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日別記事一覧

2019/05/31 22:17

竜巻の発生数が過去に例を見ない「1ヵ月間で500回以上」に達し、ミシシッピ川を含む河川の水位レベルは建国史上最大に

2019年5月31日現在のアメリカの異常な竜巻と洪水について解説する5月28日の米メディアの記事より
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前例のない状態に突入したアメリカ

今年の 3月の終わりに、アメリカに歴史的な大洪水の兆しが見られることについて以下の記事で取り上げさせていただいたことがあります。

アメリカ中西部の大洪水は「真の黙示録への扉」を開けるものとなるのか? 重大な食糧危機の発生の懸念と、それを発端とした経済・金融・社会の混乱の勃発の可能性が台頭

2019年5月27日の米メディアの記事より
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The World’s Greatest Agricultural Disaster
Cold Climate Change 2019/03/27

世界最大の農業災害

この航空写真は、2019年3月19日に、アイオワ州のミズーリ川に沿って発生している洪水が示されている。アメリカ陸軍の工兵隊は、ネブラスカ州、アイオワ州、ミズーリ州で、少なくとも 12個以上の河川の堤防が決壊したと述べていいる。

激しい気候変動の中、今、アメリカで信じられない洪水が発生している。このような壊滅的な洪水を私たちは見たことがない。

アイオワ州、ネブラスカ州、サウスダコタ州および他のいくつかの州では、広範囲で農地を広く帯状に破壊している。

特に、ネブラスカ州では、この歴史的な災害の範囲は州のあらゆる範囲に及んでおり、ネブラスカ州は現在、混乱の中にある。

この洪水により失われた農作物と酪農動物の被害額は、現在の初期段階の見積もりで、すでに 30億ドル(3300億円)に近づいている。

しかし、洪水はこれで終わるわけではないのだ。

アメリカの気象機関は、この洪水が 5月まで断続的に続くと警告しており、洪水の被害がさらに増加すると予測されている。

これ以上の洪水は、これらの州の農地をすべて使用することができなくなる状態にまで追い込む可能性がある。

豆やトウモロコシ、穀物の栽培に通常使用されている畑の多くが現在、大量の雪、あるいは数メートルの水の下にある。水没している畑では、今年の作物生産は事実上難しいだろう。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、全米の 25の州で 2億人以上の人々が危険にさらされていると警告した。NOAA の予測では、この春は、過去最高の降水量が予測されており、アメリカの大部分の地域では、5月まで「前例のない洪水の季節」になると考えられる。

今後も多くの地域で、農作物や農作地が一掃される可能性があるだろう。

当局は、雪解け水の増加、そして河川の堤防が現在の洪水により水への防御が弱まっているため、今後数週間でさらに大きな洪水が引き起こされるだろうと述べている。

壊滅的な洪水の原因は、気候の激しい変化に起因することは確かだが、降水量の劇的な増加に関しては、天体物理学にも注目したほうがいいかもしれない。宇宙放射線(宇宙線)の増加は、地球の雲の増加を引き起こし、降水量の増加と関係する。

現在、私たちは、太陽活動の極小期の中にいるが、太陽活動極小期の特徴のひとつが、より多くの雨雲と降水量の増加を生み出す宇宙線の増加にある。

私たち(アメリカ人)はアメリカの洪水だけに注目しているが、実際には、現在、世界中で激しい洪水が数多く発生し続けている。

これはどういうことかというと、「世界中の農作物と農作地が荒廃していく可能性がある」ということでもある。

現在のアメリカ中西部がそうであるように、世界のいくつかの国や地域でも、洪水のために、多大な農業損失が発生しているだけではなく、今年の農作が不可能となっているところも出ている。

あるいは、アメリカ中西部の洪水が春の後半にまで続いた場合、農村部の道路や橋、あるいは鉄道等のインフラへの被害も出始める。

これらのインフラはアメリカにとっては非常に重要なものだ。農場から加工工場や出荷拠点に作物を移動するためのものであり、これらが洪水により一掃された場合、農作物を市場に出すことができなくなるのだ。

また、道路が損傷することから、植栽シーズンのためにトラックが農家に種子を届けることがさらに困難になることもあるだろう。

私たちが今見ている光景は、間違いなくアメリカの歴史の中で史上最悪の、私たちが見たことのない農業災害なのだ。

広大な農地が水没しており、しかも今後数カ月はそのままだ。

膨大な食糧備蓄も失われた

この洪水では、農家の人々が貯蔵していた小麦、トウモロコシ、大豆の大量備蓄が失われたこともわかっている。

アメリカ農務省によると、サウスダコタ州、ネブラスカ州、カンザス州、ミネソタ州、アイオワ州、ミズーリ州、ウィスコンシン州、イリノイ州の各農場には、67億5000万ブッシェル(約 1億8000万トン)のトウモロコシ、大豆、小麦が貯蔵されていた。

これだけの驚異的な量の食糧備蓄が洪水で失われたことは驚きだが、なぜ、このように大量な備蓄をしていたかというと、米中の貿易戦争のために、農家は以前よりも多くの小麦、トウモロコシ、大豆を貯蔵していたのだ。

そのような中、洪水は貯蔵されていた食糧の多くを破壊した。

つまり、洪水は、農作地の作物を一掃しただけではなく、倉庫に備蓄されていた食糧、つまり過去の生産物も一掃した。そして、農地を使用不可にしたことで、未来の生産物も消し去ろうとしている。

経済への波及

洪水以外も含めて頻繁になっている他の農業災害を前に、次のことに注意することが重要だ。それは、インフラの損傷、農業損失、および干ばつ、洪水、ハリケーンによる商品価格の急上昇によって引き起こされるマクロ経済的なショックについてだ。

サンフランシスコ連銀上級執行役のグレン・ルデブッシュ(Glenn Rudebusch)氏は、「気候変動は金融危機を引き起こす可能性がある」と述べている。

巨大なインフラの被害、莫大な農業損失、食料品の急激な価格上昇の脅威、そして多くのアメリカの州間での経済活動の急激な低下が金融市場の混乱を引き起こす可能性を示唆している。

オリーブオイルのカタストロフ

CNNの報告によると、ここ数カ月の間に悪天候と霜により、世界のオリーブオイル生産とその業界が問題を起こしており、57%の損失が発生しているという。

2018年までに生産量が減少し、同部門に約10億ユーロ(11.33億ドル / 1200億円)の損失が出た。

特に状況がひどいのがイタリアで、生産量の劇的な減少を防ぐために、イタリアはオリーブオイルの輸入を余儀なくされる可能性がある。

極端な気象現象がオリーブの収穫を激減させ、イタリアの最も重要な料理の材料のひとつであるオリーブオイルの不足という懸念が現実化しようとしている。

イタリアの大部分のオリーブオイルを生産している南部地域は、最も気候の影響を受けており、「 2500万本のオリーブの木が消失した」という。

気候変動とジャガイモの黙示録

ジャガイモの生産も世界的に壊滅的となっている。カナダでは、5億ポンド(2.4億キロ)のジャガイモが駄目になった。

これは、春の終わりに 3週間に渡ってカナダを襲った悪天候によるものだ。

昨年のカナダはあまりにも暑い夏、そしてあまりにも寒い秋の中で、推定で 6000ヘクタールのジャガイモ畑で収穫することができなかった。関係者たちは、「このようなことは、過去 25年間で一度も見たことがない」と話している。状況が好転する兆しもない。

メキシコ

メキシコでは、この冬の異例ともいえる寒波と大雪により、多くの農作地が破壊された。ソノラ州では、霜と雪で大量の作物が収穫できない状態となった。

ソノラ州だけでも、推定で 1万2000ヘクタールの農作物が被害を受けたと考えられている。

他にも、カボチャ、チリビーンズ、ジャガイモなどが何千ヘクタールにわたり、霜の被害を受けている。

劇的な気候変動は世界全体で起きている

オーストラリアは、昨年までの 7年間、史上最悪の干ばつを経験していた。ところが、一転して、オーストラリア・クイーンズランド州は、壊滅的な洪水に襲われ、飼育されていた牛たちが一掃される光景と対峙しなければならなかった。

オーストラリア最大の牛の企業は、「極度の損失」について警告しており、オーストラリア北東部では、この洪水により 30万頭以上の牛が溺死あるいは流失したと見られる。

現在までに、オーストラリアの洪水での牛の死亡数は 50万頭に上っている。

アメリカでも、真冬のアイダホ州とワシントン州で、大雪、強風、極寒が複数の酪農地域を襲い、約 2000頭の乳牛が死亡した。

ワシントン州の酪農家たちによると、自分たちの人生でこのようなことを経験したのは、これが初めてだと述べている。

そして、現在のアメリカ中西部の洪水では、どれほどの数の牛が死亡しているかまだわからないとはいえ、天文学的な数字になることは確実だろう。

洪水の初期段階で、溺死あるいは流失した仔牛は数百万頭にのぼるとされている。

結論

気候学者のジュディス・カレー(Judith Curry)氏は、最新の論文の中で、現在の海面上昇は異常ではないことを説明し、そして過去 150年間、海洋は「ゆっくりとした変化」を続けてきたと主張しながら、1950年以降の二酸化炭素排出量の増加から、気候変動が人為的な理由だけでは説明できないことを発見した。

NASA の研究によると、グリーンランド最大の氷河であるヤコブスハブン氷河は、2016年から急速に拡大を始めた。これは科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに発表された。

北半球最大の氷河が成長に転じた中で、温暖化の傾向を考えるのは難しい。

しかし、地球が温暖化に向かおうが寒冷化に向かおうが、とにかく気候は変化している。

より寒くなり、あるいは、より暑くなり、より多くの雪、より多くの雨、より多くの洪水、より多くの干ばつ、より大きな嵐が地球の各地で猛威を奮う。

劇的な気候変動の中にある現在は、火山の噴火も地震も増えている。これは過去の気候変動の時期のデータと太陽活動極小期の関連でも予測できることだ。

気候変動に関しては、人それぞれの信念や確信があるだろうが、その信念はともかくとして、現在の激しい気候変動の結果として現れているこれらの事象は無視できない事実だ。

太陽活動は減少し、太陽の日射も少なくなっている。そして、その原因はCO2とは関係ないことを私たちは知り始めている。

それから 2ヵ月経ちましたが、現在、ミシシッピ川やアーカンソー川などアメリカ中部の数々の巨大な河川の水位は、「それ以来、1度も低下することなく」上昇を続けているのです。

つまりは、この 2ヵ月間ずっと洪水が進行中なのです。

5月27日 上昇し続けるアーカンソー川の水に飲み込まれたオクラへ州タルサの街並
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そして、今現在のアメリカは「竜巻のは発生」がすごいのです。

NOAA (アメリカ海洋大気庁)の統計によれば、アメリカの 5月の竜巻の発生平均数は 280回程度なのですが、今年の 5月は「 500回以上」報告されているのです。

この報告がすべて記録として確認されれば、この 5月は、平年の平均値とは比較にならないような異常な月となりそうなのです。

5月下旬 竜巻が通過した後の米中西部の住宅街
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冒頭に示しましたアメリカのメディア記事は、最近のそれらの事象について各報道の内容をまとめています。

それをご紹介したいと思います。

なお、洪水について、文中に「 1927年以来の」という表現が何度か出てきますが、この 1927年というのは、以下のような出来事がありました。

ミシシッピ大洪水 - Wikipedia

ミシシッピ大洪水は1927年に起こった、アメリカ合衆国史上最大の被害がでた洪水である。

1926年夏、ミシシッピ中央盆地に大雨が降ることに始まり、9月までにカンサス州とアイオワ州のミシシッピ川支流は飽和状態になった。 1927年初頭にはナッシュビルにおいてカンバーランド川の堤防を水が超える(水位17m)。

ミシシッピ川の堤防は145ヶ所で決壊し、7万平方kmが洪水に襲われた。


そして現在、そのミシシッピ川も、他のアメリカ中央部の河川も、ほぼすべてがこの 1927年の水位の記録を更新するか、更新しようとしています。

しかも、1927年には、「水位の上昇が半年ほど続いた後に洪水に至った」のですが、今年の場合は、まだ3ヵ月ほどしか経過していませんので、どれだけ急激な水位の上昇が起きていたかということを示してもいます。

洪水にしても竜巻にしても、「まったく歴史的な時」に、今のアメリカ中央部はあるのです。

This Is Not “Normal”: There Have Been More Than 500 Tornadoes In The U.S. During The Last 30 Days
endoftheamericandream.com 2019/05/28

これは「普通」ではない。過去30日間でアメリカでは500回を超える竜巻が発生している

現在、アメリカの中央部で起きている異常な竜巻の発生回数について、主流メディアは「経験したことのない領域」という用語を使用して説明しようとしている。

しかし、これは、私たちが目撃しているこれらの現象の歴史的な性質の真実を捉えているとは思えない。過去 30日で、アメリカでは 500回以上の竜巻が発生している。 これは普通の状態ではない。

さらには、この 5月28日は、竜巻が 12日間連続で発生した日となり、しかも、すべての日において、毎日 8回以上の竜巻が発生したのだ。

アメリカ中西部の多くの郡コミュニティは、現在「戦争地帯」のように見え、そして、すでに何十億ドル(数千億円)の経済的損害が発生している。 しかも、この危機はまだ終わったわけではない。5月30日には、より強力な暴風雨がアメリカ中央部で猛威をふるうと予測されている。

1998年からの統計によると、アメリカでの 5月の竜巻の発生数の平均値は 279回となっている。ここから見ると、現在の「 30日で 500回以上の竜巻が発生した」という状況は、平均を大きく超えていることを意味する。

msnは以下のように伝えている。

先週だけで、竜巻により、少なくとも 7人が死亡し、数十人が負傷している。連邦政府の天気予報官は、30日の間に 500回以上の竜巻が記録されたと予備報告を報告した。この報告が最終的に確認されたならば、それは非常に珍しい数字となる。

5月28日の夜は、アメリカ中西部の町や市が強力な暴風雨に見舞われ、竜巻がカンザス州東部からミズーリ州まで走り抜けた。竜巻は、カンザス州ローレンスで、木々と電力線をなぎ倒し、近くのリンウッドで家屋を粉砕した。


アメリカ国立気象局によると、戦没将兵追悼記念日(5月27日)の翌日 1日だけで、50回以上の竜巻が発生し、これは、この時点で 12日連続、しかも毎日 8回以上の竜巻の発生があった状態となっていた。

これらの暴風雨と竜巻によって発生した破壊と荒廃の規模は、計り知れない。オハイオ州デイトン郡の消防署長は、テレビメディアの取材に対して「私の町では、多くの一軒家が吹き飛ばされ、集合住宅は建物ごと破壊されました。全域で壁が破壊されています」と述べた。

数え切れないほどの数のアメリカ人たちが自分たちの生活の環境を破壊された。そして、アメリカ中西部は、すでにここ数カ月続いている前例のない洪水の影響からも脱していないのだ。

これまでのところ、ミシシッピ川とミズーリ川に沿った歴史的な洪水に焦点が当てられてきたが、今ではアーカンソー川の水位の上昇に伴う深刻な洪水が過去最悪の記録を更新しようとしている。

ウェザーチャンネルは以下のように報じている。

過去数週間にわたる豪雨は、5月のあいだ、ずっと水位の上昇の記録を更新させ続けた。そして、アーカンソー州とオクラホマ州の一部では河川の洪水が記録的なレベルに増大している。

アメリカ国立気象局によれば、アーカンソー州リトルロックの北西に位置するトード・サック貯水池からオクラホマ州の国境まで、アーカンソー川に沿って記録的な洪水が発生すると予測されており、この影響は夏まで続くと考えらる。


USA トゥディは、以下のように、オクラホマ州とアーカンソー州は「史上最悪の洪水に直面している」と明言した。

オクラホマ州とアーカンソー州は、この地域を到達すると予想される新たな暴風雨は、すでに一部の地域で記録的な水位に達している領域において、史上最悪の洪水に発展させる可能性がある。

5月27日のリポートによれば、オクラホマ州とアーカンソー州全域で、竜巻、強風、雹、大雨が報告されており、多数の人々の避難や高い水準の救助活動が行われている。この暴風雨は、過去 2週間でアメリカ中西部を襲った最も最近のものであり、少なくとも 9人の死者と、強風と洪水による被害の痕跡を残している。


ミシシッピ川の水位の上昇と洪水も続いている。ミシシッピ川の洪水は「過去 90年以上で最悪」と呼ばれており、川の一部では新しい記録がすでに更新されている。USA トゥディは以下のように報じている。

ミシシッピ州のヴィクスバーグでは、2月17日にミシシッピ川の水位が洪水のレベルを超え、それ以来、ずっと洪水状態のままとなっている。 国立気象局は、これは 1927年以来、ミシシッピ川が洪水レベルの水位となった期間として、最も長い期間であると述べた。

ルイジアナ州のバトンルージュでは、ミシシッピ川の水位が 1月上旬に洪水レベルを超えて上昇して以来、ずっとそのレベルを上回り続けている。 この記録的な長期間の洪水レベルの水位の連続と上昇が 6月まで続いた場合、統計が取られ始めた 1927年からの記録を破ることになると国立気象局は言う。

さらに北部では、アイオワ州とイリノイ州でのミシシッピ川の水位が、過去に記録されていた主要な洪水レベルを超えた水位の期間の最長の記録となっており、こちらも 1927年を上回った。


このように今のアメリカで発生している事態のどれも「普通のこと」ではない。そして、この 5月までの 1年間のアメリカは、その歴史の中で最も雨の多い12ヵ月だった。

この異常な雨の多さは、アメリカ中西部の農業にとって壊滅的なことであり、今のところ、2019年のアメリカの農業生産は、予測をはるかに下回ると見られる。今後数カ月のうちに食糧価格が高騰する可能性はかなり高い。

そして、残念なことに、アメリカでは、さらに雨が降り続きそうなのだ。ウェザーチャンネルは、以下のように、今後、別の一連の非常に強力な暴風雨がアメリカ中部を通過する予測をしている。

週明け、アイオワ州からオクラホマ州まで、激しい雷雨が予想され、地域によっては豪雨や洪水、鉄砲水が発生する可能性がある。また、地域によっては、雹嵐となる場所もありそうだ。

水曜日にかけては、テキサス州北部からオクラホマ州、アーカンソー州、ミズーリ州南部にかけて、さらに多くの雨が予想され、すでに進行中の河川の水位の上昇が悪化すると見られており、さらなる洪水が発生する可能性がある。


私たちは、現代のアメリカの歴史の中で、このような気象の年を経験したことがない。気象パターンが狂ってきていると言ってもいいのかもしれない。

しかし、気象のパターンが、さらに異常になった場合、あるいは現在のような竜巻や洪水がさらに頻繁に発生するようになった場合はどうなってしまうのだろう。

その先にあるのは、多くの人たちが予測するのと同じ光景の未来なのかもしれないが、いずれにしても、アメリカに住んでいるのならば、準備と「考えること」は必要だ。

ここまでです。

この中で、オハイオ州のデイトンという町の消防署長が、「私の町では、多くの一軒家が吹き飛ばされ、集合住宅は建物ごと破壊され」と語っていますが、それはたとえば、以下のような「竜巻の後の状態」を想像していただるとわかりやすいかと思います。

5月27日 竜巻が通過した後のオクラホマ州の町の様子
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すべての竜巻がこのような巨大な被害をもたらしているわけではないですが、現象としては同じ「竜巻」という事象が、1ヵ月で 500回も発生していることは事実です。

10日ほど前に、「アメリカで 3日間で 67回の竜巻が発生した」という出来事を以下の記事でご紹介したことがありました。平年の 5月の 1ヵ月平均が 280回ほどだと考えれば、これは異常だと思ったのです。

荒れすぎている気象 アメリカで「三日間で67回の竜巻が発生する」という驚異的な破天荒の記録が作られる

2019年5月22日の米国CNNの報道より
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しかし、今思えば、アメリカは 5月の 1ヵ月で 500回の竜巻に見舞われていたわけですから、3日間で 67回の竜巻の発生というようなことも、そこから考えると、この時だけが異常だったとのではなく、「もう、アメリカはしばらく、このような状態のままとなっている」ようなのですね。

アメリカでの竜巻の発生は 4月から 6月が最も多いために、今後もしばらくは同じような状態が続く可能性があります。

ただ、先ほどのご紹介した記事本文にありました、

> 気象のパターンが、さらに異常になった場合はどうなってしまうのだろう

ということは、私も思います。いよいよ収拾不能の状態の場所が、地域的に次々と出てくることもあり得るかもしれない。

もちん、それはアメリカだけでのことではなく、今後のほとんど全世界に当てはまるかもしれないことですが。

それでも、アメリカの事象は最も劇的で大規模なような気はします。

なお、ここにきて、アメリカの「自然災害の被害の大きさの順位」が、大きく変動してきているように思われます。

例えば、以下は、2004年から 2013年までの、アメリカでの極端な気象による自然災害での死者数と、被害額の合計です。

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人的被害は、熱波、竜巻、ハリケーンというような順となっていまして、経済的被害は、ハリケーン、熱波、竜巻というような順になっていますが、今のアメリカは、竜巻が人的・経済的被害どちらも最も大きくなっているように思います。そして今後は「洪水の被害」が、特に経済被害について考えられない影響をアメリカと世界に与えそうです。

アメリカ中西部は、少なくとも夏まではこの試練の時が続くと見られますが、その他の地域でも、今後多くの国や地域で、アメリカとさほど変わらないような「天候の異変」の影響を受けるはずです。

日本については、どうだこうだといえないですが、昨年一昨年がそうだったように、夏以降さまざまな気象の異変に見舞われる可能性はあり得ます。

そして、その後は、これらの問題は、食糧供給などを含めた経済への影響、そして実際の生活への大きな影響へと移行していく懸念があると思われます。

日本で令和が始まった今年 2019年は、いろいろな意味で大きな転換点となる可能性が出てきました。

最終更新:2019/06/02 14:53

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2019/05/31 21:48

発生要因不明の「惑星間空間衝撃波」が地球を直撃していた。そして、この現象が「宇宙線を生成していた」ことが独自調査により判明。同じ日に起きたペルーの大地震との関係は?

2019年5月27日 惑星間空間衝撃波が発生した時のデータ
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惑星間空間衝撃波とは何か

5月27日に、「地球が《惑星間空間衝撃波》の直撃を受けていた」

ことが、NASAなどのデータにより明らかになったことが、スペースウェザーで報じられていました。

以下のような短い記事です。

INTERPLANETARY SHOCK WAVE HITS EARTH
Spaceweather 2019/05/28

惑星間衝撃波が地球を直撃

弱い惑星間衝撃波が 5月26日 22:00(世界時)に地球を直撃した。

この、まるでコロナ質量放出( CME )のような現象による磁場による攪乱は、事前に予測されていないものだった。

この惑星間衝撃波は、地球の周囲の太陽風の密度を突如として4倍にし、惑星間の磁場の強度は2倍となった。 地球の磁気圏はその衝撃によって乱れたが、地磁気嵐は引き起こされなかった。


この「惑星間衝撃波」という物々しい単語は、In Deep の過去記事のタイトルにも1度出てきたことがあります。以下の記事です。

地球が「惑星間空間衝撃波」の直撃を受ける中、太陽には今年最大級の数の黒点が突如として出現

2018年4月21日のスペースウェザーの特集記事より
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日本時間の 4月20日から現在 4月22日に至るまで、地球の多くのエリアが比較的高いレベルの磁気嵐に包まれていました。

今はすでに磁気嵐の影響は抜けているはずですが、少し前までは、磁気嵐の影響で各地で若干の通信障害や、あるいはオーロラの多発が見られていました。

今回のこの磁気嵐、いつものものとは「少しだけ」違いまして、それは冒頭に載せましたスペースウェザーの記事にも書かれてありますが、

「惑星間空間衝撃波」

という物々しいネーミングの現象によるものだったのです。

通常の太陽フレアやコロナホールなどによる磁気嵐とは「威力が違う」粒子の直撃による磁気嵐が地球を覆い尽くしたことになります。

その中で、ふだんは、ほぼ決して見られない青いオーロラが観測されたりもしていたことを報じているのが冒頭のスペースウェザーの記事の意味です。

磁気嵐の中で発生した極めて珍しい「青いオーロラ」(航空機から撮影)
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それにしても、「惑星間衝撃波」というのは、何とも物々しい響きですが、難しい説明はともかく、さまざまな要因と相互作用で太陽からの粒子が非常に加速したまま地球に直撃するようなことらしいです。何しろ、ふだんほとんど科学的な報道にも出てこないですので、正確な説明がよくできません。

ニュースでこの言葉が見られるのは、18年前の西暦 2000年6月の国立天文台のニュースを紹介していたアストロアーツの記事くらいです。

今回、これとほとんど同じことが起きていたと思われますが、ただ、今は太陽そのものの活動が弱いですので、影響は 18年前よりずっと小さいと思われます。

巨大な惑星間空間衝撃波が地球を直撃
アストロアーツ 2000年6月9日

6月6日19時42分、NASAの太陽観測宇宙天文台ソーホー(SOHO)は、太陽を包み込むコロナを全て吹き飛ばした、巨大なコロナ質量放出(CME)、「フルハローCME」を観測しました。(略)

今回のような巨大なCMEは、地球の電離圏に強力な電流を生じさせ、電気機器の誤作動、GPSなどの衛星の誤作動、電波障害、オーロラ活動の活発化を引き起こします。

6月8日8時42分、地球から太陽側へ150万kmの宇宙空間に浮かぶ太陽物質探査衛星(ACE)によって、惑星間空間衝撃波の到達が観測されました。


この中にも、

> 太陽を包み込むコロナを全て吹き飛ばした「フルハローCME」

という初めて聞く言葉なども出ていて、「 18年前にもいろいろとあったんだなあ」と思います。

このアストロアーツの記事が出された西暦 2000年6月といえば、サイクル23の太陽活動の最大期のほぼ頂点に位置する時で、そのまま「狂乱の 2001年」へ突入していく時でした。ですから、その影響はかなりのものだったと推測されます。

そして今回、その時に起きていた現象としては同じである「惑星間空間衝撃波」が 4月21日に起きたと。ただ、今はとても太陽活動が弱いですので、影響も非常に軽微だったということになりそうです。惑星間空間衝撃波という大仰な現象も、太陽そのものの力が弱い場合は、それほど深刻なことにはならないようです。

この惑星間衝撃波なのですけれど、この定義がどうもわからない。

上の過去記事の際にも、どれだけ調べても、これが「どういう場合に使われる言葉なのか」がわからないままだったのです。

というより、「惑星間衝撃波 (Interplanetary Shock Wave)」という科学用語は正式には存在しないようなのです。

そのような状態を表している単語ではあっても、何らかの科学的定義を持っている用語ではないようなのですね。

報道にもほとんど出てこないのですけれど、この言葉が出てくる報道としては、たとえば、今から 19年前の 2000年6月の国立天文台ニュースの、巨大な惑星間空間衝撃波が地球を直撃2000/06/09

にまで遡らなければならないのですが、その出だしは次のようなものです。

2000年6月6日19時42分(世界時)、NASAの太陽観測宇宙天文台 SOHO は、太陽を包み込むコロナを全て吹き飛ばした巨大なコロナ質量放出(CME)である「フルハロー CME 」を観測しました。

このようにありまして、つまり、この場合は、太陽から噴出した巨大なコロナ質量放出により惑星間衝撃波が生まれたという解釈でいいようなのです。

では、今回の 5月27日の惑星間衝撃波はどうだったか。

太陽では何にも起きていないのです。

太陽フレアもなし。

もちろん、コロナ質量放出もなし。

太陽では何にも起きていないのです。

しかし、太陽活動的なものがない状態の中で惑星間衝撃波は確かに発生したわけです。

もう少し手かがりはないものかと調べていましたら、東京大学の地球惑星物理科のウェブサイトに以下のような記述がありました。

そのまま抜粋しましても難解すぎるものですので、示させていただきたい部分だけを抜粋しています。

東京大学地球惑星物理科「宇宙空間衝撃波・宇宙線物理」より

惑星磁気圏の周りには太陽風が超音速で流れているため、高速プラズマ流が磁気圏を障害物となって急激に減速され、風上には衝撃波が作られます。(略)

非常に興味深い点は相対論的速度をもつ高エネルギー粒子も同時に形成されることです。

(略)

どのようにしてそのような相対論的エネルギーを持つ粒子を作るかは未だ謎に包まれています。


このようにありまして、要するに、この、

> どのようにしてそのような相対論的エネルギーを持つ粒子を作るかは未だ謎に包まれて

という部分で何となく納得しました。

つまり、今回の 5月27日に発生したような、太陽フレアやコロナ質量放出のような太陽活動を「伴わない」惑星間衝撃波は、

「それがなぜ発生するのかは基本的にまだわかっていない」

もののようなのです。

ですので、いくら「惑星間衝撃波」という言葉で検索しましても、それは報道としても科学用語としても出てこないのだと思われます。

地球を地磁気嵐を発生させる直前の状態にさせた大きな宇宙空間での現象であるにも関わらず、スペースウェザーの記事が極めて短かったのも、そのためなのかもしれません。

つまり、「科学的に説明することができない現象」ですので、長い記事にはしにくいものなのかもしれません。

なお、先ほどの東京大学のページには以下のような記述もありました。

宇宙からは宇宙線と呼ばれる高エネルギー粒子やX線やガンマ線で観測される高エネルギー光子などは、多かれ少なかれ宇宙での衝撃波加速によるものであると考えられています。

これによりますと、「宇宙線とは、宇宙での衝撃波によって作られ、加速して宇宙を進んでいる」ということが、現在の天文学での推測となっているということですが、仮にこの推測が正しいのであれば、私は結構大変なことを思ってしまったのですね。

それは、以下のようなことです。

「 5月27日のような発生要因不明の惑星間衝撃波もまた《宇宙線を作っていた》かもしれない」

という考えで、これつまり、惑星間衝撃波による磁場の直撃を受けていたこの 5月27日の地球は、

「同時に強い大量の宇宙線の直撃も受けていたかもしれない」と思ったのです。

もちろん、これは推測というか、妄想に近いものですけれど・・・と思いながら、「そういえば、宇宙線観測モニターがあるやん」と思い出し、フィンランドのオウル大学にある宇宙線観測モニターのリアルタイムデータを見てみましたら、「この 5月27日は、地球で観測された宇宙線量が今年最大となっていた」のでした。

下のグラフのマルで囲んだところが 5月27日の宇宙線量の観測数値ですが、「ほぼ直線に瞬間的に上昇している」ことがおわかりでしょうか。

cosmic-rays-0527.jpg

そして、グラフを見る限りでは、この 5月27日の地球での宇宙線観測値は、「今年最大の数値」だと考えられます。

グラフの他の部分を見てみましても、この日のように「グラフが垂直に上がる」というような変化は、他では見られないもののように見えますので、おそらくは、この急激な上昇は、惑星間衝撃波の発生によるもの、あるいは、それと関係があるものだと考えられます。

太陽では、太陽フレアなどの活動は起きていませんので、このように唐突に宇宙線量が急上昇する要因は他には考えにくいです。

「なるほど、惑星間衝撃波という現象は宇宙線を作るのか」

と、妙に感心していましたが、その後、ふと、

「だとすると、この現象は、地球の気候だとか、あるいは地質活動にも介入した可能性も?」

というように思いに至りました。

宇宙線が地球に対して、どのような影響を与えるのかは、正確にはほとんどわかっていませんが、わかってきている部分としては、以下のようなことがあります。

宇宙線が地球に与えていると考えられる影響

・雲の量と雨量 (宇宙線が増加すると増える)

・雷の発生 (宇宙線が増加すると増える)

・ヒトの心臓疾患の増減 (宇宙線が増加すると増える)

・火山の噴火の増減 (宇宙線が増加すると増える)

・地震の増減 (宇宙線が増加すると増える)


これらに関しては、以下の記事に比較的詳しく書かせていただいていますので、ご参照いただければ幸いです。

予測をはるかに上回り激増している宇宙線と放射線 その人類への影響は何か。気象、天候、人間の健康、地震や噴火

2018年3月6日のスペースウェザーの記事
cosmic-ray-situation.jpg

地球の成層圏の放射線量の過去2年間の推移
balloon-data-2015.jpg

予測を上回る増加を見せる宇宙線の影響はどのようなものか

NOAA や NASA などからのデータ提供により宇宙天気や太陽活動の情報を日々、提供してくれているアメリカのスペースウェザーですが、3月6日に、

「悪化し続ける宇宙線の状況」

といタイトルの記事がありました。スペースウェザーのひとつの記事は短いものが普通なのですが、この記事はかなり長く記されていたもので、現在の、そして今後の「宇宙線の状況」ついて懸念している感じがうかがえました。

まずはその記事をご紹介したいと思います。

内容的には、

・地球近辺の宇宙空間と、地球の大気圏内の宇宙線が予測以上に増加している

・それによって有人宇宙探査に影響が及ぶ可能性

・地球のさまざまな状況(気象、天候、人体の健康)に永久が及ぶ可能性


などについて書かれたものです。

では、ここからです。

THE WORSENING COSMIC RAY SITUATION
Spaceweather 2018/03/06

悪化し続ける宇宙線の状況

宇宙線の状況が悪化し続けている。これは研究誌「Space Weather」に掲載されたばかりの新しい論文の結論だ。

ニューハンプシャー大学のネイザン・シュワドロン(Nathan Schwadron)教授が率いた研究は、人体等に危険でもある深宇宙からの放射線が、これまでに予測されていたよりも速いペースで加速していることを示した。

シュワドロン教授たちの研究グループが最初に宇宙線に関する警報を鳴らしたのは、今から 4年前の 2014年のことで、それは NASAの月周回無人衛星「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」に搭載された、放射線の影響の調査のための宇宙線望遠鏡「 CRaTER 」のデータの分析から得たものだった。

それによれば、地球と月の間の宇宙空間の宇宙線レベルは、過去数十年の宇宙時代(人類が宇宙への探査等を始めた時代のこと)には見られなかったレベルでピークを迎えており、宇宙空間の放射線環境が悪化していることがわかった。

シュワドロン教授らは、この宇宙線レベルは、宇宙飛行士たちに危険が及ぶ可能性があるものであること指摘し、2014年の発表時よりも、さらに「宇宙空間で人間が移動できる時間(宇宙空間に滞在する時間)」を短縮した。

論文では、30歳の男性の宇宙飛行士がアルミシールドを搭載した宇宙船で宇宙を飛行できる限度日数は、1990年には 1000日だった。しかし、2014年の宇宙船のレベルでは、700日が限度だという。

「これは大きな変化です」と、シュワドロン教授は言う。

銀河宇宙線は、太陽系の外からやって来ている。それらは、超新星爆発および宇宙の他の暴力的な事象によって地球に向かって加速される高エネルギー光子と亜原子粒子の混合物だ。

そのような宇宙線から最初に私たちを守ってくれるのは「太陽」だ。

太陽の磁場と太陽風は、太陽系に侵入しようとする宇宙線を遮る「シールド」を作り出すために組み合わされている。

太陽が宇宙線を遮る作用は、11年間周期の太陽活動とシンクロしており、太陽活動の最大期に最も強くなり、そして、太陽活動の最小期には最も弱くなる。

今、その太陽の防御に問題が起きている。

研究者たちが新しい論文で指摘しているように、太陽のシールドが弱体化しているのだ。

シュワドロン教授は以下のように述べる。

「過去 10年間、太陽風は低密度と低い磁場強度を示してきましたが、現在は、宇宙時代には決して観察されなかった異常な状態を表しています。このように太陽活動が著しく弱い結果として、私たちはこれまでで最大の宇宙線の放射を観測しているのです」

シュワドロン教授たちは、2014年に、次の太陽活動極小期に宇宙線の状態がどのように悪化するのかを予測するために、太陽活動に関する主要なモデルを使用した。現在、そのモデルにより 2019年から 2020年の状況が予想されている。

教授は以下のように言う。

「私たちの以前の研究は、ひとつの太陽活動極小期から次の活動極小期までの間に、宇宙線の量率が最大で 20%増加することを示唆しました。実際、過去 4年間に CRaTER によって観測された実際の宇宙線量率は予測値を最大で10%超えており、放射線の環境が予想以上に急速に悪化していることがわかったのです」

太陽の次に、地球上空にさらに 2つの宇宙線に対してのシールドラインがある。

それは、磁場と地球の大気だ。

このどちらも宇宙線の地球への突入を緩和する。

しかし、現在、その地球の上でさえ、宇宙線の増加が観測されているのだ。

スペースウェザーは、学生たちと共に 2015年以来、ほぼ毎週、成層圏に宇宙天気観測のバルーンを打ち上げている。これらのバルーンに搭載されたセンサーは、地球の大気に突入してくる放射線(X線とガンマ線)が 13%増加していることを示した。

これらのバルーンで検出される X線とガンマ線は、銀河の一次宇宙線が地球の大気に衝突することによって発生する「二次宇宙線」だ。

これらは地球の表面に向かって放射線を放つ。 そのセンサーのエネルギー範囲は10keV 〜 20MeV で、これは、医療用 X線装置や空港のセキュリティスキャナーのエネルギー範囲と同じくらいだ。

これらの宇宙放射線は私たちにどのような影響を与えるだろうか。宇宙線は民間航空会社では、空中の乗客、乗務員に多量に放射される。飛行機のパイロットは国際放射線防護委員会によって業務上での放射線作業者として分類されている。

いくつかの研究では、宇宙線が雲を作り出し、また落雷を引き起こすことが示されており、宇宙線が天候や気候を変える可能性があることがわかり始めている。

さらに、地上の一般的な人々における「宇宙線と心臓の不整脈」を結びつける研究が存在する。

これから、太陽は、過去1世紀の間で最も活動の弱い状態を迎える可能性がある中、宇宙線は今後さらに激化すると思われる。

ここまでです。

宇宙線の観測が開始されたのは、今あるデータでは 1965年からのもので、すでに 50年以上経っているのですが、少なくとも、その 50年間の中で最も宇宙線の量が多い時期に、現在並ぼうとしています。

過去 53年間で最も宇宙線が多かったのは 2009年のことですが、2017年からそのレベルに近づいていて、このままだと 2009年のレベルを超えていくのは確実だと思われます。

1965年から2018年までの宇宙線量の推移(フィンランドの観測地点)
cosmicray-1965-2018.jpg

冒頭に載せましたスペースウェザーの「放射線量の推移」は、アメリカのカリフォルニア上空の成層圏でのもので、過去2年で 13%上昇したことを示しています。もう一度載せておきます。

balloon-data-2015b.jpg

そして、決して今がピークではなく、一般的に、本格的に宇宙線が増加するのは、太陽活動が完全に極小期に入ってからですので「これから」ということになります。

それでも、先ほどの記事にありますように、現時点ですでに、

> 今、その太陽の防御に問題が起きている。

ということになっていまして、つまり「太陽による防御が弱い」のです。

これから、さらに太陽の防御は弱くなりますので、地球周辺の宇宙空間と、そして「地球上に」宇宙線(第二次宇宙線としての放射線)が増えてくることは確実の情勢です。

地球上での影響として、ある程度確実だと思われるのは、

・宇宙線が増加すると雲が増える

・宇宙線が増加すると雷の発生が多くなる

・宇宙線が増加すると心臓疾患(急停止など)が増える


はあると思われます。

宇宙線と心臓疾患の関係に関しては、つい最近の記事、

アメリカ心臓協会が発行する医学専門誌 Circulation より(2017年)
cardiac-death-solar.jpg

太陽活動と心臓停止

冒頭に載せたアメリカ心臓学会の医学誌の記事は 2017年11月のもので比較的新しいものですが、「地磁気活動と心臓停止の研究」の歴史は古く、その中でも、2002年に発表された「地磁気活動と心臓停止の関係」という文献が本格的な研究の走りだったかもしれません。

それぞれの文献の詳細は医学論文ですので難解ですが、冒頭のアメリカ心臓学会雑誌の論文の「結論」の部分の最後の一文が大体のところをあらわしていると思います。

それは下の通りです。

アメリカ心臓学会雑誌「生命を脅かす不整脈と心臓停止と、地磁気活動の関係」の結論部より

今回のチェコ共和国のプラハ市での集団数(4693例)からの研究では、高い太陽活動を伴う日には、心停止の発生頻度が低いことを示唆する傾向が伺えた。

これらのデータは、心室頻脈性不整脈の患者に焦点を当てておこなわれた以前の研究の結果と一致している。


ここに、

> 高い太陽活動を伴う日の心停止の発生頻度が低い

とあり、これは逆に書けば、

「低い太陽活動の時には心停止の発生頻度度が《高い》」

ということをあらわします。

ここには「太陽活動」とだけあるのですが、この論文や、他のさまざまな研究の論文からは、心停止と関係するものは、

・地球の地磁気の低下

・宇宙線の量


なんです。

たとえば、下の 2017年の科学論文の結論には、さらに詳しく書かれています。

scd-spaceweather.jpg

この論文の結論は、以下のようなものです。

頻脈性突然心臓死(心室頻脈および心室細動に関連)は、より高い宇宙線(中性子)活動および、より弱い地磁気活動を伴う状態において、著しく、より頻繁に起こる。

とあり、これをもっと簡単に書きますと、

「突然の心臓死は、宇宙線量が多い時と地磁気活動が弱い時に《著しく》頻繁に起きる」

ということです。ここには「著しく(significantly more often)」という文言が入っており、科学論文においてのこの形容は、「有意に」という以上だと考えていいものだと思います。

こういう「宇宙線量が多い時」と「地磁気活動が弱い時」には、心臓が原因の突然死がとても増えるという検証が数多くとられているわけです。

では、いつがそういう時かというと「今」なんです。

今というか、「これからずっと」なんです。

宇宙線量が多い時と、地磁気活動が弱い時というのは、太陽活動が弱い時のことをさすわけで、このどちらの条件とも関係がある「太陽活動の停滞」は、まさに今始まっているのです。

太陽活動が縮小し続けていて、今後、太陽活動の最小期に入るということは、この1、2年何度も記事にしてきました。そのあたりは、カテゴリー「これからの太陽活動」などにありますが、いよいよ、本格的にその時期に入ったことが今日のスペースウェザーの記事のタイトルにあらわれていました。

2018年2月22日のスペースウェザーの記事より
spaceweather-2018-0222.jpg

今後はこのような「太陽黒点ゼロ」の中での「太陽活動が極端に低い状態」の時が長く続いていきます。

そして、それに伴って、

・地球への宇宙線量が増える

・地球の地磁気活動が弱くなっていく


というふたつのことが、顕著になってきくるわけです。

その時期は、先ほどの論文の、「突然心臓死は、宇宙線量が多い時と地磁気活動が弱い時に《著しく》頻繁に起きる」という状態そのものであり、結局、私たちは今後そういう時期に入っていくということになるわけです。

あとは、

「どれほど地磁気活動が弱くなるか」

「どれほど地球上に到達する宇宙線の量が多くなるか」

ということによるかと思いますが、かつて例を見ないほどの弱い太陽活動が続いてる中、今後もかつてないほどの状態となっていく可能性は高いと思われます。

また、「雲と宇宙線」についても、2010年頃から何度も記事にさせていただいていますが、比較的最近のものは、

Solar activity has a direct impact on Earth's cloud cover
PHYS.ORG 2016/08/25

太陽活動は地球の雲の被覆に直接影響を与える

デンマーク工科大学国立宇宙研究所(DTU Space)とイスラエルのヘブライ大学・物理学ラカー研究所の科学者たちのチームの研究は、地球が雲で覆われる事象と、太陽の爆発活動(太陽フレアなど)とが直接関係していることを示した。

これは 25年以上の衛星による観測に基づいて導き出された結論だ。

太陽の爆発現象が、地球の大気から宇宙線を遮断することはよく知られている。

しかし、今回、地球物理学会誌(Journal of Geophysical Research)に発表された新しい研究では、太陽の爆発現象があった際(つまり、地球の大気中に宇宙線が少ない場合)には、同時に、雲に覆われる事象が世界的に減少していることを見出した。

これは、雲の形成に宇宙線が重要な役割を果たしているという説を支持するものとなる。

太陽の噴火は、雲の質量を約2パーセント減少させる原因となることがわかったが、これは、その際に、大気中から約 10億トンの液体の水が消失していることを意味する。

雲の出現は、長い時間的スケールで地球の気温に影響を与えることが知られているため、今回の調査は、雲と気候変動の理解の重要なステップを示している。

論文の筆頭著者であるデンマーク工科大学国立宇宙研究所のスベンツマルク博士は、以下のように述べる。

「地球は銀河宇宙線と呼ばれる空間からの粒子による一定の衝撃の下にあります。太陽の表面で発生する暴力的な爆発(太陽フレアなど)は、約1週間、地球から宇宙線を吹き飛ばす力があります。今回の我々の研究は、宇宙線がそのような太陽活動によって減少しているときに、地球の雲の被覆(覆われること)も、太陽活動と対応して減少していることを示しています」

「雲は、私たちの研究では、地球上の気温を制御する上で重要な要素であるため、これらの関係は、地球の気候変動に影響を与える可能性があるのです」

非常に高エネルギーの粒子である宇宙線

宇宙線の粒子は、地球の大気中の分子イオンを帯電して生成する。イオンは、エアロゾルの形成を促進することが実験室の研究では示されており、エアロゾルが雲を構成する「雲の滴」を形成するための種として機能する可能性がある。

この実験室でのメカニズムが現実の大気中で実際に起こるのか、あるいは、これは実験室でだけ再現できるものなのかということについては、長い間、議論されてきたテーマだった。

太陽表面の爆発が銀河宇宙線を吹き飛ばした際には、地球の大気中では 20%〜 30%のイオンの低下を引き起こす。

イオンの存在が雲の形成に影響を与えるのであるならば、太陽の爆発が宇宙線を吹き飛ばす事象の中で雲量の減少を観察することが可能であるはずだ。

かつて、宇宙線と地球の雲の量の変化について、週単位での関係(これは「フォーブッシュ・ディクリーゼズ(Forbush decreases / 刷新のための減少)」と呼ばれている)は観察されていたが、その影響は科学文献の中で議論され続けてきた。

しかし、新しい研究では、この「フォーブッシュ・ディクリーゼズ」が現実的に雲の増減に影響していると結論づけた。この結果は、「イオンが雲の生成過程において重要な役割を果たしている」という提案を支持する。

しかし、チームがこの結論に到着するには、大きな努力が必要だった。フォーブッシュ・ディクリーゼズは、ほとんど発生するものではなく、その雲に及ぼす影響は、人工衛星や陸上からの地球大気観測を使用して、やっと検出できる程度のものだった。

フォーブッシュ・ディクリーゼズの強さを決定するために、大気モデリングとの組み合わせで約 130局からのデータを組み合わせる必要があった。この新しい方法により、イオン化に従ってランク付けられた 1987年から 2007年までの期間の 26の事象のリストが得られた。

長期的な影響の可能性

この短期的な雲の増減は、明らかに長期的な地球の気温の変化への影響を持つ。

雲は、常に銀河宇宙線での短期的変動の影響を受けているが、それらはまた、年間〜数十年〜数百年のスケールで起こるゆったりとした太陽活動の変化の影響を受ける可能性があるのだ。したがって、銀河宇宙線は、地球の気温を決定する役割を果たしている。

過去と将来の地球の気候変動への太陽の貢献は、単にその太陽放射(太陽光線の熱など)による影響だけではなく、むしろ、太陽活動の中で発生する爆発現象に左右される宇宙線の変化によるところが大きいという可能性があるという結論に達する。

となります。

なお、下のグラフは、23年間分の「雲の量と宇宙線量の相関」です。ほぼ完全な一致を見せていることがおわかりかと思います。

1983年から2006年までの雲の量と宇宙線量の推移
cosmic-ray-clouds2006c.jpg

これは簡単に書けば、

「地球の高層圏へ突入してくる宇宙線の量が多くなればなるほど、地球の雲の量は増えることを示唆している」

ということになるはずです。

もちろん、雲の量が増えるということが単純に「地球の悪天候の増加」を意味するのかどうかはわかりません。

しかし、一般論でいえば、「雲が多い」という条件は、穏やかな日々が増えるというよりは、悪天候が増えると考えた方がわかりやすい気がします。

今でも十分に地球は悪天候が極限まで進んでいる感じもしますけれど、宇宙線がさらに増えるのはこれからですので、

「今後はさらにこの天候の状態が激化する可能性」

があると考えるのが妥当ではないかと思います。

そして……あとひとつ挙げておくとすれば、これは科学的な論拠が乏しいものではあるのですけれど、個人的にとても魅力に感じている説が、

「宇宙線が増えると、火山の噴火と地震の発生が増える」

というものです。

前の 2008年ですが、記事には、現在は、東京工業大学地球生命研究所特命教授や、岡山大学地球物質科学研究センターの特任教授をされている丸山茂徳教授の以下の説をご紹介しています。

2008年に丸山茂徳教授が述べていた理論

・地震を起こすトリガー(引き金)となるのは宇宙線。地震の起きるシステムは今まで語られていた「力学的」なものではなく、化学的(ケミカル)な反応現象。

・地球内部まで到達できる上に極めて高いエネルギーを持つ物質は宇宙線しかない。

・太陽の黒点活動と宇宙線には活動の相関関係がある(太陽活動が弱い時は、宇宙線が多くなる)。

というようなものです。

そして、この説から 10年後の今、かつてないほど宇宙線の量が増えている中で「かつてないほど噴火が増えている」という現状は印象的にうつります。

とはいえ、これに関しては、データ以外では証明しようがなく、実証がとても難しいものですので、魅力的な説でありながらも、それ以上の進展は難しいようです。

そして今回の出来事は、

「地球から比較的近い場所でも、宇宙線が発生している可能性がある」

ことを知った気がします。

そして、この 5月27日には何があったかといいますと、それはいろいろとありましたでしょうけれど、以下の記事で取りあげました「ペルーのマグニチュード 8の大地震」という今年最大規模の地震がありました。

「大地震は《地球の裏側》に別の地震を誘発する」 2018年の北海道地震を誘発させたペルーの地震の震源に近い場所で「M8の大地震」が発生。またも連動は起きるのか?

hokkaido-peru-earthquake2018b.jpg

インドネシアでは、シナブン山が噴煙の高さ 15kmに及ぶ巨大な噴火を起こしています。これは以下の記事でとりあげさせていただいています。

インドネシアのシナブン山で「噴煙の高さが15キロメートル」に及ぶ巨大噴火が発生

2019年5月27日 大噴火を起こしたシナブン火山
sinabung-eruption-0527.jpg

もちろん、これらの現象が、惑星間衝撃波あるいは、それにより作られた宇宙線と関係があるのかどうかはわかりません。

ただ、現実にデータで宇宙線量が急激な上昇を示していることからも、何らかの関係はあるのかもしれないと自分としては思います。

しかし何より、今回は「宇宙線が、宇宙のどこでも作られている可能性」を知ったことが大きなことのように考えています。

同時に、「今はそういう現象が起こりやすい時期に突入したのかもしれない」というようなことも思ったりします。現実に、発生要因がわからない惑星間衝撃波が数日前に太陽系の中で起きたわけですし。

仮にですが、

「このような惑星間衝撃波が、太陽系の中で頻繁に起きるようになった場合」

を考えてみますと、その場合は、地球の近くで次々と宇宙線が作られるのですから、そりゃあ地球への影響大だと思われます。

先ほど書かせていただきました「宇宙線の地球への影響」が正しいものだとすれば、天候は大荒れの連続になるでしょうし、火山の噴火や地震も増加するという状況になる可能性もあるのかもしれません。

宇宙の状態は、この 10年ほどのあいだ、どんどんと変化していまして、その中で、そのような状態になっていったとしても不思議ではありません。

最終更新:2019/06/02 14:53

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