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2019/07/11 21:07

「栄養補助サプリメントは健康にまったく寄与しない」という衝撃的な医学研究が米国で発表される。それどころか、カルシウムとビタミンDの同時服用は「脳卒中になるリスクを高める」ことが判明

2019年7月9日の米国の健康メディア「ヘルス.com」の記事より
calucium-and-vitamin-d-risks.jpg

骨の健康のために摂取するサプリメントが導くものは

もしかすると、「カルシウムとビタミンDを同時に服用されている」という方は、わりといらっしゃるかもしれないと思いまして、昨日 7月9日に、アメリカやヨーロッパなどで大々的に報じられていた冒頭の内容である、

「カルシウムとビタミンDを同時に服用すると、脳卒中にかかるリスクが高まる」

という記事をご紹介させていただこうと思います。

この「カルシウムとビタミンDの同時服用」というのは、どういうことのために行うのかといいますと、ビタミンDというのは、小腸や腎臓などからカルシウムの吸収を助けてくれる作用を持つために、「カルシウムとビタミンDを同時服用すると、骨が丈夫になる」と信じられているからです。

なお、太陽の紫外線には、人体内でビタミンDを合成する働きがあり、つまり

「ビタミンDは、太陽の光にあたるだけでも十分に体内で作られる」

のですけれど、近年では、いろいろ理由がつけられ、「日光だけでは不十分」として、サプリメントを飲むように奨励する商業的なアプローチが社会全体として強く、カルシウムにおいても、サプリメントでの摂取の推奨が進められています。

そんな中で、アメリカで 7月8日に発表された医学論文では、

「ほとんどの栄養補助サプリメントは、健康の役にも立たないことしか見出されなかった」

と発表され、健康上の利益がないだけではなく、先ほど書きましたように、カルシウムとビタミンDの同時服用は脳卒中のリスクを上昇させている、というようなことまでもがわかったのでした。

研究は、 100万人を対象におこなわれたもののため、比較的信頼性はあるものだと思われます。

その他にも、特にカルシウムのサプリメントにはいろいろな問題があるのですけれど、そのことについては後にしまして、まずは、その論文の内容に関しての記事をご紹介したいと思います。

最初は、冒頭にありますヘルス.com の記事を翻訳していたのですけれど、具体的な数字も出てこないし、「なんだか内容的にも変だな」と思っていましたら、このヘルス.comは、おそらくは「健康のためには、積極的に栄養補助サプリメントを摂取すべき」とする主張を持っているようなのですね。

ですので、栄養補助サプリメントは良くないというような主張は、そのまま紹介しづらいということなのかもしれません。

そんなわけで、少し他の報道を探しましたら、ロシアの報道メディアで、具体的に研究の内容を紹介しているものがありましたので、その記事をご紹介させていただきます。

ここからです。

Не все витамины полезны для здоровьяr
earth-chronicles.ru 2019/07/09

カルシウムとビタミンDの同時摂取は脳卒中のリスクを17%増加させる

アメリカ内科学会が発行する医学誌アナルズ・オブ・インターナル・メディシン (Ann Intern Med)に 7月8日に掲載された論文で、カルシウムとビタミンDのサプリメントを同時に服用すると、脳卒中にかかるリスクが 17%高まる可能性があることが発表された。

しかも、他の栄養補助サプリメントの大部分も、心血管系に利益をもたらすことがないことが見いだされた。

以前、発表された研究では、アメリカ人の 37%がビタミンDのサプリメントを摂取しており、43%がカルシウムサプリメントを摂取していることがわかっている。また、英国の調査でも、人口の約 45%が何らかの特定のビタミンサプリメントを摂取していることが判明している。

しかしながら、それらのサプリメントの多くは、単に役立たないだけではなく、心臓や血管に有害である可能性があると米ウェストバージニア大学のサフィ・カーン博士(Dr. Safi Khan)は警告している。

研究者たちは、ほぼ 100万人を対象とし 277のランダム化臨床試験を分析し、16種類の栄養補助食品サプリメントと、参加者の食事を変えた 8回の実験の効果を検証した。

心臓や血管に対して利益があるとわかっているものとしては、魚油に含まれるオメガ-3脂肪酸が、心臓発作や冠状動脈性心臓病のリスクを減らすことが研究によって示されており、葉酸は脳卒中の危険性を減らすことも研究でわかっている。

しかし、その他のサプリメント、つまり、ナイアシン、鉄、そしてあらゆる種類のマルチビタミン・サプリメントを含むほとんどすべてのものは、「死亡率や心血管疾患に大きな利益を及ぼさなかった」と論文には記されている。

それどころか、カルシウムとビタミンDの同時摂取は脳卒中の可能性を 17%高めることがわかった。

研究者たちは、カルシウムおよびビタミンDサプリメントを摂取することの、この予想外の危険性は、それらの同時使用が血管内のアテローム硬化性プラークの形成に寄与しているという事実によると示唆している。

また、カルシウムとビタミンDのサプリメントの同時接種は、通常、脳卒中や心臓病を発症するリスクが高い高齢者に奨励されるものだということが、状況のさらなる危険性として浮かび上がる。高齢者は、骨が脆くなることを防ぐためにカルシウムとビタミンDを服用する場合が多いが、しかし、高齢者ほど心臓疾患のリスクも高い。

英オックスフォード大学のスーザン・ウェッブ (Susan Webb)教授は、この研究の結果は驚くにあたらないとして以下のように述べた。

「妊娠中など、特定のビタミンや微量元素の不足を予防または排除する必要がある場合を除いて、栄養補助食品やサプリメントは、一般の人々に推奨されるべきではありません」とウェッブ教授は言う。

また、魚や植物性の食物が豊富な、いわゆる「地中海式食事」と呼ばれる食事も、同様に、心臓の健康に大きな利益を与えることは見いだされなかった。とはいえ、地中海式食事の持つ、全体的な健康上への利点を否定するものではない。

なお、栄養関連の研究では、因果関係の確立に常に問題があるため、研究者たちは、このようなデータは慎重に解釈されるべきであると指摘する。

しかし、研究者たちは、ごく普通に暮らす多くの人々は、あまり積極的に栄養補助食品を摂取するべきではないと考え始めているようだ。人体に必要なすべての物質はバランスの取れた食事から簡単に得られることができると彼らは言う。

研究者のひとりはこう述べる。

「健康を改善して早死のリスクを減らすことができるという魔法のような単一の栄養素はこの世には存在しないのです」

ここまでです。

記事にその数値がありますけれど、

> アメリカ人の 37%がビタミンDのサプリメントを摂取しており、43%がカルシウムサプリメントを摂取している

ということで、アメリカでは、「カルシウムとビタミンDサプリメントの組合せ」は、かなり人気のあるもののようです。

そして、このアメリカ人の異様なカルシウムサプリメント好きの様相を数値から見まして、以下のグラフのひとつの要因が少しわかった気もします。

アメリカは、他の国と比較しますと、異常なほどアルツハイマー病を発症する人の数が「急増」しているのです。

アルツハイマー病等の死亡者数の推移(男性)
alzheheimers-us-2009.jpg

人口比を勘案して標準化した死亡率で見れば、このように極端なグラフにはならないですが、それでもアメリカは一位です。

しかし、他の国との比較ではなく、アメリカ独自の問題として、その「増え方」がすごいです。1975年頃までは、アメリカも他の国と同等の推移をしていたのに、1980年代から、アメリカだけが突き抜けていくという状態となっています。

アメリカの増加ぶりがすごすぎて、他の国が穏やかな増加をしているように見えますけれど、たとえば、日本でも、アルツハイマー病は、以下のような非常に急激な増加を見せ続けています。

alzheimer-Japan-2011c0710.jpg

どうして、このことを「カルシウムサプリメント好き」と結びつけているのかといいますと、以前、以下のようなことを記事でご紹介したことがあるのです。

カルシウムサプリメントは「たとえ少量の摂取でも」脳の病変やアルツハイマー型の認知症を引き起こす可能性が極めて高くなることが判明

2018年10月01日のアメリカ医学系メディアの記事より
brain-lesion-calcium.jpg

Taking Calcium Supplements Causes Brain Lesions
greenmedinfo.com 2018/10/01

カルシウムサプリメントの摂取が脳病変を引き起こす

カルシウムのサプリメントを摂取することは、たとえそれが少量であっても、脳の病変と関係しているということが、この種の研究として初めてとなる調査によって明らかになった。

しかし、この研究が発表される以前から、ほとんどのカルシウムサプリメントの摂取には考えるべき多くの点があった。

一般的に、多くの人たちは、カルシウムのサプリメントを「骨を強く保つ」ために錠剤などの形で摂取していると思われるが、現実的には、私たち人間は食物からカルシウムを得るようにこの体は設計されているわけで、錠剤でカルシウムを摂取することにはあまり意味がない。

さらに、私たちの骨は生体組織であり、その骨の健全を保つには、カルシウムだけではなく、ビタミン Cやアミノ酸、マグネシウム、ビタミン D、ビタミン Kなどが必要だ。

これらの他の重要な要因を排除して、カルシウムを摂取するということは基本的に意味をなさない。

また、骨粗鬆症や骨減少症の原因が、カルシウムサプリメントを摂取していないからというような理由はない。

過去のいくつかの研究で、カルシウムのサプリメントに使われる石灰石、骨、牡蠣や卵の殻を消費することにより、カルシウムが軟部組織に沈着して心臓発作や脳卒中に至るという可能性があることがわかっていた。

また、高齢になってから若い時のように骨密度を保とうとする目標も危険に満ちていることがわかっており、最も高い骨密度を有する人は、乳ガン発症のリスクが、はるかに高くなるのだ。

質の低い無機質のカルシウムサプリメントは、心血管疾患のリスクを高めることが知られているが、しかし、それだけではない。

マグネシウムとビタミン K2 不足でのカルシウムサプリメントの摂取という因子の組み合わせによって、脳の松果体の石灰化、あるいは松果体以外の脳構造の石灰化の原因となり、最近の研究では、これがアルツハイマー病の発症機序に寄与する因子であるという仮説が組み立てられはじめている。

医学誌ブリティッシュ・ニュートリション・ジャーナルの特集「脳のカルシウム病変」

医学誌ブリティッシュ・ニュートリション・ジャーナル(英国栄養ジャーナル)に掲載された「脳のカルシウム病変」という画期的な研究がある。

この論文のタイトルは、「カルシウムサプリメントを使用する高齢者の脳病変体積の上昇:横断的臨床観察研究」で、この研究では、カルシウムサプリメントが心臓血管疾患に関連することを示す過去の複数の研究と共に、カルシウムサプリメントが「脳病変の発生」と関連している可能性があることを見出した。

これらの脳の病変は、MRI スキャンにおいて、より明るいスポットとして見られ、これは、血流の欠如(虚血)およびその後の神経学的損傷によって引き起こされることが知られている。

下の図が、カルシウムサプリメントによる脳の病変を MRI 撮影したものだ。
culcium-brain-lesions.jpg

まずは、この研究の概要は以下のようなものだ。

脳腫瘍は脳の高信号域(hyperintensities)という用語でも知られており、MRI で観察される損傷領域だ(※ 上記の図の赤い部分)。これらの病変は、高齢の成人では一般的であり、うつ病、認知症、脳卒中、身体障害、股関節骨折および死亡を含む致命的な健康リスクを増加させる。

観察研究では、高齢者 227人( 60歳以上)を対象として、食物とカルシウムサプリメントの摂取量を評価した。そして、病変容積を脳 MRI スキャンで評価した。


そして、この研究の主な調査結果は次のとおりだ。

カルシウムサプリメントの使用者には、非使用者よりも脳においての大きな病変量が見られた。カルシウムサプリメントの影響は、高血圧が脳に与える影響と同等の大きさであり「脳の病変に対しての確立された危険因子」といえるものであった。

この研究では、使用されるカルシウムの量は病変の容積に関連しておらず、「低用量のサプリメントでさえ、高齢者によっては、脳の病変容積が大きくなる可能性がある」ことも分かった。

食生活からのカルシウム摂取量、年齢、性別、人種、教育年数、エネルギー摂取量、うつ病、高血圧などの要因をコントロールした後でさえ、カルシウムをサプリメントで補給することと脳の病変容積との関連は強く保持されていた。


研究者たちは、サプリメントによるカルシウム補給と虚血性脳卒中リスクの増加の関連性についてすでに議論している。

サプリメントによるカルシウム補充は、主に血管の内腔の閉塞に寄与する脂肪沈着物(アテローム)として、血管におけるカルシウム沈着(すなわち動脈の石灰化)に寄与し得ることを示す。

研究者たちは、このプロセスが血流の欠如、およびその後の虚血につながる可能性があると述べる。そして、これは最終的に脳病変の発症につながる。

余分なカルシウムが脳に直接的な神経毒性作用を及ぼし得る別のメカニズムは、過剰なカルシウムの脳細胞への流入であり、これは細胞死を引き起こす。

研究者たちは、サプリメントによるカルシウム補給が脳病変に有害な影響を及ぼす可能性があるという知見の重要性を強調している。

論文では、研究者たちは以下のように論文を締めくくっている。

高齢者のカルシウムを含む食品サプリメントの使用は、通常の食事等から摂取するカルシウム摂取量を管理した後でさえも、より大きな脳病変の体積増加と関連することが見出された。

これらの知見は、カルシウムの用量にかかわらず、高齢者に対してカルシウム補充をすることによる有害な生化学的影響が存在する可能性があることを示している。


そこでご紹介した論文から抜粋しますと、以下のような作用で、カルシウムサプリメントは脳の病変を加速させるのです。

> 血管の内腔の閉塞に寄与する

とありますように、要するに、カルシウムサプリメントは「血管を塞いでしまう作用に繋がる」ということなんですね。

この記事を書いた時に「血管の内腔の閉塞」と関係しているというのなら、認知症やアルツハイマー病だけではなく、もっと直接的に「脳卒中も増えるのでは」というようなことも漠然と考えていました。

そして今回の研究では、「カルシウムサプリメントとビタミンDで脳卒中のリスクが増加する」ということが見出されたということになっています。

さらにいえば、血管の閉塞は「心臓と関係するのでは」とも思いますが、実はこれはずいぶん以前に、そういう可能性が医学研究で示されています。

以下は、アメリカ国立衛生研究所 (NCBI)のライブラリにある2010年の医学論文です。

2010年7月29日に発表された医学論文より
calcium-risk-cardiovascular.jpg

基本的には、西洋医学的な方向としては、「健康のためにはサプリメントで栄養を補助するべきだ」ということで進んでいる方向性があります。

そういう意味では、今回ご紹介しました「サプリメントは、ほとんど役に立たないばかりか有害の場合がある」というような主張に対しては、さまざまな対立意見も出てくるというようには思います。

しかし、今回の記事に出てきた英オックスフォード大学のスーザン・ウェッブ教授のように、

「栄養補助食品やサプリメントは、一般の人々に推奨されるべきではない」

という考えを持つ医学者も増えてはいます。

つまり、「栄養は食べ物からとれば、それでいい」という主張です。

私も基本的にはそう思いますが、そのあたりは、個人個人の考え方ですので、サプリメントを否定する気はないです。

ただ、カルシウムだけは、サプリメント(あらゆるタイプのサプリメントを含む)からではなく、食物から摂取するようにしたほうがいいのかなとは思います。

結局、「栄養素」とか「栄養学」という概念ができた頃から、栄養と人間の関係はちょっとおかしくなったのかもしれないです。

人体を機械と見立てて、必要な栄養素をすべての性別、年齢の人たちに体重ベースで等しく算出したものが栄養学ですけれど、必要なものは個人個人でずいぶんと違いますでしょうしね。

人間は、足りない栄養素を一生懸命、体内で作り出そうとしたり、あるいは体内で作り出せないものは、その機能と作用を他で何とか働かせようとしているわけで、そこにこそ「高度な人間の体」という存在があると思います。

足りない栄養素を外から簡単に摂取し続けるような生活は、機械としての人体は、丈夫になるかもしれないですが、精神的な中味を伴わない空虚なボディを持つ生命というようなことになるのではないかと思ったりもいたします(ぶっちゃけて書きますと、長生きはしても、肉体的にも精神的にも乏しいというような)。

いずれにしましても、栄養素の過剰摂取を賞賛する傾向以外の健康と人体への考え方がもう少し増えてもいいとは思っています。

最終更新:2019/07/11 21:07

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2019/07/11 20:51

南米ブラジルに同国史上最大の寒波が直撃。サンタカタリーナ州では氷点下の中で広範囲が氷に包まれるという異常事態

2019年7月7日 凍結したブラジル・サンタカタリーナ州ウルペマの光景
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世界的に強い寒気に見舞われている場所が増えていることをご紹介しました。

全世界に「極端な夏の寒波」が到来。そして、アメリカ海洋大気庁の予測からは、秋からの日本はさらに平年より寒くなっていく可能性が浮上

世界中に広がる「夏の寒波」を報じる海外メディア
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中でも、ブラジルの寒さはものすごいことになっていて、中部から南部のいくつかの州では、ブラジルでの観測史上で最も低い気温が次々と記録されています。

以下は 7月7日の南米の気温の状態で、濃い青から紫色のところは、平年より非常に気温が低くなっている場所です。ブラジルの中部から南部で激しく気温が低くなっていることがわかります。

2019年7月7日の南米の気温の平年との差異
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リオデジャネイロ州やサンタカリーナ州など、産業や農業などで主要な場所に最も強い寒波が流れ込んでいます。そして、この状態は、その後も現在まで続いているのです。

ブラジルの報道によれば、温暖なリオデジャネイロ市でも、7月9日、リオの 7月の気温としては過去最低の 11.3℃まで下がりました。また、このリオ市があるリオデジャネイロ州では、イタチアイアという高地で -8.1℃の最低気温が観測され、7月に記録された気温としては、最も低かったようです。

気温が最も下がったのは、サンタカリーナ州で、ウルペマという場所で -9.2℃という 7月の気温としては観測史上で最も低い気温が記録され、各地で滝や木々などが凍結した光景が広がっています。

2019年7月7日 凍結したサンタカリーナ州ウルペマの光景
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農業被害への懸念も広がっています。ブラジルは、世界最大のコーヒー輸出国ですが、この過去最大の寒波で各地に霜が降りていまして、コーヒー収穫への影響が出る可能性があります。今後の天候の状況によっては、世界的なコーヒー価格に影響を与えることになるかもしれません。

他にも、ブラジルはサトウキビの一大生産国でもありますが、サトウキビもまた霜の影響を受けている地域が多くなっているようです。

ブラジル国立気象研究所によれば、この異常な寒波は、少なくとも、今週いっぱい続くようで、7月14日頃までは同じような状況のようです。また、この週は、ブラジルの歴史の中で最も寒い 1週間となると国立気象研究所は述べています。

最終更新:2019/07/11 20:51

2019/07/11 20:41

全世界に「極端な夏の寒波」が到来。そして、アメリカ海洋大気庁の予測からは、秋からの日本はさらに平年より寒くなっていく可能性が浮上

世界中に広がる「夏の寒波」を報じる海外メディア
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全世界を覆いつつある異様な寒気

少し前、以下の記事で、ヨーロッパの気温が「熱波から一転して、記録的な寒波」になったことをご紹介しました。

狂った気候と気温の中で、世界の食糧生産地帯を見てみれば

気象庁が発表した2019年7月6から8月5日までの日本の1ヵ月間の気温予想
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この記事に書かれてあることは、7月5日くらいまでの世界の気象や気温についてでしたが、その後の数日で、

「全世界の気温が、ほぼ寒冷化に向かいだした」

ということが起きていますので、ご紹介したいと思います。

日本も、昨年あたりと比べますと、非常に気温の低い夏となっていますが、他の国や地域では、その寒さのレベルが違います。

すでにドイツやオランダでは、以下の記事にありますように、7月としての観測史上最も低い気温が観測されていますが、今後同じように気温の記録が更新されていく地点が増えていくものと見られます。

ヨーロッパの「夏の超寒波」が拡大。ドイツでは7月として観測史上最も低い気温が全土的に記録される

2019年7月6日のドイツの報道より
german-cold-summer2019.jpg

世界の気温状況を掲載していた記事から、現在の状態をご紹介したいと思います。

なお、記事に出てくる地図の中の「気温の色分け」は以下のようになっています。

kion-anomaly-june2019b.jpg

おおむね、「濃い青から紫」で示されている場所は、平年より 5℃から 15℃ほど気温が低いことをあらわします。

ここからです。

PERSISTENT “WORLDWIDE COLD” BRINGS SERIOUS BREADBASKET CONCERNS
electroverse.net 2019/07/08

持続する「世界的な寒波」が穀倉地帯に深刻な懸念をもたらしている

世界最大級の数々の穀倉地帯が今年は苦戦している。

寒冷前線の後に、さらに寒冷前線が続くような状態が、地球上で最も広大で最も重要な穀倉地域の数々を攻撃し続けている。その範囲は、東アジアからカナダ、アメリカ、そして、ヨーロッパからブラジルにまでに広がる。

それらの国や地域では、多くの農家の人々が 、歴史的に低い太陽活動に関連する弱いジェット気流によってもたらされていると見られる予測不能な気象パターンに対処するのに苦労している。

東アジアの現在の状況

中国では、毎年、夏になると野菜価格が下落するが、慢性的な供給不足から考えれば、中国での季節的な野菜価格の下落は今年は起きないだろう。

中国では、2019年の第 1四半期中に、持続的な寒波が発生し、そのために、日照時間が少ない地域が広がっており、また、6月には記録的な降水量を観測された。

そして今後、7月もまた、容赦ない異常な寒波に見舞われる可能性がある。

2019年7月8日の東アジアの平年との気温の平年との差異の予測
cold-east-asia2019.jpg

この東アジアの異様な寒さは、アメリカ海洋大気庁によれば、少なくとも 7月19日まで続くと予測されている。

2019年7月19日の東アジアの平年との気温の平年との差異の予測
cold-asia-0719.jpg

さらに、日本の気象庁は 7月7日に、今後 2週間、日本列島全域が平年より気温が低くなるという予測を発表し、農作物管理に注意を呼びかけた。

prediction-kishouchow-0707.jpg

カナダとアメリカの現在の状況

カナダには、カナディアン・プレイリーズと呼ばれる豊かな穀倉地帯がある。

サスカチュワン州はさらにカナダの主要な穀倉地帯として名高い。

最新の予測では、今後、平均 16℃以下の気温差をカナディアン・プレイリーズの中心にもたらすと見られる寒気がやって来る。これは、アルバータ州中央部からテキサス州中央部まで 2400キロメートルにわたり続くアメリカの重要な小麦地帯にも影響を与える。

2019年7月9日の北米の気温の平年との差異の予測
canada-us-0709.jpg

ヨーロッパの現在の状況

ウクライナは、豊かで広大な土壌を持ち、また農作に条件の良い気象を持つために、「ヨーロッパの穀倉地帯」とも呼ばれている。

しかし、今年の夏は、少し違うことになりそうだ。

2019年7月9日のヨーロッパの気温の平年との差異の予測
europe-kion-0709.jpg

ウクライナにかかると予測されている、地図でピンクがかった紫色で示される強力な寒波が懸念されている。

ウクライナは、ロシア、EU、そして中国などへの輸出を中心として、世界中に相当量の穀物、野菜、テンサイ、ヒマワリの種、牛乳、肉などを輸出している。

加えて、近年、ロシアの小麦生産量が上がっており、西暦 2000年から倍増している。そのため、メキシコやエジプトなどがロシアからの小麦の輸入に頼っている。

しかし、この気温予測からは、ロシアの小麦生産も減速する可能性があり、かつてあったように、ロシアが小麦の輸出を法律で禁止した場合、世界的に大きな影響をもたらすと思われる。

ブラジル及び南米の現在の状況

ブラジルは世界の食料生産の 25%を占めている。そこには、砂糖、大豆、タバコ、コーヒー、綿、およびオレンジジュースが含まれる。

このブラジルでも、最新の予測によれば、7月は異常な寒波に見舞われているように見える。ボリビア、パラグアイ、ウルグアイ、ペルー、エクアドルも同様に寒波の影響を受けるだろう。

2019年7月7日の南米の気温の平年との差異の予測
brazil-kion-0707.jpg

ここまでです。

記事の中に、ロシアの小麦に関しての記述がありますが、ロシアは、今から 9年前の 2010年に、その時は寒波ではなく猛暑と山火事が原因でしたが、農作物に壊滅的な被害が出たために、「小麦の輸出を全面的に禁止した」という前例があります。

その時のワシントンポストの報道を、当時の(翻訳した記事だけ掲載していた時代です)In Deep のこちらに載せていますが、その冒頭部分を載せたいと思います。熱波と寒波の違いをのぞけば、今年と状況が似ていることがわかります。

ロシアが干ばつと火災の作物の荒廃により小麦の輸出を禁止
ワシントンポスト 2010/08/05

ロシア政府は、激しい干ばつと火災のために国の作物の5分の1を失い、国の非常備蓄制度に従い、穀物輸出を禁止すると(2010年)8月5日に発表した。

世界でもっとも小麦輸出量の多い国のひとつであるロシアの輸出禁止措置発表を受けて、シカゴ商品取引所では正午までに小麦価格は 8.3パーセント上昇し、過去 2年間の最高値を更新した。

穀物価格は世界の他の地域での異常気象の影響も受けている。

カナダでは大雨で作物の多くを失い、カナダ政府は小麦生産が 35パーセント低下することを予測した。世界でもっとも人口の多い中国では、この 10年間でもっともひどい洪水に見舞われ、コメの生産が 5パーセントから 7パーセント減少すると予測している。中国は世界に供給されるコメのおよそ3分の1を生産しており、シカゴ商品取引所では 7月1日以来、コメ価格 は15パーセント上昇した。

アメリカは小麦農家にとって明るい展望の見える唯一の国と言える。アメリカ農務省は、約 10億ブッシェルの小麦の余剰を予測している。そしてこれは、他の国の小麦不足はアメリカの小麦産業により不足を埋められることを意味する。


このように、2010年は「アメリカで小麦が豊作だった」ことが今年と大きく異なります。今年は「アメリカの小麦が最も影響を受けている」という状態です。

9年前は、世界中が熱波に見舞われていたことに対して、今年 2019年は、「寒波が世界すべての穀倉地帯を狙ってやって来た」というような感じの分布となっているのでけすけれど、それと共に思うのは、

・平年より異常に気温の低い場所



・平年より異常に気温の高い場所

が隣り合っているような場所も各地域にあり、こういう気温の状態は、ものすごい悪天候を生みやすい状況でもありそうです。

気温の問題も大きいですが、大雨や雹嵐、突風などによる農作物被害も起きやすい状況なのかもしれません。

もちろん、この 7月の状態が夏の間中続くというわけではないでしょうが、しかし、夏のこの時期は、農作物管理にとても重要な時期のようにも思いますので、国や地域によっては、厳しい場所も出てくるのかもしれません。

そして、それを過ぎると、子今度は台風シーズンにもなりますし、いろいろ波乱の要素は続きそうです。

それと共に、いわゆる「エルニーニョ」に関しての世界予測が急速に変化してきていることについて少しふれておきます。

エルニーニョが夏の間に突然ラニーニャに変転する可能性

現在、太平洋の赤道付近の海水温度が通常より高くなるエルニーニョ現象が起きていますが、6月までの予測では、このエルニーニョは「ゆっくりと変化しながら、秋まで続く」と予測されていました。

エルニーニョの逆の現象で、太平洋の赤道付近の海水温度が「低くなる」というラニーニャというものがあるのですが、少なくとも、今年、ラニーニャが発生するという予測は、6月の時点ではほぼ示されていませんでした。

ところが、最新のアメリカ海洋大気庁(NOAA)などによる予測では、

「秋頃からエルニーニョがラニーニャになる可能性」

が、少なからず出されているのです。

わかりやすいグラフではないかもしれませんが、以下は最新の、今後の太平洋赤道付近の海水温度の予測シミュレーションです。

基本的に、平年より 0.5℃海水温度が高ければエルニーニョ、0.5℃低ければ、ラニーニャということになるようですが、複数の予測ラインのうちのいくつかは、「 8月頃からラニーニャの基準に達する」ことを示しています。

太平洋赤道付近の海水温度の予測シミュレーション
cfsv-el-nino2019.jpg

これを見ますと、現在の 7月の時点で、「すでにエルニーニョは終わっている」ようにも見えるのですが、それはともかくとして、今後、急速に該当する海域の海水温度は低くなっていくと予測するシミュレーションも多くなっています。

描かれている複数のシミュレーションのラインの中には、エルニーニョが継続することを示すものもいくつかありますので、どちらへ行くのかは結局、その時期が来ないとわからないのですけれど、仮に唐突にラニーニャになっていった場合、またも気温が大変なことになる可能性はあります。

エルニーニョになるとこうなる、とか、ラニーニャになるとこうなる、というような決められた傾向があるわけではないですが、一般的には、日本においては、

・エルニーニョ → 夏の低温、梅雨の長期化、冬の高温

などが言われていまして、ラニーニャはこの逆となります。つまり、

・ラニーニャ → 夏の高温、冬の低温化

となることが多いとされています。

仮に、秋からラニーニャになるとしたなら、場合によっては、今年は、

「夏も秋も冬も寒い」

という流れが起きないとも限らない可能性が出ています。

ただ、今の日本の低温で雨が多い状態が、エルニーニョの影響かどうかはわかりません。その理由は「世界全体の状況でも、各地で低温と大雨が見られている」からでして、日本においては、エルニーニョの影響は起きているにしても、他の影響も多くありそうです。

日本では、少なくとも、あと 2週間は同じような天候と気温が続くと気象庁は述べていまして、その先がどうなるかは今のところはわからないですけれど、世界全体で気候と気温の問題はますます大きくなっていく可能性があります。

最終更新:2019/07/11 20:41

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