザス州とオクラホマ州の一部では、春の到来が 38年ぶりに遅い中での記録的な寒さが続いている。

また、サウスダコタ州、ネブラスカ州、さらにはオクラホマ州でも春の到来が遅れており、それらの州で、今年のように春が訪れないのは 10年に 1度もない。そのために、多くの農業分野が停滞しており、種まき等も壊滅的に遅れている。

1981年までさかのぼることのできるデータを使用すると、カンザス州とオクラホマ州の一部、そしてワシントン州とオレゴン州の一部、さらには、サウスダコタ州、ネブラスカ州、さらにはオクラホマ州などで記録的に春の到来が遅くなっている。

これは、3月と 4月の大半にわたって、アメリカ北西部、平野部、中西部の一部でジェット気流が南向きに落ち込んだためで、そのため、これらの地域に異常ともいえる寒波が停滞し続けた。

平野部と中西部の気温の低い地域では、同時に非常に降水量が多かった。この寒さと大雨の組合せが、農業に深刻な影響を与えている。

また、融雪と豪雨は 3月にアメリカ平野部と中西部の一部に重大な洪水をもたらし、これにより、同地域で多くの農業分野が壊滅的な被害を受け、今年は種まきや植樹ができなくなっている。

特に同地域のトウモロコシ被害は甚大で、5月12日までに、アメリカでのトウモロコシ栽培は、作付面積の 30%しか植えられておらず、5年平均より 36ポイント遅れている。イリノイ州でのトウモロコシの植栽は、記録が残る中で、最も遅いものとなっている。

大豆の作付けも予定より遅れており、5月12日の時点で、アメリカ農務省(USDA)は、アメリカの大豆作付面積はわずか 9%しか進んでいなと発表した。これは 5年平均と比較すると、20ポイント遅れている。


アルゼンチン 洪水で広大な農地が放棄される

最後は、アルゼンチンですが、アルゼンチンも農業大国であり、ここでも、トウモロコシや大豆が大きな被害を受けています。

アルゼンチンで洪水の影響で60万ヘクタールの農場が被害を受けている
Telam 2019/05/13

サンティアゴの南東地域が洪水に見舞われ、農作地が大きな被害を受けた。

この洪水で、現地の農業従事者 700人が避難し、農地は洪水で水に覆われた。アルゼンチンの農業技術研究所は、推定として 600,000ヘクタールの土地のトウモロコシやアルファルファの栽培が不可能になったと報告した。

洪水は、いくつかの地域で、水深 40cm に達しているが、農作の被害の他、畜産関係の牛や家禽類が、いまだに洪水の地域に閉じ込められたままとなっている。


アメリカのメディア記事で紹介されていたのは以上ですが、ここに、先日もふれました「中国の豚コレラ」についての報道も一部載せておきます。

中国での今年の豚の殺処分の数が「最大で 2億頭になる」という内容です。

世界の豚肉価格が跳ね上がる? 中国、アフリカ豚コレラの影響で約2億頭を処分へ
businessinsider.jp 2019/05/17

中国は2019年、アフリカ豚コレラの大流行により、国内で飼育されている豚の 3分の 1を殺処分すると見られていて、世界の豚肉価格を跳ね上がらせそうだ。

中国農業農村部が 2018年 8月に遼寧省北部での最初の流行を確認して以来、アフリカ豚コレラは中国本土のほぼ全ての地域に拡大している。

豚にとっては致命的だが、人に感染することはないこの家畜伝染病は、国連食糧農業機関(FAO)によると、モンゴルやベトナム、カンボジアでも確認されている。

感染拡大を防ぐため、中国ではこれまでに約 102万頭の豚が処分されたと、農業農村部は4月に報告している。

オランダのラボバンクは 4月、2019年の中国の豚肉の生産量は、アフリカ豚コレラの影響により、25~35%減になるだろうとの見方を示した。これは頭数にして、1億5000万~ 2億頭だ。

国内の生産量の減少は、世界の豚肉の需要を押し上げ、供給不足と国際価格の上昇につながるだろう。

中国政府はすでに、生産量の減少に備えて冷凍の豚肉を備蓄していると、ニューヨーク・タイムズは報じている。


また、上の記事でもふれていますが、中国などで「アフリカ豚コレラ」という感染症が猛威を奮い続けていまして、今年 5月には、2019年に中国で殺処分される豚の数が「 2億頭にのぼる可能性がある」とも報じられていました。

そして、実は、それに加えて、「中国とアメリカの貿易戦争」が、中国とアメリカの双方の農家にダメージを与えていまして、特に中国政府が、アメリカの農産品の購買を停止したため、アメリカの農家にとっては、「今年はアメリカの農業史で最悪の年」だと報じられています。

米国農家の危機を伝える8月6日の報道記事より
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世界の食糧を巡る状況は、このような政治的な問題も含めて、非常に厳しいことになってきているようなのです。

そこに加えて、今、中国をはじめとするアジア各地に、

「ツマジロクサヨトウ」

という農作物に壊滅的な被害を与える昆虫(蛾の幼虫)が侵入し、拡大を続けていることを知りました。このツマジロクサヨトウというものは「いったん繁殖すると打つ手がない」というもので、実は日本でも、先月 7月上旬に九州で発見されています。

このツマジロクサヨトウというものがどんなものかというのは、以下の日本語の説明でおわかりになられるかと思います。

ツマジロクサヨトウの特徴とは?
spoppi.com 2019/07/08

ツマジロクサヨトウの特徴を見て行きましょう。

・ガの仲間で、成虫の体長は約4センチ。

・1カ月で世代交代するほどの高い繁殖能力を持ちます。

・成虫の場合1晩で100キロメートルを飛翔して移動することができます(追い風があれば200キロも)。

・イネ、トウモロコシ、サトウキビ等のイネ科の植物を好みますが、カブやキュウリ、トマト、ナス、サツマイモ、大豆など広範な植物を食い荒らします。

そして、いったん繁殖したツマジロクサヨトウに対しては打つ手がないのが現実で、駆除を試みたこれまでの対策は、ほとんどが失敗に終わっているとも言われています。

これはアフリカでの大流行時に、使った殺虫剤によって、ガに耐性ができたため、現時点では防除に使える殺虫剤がないようです。

即ち、繁殖力が高く、その飛翔力で、広い範囲に素早く拡散し、駆除する殺虫剤も有効なものがないという厄介な外虫です。


このようなものです。これが、現在、中国を始めとしたアジアの広範囲に広がっているのです。

日本のことは後にふれるとして、ロイターなどの報道をまとめた冒頭のゼロヘッジの記事をご紹介します。

気になるのは、「唯一の対策は、農薬を使うこと」と、この記事の文中にあるのですが、上の説明に、

> 使った殺虫剤によって、ガに耐性ができたため、現時点では防除に使える殺虫剤がない

とあり、本当に拡大を止められるのかどうか懸念されます。

’Fall Armyworm' Invades China; Wreaks Havoc On Agriculture Lands
Zero Hedge 2019/08/13

ツマジロクサヨトウが中国を侵略。農作地が荒廃による大混乱に陥る

中国農業農務省は、今年 6月、中国 21省の 33万3,000ヘクタールの農作地において、ツマジロクサヨトウが発見されたと警告していた。

ツマジロクサヨトウ(英語:Fall armyworm 、中国語:秋行軍蟲)は、さまざまな作物や植物に対して壊滅的な被害を与える可能性のある蛾の幼虫だ。

中国当局は、この虫の予防対策が失敗し得ることを懸念しており、その場合、今年の中国での作物の大規模な損失につながる可能性がある。

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中国政府は、ツマジロクサヨトウが、広大な農作地に影響を与え、国家に食糧安全保障問題を引き起こす可能性があると警告した。

この害虫に対抗し、拡大を阻止するために、中国政府は、ツマジロクサヨトウが発見された 21省の農家に対して、政府が承認した農薬を使用するように求めている。

中国の地元で、人々が現在、「私たちの心臓を止める害虫」と呼ぶツマジロクサヨトウは、2019年のはじめに、近隣のミャンマーから中国に侵入した。それから、わずかの間に、ツマジロクサヨトウの生息地域は、そこから約 3000キロメートル北に拡大し、今では、中国 21省を脅かしている。

今後、このツマジロクサヨトウが、中国の穀物生産に影響を与える可能性がある。

中国南西部の雲南省では、この害虫により、すでに 8万6,000ヘクタールのトウモロコシ、サトウキビ、ショウガなどの作物が破壊された。

2016年にアフリカとアジアから広がり始めたツマジロクサヨトウは夜行性で、しかも、一晩で 100キロメートルもの距離を移動できる。そのため、このツマジロクサヨトウを根絶するのは非常に困難だ。

中国では、農家の 90%が小規模農家であるため、対策が難しく、また被害も個別に大きくなっている。

雲南省では、地方政府がツマジロクサヨトウの状況を監視するために 3,500カ所の監視所を農地に設置した。

雲南省で農業を営むヤン氏は、ツマジロクサヨトウによる厄災を防ぐ唯一の答えは、農薬を散布することだと以下のように述べる。

「化学物質を噴霧し続ける必要があるのです。この害虫を殺さなければ、私たちは、誰もが無一文になってしまうのです」

しかし、一部の農家では、対策が遅れており、収穫量に懸念が出ている。

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南京農業大学の昆虫生態学教授フ・ガオ氏によれば、ツマジロクサヨトウは、中国南部の農作物を台無しにしているが、今のところ、中国北部のトウモロコシ生産はそれほど影響を受けていないという。

しかし、すでに、中国では広範囲で、この破壊的な害虫が農業地帯に拡大しているために、中国政府は、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイのような南米諸国の穀物生産国から、さらに多くの穀物を輸入せざるを得ないことになる可能性がある。

先週の時点で、中国はアメリカからのすべての農産品の購入を停止しており、そのかわりに、南米など他の地域からの農産品の輸入を増やし続けている。

この中国政府のアメリカからの農産品の購入停止は、トランプ政権が今月初めに、 3000億ドル(32兆円)の中国の輸入品に対して 10%の関税をかけることを発表したことを受けて生じたものだ。

中国ではまた、アフリカ豚コレラと呼ばれる豚の感染症の前例のない発生が続いており、2019年全体を通して、中国の豚肉生産が荒廃している。

現在までに、中国に生息する豚の約 4分の 1が病気のために殺処分された。

そして、やはり貿易戦争により、中国は、アメリカ産の豚肉に 62%の関税を課すことを発表している。

中国の農業は現在、このように、ツマジロクサヨトウの拡大による作物の荒廃や、アフリカ豚コレラの拡大、そして中国とアメリカの貿易戦争など、いくつかの災害に見舞われている。

しかし、中国政府が絶望的になりかねない理由として、香港の状態が制御不能になったときに、中国に最後に必要なことは食糧価格の統制だからだ。

ここまでです。

なお、以下の台湾の英字報道によれば、ツマジロクサヨトウは、アジア10カ国に、急速な勢いで広がっているのだそう。

2019年7月16日の台湾の報道
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上の記事によりますと、7月中旬の時点で、ツマジロクサヨトウが発見されたのは、スリランカ、バングラデシュ、カンボジア、ミャンマー、フィリピン、タイ、中国、台湾、そして、日本となっています。

また、この報道には、

なぜ、ツマジロクサヨトウが、こんなに急速に広範囲に拡大したのか、専門家にも、その理由がわからない。

とあり、一種、「謎の急拡大」となっているようです。

対策できなかった場合、中国での農業被害は相当なものになるようです。

人口が多く食糧需要が多い中国で、そのような事態になった場合は、いろいろと厄介なことになる可能性があります。

中国の農業も懸念されますけれど、何より、

「日本にもこの虫が侵入している」

のです。

おそらくは、偏西風に乗って、中国から飛来したと思われますが、8月9日の時点で、九州などで発見されています。

害虫ガ「ツマジロクサヨトウ」幼虫、佐賀でも 九州・沖縄7県に拡大
毎日新聞 2019/08/09

トウモロコシなどに寄生して成長を阻害するガ「ツマジロクサヨトウ」の幼虫が佐賀県内で初めて見つかったことを受け県は8日、佐賀市で対策会議を開いた。各市町やJAの農業関係者ら約50人が出席し、対策を確認した。

ツマジロクサヨトウは南米や北米が原産でアジアなどに急速に広がり、国内では7月に鹿児島県で初めて確認された。偏西風に乗って飛来したとみられる。その後、九州・沖縄の7県に拡大した。

幼虫がトウモロコシの葉などを食い荒らし、作物の成長が阻害される。国内ではまだ被害は確認されていないが、稲や大豆など他の作物にも寄生し、果実を食べることもあるという。この日は効果が期待される農薬のリストが農林水産省から提示され、被害の把握や防除を促した。


この記事に、

> 効果が期待される農薬のリストが農林水産省から提示され

とありますが、農林水産省のそのページは、以下にあります。

http●://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/keneki/k_kokunai/attach/pdf/tumajiro-12.pdf

しかし、先ほどありましたように、ツマジロクサヨトウの中には、「殺虫剤への耐性」を持っている固体がいるわけで、また、かつて、そういう耐性を獲得したというのなら、再び、さまざまな薬剤に対しての耐性を獲得する可能性は十分にあるかもしれません。

そして、一晩に 100キロメートル近く移動するということからも、九州からさらに北上する可能性もあるかもしれません。

ツマジロクサヨトウは熱帯性の昆虫のようですので、寒い土地には生息できないでしょうけれど、今年はまだしばらく気温も高いですし、関東くらいまでなら生息できるのかもしれません。

それにしても、このマジロクサヨトウはも2016年にアフリカで被害が確認されてから、まだ、たったの 3年目です。どうして、それまでなかったようなこの虫の被害が世界中に広がっているのか不思議でもあります。

このツマジロクサヨトウに対しての対策は、一般的な農薬が無効だった場合は、「アメリカがおこなっている方法しかなくなっていく」という悲劇性もあります。

そのアメリカが、ツマジロクサヨトウに対しておこなっている対策とは、

「遺伝子組換え」です。

遺伝子組換えというテクノロジーがどういうものかということは、以下の記事に記していますが、簡単に書きますと、伝子組み換えというのは、「作物が自らの細胞内に毒薬を仕込む」もので、おそらくツマジロクサヨトウに対しても有効ということのようです。

農薬が細胞に仕込まれている作物を食べることの是非

遺伝子組み換え作物というものが、「自らの細胞内に農薬を仕込んでいる」
というのは驚きです。

これは要するに殺虫剤ですので、主要な目的は虫による食害の防止でしょうけれど、上の記事にもありますように、「表面についた農薬なら洗い流せるけれど、細胞の中の農薬を排除することはできない」のですから、仮にその殺虫剤 Bt が人間には安全なものだとされているにしても、殺虫剤が大量に人体に入るのはどうなんですかね。

ちょっと調べてみますと、Wikipedia には、以下のようにあります。

BT剤 - Wikipedia

BT剤とは、天敵微生物を利用した生物農薬(殺虫剤)の一種。

チョウ目、ハエ目、コウチュウ目の幼虫に有効。結晶性タンパク質が昆虫腸内のアルカリ性消化液で分解されると毒素になり、上皮細胞に作用、幼虫は卒倒病を起こして死ぬ。

一般的に胃液が酸性である人間には無害といわれているが、菌株と試験方法によって動物試験で毒性を示すことがある。


そして、その下には、

遺伝子組み換え作物では、BTの結晶タンパク合成遺伝子を作物に組み込む。トウモロコシ、ワタ、ジャガイモで実用化されている。

とあります。

先ほどの記事では、この Bt は、

「腸内細菌の DNA に移動する」

とありまして、つまり、Bt は、腸内細菌の体内で生き続けるということになるようなのですね。

通常に散布する農薬として使う分には、表面のものを洗い流せばいいのですから問題はないでしょうけれど、遺伝子組み換え作物は「すべての細胞内に仕込まれている」わけですので、どうやっても、Bt が体内に入ってくることになります。

それにしても、腸内環境に悪いものが次々と出てくること。

仮に、遺伝子組換えだけが有効な対策だった場合は、なんだかこう・・・このツマジロクサヨトウというものは、「遺伝子組換えを世界中に広める目的のために出てきたもの」のような気さえしてきます。

それにしましても、「食糧をめぐる状況」は、さらに大変なことになりつつある気配が増加しています。今年乗り切ったとしても、来年はどうなるのか、そしてその次の年はどうなるのかと考えます。

結構な黙示録的な状況なのではないでしょうかね。

最終更新:2019/08/15 22:25

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2019/08/15 21:39

香港の革命の現場に「中国軍」が向かっている

アメリカ大統領の2019年8月13日のツイートより
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8月12日 香港国際空港で旗を掲げるデモ参加者たち
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※ 旗には「香港を解放せよ。我々の時代に革命を」と書いてあります。

香港のデモが新たな段階に

香港のデモは、すでに 10週に渡って続いていまして、そして、デモ参加者の若者たちの多くが、然るべき扮装と装備で参加していることは、以下の記事でご紹介させていただきました。

2008年12月から始まったギリシャの暴動で若者たちが共有したメッセージの内容の一部

・デモに参加する時の服装はパーカーにすること(頭部を守ることができ、どこでも眠ることができる。また、暴動が始まったのが冬だったので防寒の意味も)

・リュックを背負うこと(水、食料、薬、その他の道具は自分で持ち運ぶ。また、どこででも眠ることができるようにするためにも)

・ゴーグルを着用する(目の保護と催涙弾対策)

・口はタオルかバンダナで隠す(催涙弾対策と身元の露呈を避けるため)

・最も望ましいのはガスマスクの着用(催涙弾とあらゆる化学兵器に対応する)

・できるだけヘルメットなどを被る(頭部の保護のため)


2008年暮れに最初にギリシャで暴動が始まった頃には、誰もがそのような経験のない大学生や失業者たちの「素人集団」だったのが、これらの情報共有により、1ヶ月も経たないうちに、以下のような「戦闘集団」と化していったのです。

現在、香港で起きているデモの写真をご覧いただきたいと思います。

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誰も丸腰で暴れてなどいません。

先ほどの 2008年からのギリシャで、若者たちが共有していた「戦闘スタイル」、すなわち、

・リュック
・ゴーグル
・ガスマスク
・ヘルメット

などが、ほとんどの参加者たちに浸透していることがわかります。

おそらく気温も非常に暑いと思われ、水は必携でしょうし、また参加者の中には、傘を持っている人もたくさん見られまして、最初は、日傘の役割かと思っていましたけれど、催涙弾などに対しての簡単な「楯」の用途もありそうで、有用だと思います。

そして、この出で立ちと表情を見てわかったのですが、

「この人たちは、ただ不満や反発から暴れているのではない」

ということになりそうなのです。

それが可能どうかはともかく、

「戦闘を持続させて、勝ち続けようと(排除されないと)している」

ようなのです。

ただ暴動を起こすことが目的なら、適当に暴れて逃げ帰ればいい。しかし、この装備はそういうものではないです。

現実として、たとえば、軍などが投入された場合は、対抗でき得るはずもないですが、警察隊が相手のうちなら、やり続けるつもりだと。

表情も冷静ですし、そのあたりも、2009年のギリシャの若者たちと共通のものを感じます。

つまり、暴動というよりは、「革命」ですね。

しかし、8月11日に、事態は唐突に過激化の方向に動き始めました。

そのキッカケは、この日、デモ隊と警察隊の衝突の中で、デモ隊が使用していた「ビーンバッグ弾」という一応は非殺傷を目的とした鎮圧用の銃弾が、デモ参加者の女性の「右目」を直撃しました。

香港のメディア「サウスチャイナ・モーニングポスト」は、負傷した女性の右目は、一生失明したままになるだろうと報じましたが、撃たれた直後の写真は、多くの人たちによりネットで共有され、このデモでの象徴的な事件となっています。

女性が撃たれた直後の写真は生々しいですので、この記事には載せませんが、日本語の記事では、BuzzFeed News などが取り上げています。

そして、翌日 8月12日からは、デモ参加者たちの多くが、この警察隊の攻撃に抗議の意志を示すために、右目にガーゼを当てたりといったことを行っていました。

警察隊の攻撃に抗議の意志を示す女性たち
eye-women-001.jpg

eye-women-0812.jpg

下の写真では、日本語、韓国語、フランス語などでこの出来事を伝えようとしています。

protester-eye-003.jpg

そして、この女性の負傷事件から、香港のデモは一気に過激化し、8月12日からは、デモ参加者の若者たちと警察隊の衝突は「カオス化」の様相を見せ始めました。

8月13日 香港サムソイポーでの警察隊とデモ隊の衝突
protesters-police-0813.jpg

しかし、驚いたのは、香港の警察隊が、鎮圧のために「ほぼ実弾」を使っていたということでした。

ビーンバッグ弾というのは、暴動鎮圧用の弾丸とはいえ、ショットガン(散弾銃)に装填されて使われるもので、たとえば、Wikipedia には、

ビーンバッグ弾は、多種多様な方法で重傷を負わせたり殺害する可能性がある。 米国での導入以来、1年に1人ほどの死亡を引き起こしている。

弾が胸に当たると肋骨を折り、折れた肋骨が心臓に至ることがある。頭部に当たると鼻が折れる、 喉頭がつぶれる、あるいは首や頭蓋骨が折れることさえある。


というものであり、それだけに、

> これが、ビーンバッグ弾を使用するとき、多くの場合、四肢を狙うように教えられる理由である。

と書かれてあります。

つまり、警察が暴動鎮圧用として使用する場合は、脚のほうを狙うのが「鉄則」だとされているのですが、8月11日に負傷した女性は、目にビーンバッグ弾が当たっている。

ここ 2日ばかりの香港警察隊の写真をいろいろと見ていると、下のように(もちろんこのまま撃っているわけではないにしても)完全に水平方向に銃口を向けているものなどが散見されます。

8月12日 香港の地下鉄タイクー駅で若者たちに銃口を向ける香港警察
hongkong-police-guns.jpg

間違いとしてでも、こんな近い距離から上半身に向けて撃てば、ゴム弾だろうがビーンバッグ弾だろうが、それは殺傷兵器になるわけで、「これはひどい」と思いますね。

また、8月12日からは、香港警察は、ビーンバッグ弾と共に「催涙弾」の使用も開始しています。

8月12日 デモ隊に催涙弾を発射する警察隊
tear-gas-police0812.jpg

いずれにしても、警察隊の攻撃、デモ隊の応酬のどちらもがカオス化している中、日本時間の 8月14日未明、冒頭でご紹介しましたように、名前までは思い出せませんが、アメリカの何とか大統領は、以下のようにツイートしたのでした。

covfefe-tweet-0813.jpg

アメリカ大統領は、米諜報機関が、「中国軍が香港との国境に移動していることを確認した」と述べたのでした(一国の大統領がツイッターに書くことなんですかね)。

その後、香港や英国などのメディアも、軍の車両が香港と隣接する新センを通過していることを報じました。

8月13日の英国スタンダードの報道より新センを通過する中国軍
china-troops-1308.jpg

ただし、中国共産党の機関紙である人民日報によれば、これは国軍である人民解放軍ではなく、「武装警察」という準軍事組織だとのことですが、そのあたりの実際のところは、よくわかりません。

また、中国当局は、軍は演習のために新センに駐留しており、香港のデモとは関係ないと述べたと報じられていますが、関係がないというのを素直に信じるのは難しいところです。

いずれにしても、ついに中国軍が「香港のデモの現場の近くに来た」ことは間違いなく、事態が非常に懸念されます。

なお、10月1日には、中国の建国 70周年の一大記念日がやってきます。

先日の記事でもふれましたように、70年前の「 9で終わる年」だった 1949年に、中華人民共和国は誕生しました。

まして今年は、70周年ということで、国の威信をかけての大行事となることでしょうが、それまでに中国当局が、香港とその若者たちに対して、どのような行動に出るのか。

それによっては、私たちの世代の人生では考えられなかったようなカオスの時代が到来する可能性もあるのかもしれません。

先の記事でも書きましたが、私自身は、この香港のデモに精神的な共時性を感じているだけに、危機的な状況にならないことを祈っています。軍が投入されたら、若者たちは素直に一度引くべきかもしれません。

なお、今回のタイトルでは「デモ」ではなく「革命」としましたが、香港の現場の若者たちがそのように述べているので、それに従った次第で、他意はありません。

最終更新:2019/08/15 21:39

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