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2019/02/14 22:38

地球上の昆虫の減少が「カタストロフ的なレベル」であることが包括的な科学的調査により判明。科学者たちは「100年以内にすべての昆虫が絶滅しても不思議ではない」と発表

2019年2月12日の英国インディペンデントの報道より
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地球の植物の90%は昆虫によって受粉されることにより生き継いでいる

少し前に、以下のようなタイトルの記事を書かせていだきました。

2億5000万年前の地球史上最大の大量絶滅では「まず植物が先に絶滅」し、それから他のすべての絶滅が始まったことが判明。そこから思う「今まさに進行している地球の6度目の大量絶滅事象」

2019年2月1日の米ネブラスカ大学のニュースリリースより
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Nickel and died: Earth’s largest extinction likely took plants first
unl.edu 2019/02/01

ニッケルと植物の死 : 地球の歴史上最大の大量絶滅は、まず植物から起きたと見られる

大絶滅として知られる地球の歴史上最大の大量絶滅では、当時の地球上にいたほとんどの生命が生き残ることができなかった。しかし、ネブラスカ大学リンカーン校が率いる新しい研究は、多くの動物たちが絶滅するよりずっと以前に、まず植物から絶滅が始まったという強い可能性が見出された。

約 2億2500万年前、地球では、パンゲアと呼ばれる超大陸が激しく大地の分裂を起こしていた。地球内部からはスーパープルームが上昇し、世界各地の火山活動が活発となり、現代のシベリアにある火山群が次々と噴火し始めていた。

その中で、多くの火山の噴火は、約 200万年間ものあいだ、地球上の大気に炭素とメタンを吹き込み、これらの噴火により、海洋生物の約 96パーセントが絶滅し、陸上の脊椎動物の 70パーセントが姿を消した。これは地球の歴史上で最大の大量絶滅だった。

しかし、新しい研究によれば、噴火の副産物である「ニッケル」が、ほとんどの海洋生物種が消える、およそ 40万年前にオーストラリアの植物を絶滅させたかもしれないことを示唆している。

ネブラスカ大学リンカーン校の地球大気科学部の教授で、論文の執筆者であるクリストファー・フィールディング(Christopher Fielding)氏は以下のように述べる。

「これは大きなニュースです。これまでも、そのことについての示唆はあったのですが、そのことが具体的に突き止められたことはなかったのです。今回の研究で、地球の歴史がまたひとつ明らかになろうとしています」

研究者たちは、化石化した花粉、岩石の化学的組成と年代、そしてオーストラリア南東部の崖の底から採取した堆積物の層を研究することによって、今回の結論に達した。

研究者たちは、オーストラリアのシドニー盆地の泥岩の中で、驚くほど高濃度のニッケルを発見した。

地球大気科学部の教授のトレイシー・フランク(Tracy Frank)氏は、この調査結果はシベリアのニッケル鉱床を通じた溶岩の噴火を示していると述べる。

その火山活動がニッケルをエアロゾルに変え、そこから、地球上の植物の生命の大部分がニッケルに毒されるほど南に何千マイルも大気中を流れた可能性がある。ニッケルの同様の急増は、世界の他の地域でも記録されたとフランク教授は言う。

フィールディング教授は以下のように言う。

「それは状況の組み合わせでした。そして、それは地球の歴史における5回の主要な大量絶滅のすべてを通じて繰り返しされています」

もし、そうなのだとすれば、確かに、その後の大量絶滅でも、植物の絶滅が先駆けた後に、他の大半の動物たちが絶滅する引き金となったかもしれない。

植物の不足で死ぬ草食動物、そして草食動物の不足で死ぬ肉食動物、そして、毒性の物質が川から海に流れ、結果として二酸化炭素が上昇し、酸性化と気温の上昇が進む。

研究チームはまた、別の驚きの証拠を見出した。これまでは赤道近くの場所で行われることが多かった、この地球上最大の絶滅に関する以前の研究の多くでは、その間に堆積した堆積物の急激な着色の変化を明らかにしていた。

灰色から赤色の堆積物への変化は一般的に、火山活動による灰と温室効果ガスの放出が世界の気候を大きく変えたことを示していると研究者たちは述べていた。

それでも、その灰色 - 赤色のグラデーションは、シドニー盆地でにおいては、はるかに緩やかなものであり、噴火からの距離は当初、他の場所で見られる激しい気温上昇と乾燥からそれを緩衝するのに役立ったことを示唆した。

この 2億2500万年前の大量絶滅の時間的進行とその規模は、地球の現在の生態学的危機を超えたものではあるが、しかし、 2億2500万年前の大量絶滅と現在には類似性がある。

研究者たちは、特に温室効果ガスの急増と種の絶え間ない絶滅の連続が似ているとして、これらは研究の価値があるものになるだろうと述べている。

そして以下のように述べた。

「地球の歴史の中でこれらの大量絶滅事象を振り返ることは、私たちに何ができるかということを知ることができるという意味において意味があります」

「地球の状況は過去にどのように混乱したのか? いったいどんなことがあったのか? そして、その変化はどのくらいのスピードで進んだのか。そのようなことを研究することは、私たちが、『今の地球で何が起きているのか』を知り、研究することの基礎になるのです」

この研究は、アメリカ国立科学財団とスウェーデン研究評議会よって資金が供給され、論文は、科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表された。

これは、

「地球の最大の大量絶滅の際には、《先行して植物が説滅していた》」

ということが米ネブラスカ大学の研究で明らかになったということをご紹介させていだたいたものでした。

そして、2017年10月には、以下のような記事を書きました。

More than 75 percent decrease in total flying insect biomass over 27 years
phys.org 2017/10/18

過去27年間で「羽を持つすべての昆虫類」の生息量の75%以上が減少していたことが判明

2017年10月18日に発表された研究論文によれば、すべての羽のある昆虫のバイオマス(ある空間内に存在する生物の量)は、自然保護区域において、過去 27年間で 75パーセント以上減少していたことがわかった。オープンアクセス・ジャーナル「 PLOS ONE 」に研究論文が掲載された。

昆虫は、野生の植物の 80パーセントの受粉を担っており、鳥類の 60パーセントに食物源を提供するなど、自然界の生態系機能に重要な役割を果たしている。

昆虫の多様性と生息量が全体として低下していることはわかっていたが、これまでの研究では、昆虫のバイオマスを長期間にわたって監視するのではなく、単一種かそのグループに対しての調査のみだった。

研究をおこなったのはオランダ・ラドバウド大学のキャスパー・ホールマン(Caspar Hallmann)博士で、ホールマン博士らの研究チームは、昆虫の減少の程度と根本的な原因をより深く理解するために、ドイツにある 63の自然保護区域に 27年以上かけて配備されたマレーズトラップを用いて、昆虫の総バイオマスを測定した。

そして研究チームは、これらの地域で、羽を持つ昆虫のバイオマスがわずか 27年間で 76パーセント(夏期は 82パーセント)にまで減少したことを発見したのだ。

彼らの結果は、それまで報告されていた、蝶や野生のミツバチ、蛾などの種の最近報告された自然界での減少と一致している。しかし、この調査では、特定の種類だけではなく、羽を持つ昆虫の全体的なバイオマスが大きな減少を起こしていることがわかり、事態の深刻さを示している。

研究者たちは、この劇的な減少は、生息地に関係なく明らかであるとしており、天候や、土地の利用状況、および生息地の特性の変化などの要因では、全体的な減少を説明することはできないことも判明した。

この減少は、大規模な要因が関与しなければ説明がつかないことを研究者たちは示唆しており、今後の研究では、昆虫のバイオマスに潜在的に影響を与える可能性のある全範囲をさらに調査すべきだとしている。

論文の著者たちは、この減少の原因とその地理的範囲、およびその潜在的影響が生態系にどのように影響するかについて、さらに調査するように促している。

これは、「昆虫が、過去27年間で 75パーセント減少していた」という衝撃的な調査でしたが、この記事のタイトルにもありますように、この地球の生態系には、以下のような事実があります。

自然界の植物の 90パーセントが昆虫によって受粉されている

つまり、

「昆虫が完全に消えれば、多くの植物は生き残ることができない」

ということになるわけです。

ここで、先ほどの「大量絶滅の時に、植物が先行して絶滅していた」ということに関して振り返りますと、「植物がなければ、他の生物は生きられない」ということは、感覚的にも現実的にもよくわかるのですが、

「その植物そのもそのが、昆虫がいなければ生きられない」

ということになります。

そんな中で、今回ご紹介させていただきますのは、オーストラリアの2つの大学の共同研究によって、これまで世界中で発表された「昆虫の減少に関しての論文」を総括的に調査した結果として、

地球の昆虫の減少ぶりは、おそろしい規模になっていた

ことがわかったというものです。

そして、論文を書いた生物学者たちは、

「このままだと、100年以内に、地球の昆虫がすべて絶滅してしまう」

とまで述べているのでした。

地球の昆虫がすべて絶滅というのは大げさな感じの表現ですが、しかし、すべてということではなくとも、大規模な昆虫の大量絶滅が進行中なのは確かなようで、数十年内に、相当な種類の昆虫が絶滅していくことは確実な情勢のようです。

そして、先ほど書かせていただきましたように、「昆虫がいなければ、ほとんどの植物は生きられない」のです。

その上で、

「植物がいなければ、ほとんどの生き物は(昆虫も)生きられない」

という、実に明確な「輪廻」があります。

その輪廻が「発動」するまでの時間は、そんなに長いものではないということが、次第に明らかとなってきています。

まずは、その研究についての記事を先にご紹介しておたきいと思います。

イギリスのガーディアンの記事をご紹介させていただきますが、このことは、世界中の多くのメディアが伝えています。

中には、下の報道にように、「 100年以内に 100パーセントの昆虫が絶滅する」というストレートなタイトルのものもありました。

2月11日の米メディアの記事より
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なお、記事中に「浸透性殺虫剤」という言葉が出てきますが、以下のようなものだそうです。

浸透性殺虫剤

薬剤を植物の茎葉に施用したり,土壌中に注入すると,その薬剤が植物体内に浸透し,全身に移行して,その植物全体が殺虫力をもつようになる殺虫剤。

現在の浸透性殺虫剤には哺乳動物に対する毒性の強いものが多い。(ブリタニカ国際大百科事典)


それでは、ここから記事です。

Mass insect extinction within a century threatens 'catastrophic' collapse of nature’s ecosystems, scientists warn
Independent 2019/02/12

100年以内に「昆虫の絶滅」が発生する恐れがあり、それは自然の生態系システムの「壊滅的」な崩壊の危機と直結すると科学者たちが警告した

地球規模の科学的検証によると、農薬、汚染、気候変動により「驚くほどの」割合で昆虫種が一掃されていることが判明した

農薬の使用が、世界中の昆虫の「驚くべき」減少を引き起こしており、これは自然の生態系に「壊滅的」な影響を与える可能性があると研究者たちは警告している。

科学誌「バイオロジカル・コンサーベイション(Biological Conservation / 生物学的保全)」に掲載された科学レビューによると、昆虫種の 40パーセント以上が、この数十年で絶滅の危機に瀕している。その原因には、気候変動や汚染も含まれている。

昆虫の生体数の急落率があまりにも激しいために、ほぼすべての昆虫が 1世紀以内に消滅する可能性があると、この研究は明らかにした。

論文で研究者たちは、「急減している昆虫の個体群の回復を可能にし、それらが提供する重要な生態系の役割を保護するために、農業業界の見直しが緊急に必要だ」と述べている。

研究は、オーストラリアのシドニー大学とクイーンズランド大学の研究者たちによっておこなわれた。

この研究では、生物学者たちが、世界中の 73例の歴史的な昆虫の減少の報告について系統的レビューをおこなった。

その中で研究者たちは、既知の昆虫種の 10パーセントがすでに絶滅していることを見出した。比較すると、脊椎動物では、絶滅は 1%だった。

そして、絶滅せずに残っている昆虫のうちの 41%が減少していた。

過去 30年間で、全昆虫の総質量は年間平均 2.5パーセント減少していた。

シドニー大学生命環境科学部のフランシスコ・サンチェス-バイヨ(Francisco Sanchez-Bayo)博士は、以下のように警告する。

「あまりにも劇的なこの減少は、今後 100年のうちに昆虫が地球からいなくなってしまうことを示しています」

もっとも大きな減少率だったのが蝶(チョウ)と蛾(ガ)類で、ミツバチやフンコロガシも最悪レベルの減少率だった。

また、研究者たちは、かなりの割合の水生ハエ種もすでに消えていると述べた。

このレビューでは、絶滅の主な 4つの要因が強調されている。

農業、都市化、森林伐採による生息地の喪失、汚染。そして、侵入種や病気などの生物学的要因と気候変動。

調査された研究の 40パーセントで「農業が主な原因」であり、研究者たちは特に脅威として「農薬の使用方法」を強調している。

サンチェス-バイヨ博士はこのように述べる。

「私たち人類は、何千年も農業を続けてきましたが、その何千年の間に、このような昆虫の減少が起きたことはありませんでした。浸透殺虫剤の登場は、農業の方法に大きな変化をもたらしました」

そして、博士は以下のように言った。

「農業での食物の生産方法を変えなければ、あと数十年で、昆虫全体が絶滅の危機に瀕する可能性があります」

「これが地球の生態系に与える影響は、控えめに言っても壊滅的です」

研究者たちは、減少しつつある昆虫個体群は、世界の動植物種において「地球での6回目の大量絶滅」が進行している証拠であると付け加えた。

昆虫以外のあらゆる生物が非常に激しく減少し続けてはいまして、2015年には、「ヨーロッパの鳥類が大幅に減少している」ことがわかったり、WWFの調査で、野生生物の個体数が 1970年以来、60パーセント減少していることがわかったり、他にも爬虫類なども世界中で減っています。

2015年5月の英国ガーディアンの報道より
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2016年10月の米ロイターの報道より
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2010年6月の英国BBCの報道より
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あるいは、水中にすむあらゆる生物も、以下の記事に書かせていただいた「人間の薬の水への排出」により壊滅的な影響を受けている可能性が浮上しています。

完全絶滅プロトコル : 魚たちが次々と「男性から女性へと変化」しているその原因が判明。そこから気づいた「人間から水循環システムの中へ排出されている薬たちによる皆殺し」

2017年7月8日
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Male Fish Are Mysteriously Changing Gender
mysteriousuniverse.org 2017/07/05

オスの魚たちが不可解な性別の変化を起こしている

イギリスでの新しい試験では、試験したオス魚の 5分の1がトランスジェンダーとなっていることが判明した。そのオスたちは攻撃的ではない態度を示し、精子の数は減少し、それどころか卵さえ産生する。

今週、英国エクセター大学で開かれたイギリス漁業協会 50周年記念シンポジウムのオープニング講演で、エクセター大学の魚類生理学者で環境毒性学者であるチャールズ・タイラー教授(Professor Charles Tyler)が、英国の 50の異なる場所で捕獲された淡水魚のうちの約 20%がトランスジェンダーであったという報告を述べて、会場を驚かせた。

さらに衝撃的なデータとして、研究者たちは、このミステリアスな性転換の原因が、トイレや流し場などから川に入りこむ避妊薬(経口避妊薬 / ピル)であることを突き止めたのだ。

これは、体内から尿として排泄される分と、直接廃棄されて流されるものと両方が含まれる。

タイラー教授はこう述べる。

「私たちは、化学物質のいくつかが、これまで考えていたよりもはるかに魚に広く健康への影響を与えている可能性があることを知りました」

ヒトの避妊薬は、女性ホルモンであるエストロゲンを魚に異常な量を与える主要な原因だが、研究者たちは、魚にエストロゲン様の変化を引き起こす水域に、他にも 200種類以上の化学物質が存在することを発見した。

研究者たちは、以下のように述べている。

「他の研究では、下水処理によって排出される他の多くの化学物質が、魚に影響を与える可能性があることがわかってきています。たとえば、抗うつ薬を含むいくつかのの薬剤は、魚の臆病さを減少させ、それにより捕食者に対する反応がにぶくなってしまうことが示されているのです」

避妊薬と化学物質により、攻撃的でも競争的でもなくなったオスの魚たちは仲間を惹きつけることが難しくなる。この性質的な弱点は、次世代に受け継がれるわけではないが、それらの性質の変化により生殖行為の総数が減るため、結果として、その種の魚の数は減っていく。

行動に加えて、化学物質は魚の物理的特性にも影響を与えていることについても、研究者たちは下のように語った。

「特別に作ったトランスジェニック魚を使って、リアルタイムで魚の体内の化学物質への反応を見ることができます。たとえば、いくつかのプラスチックに含まれる物質は、魚たちの心臓の弁に影響することを示しました」

プラスチックは現在、太平洋に夥しい量が漂っていることがわかっているが、それらは、イギリスの魚の心臓不全も起こしているらしいのだ。

これらの解決法について、エクセター大学での講演で、魚生物学者たちは、「人間の行動の変化が伴わない限り、いかなる解決法もありません」と述べている。

つまり、尿から排水システムに大量の薬が流れていくような生活をやめて、プラスチックの過剰な廃棄をやめるしかないと言っている。

シンポジウムの主催者であるスティーブ・シンプソン博士(Dr. Steve Simpson)は、今できる最善の策として、「手遅れになる前に、この急速に変化する海と川の魚類の減少を防ぐ方法を私たちは議論しなければなりません」と言う。

しかし……もしかすると、もう手遅れだということはないのだろうか。

ここまでです。

講演の内容の主題は、

「河川に流入した避妊薬が魚たちの性質や生殖本能に影響を与えていて、そのために魚の総数が減っている」

というものです。

ピルを服用する女性は「他人の感情を読み取る力」がなくなる? 副作用の原因は一切不明話題の研究内容!

2019/02/11
経口避妊薬(ピル)は避妊以外にも、生理周期のコントロールに生理痛の緩和、子宮内膜症の悪化防止など、正しく使えば女性の生活の質を高めてくれる薬である。日本ではあまり普及しているとは言い難いが、世界中で1億人以上の女性がピルを使用しているとされている“ありふれた薬”の一種であり、医学史上もっとも研究されている薬の一つとも言われている。だが、そんなピルに新たな副作用の可能性が示されて話題となっている。英「Daily Mail」(2月11日付)ほか、複数メディアが報じている。

今月11日に学術誌「Frontiers in Neuroscience」に掲載された論文によると、ピルを常用している女性に他人の表情から感情を読み取る能力が損なわれる副作用が起きている可能性が示された。人間の目をアップにした白黒写真を見せ、その目から感情を読み取るテストを行ったところ、わずかではあるが、ピルを服用中の女性では複雑な感情を読み取る能力が低下していたというのである。

 実験にはピルを服用中の女性41人と服用していない女性53人が参加した。テストでは悲しみや幸福といった簡単なものから、軽蔑や自尊心など難易度の高いものまで、様々な感情を反映した目の写真が使われた。簡単なものでは2つのグループ間に違いは出なかったというが、最も難しいテストではピルを服用しているグループの方が10%ほど結果が悪かったという。またこの結果は、実験時の月経周期や薬の種類とは関係がなかったそうだ。

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「これらの機能障害は非常に微妙なものであると考えられ、検出するには高感度なタスクで女性の感情認識を調べなければなりませんでした」

 そう話すのは論文著者の一人であるドイツ・ポツダム大学の認知心理学者アレクサンダー・リシュケ氏である。科学ニュースサイト「Science Alert」に対しリシュケ氏は、見つかった副作用は非常に微妙なもので、例えばうつ病などで引き起こされる認識障害に比べるとはるかに軽微であると強調している。

「経口避妊薬が女性の感情認識に劇的な障害を引き起こしていたら、おそらくパートナーとの日常のやり取りの中で気づかれていたはずです」(リシュケ氏)

 ピルはエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンのレベルを抑えることで、避妊や月経の改善などに働く。今回のような副作用が起こるのもそのようなホルモンに原因があると考えられるが、ピルが女性の感情認識を変化させる詳細なメカニズムはよくわかっていないという。また、ピルが感情の認識に与える障害がその女性の社会生活に深刻な影響を与えているかも不明だという。

 女性ホルモンという微妙なものに作用する以上、身体だけでなく精神にも影響が出るというのは不思議な話ではない。現時点ではこの副作用の原因となるメカニズムやその影響についてまだまだ不明点が多いが、今後の研究で解明が進むことだろう。

日本はなぜかピルに対する忌避感が強く、今回のような研究もマイナスに受け取られる可能性は高いかもしれない。しかし見方を変えれば、こんなささいな副作用も研究されているような薬であるともいえる。医学史上最も研究されている薬というのも伊達ではないのだ。

「また薬関係の話なのか……」と思わず呟きましたが、しかし、今までベンゾジアゼピン系の抗精神約や抗うつ剤のことや、血圧を下げる薬やコレステロールを下げる薬などの問題は書いたことがありますが、避妊薬というものについては考えたこともありませんでした。

その中でも昆虫の減少の急激さは非常にすさまじいものがありますが、今回のオーストラリアの研究論文のように、

「 100年以内に昆虫が絶滅する」

というような極端な説が、科学者により主張されたのは、これが初めてのことだと思われます。

おそらく、相当な危機感があってのこの表現だったのでしょうけれど、ただ「その理由」については単純ではなさそうです。

今回の論文では、科学者の人々は、たとえば、「農薬」などとの関係を強く示唆ししています。もちろん、植物自体に殺虫性を持たせる浸透性殺虫剤が、昆虫に良い作用を及ぼすわけがないとは思います。

しかし、先ほどリンクしました記事「この世の昆虫の数は回復不能なレベルで減少していた …」の内容は、オランダのラドバウド大学の生物学者たちによって、ドイツの 63におよぶ自然保護区で、昆虫の生態調査をおこなったものですが、その調査からは、「理由はもっと根本的なところにあるかもしれない」ということが伝わってくるのです。

その結果は、その論文から抜粋しますと、以下のようなことになっていました。

2017年10月18日に発表された昆虫の減少に関する研究論文より

研究チームは、これらの地域で、羽を持つ昆虫のバイオマスがわずか 27年間で 76パーセント(夏期は 82パーセント)にまで減少したことを発見した。

彼らの結果は、それまで報告されていた、蝶や野生のミツバチ、蛾などの種の最近報告された自然界での減少と一致している。

しかし、この調査では、特定の種類だけではなく、羽を持つ昆虫の全体的なバイオマスが大きな減少を起こしていることがわかり、事態の深刻さを示している。

研究者たちは、この劇的な減少は、生息地に関係なく明らかであるとしており、天候や、土地の利用状況、および生息地の特性の変化などの要因では、全体的な減少を説明することはできないことも判明した。

この減少は、大規模な要因が関与しなければ説明がつかないことを研究者たちは示唆している。


ここにありますように、

> この劇的な減少は、生息地に関係なく明らか

> 土地の利用状況、および生息地の特性の変化などの要因では説明できない


というように、原因の特定が容易ではないほど「大規模にどこでも」起きているのです。

そもそも、自然保護区では殺虫剤は使われないと思われますが、そのような場所でも、すべての自然保護区域で、昆虫は劇的に減少していたのです。

上の論文の、

この減少は、大規模な要因が関与しなければ説明がつかない

というあたりが示していますように、「本当の原因」は、想像もつかないものなのかもしれません。

とはいえ、もちろん、現在の行きすぎた農薬の大規模な使用に問題がないわけもなさそうですが、しかし、現実問題として農薬を制限していくというのも現実的な話ではなさそうです。特に、日本などの超少子高齢化の社会では、農家さんの多くが高齢化しており、農薬を完全に使わない農業は事実上不可能なはずです。

ちなみに、私自身は、昆虫を含めた生物の大規模な減少が進んでいる原因のひとつには、

「地球の磁場の極端な弱体化」

があると思っています。

もちろん、これは理由の中のひとつであり、どの程度関与しているかについても何ともいえないですけれど、この世の多くの生物は、基本的に「磁場で生きている」ものなのです。

それに関しては、以下の記事で取りあげさせていただいたことがあります。

おそらく人間を含めた「全生物」は磁場により生きている ハトや蝶が持つ光受容体がヒトにも存在していること。そして、そのハトや蝶が「全滅」に向かっていること

2015年11月23日

磁場の影響を受けやすいと思われるハトが欧州で90%激減していることが示唆する、これからの地球の全生物


この「クリプトクロム」というタンパク質はずいぶん以前からわかっていて、そして、鳥は「磁場があるからこそ生きていけるのかもしれない」ということに関してもずっと以前からわかっていたことのようですが、そのメカニズムがわかっていませんでした。

アメリカの各地で「鳥が空から落下している」という出来事に対して、「各地で鳥が落下しているのは、磁場の異変が原因ではないか」ということについてふれたもので、多くの渡り鳥たちが、

・くちばしの細胞で磁場を感知する
・光受容体細胞の中にあるたんぱく質(クリプトクロム)で磁場を「見て」いる

ことなどから、地球の磁場が消滅する、あるいは、弱くなりすぎた場合に、鳥は生きていくことができなくなるのではないかというようなことを書いたものです。

そして、何度もふれていることですが、地球の磁場は過去 100年で一貫して弱まり続けています。

1880年から2000年までの地球の地磁気の強度の変化
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また、5月には、英国などの調査で、「ヨーロッパでは、3分の1の鳥が消滅する危機にさらされている」ことが報告されています。

europe-birds-threat.jpg

その中でも、先ほどから出ています「ハト」は、

・ヨーロッパのハトは、1980年代から 90パーセントの減少

となっていて、この三十数年は異常といっていい減り方を見せています。アメリカのモナーク蝶も、過去 20年間ほどで、80パーセント減っていることがわかったのだそうで、磁場で旅をする代表的な生物たちが確実に消滅し続けています。

もちろん、磁場の減少以外にいろいろな理由はあるでしょうけれど、これほどまでの急激な減少は、通常の理由では探りづらい感じもします。

そして、

「人間を含めた非常に多くの生物が磁場によって生きている可能性がある」

ということなどを考えますと、近づいているかもしれない「磁極の逆転」(その際、磁場は「ゼロ」になると見られています)の際に、どんなことが起きるのかは、本当によくわからなくなってきた感じもあります。

今の私たち現世人類が、仮に磁場の逆転を経験するとなると、「まさに初めてのこと」となるわけで、やはり大きな出来事になるのかもしれません。

そして、現在の地磁気のものすごい減少を見ていますと、徐々にではあっても、やはり「すでに始まっている」と考えるのもそれほど奇妙な考え方ではないかもしれないとも思います。

ここから、シエ博士のグループの発表について説明していたデイリーメールの記事をご紹介します。

The secret of how pigeons find their way: Magnetic proteins in their EYES act like a compass...and humans have them too
Daily Mail 20105/11/18

ハトたちが自分の行き先を見つける方法に関しての秘密:彼らの瞳の磁気タンパク質は、まるでコンパスのように振る舞う...そして人間にもそれがある

ハトは、動物界で最も大胆な旅をおこなうもののひとつで、数千キロを越えるような移動をした後にでも、正確な位置に到達することができる。

今、科学者たちは、鳥や蝶、そして他の動物たちが、どのように地球の磁場を自分たちの行き先を決めるために使用しているかの解明をしている。

すでに、科学者たちは、網膜と神経細胞で生産され、目から脳へと走る「コンパスのように振る舞うタンパク質」を発見している。

この複合体は、地球の磁場に関する情報と、太陽の位置を組み合わせることにより、動物たちに彼らが旅行する方向を検出させることができる。

そして、これは驚くべきことだとも思われるが、研究者たちは、人間にも、これらと同じタンパク質が発現することを発見したのだ。

鳥などよりも、はるかに少ない量ではあるが、私たちにも磁場を感知するいくつかの能力があるということになる。

研究を率いた中国北京大学の分子生物学専門のカン・シエ博士は、そのタンパク質は、コンパスの針のように作用し、神経系に情報を送信するように見えると述べている。

「かつて、動物が地球の磁場を検出することができるという概念は、一笑に付されていたものでした。しかし、今、それが事実であることが確立したのです」

この研究は、科学誌ネイチャー・マテリアルに発表された。

シエ博士は以下のように述べる。

「この生物コンパス( biocompass )モデルは、動物の磁気のナビゲーションと磁気受容( magnetoreception )の分子機構の完全な解明に向けてのステップとして機能すると私たちは考えています」

「人間に磁気を感じる感覚が存在するかどうかは議論もありますが、地磁気の磁場は、人間の視覚系の光感度に影響を与えると考えられるのです」

サメ、ウミガメ、鳥類、昆虫、オオカミ、クジラ、さらには線虫など、多くの動物たちが、自身の移動を助けるために、地球の磁場を使用すると考えられている。

しかし、彼らがどのようにそれをおこなっているかについての正確なところは、いまだ謎のままだ。

一部の研究者たちは、以前から、ハトのような鳥の持つ、磁場に反応しているように見える特定の目の細胞や、くちばしを同定しているが、その正確なメカニズムは不明であり、一部の研究者たちは、分子によって結合された鉄の塊を特定し、そこに源があるのではないかとした。

また、他の研究者は、クリプトクロム( cyrptochromes )と呼ばれる感光性のタンパク質に起因していると主張した。

しかし、シエ博士と彼のチームによる研究では、実際には、これら2つのシステムは、これらの動物の細胞内でのナビゲーション複合体を形成するために一緒に働くことを見出した。

特に、研究チームの発見した、円筒形の複合体を形成するクリプトクロムと結合するタンパク質を産生する MagR と呼ばれる磁気受容体の遺伝子の存在が大きい。

MagRは、感光性タンパク質のクリプトクロムと結合し、外部磁場の方向に自発的に整列するのだ。

この MagR は非常に磁気を帯びており、そのため、研究者たちは、研究をおこなうための特別なプラスチックのツールを開発しなければならなかったほどだ。

そして、これらの分子が、眼から脳に向かって走っている網膜神経細胞の中で特に発現していることがわかった。

ショウジョウバエ、オオカバマダラ(モナーク蝶)、ハト、そして人間のすべては、これらの分子を生成する。また、ミンククジラやハダカデバネズミ(げっ歯類)、などの他の生き物も、これらの磁気タンパク質を有している。

研究者たちは、これらの発見は、多くの生物学分野の研究、および産業用への応用研究のための新たな領域につながる可能性があると述べる。

また、この発見は、磁場、または、磁気感度を増加させる方法に応答する遺伝子治療の新しいタイプにつながる可能性もある。

研究者たちは述べる。

「 MagR ポリマーおよび、クリプトクロムと MagR の複合体の磁気的な特徴は、異なる分野全体での、数多くの用途の可能性が秘められていると考えます」

米国マサチューセッツ大学の神経生物学者、スティーブン・レパート博士( Dr Steven Reppert )は、この研究結果は、巨大な影響を与えると科学誌ニュー・サイエンティストに語った。

「これは極めて挑発的で、非常に画期的な可能性を秘めています。息をのむような発見といっていいと思います」

そこでご紹介した記事には以下のような記述があります。

サメ、ウミガメ、鳥類、昆虫、オオカミ、クジラ、さらには線虫など、多くの動物たちが、自身の移動を助けるために、地球の磁場を使用すると考えられている。

生物にとっての「移動」とは、一般的にはエサを獲得するためのもので、それはすなわち生きることそのものであり、それができなくなれば、昆虫も生きていけないはずです。

地球は、このような磁場で生きているたくさんの動物たちに支えられていますが、その地球の磁場は急速に消えていっています。

おそらくこれが生物の絶滅が続く大きな原因のひとつだとは思いますけれど、この「磁場の弱体化」は、「人間の努力では是正できない」です。

そして、現状では、地球の磁場が回復する兆しはまったくないですので、昆虫を含む生物種の危機的状況は今後も続いていくものと考えられます。

何といいますか、ほんの 20年後くらいの地球がどのようになっているかも想像できなくなってきましたね。

最終更新:2019/02/14 22:38

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2019/02/14 00:06

繰り返されるサウジアラビアの洪水。すでに今のアラビア半島の砂漠は「日本より雨が多い」状態に

2019年2月9日のサウジアラビアの報道より
saudi-flood-feburuary2019.jpg

昨年以来、アラビア半島では、豪雨や洪水が何度も発生していまして、最近では、1月の終わりに以下の記事で取りあげた洪水がありました。

サウジアラビアの砂漠がまたも黙示録的な大洪水に襲われている

2019年1月26日のサウジアラビアの報道
saudi-arabia-floods0126.jpg

2019年1月27日 サウジアラビア・メディナ
sa-flood-river02.jpg

サウジアラビアの砂漠が、またも激しい大雨と洪水に見舞われています。

この2年間くらいで、アラビア半島の気候はすっすりその様相を変えていまして、本来は雨の降らない砂漠の国であるアラビア半島各地に頻繁に洪水が発生し続けています。

その大洪水から、10日ほどしか経っていない 2月9日ころから、サウジアラビアで大雨が降り続き、またも洪水に見舞われていることが報じられています。

sa-car-flood03.jpg

sa-track-05.jpg

1月の終わりから断続的に続く豪雨と洪水により、これまで、サウジアラビア全土で 14人が死亡していると伝えられています。

そして、各地で、家屋や施設、道路などが洪水により大きな被害を受け続けているそうです。

まあ、もともとサウジアラビアのインフラは「大きな洪水を想定していない」上で築かれたものでしょうしね。

洪水の後の道路の様子
road-floods-003.jpg

大雨で溢れるサウジアラビアのダム
sa-dum-flood.jpg

サウジアラビアの気象ニュースを見てみますと、2月9日頃から現在(2月13日)に至るまで、「サウジアラビアのどこかでは雨が降っている」という、何だか、日本の梅雨時のような天気状況となっています。

毎日、サウジアラビアのどこかの上空を悪天候を伴う低気圧が通過しています。

そして今年の日本は、本州などを中心に、実に雨が降らないカラカラの状態が続いていますので、今のサウジアラビアは「日本より多く雨が降っている」という状況とも言えるかもしれません。

本来は、この時期の日本の雨量はサウジアラビアの 5倍から 10倍はありますが、どう見ても、今はサウジアラビアのほうが雨量が多いです。

そう考えますと、今のサウジアラビアの気候は確かにおかしいですが、今の日本の気候も十分におかしいということに気づきます。

最終更新:2019/02/14 00:06

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