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2019/01/10 23:26
先ほどの「日本技術士会 北陸本部」のコラムの中に、
地球に届く太陽光の強さと波長との関係を見ると、緑色の光に強さのピークがある
という下りがありましたが、太陽光の中で最も強い緑の光を、植物は「吸収していない」ことになるのです。
ここから考えますと、光合成で生きる植物にとって、自分の体が緑色であるということは、非常にエネルギー効率の悪いことになっているのです。緑色の光は強いものですので、これを吸収するほうが良いはずです。
そして、体の色としては「黒」がベストです。
しかし、植物はそれを選ばないで、最も非効率で不適切とさえいえる緑色で生きている。
エネルギーを与えるために
ここまで書いたことは、簡単に書きますと、
光で生きる植物が効率よく生きるためには、緑色ではないい方がいいのに、現実は植物はほぼすべてが緑
ということで、これは一種の永遠の謎とされています。
ちなみに、「人間の血はどうして赤いのか」も同じように謎といえば謎です。
面白いのは、色には「反対色(補色)」という概念がありまして、互いの色を引き立て合う効果があります。
反対色は、下の色相環といわれる図で「円の反対に位置するのが反対色」で、その色同士がお互いの色を引き立て合います。
これを見ますと、「赤の反対にあるのは緑」であることがおわかりかと思います。
人間の血の色である赤は、植物の色である緑を引き立て、植物の緑は人間の血の赤を引き立てるという構図になっているのでした。
話を戻しますが、地球の植物の多くが「光で生きている」のに、その生存のために最も効率のいいはずの緑の光を「拒絶する色」である緑であることを植物は選んだということになります。
エネルギー生成の観点からは、本来は「植物の色は黒に近いほうが理想的」です。
なぜ、植物は黒にならなかったのか。
植物という存在は完全なもので、進化上の間違いなどということがその歴史の中で起きるわけがない。
効率だけ考えるのなら、植物は緑色など選ばなかったはずです。
なので、「効率」以上の理由がそこにあるはずです。
いわゆる進化論というものがあるのだとすれば(そういうものはないですが、仮にということで)、植物の多くは、黒っぽくなったはずです。
その方向で進化していけば、森や草原に行くと下のような風景の地球になっていたということですね。
植物が光合成に対して効率のいい色だった場合の世界
きわめて味気ない風景となってしまいますが、この方が緑よりはるかに効率的に光合成がおこなえるだけではなく、曇りの日が続いても、弱い光しか入らない場所でも「黒いボディの植物」なら、効率的に体内に光を取り込めるので、植物自体の生存には優れているはずです。
しかし、そうはなりませんでした。
多くの地球の森などの色と光景は下のようになっています。
現実の植物の色
私たちの多くは、このような緑を見て「美しい」と思えますが、なぜ、このような美しい光景を保って、あるいは「自らの生存条件を弱くまでして」植物は緑色の存在として長い年月を地球で生きてきたのか。
もっとも光合成の効率の悪い色を選んでまで、植物が緑であり続ける理由は何なのか。
前の植物での発電の記事でご紹介したものの中に下の文章があります。
実はこの部分を読んで、今回のことに気づいたのでした。
プラント- e 社は、植物が光合成をする際に、その 70パーセントが使われていないことを発見した。
根を通って排出されるその廃棄物は C6H12O6 (グルコース)の化学構造を持っており、それが微生物によって分解され、二酸化炭素(CO 2)、プロトン(H+)と電子(e - )になる。
なーんと、植物は、光合成において 70パーセントもの「無駄」を作り出していた。
ただでさえ効率の悪い「緑色」の体をしている上に、70パーセントもの無駄を出しているなんてのは、やはり植物は不完全なものだった?
しかし、植物の意志はどうであれ、これで助かる存在があります。
それは人間です。
植物が無駄にした廃棄物があるからこそ、人間はそこから「エネルギー(電気)」を取り出すことができます。
電気はこの地球上で人間だけが使うものです。
その源となるエネルギーが、植物という人間の身近で自然発生している。
しかも「あえて植物が無駄な光合成の効率をとる」ことによって、初めてそこに電気というエネルギーが発生する条件が生まれている。
そして、植物が、光合成を「効率悪く」おこなえばおこなうほど、電気転換の効率は良くなる。「効率悪い光合成のため」に最も適した色は何か?
それはおそらく「緑色」です。
そして、その理由が「植物は人間と共生するために存在しているから」だと思うに至ったのです。
先に結論的なことを書きますと、植物と人間の関係は、エネルギー生成の合理的な理由を含めて、
人間のいる場所の植物は緑色でなければいけないという原則がある
というもので、そして、あとは
人間は植物の緑を美しいものだと感じるという原則がある
こともそれと同じことだと確信しました。
この原理は先ほど書きました「なぜ人間が色を感じるのかはいまだにわかっていない」ことと、色の正体が「音(波長)」であることと関係していると思われますが、とりあえずは、上のふたつの「原則」が地球には存在しているという「理屈のない断定」でも構わないと思います。
植物と人間の一体性
植物の緑色という色は効率の悪い光合成のためには最適で、そして、「歴史の中で、いつかは人間がそこからエネルギーをとることができる」ことを植物か、あるいは「誰か」がその時を待っていた。
先ほども書きましたが「色は基本的に単なる波長」で、そこに色はありません。しかし、私たち人間は、原初から「その波長の電磁波を、それぞれの色だと感じるように」作られている。
それらに加えて、様々な物体にある「色」で様々な感情を持つことができるようになっている。
空の色、雲の色、太陽の色、土の色、植物の色……。
私たちは植物の葉の色を緑色だと感じていますが、しかし、先ほど書きましたように、そこには何もないかもしれないのですが、そのことは別としても、ほとんどの人は「緑の植物がたくさんある光景を美しい」と思うはずです。
特に、都市部などに住んでいて、緑と離れた生活をしていればいるほど、この傾向は強いような気がします。
「なぜ緑が多い光景を美しく感じるのか」というのも根源的な謎としか言いようがないですが、「これが地球の原則」だと思いこんでしまえば、それで十分なのだと思います。
結局、植物が緑である理由は、植物サイドのことだけを考えていては、その答えは出ないものだったということに気づいたわけで、
「植物と人間の関係」という括りを考える中で始めてわかる
のだと思います。
それが間違いであっても構いません。
地球のすべての生物(細菌と、非生物のウイルスを含む)や鉱物が人間の味方であることは間違いないですが、今回書いていることを考えると、植物はちがうと思うようになりました。
植物は、味方とか仲間とか、そういうものではなく、
「植物と人間は一体のもの」
だと確信できます。
水と空気と気温がある地球という大前提があれば、実は、人間は植物だけを生活の糧(食料、建物、道具、衣服、電気・・・)として生きていけることに気づきます。
もっと言えば、「植物由来以外のものは、実は人間の生活では必要ないのではないか」という気さえします。
まあ、鉱物とかはちょっと必要ですかね。
石とか金とか鉄とか。
動物や鳥や魚や爬虫類や両生類や虫や微生物などの生き物やウイルスたちは、「私たち」の環境を作ってくれているとても重要な存在です。
そして、この「私たち」というのは「植物と人間のこと」だと思います。
それに加えて、少し前に書いていた「健康関連」の記事などを思い出しますと、植物は私たち人間の「心身の健康」とも関連している気もします。食べたり薬にする方の話ではなく、植物の存在そのものの話としてです。
植物とリラックスと白血球の状態の関係
多くの人は、緑の自然を見たり、それにふれるときに、リラックスしたり、美しいと感じたりすると思います。緑を見て怒り出したり恐怖したりする人はそんなにはいないはずです。そして、植物でリラックスを感じるならば、植物とふれる時間が多ければ多いほど、そのリラックス状態は長時間に及ぶといえると思います。
新潟大学名誉教授の安保徹さんという方を取り上げたことがあります。免疫学の権威である安保さんは、白血球中の顆粒球とリンパ球のバランスが崩れることで病気が発生するという説を確立しています。ガンもです。
安保さんの主張から考えますと、基本的には、緊張や感情が高ぶるような状態ばかりだと、白血球のバランスが崩れて病気が起きやすくなる(リラックスし過ぎるのも同様です)といってもいいかもしれません。これは、交感神経と副交感神経の働きとも関係することですが、詳しくは 日本自律神経免疫治療研究会のウェブサイトなどをご参照下さい。
緊張状態が過度に進むと、心だけではなく、実際に体の病気を引き起こすといってもいいのかもしれません。
そういう意味では、簡単に確実にリラックスできる「緑の中で過ごしたり、植物にふれること」そのものが健康法だと考えることに、それほど違和感はないように思います。
そして、実は「植物の健康」も人間が改善させてあげることができるのです。
過去記事の…これは自分で書いた記事の中で、最も自分の生活に役立っているもののひとつですが、
驚異の植物の防衛力アップ法が米国の生物学者の研究により判明 その方法は「さわること」
米国のライス大学の生物学者ふたりが研究発表したもので、上のタイトル通りに「植物は人間に触られることにより強くなる」という事実と、そのメカニズムを証明したのです。
写真を先にご紹介しておきます。
下の写真はシロイヌナズナという植物で、いわゆるペンペン草と呼ばれるどこにでもある雑草のひとつで、どこにでもあるものだけに、植物の研究にはよく使われるものなのだそうです。
「右」が一日数回さわって育てたシロイヌナズナで、「左」がさわらずに放置して育てたもの。
これだけ見ると、「さわっていないほうがよく育っているじゃないか」と思われるかと思います。
そうなんです。
確かにさわらないものは成長が早く、茎も細く伸びていきます。
ところが、左の背丈の高いほう、つまり、さわられていないほうは「弱い」のです。
右の毎日触れられて成長した方の植物のほうは、こちらは茎が太く短く、そして「遅く」成長していくことにより基本的に自身の構造自体を強く成長していくと同時に、触られるごとに内部で「ジャスモン酸エステル」という植物のホルモンを多く分泌するのですが、この植物ホルモンの作用で、この植物は「どんどん強く」なります。
このジャスモン酸エステルは、植物の葉を食べる生物の胃の機能を弱め、また、真菌(カビ)などの対しての抵抗力を高めるメカニズムを持つのです。
つまり、上の写真の「右の毎日触られた植物」は、見た目だけの問題ではなく、外部からの攻撃に対して強いのです。菌や昆虫に大きな強い抵抗力を持ちます。「虫も喰わないやつ」という言い方がありますが、そういう植物として成長していきます。
そのジャスモン酸エステルの生産システムを「起動」させるのが、人間がさわることなんです。
また、上の写真を見ると、植物の外観としても、右の背丈の低い植物のほうが安定性よく育っていることがわかります。
いずれにしても、これは感覚的な話ではなく、「植物は人間に触られることにより強くなる」ことと、そのメカニズムが「証明された」ということであり、この意味は大きいです。
Touchy Plants: Plant Growth And Defenses Affected By Touch
Nano Patents and Innovations 2012.04.22
デリケートな植物 触れられることで成長と防御力が強化されることが明らかに
米国ライス大学の科学者による新しい研究で、植物が真菌(カビなど)の感染を避けるため、あるいは、昆虫を撃退するために「植物自身の触覚」を使用していることがわかった。
この研究結果は、生物学の学術誌「カレントバイオロジー」誌に、4月24日に掲載される。論文では、植物が「触られているとき」に防衛力が強化されることが明らかとなったことが記される。
研究をおこなったライス大学の生物学者であるワッシム・シェハーブ博士はこのように語る。
「以前の研究で、植物が触れられることによって成長に変化が出ることはわかっていたんです。しかし、その成長の変化がどういうものなのかということまではわかっていませんでした。今回、私たちはシロイヌナズナを使って実験を行いました。そして、触られることによって触発された植物の成長が、ジャスモン酸エステルと呼ばれる植物ホルモンにコントロールされているという推定を確認するための実験をおこないました」。
その結果、植物は触られることにより成長に影響を受けることがわかった、
上の写真は、「毎日数回触れたシロイヌナズナ(右)」と「さわらずに放置したシロイヌナズナ(左)」だ。
毎日数回さわったシロイヌナズナは、放置されたものよりも茎を短く成長させる。この成長反応が、昆虫や真菌感染から植物を保護する植物ホルモンのジャスモン酸エステルによって制御されることを突き止めたのだ。
このジャスモン酸エステルは、植物を食べる昆虫に対しての防衛手段として重要な役割を演じている。たとえば、ジャスモン酸エステルの分泌レベルが上がると、植物は草を食べる動物の胃のむかつきを与える代謝物質の生産を増加させる。
いくつかの真菌(カビ)の感染症から植物を保護するジャスモン酸エステルは、トマトやコメ、トウモロコシなどを含む、実質的にすべての植物に含有する。
そして、今回の研究は、これら植物の防御力が触られることによって引き起こされるという最初の証拠を提示したことになる。
研究の中では、ライス大学の学生たちが毎日、実験対象の植物をさわり続けた。しかし、この研究の中では、植物は、人間だけではなく、「昆虫などにふれられる」時もジャスモン酸エステルのレベルが上がる反応が起動することがわかった。
研究者のひとり、ジャネット・ブラーム博士はこう言う。
「植物は自分で移動することができませんので、環境の変化に速く反応するために非常に発達した触覚を持っていることには大きな意味があるようです」。
ライス大学では以前から、シロイヌナズナの触覚がとても鋭敏であることを突き止めていた。そして、定期的に触られたシロイヌナズナが短く、遅く成長することがわかっていた。その中で、博士たちはジャスモン酸エステルと植物の成長反応の関係性の研究を続けていた。
「植物が繰り返し触られることにより、ジャスモン酸エステルのレベルを高い水準で維持し、それにより、昆虫と菌類に対しての防衛力を強化したことを実験は示したのです」と、ブラーム博士は言う。
そして、植物の葉を食べるような下の写真の毛虫(イラクサギンウワバ)に対しての防衛手段のシステムは、植物が触れられることによって起動することがわかったのだ。
▲ 植物は、触られることにより、自身の葉を食べるこのような毛虫への攻撃力(食べると相手の胃を荒らす物質を分泌する)を持つようになる。
▲ 米国ライス大学の生物学者ワッシム・シェハーブ博士(左)と、ジャネット・ブラーム博士。
また。ブラーム博士はこのように述べた。
「植物の触感はひとつですが、しかし、この反応が「植物の内部時計」、あるいは、24時間の周期リズムによって調整されていることも最近判明したのです。これはかなり複雑な構造なのですが、しかし、これらの反応をつなぎ合わせていくことによって、植物が抵抗力を獲得するシステムについて、さらなる理解を得ようとと思っています」。
いずれにしましても、このことを述べるには、まずは今回アメリカでおこなわれた実験と、その「根底にある思想」がどのようなものだったかをご紹介する必要があると思います。
科学メディア PHYS.ORG の本記事はかなり長いものですので、専門的な用語などの部分を除いて部分的にわかりやすくご紹介します。
こここからです。
科学者たちは植物の光合成の根源的な欠陥を克服する仕組みを作成し、農作物の成長を40%向上させた
Scientists engineer shortcut for photosynthetic glitch, boost crop growth by 40 percent
phys.org 2019/01/03
植物は光合成によって太陽光をエネルギーに変換する。
しかし、地球上のほとんどの農作物は「光合成の根源的欠陥」を持っており、そのために育成が阻害されている。その欠陥といわれる過程は「光呼吸」と呼ばれる。
光合成は植物が光を用いて、二酸化炭素と水から糖と酸素が作られる。しかし、光合成の際に行われる光呼吸によって、糖と酸素を作るはずのエネルギーが多く消費され、それにより二酸化炭素が排出されてしまう。
米イリノイ大学とアメリカ農務省の農業研究サービスの科学者は、遺伝子組み換えにより、この光呼吸のプロセスをショートカット(遮断する)ことに成功した。そして、これにより、農作物が今より 40%生産生が高いものとなると発表した。
研究者たちは、予測されている人口増加に伴う食糧生産の増大への実質的な切り札となると期待している。
この画期的な研究は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団と、食料農業研究財団の支援を受け、世界の食料生産性を持続的に向上させるために、より効率的に光合成させる技術として開発された。
ここまでです。
どこからどう読んでも、「良いニュース」にしか見えないかもしれません。
何しろ「植物の成長が 40%も促進される」のですから。
あるいは、今後、食糧難の時代の救世主のようにも見える話として取りあげられるかもしれません。
しかし、これはとても「絶望的なニュース」なのです。
「遺伝子組み換え」という部分に抵抗を感じる方はいらっしゃるかもしれないですが、問題はそういうところにあるのではありません。
どこが「絶望的」なのかといいますと、最初に書いておきますと、
科学者たちが「無駄」と述べる植物のこのプロセスは、植物が、地球と人間のために備え続けてきた最も美徳なプロセスであり、この研究はその美徳を奪ってしまうテクノロジーであるから。
なのです。
うまく説明できるかどうかわかりませんけれど、書いてみます。
植物が地球にいる意味
現代の科学上の認識では、先ほどの記事にあります「植物の光合成の無駄」は、
「植物の進化上の最大の欠陥」
だと思われています。もちろん、これはダーウィンの進化論の考え方の中でのものです。
進化論では「環境に適応したものや、優秀なもの強いものが生き残る」というようなことになっていますが、そういう中で発生した「植物の進化の欠陥だ」と。
しかし、まず考えるべきなのは、この光合成の「無駄」は、地球上で光合成を行うありとあらゆる植物が兼ね備えているもので、それは地域も何も関係ありません。
この「植物すべてが持っている」
ということをまず前提として、その「植物の(ほぼ)全員が持っているメカニズムが生命の進化上の欠陥というのはおかしくないか?」と普通は思うはずですが、そうではなく、現行の科学では、「効率よくエネルギーをとれていないのはおかしい」というほうに考えが行くわけです。
合理的でないものはおかしいと。
生命の進化は、すべて合理的で「自分のために完璧にエネルギーを取り入れられるようでなければならない」と。
それ以外は「欠陥だ」と。
・・・ちなみに、このような思想の「根幹」には何があるかといいますと、
「生命というものは自分ひとりが生き残ればいいようできている」
という思想の存在があります。
まあ、今回の研究はアメリカ人によっておこなわれていて、アメリカ人の方々から見れば、「生き残ることがすべてと考えることの何が悪い」というようなことになるのかもしれないでしょうが、人間はそれでもいいかもしれない。
しかし、
「植物はそもそも、どうしてこの地球にいる?」ということを考えてほしいのです。
オランダの企業「プラント - e 」社が、「植物による発電を実現した」という話です。
詳しいことは上のリンクを読んで下さってもいいですし、私の記事などより、短くわかりやすく説明してくださっていた TABI LABO さんの 2015年の記事をご紹介します。
オランダでは、植物から電力を生み出している!?まったく新しい自然エネルギーに注目
TABI LABO 2015/06/29
将来的には水田を発電所と呼ぶようになるのかもしれません。
オランダの企業「Plant-e」が開発したのは、植物を植えた湿地から電力を“収穫”する技術。
まさに、天然のソーラーパワーシステムとも言えるものです。植物から街灯やWi-Fiスポットの電気をまかなったり、スマホなどの電子機器を充電できるようにもなります。
このプロジェクトは「Starry Sky」とも呼ばれ、2014年の11月にアムステルダムで始まりました。すでに300以上のLED街灯に光を灯すことに成功しています。
光合成によって生成される有機物の中には、植物の成長を促す成分が含まれています。しかし、そのほとんどは使用されずに根っこから土へと排泄されてしまうのだとか。そのため、根っこの周りには、その有機物を食べようと自然と微生物が集まりますが、そこにヒントが隠されているようです。
微生物が有機物を消費する際には、電子が放出されているのだそう。そのため、そこに電極を設置することで電子を収集、電力を生み出す仕組みです。
このオランダのプラント-e 社は、女性たちにより起業された会社ですが、この会社は、先ほどの「植物の光合成の無駄」の部分の研究を続けていました。
その結果、「植物は、光合成の際に、70%ほどを使わずに根から排出させていた」
ことを突き止めます。
70%です。70%。つまり、「大部分を自分のエネルギーにせずに、外に放出していた」ことがわかったのです。
そのような割合で、植物は自らのエネルギーにせずに「無駄」に(見えるようなかたちで)根から流しているのです。
何のために?
構造的な進化上の欠陥だから?
では、そのプラント-e 社が発表していた発電の概念図をご覧いただこうと思います。
オランダのプラント-e 社の「植物による発電」の概念
この図の下の部分を見て下さい。
植物の根の水の部分です。
「微生物」とあるのがおわかりだと思います。
そうなんです。植物が「無駄」と思われるように垂れ流している「エネルギー」は、微生物たちの栄養となっているのです。
これは、「世界中の植物がある現場すべてで起きていること」でもあります。
さて、この世を牛耳っているのは何でしょうか。
「私たちは、細菌にコントロールされている」
細菌というか、つまり「微生物」ということなのですけれど、人間はそういうように微生物に支配されている存在です。
なぜ植物は、地球に君臨したのか。
それは、先ほどのプラント-e 社の図だけで明らかだと思います。
「微生物というこの世の支配者を存続させるため」
に植物は地球に舞い降りたわけです。光合成で「 70パーセントものエネルギーの無駄を出す」ことで、それを成し遂げている。
つまりは、そのエネルギーの垂れ流しによって地球は成り立っている。
または、「支配者」などという変な言い回しをしなくとも、
「微生物という地球最大の生物群の環境を植物が維持している」
という言い方でいいと思います。
プラント-e 社のウェブサイトには、水ではなく、普通の大地での植物による概念図もありますが、それも基本的に同じです。
書くのを忘れていましたが、プラント-e 社の植物を使っての発電のメカニズムは、先ほどの過去記事から抜粋しますと、以下のようになります。
プラント- e 社は、植物が光合成をする際に、その 70パーセントが使われていないことを発見した。
根を通って排出されるその廃棄物は C6H12O6 (グルコース)の化学構造を持っており、それが微生物によって分解され、二酸化炭素(CO 2)、プロトン(H+)と電子(e - )になる。
この自然のプロセスを利用して、プラント- e 社はこれを電気エネルギーに変換できたのだ。
この中に、
> それが微生物によって分解され、二酸化炭素、プロトンと電子になる。
とありますように、植物と微生物のコラボレーションが、結果として「発電」にまで行き着いたわけです。私は、この時に「これこそが科学だ」と非常に感動したのですが、今でもこれに関してはとても感動します。
プラント-e 社の発電のメカニズムの根幹の「そのエネルギーの大半を微生物たちに与えている」こと、すなわち、
「植物は 70パーセントものエネルギーを《他者のために使っている》」
ことを知った時に、植物の緑も同じなのかもしれないと。
その植物たちは何をし続けていたか。
それは、
「ひたすら他者に与え続けてきた」のです。
人間と地球の支配者である微生物のために、そして、「いつか地球に登場する人間のため」に、植物は他者へ与え続けていたのです。
しかし、今回ご紹介した、ビルゲイツ財団の援助によっておこなわれた実験は、
「植物の持つ最大の愛を、彼らから奪った」
ことになります。
私が最初に「絶望的な気分になった」というように書いたのは、こういうことによるものです。
植物から与えられ続けていた私たち人間の科学と呼ばれるようなものは、その植物の最大の慈愛のプロセスを断ち切ることに向かい始めました。
この世の終わりは近いと感じます。
うまくご説明できていない部分もあり、あまりご理解いただけない部分もあったと思いますが、「人間を取り囲む地球と宇宙のメカニズム」というものを、今一度冷静に、「科学的に」考えていただきたいと思う次第です。
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2019/01/10 23:06
「植物の光合成には根源的な欠陥がある」と考える科学者たちの思考そして遺伝子組み換えで《植物の愛》を是正する思考その思考が地球を滅亡に導く「明確な理由」
科学者たちは「植物とは何か」を考えなさい
(1月5日)、少し残念なニュースを目にしました。
それはアメリカの科学メディア PHYS.ORG で紹介された米イリノイ大学のゲノム研究所などがおこなったことに対しての以下の記事でした。
・Scientists engineer shortcut for photosynthetic glitch, boost crop growth by 40 percent
(科学者たちは植物の光合成の根源的な欠陥を克服する仕組みを作成し、農作物の成長を40%向上させた)
https:●//phys.org/news/2019-01-scientists-shortcut-photosynthetic-glitch-boost.html
このタイトルに、
> 農作物の成長を40%向上させた
とあるように、「良いニュース」として伝わっています。
同時に、このタイトルに、
植物の光合成の根源的な欠陥
という文字があるのがおわかりでしょうか。
それを「克服した」とあります。
私はこのタイトルを見た時に、
「ああ、ついにそこに踏み込んでしまったか」
と思いまして、「この世の終わり」というものを本当に身近に感じてしまいました。
どうして、こんなようなことでそのようなことを思ったのかをうまくご説明できるのかどうかわからないのですが、この、
「植物の光合成の根源的な欠陥」という科学界にある概念
が最大の焦点だと思って、お読みいただければ幸いです。
これは実は、少なくとも私にとっては、「欠陥」ではなく、
「植物存在の最大の《愛》」
なのです。
これと関係する概念としましては、もう4年近く前の記事となりますが、以下の二つの記事まで遡る必要があります。
どちらも、私に、「植物とは何か」ということについて気づかせてくれた、個人的にとても重要な記事です。
オランダの女性たちが発見した奇跡のエネルギー生成 : 生きた植物と生きた微生物と水のコラボレーションが生み出した驚異の発電法 Plant-MFC
植物を育てる過程の中で発電をおこなうという完全な再生可能なエネルギー生成
植物というのは、この地球上にある存在の中で、最も人間の生活と生命をサポートしてくれるもののひとつだと思います。
そして、「微生物」。
これも人間の生活を非常に大きく支えているもので、アメリカの著名な微生物学者カール・ウーズ博士は、
「この地球上から、多細胞生物が消滅しても、微生物たちはほとんど影響を受けないだろうが、もし地球上から微生物の生態系が消滅すれば、多細胞生物は絶滅することは明らかだ」
と言っていたことが Daily Galaxy で紹介されていました。
植物さえも、微生物がいなければ、おそらくは生きていけないはずです。
そして、その微生物も植物も含めて、地球上のほぼすべての生命に必要なものが「水」です。
水がなければ、現在のすべてに近い地球の生命が生き残ることはないと思われます。
この世の環境や生命がどのように整ってきたのかの現在の科学的な説はともかく、
完全なバランスの上にこの地球の生命体系は保たれていて、そして、人間がそこに生きている
ということになっているのがこの地球です。
その根幹を支える、
・水
・微生物
・植物
のうちの植物が人間生活に貢献してくれていることは、食べ物としての植物、建造物や道具などに使う植物、燃料に使われる植物、観賞に使われる植物、薬として使われる植物など、さまざまありますが、植物が満を持して
「俺の歴史にまた1ページ」
と述べる感じで登場したのが、「発電」なのでした。
しかも、この発電法は、植物も微生物も「生きたまま」でおこなう、あるいは「自然の状態のまま」での発電方法でもあります。
というか、植物も微生物も生きていないと発電できないのです。
オランダでは、植物から電力を生み出している!?まったく新しい自然エネルギーに注目
TABI LABO
将来的には水田を発電所と呼ぶようになるのかもしれません。
オランダの企業「Plant-e」が開発したのは、植物を植えた湿地から電力を“収穫”する技術。
まさに、天然のソーラーパワーシステムとも言えるものです。植物から街灯やWi-Fiスポットの電気をまかなったり、スマホなどの電子機器を充電できるようにもなります。
このプロジェクトは「Starry Sky」とも呼ばれ、2014年の11月にアムステルダムで始まりました。すでに300以上のLED街灯に光を灯すことに成功しています。
光合成によって生成される有機物の中には、植物の成長を促す成分が含まれています。しかし、そのほとんどは使用されずに根っこから土へと排泄されてしまうのだとか。そのため、根っこの周りには、その有機物を食べようと自然と微生物が集まりますが、そこにヒントが隠されているようです。
微生物が有機物を消費する際には、電子が放出されているのだそう。そのため、そこに電極を設置することで電子を収集、電力を生み出す仕組みです。
今回、このことについて、もう少し具体的に説明しているインドネシアのメディア記事を見つけましたので、ご紹介したいと思います。
この発電のイメージとしては下のようなものです。
上の記事のタイトルには「植物から電力を生み出している」とありますが、
> 微生物が有機物を消費する際には、電子が放出されている
というように、実際に電力を作っているのは微生物なのですが、その電子を放出するためには、植物が必要ということになるようです。
これのすごいところは、「植物が生育しているそのままの環境でOK」ということです。
これまでにも、微生物を使った微生物燃料というものはありましたし、あるいは、過去記事、
宇宙のバクテリアを用いての強力な発電実験に成功した英国の研究チーム
Bugs from space offer new source of power
ニューカッスル大学 ニュースリリース 2012.02.22
宇宙の微生物が新しいエネルギー源となる
地球の上空30キロメートルで普通に見つかるバクテリアが、非常に効率的な発電に適していることが確認された。
ニューカッスル大学の研究チームは、地球の成層圏で一般的に見つかり、「成層圏の真菌」を意味する名を持つバシラス属(あるいはバチルス属)の真正細菌 B.ストラトフェリカス B.Stratosphericus が、チームにより設計された新しいバイオフィルム(微生物で作られた層)の重要な構成素材となることを発見した。
チームは、英国のダラム地区で分離・採取した 75の異なるバクテリアを、微生物燃料電池( Microbial Fuel Cell / MFC )を用いて、それぞれのバクテリアでの発電の試験を行った。
その中から、最高の人工のバイオフィルムを作ることができるバクテリアを探すという試みだ。その結果、成層圏の真菌ストラトフェリカスは、1立方メートルにつき 105ワットの微生物燃料電池での発電量を2倍の 200ワットにまで増やしたのだ。
このレベルは、電球を点灯するのに十分な発電量で、電気のない地域に必要程度の灯りをもたらすことができる。
このバクテリアは通常は上空 30キロメートルの非常に高い高層である成層圏に棲息しているが、大気の循環によって地上へと送られたことにより、チームによって分離・採取することができたものだ。
この研究はアメリカ化学会の会報「環境科学とテクノロジー( Environmental Science and Technology )」に掲載された。
ニューカッスル大学のグラント・バージャス氏によると、今回のように個別にビラ生物が個別に選別されて研究されたのは、これが初めてのことだそう。
ストラトフェリカスを地上で発見できたことはかなり予想外のことだったが、しかし、この研究は将来のこの技術の可能性を示す。何億のも微生物たちの力によるエネルギーを作り出す可能性だ。
微生物を使っての発電そのものは新しい概念ではなく、すでに排水処理などの中で使われている。「生体触媒の酸化」として知られているプロセスまでに、直接、有機化合物を電気に変換するために、微生物燃料電池ではバクテリアを使う。
バイオフィルム(微生物で作られた層)は、微生物燃料電池のカーボンの電極を覆うために使われる。そして、バクテリアがそれを摂取し、電極に移動することによって電気を発生させる。
この最近の研究結果が燃料電池を新しいステージに引き上げることができると、微生物燃料電池研究の第一人者であるニューカッスル大学のキース・スコット教授は語る。
『人間の尿は最大の発電燃料』: 英国王立化学会の研究発表
2011年10月29日
論文のタイトルが、『微生物燃料電池での尿利用は将来のエネルギー燃料』(Urine utilisation by Microbial Fuel Cells; energy fuel for the future )でした。
なんかこう、この「再利用」あたりについては誰でも「薄々とは」そんなふうにしていくといいのではないかという感覚は持っていたと思うのですよ。まあ、しかし、現実問題としては「とりあえずトイレがきれいになってきたことは嬉しい」あたりで止まっているというのが実際のようにも思います。
私の出身地だった北海道というのは日本全国の中でも飛び抜けて下水道の整備が遅かったところで、私が高校を出てから東京に来た 1980年代の初頭でもまだ私の町(岩見沢というところ)は、大半が水洗化していませんでした。
そういう時代を過ごしてきたものには、東京の「どんな建物に入っても水洗トイレである」ということは本当に素晴らしいことでした。当時の北海道では、あらゆる公衆トイレが「地獄」だったという現実があります。
なので、「まずは清潔な方向へ」ということが浸透してから、「再利用」という方向に行くのはまっとうに思います。
今年の夏頃、「ビル・ゲイツの財団が世界のトイレの改善に4200万ドルを拠出」(AFP 2011.07.20)というニュースがあって、これは全世界のトイレを衛生的に、という計画の話であって、再生利用などの話ではなく、ニュースを読んだ時は「これからの世の中は、キレイにするだけじゃダメだろ」と思っていましたが、しかし冷静に考えると、「とりあえず衛生的にして、それから考える」というのはありなのかもしれません。
それにしても、本記事を読むと、微生物燃料電池とかの詳しいことは私にはわからないですが、「ほんの25ミリリットルで3日間、電力を作り続けられる」というのですから、よくわからないながらも、「尿でパワフルな発電は確かにできるらしい」ということは、なくとなく想像つきます。
Yellow Power? Abundant New Fuel For Electricity - Urine
Nano Patents and Innovations 2011.10.27
新しい発電のための燃料:それは『尿』
このタイプの研究としては、最初のものとなる研究発表をした英国の科学者たちによると、人間の尿は大きな燃料の材料となり得るという。
英国でおこなわれた実験では、陽極と陰極から成るアクリルから作られた 25ミリリットルの微生物燃料電池( MFC )が使われ、陽極と陰極が1リットルの再循環のできる貯水ボトルにつながれた。
そして、そこに 30ミリリットルから 200ミリリットルの間で量を変えながらボトルで尿を循環させ、また、 01.ミリリットル~ 10ミリリットルの少量の未処理の尿が途中で加えられた。
尿は採取されてから1週間以内の新しいものだけが使われ、また、尿路や腎臓等に病歴がない健康なボランティアからの寄付で行われた。
微生物燃料電池( MFC )は、尿の注入の前には、1メートルにつき、0.9ミリアンペアの電気を生じていたが、25ミリリットルの尿を注入して1時間後には、2.9ミリアンペアまで増加した。
そして、この量の尿で、3日間もの間、連続してエネルギーを作り出すことができた。
この実験により、研究者たちは。微生物燃料電池が 25ミリリットルの尿だけで3日間利用し続けられることを示した。
人間は平均的には、一日にひとり 2.5リットルの尿を体内で作り出して排泄する。これは、ひとりの人間の尿で一日に 300個の微生物燃料電池を稼働させられることになる。
研究者のひとり、クリス・メルヒュイス博士は以下のように述べる。
「全世界の人類からは年間で何兆リットルもの尿が作られている。このテクノロジーが進めば、エネルギー問題で世界を変えられるのではないかと考える。排水や汚水の処理といった観点からだけ見るのではなく、私たちの生活の中に実際に存在している『無駄』を考えることこそが、私たち人類の一種の『パラダイム・シフト』(価値観の転換)になるのではないかとも思え、この研究のこれからの影響は大きいように思う」。
現在、世界の人口は約 70億人で、その人々が作り出す尿の量は、年間 6兆4000億リットルと見積もられている。
というような、微生物を用いる発電方法は存在していましたが、その多くが「自然の環境ではない」もので、しかも発電量も強いとは言えません。
この植物を利用した方法では、こちらによれば、
ノートパソコン1台を稼働させるために 15平方メートルの栽培面積で大丈夫
とあります。
15平方メートルというのは、9畳くらいですから、9畳の部屋分の水田で、ノートパソコン1台をまかなえる電力が発電できるなら、相当実用的ではないでしょうか。
そして、100平方メートルの面積(33坪くらい)があると、オランダでの一般的な家庭の電気量をまかなえる発電量になるそうです。
下は、実際にオランダで外灯に植物発電が使われている例です。
屋内での鉢植えなどでも発電できるようです。
下は、観葉植物で日本でもよく見られるグズマニアという鉢植えで発電している様子です。
ちなみに、この女性が、プラント e 社の、CEO (最高経営責任者)のマージョレイン・ヘルダーさんという方です。
何をしているかわかりづらいかもしれないですが、電気で回る地球の模型を回しているようです。ちなみに、これは、Plant - e 社内の様子だと思われます。
YouTube を見ますと、社内中の観葉植物に電極をつけていますので、あらゆる植物で発電しているようです。
https:●//youtu.be/79jJoKkF1z0
屋内でも、ある程度、規模を大きくすれば、室内用のランプ( LED )での照明を照らせる程度の発電にはなるようです。
この植物と微生物を利用した発電について紹介している記事のひとつをご紹介しようと思いますが、必要なものや、具体的な方法や費用については、よくわかりません。
これに関しては、「この知見が広まるかどうか」ということが、このテクノロジーが広がるかどうかの鍵となるとしか言いようがないかもしれません。
日本などでも、このテクノロジーが使えるようになれば、たとえば、農業をやりながら自給自足を目指している方などの生活スタイルにも影響する可能性はあるかもしれません。
大きな土地ではなくても、LED 電気と、最低限の通信手段(携帯など)と、情報ツール(ノートパソコンやタブレットなど)程度なら、30平米程度の水田か畑(ただし水がたっぶりあるものでなければいけないようです)があれば、フルでまかなえそうです。
さきほど書きましたように、100平米以上の水田なら、現在の普通の家庭で使われる程度の電気量を作り出すことができるようです。
植物は人間が気づくのを待っていた
私は今回のことで、とても考えたことというか、感動したこととしては、まずは、
「この地球で電気を必要としているのは、おそらく人間だけ」
だということです。
どういうことかというと、植物も微生物も電力なんか要らないわけで、それなら、植物は、微生物とのコラボレーションで「発電のメカニズム」なんてものをもつ必要はないわけですよ。
そんなものは地球で、人間以外は基本的に誰も必要としていないのです。
しかし、人間はそれを必要としている。
人間だけが電気を必要としていて、そして、電気を利用できるのも人間だけだと思います。
その電気を作り出すメカニズムを植物と微生物が持っていた・・・。
ちょっと偶然とは思えないですね。
そして、すごいのは、この発電法は、
「緑を増やせば増やすほど発電量が増え、また同時に、淡水の微生物の生態系も豊富になる」
ということです。
さらに、個人的に、すごいと思ったのは、このプラント-e 社は、「植物が光合成で、70パーセントほどを使わずに根から排出させていた」ということを発見したことにより、この発明が完成したらしいのですが、
「どうして 70パーセントも捨てる?」
と思ったのです。
完ぺきな作りであるはずの植物がどうして、そんな無駄なことを?
そして、この植物たちが「あえて」根から捨てている未使用分の部分が、細菌によって分解され、それが発電の源に至っている。
・・・これはつまり、「無駄」ではないですね。植物は、自分から排出される廃棄物が発電に使えることが「人間に発見されるのを待っていた」ように思えます。
Plant-e: Menanam Tumbuhan, Memanen Listrik
プラント-e 社:植物を育てながら、電力を収穫する
植物が酸素を作り出すことができるのは広く知られている。
では、植物は電気を作り出すことができるだろうか?
そんなことは不可能に思えるかもしれないが、オランダに本社を置くプラント- e 社によって、それができることが証明されているのだ。
プラント- e 社は、植物を傷つけることも枯らすこともなく、「生きている植物から電気を収穫する」ことに成功した。
この、電気を作り出すために、自然の微生物を利用した画期的な方法は、「植物利用型微生物燃料電池( Plant-MFC )」と呼ばれる。
植物が光合成を行うと根から様々な有機化合物を生産するが、その有機化合物が微生物により無機物に分解される。
そのときに発生する余剰電子により発電が行われることを応用したものだ。
プラント- e 社は、植物が光合成をする際に、その 70パーセントが使われていないことを発見した。
根を通って排出されるその廃棄物は C6H12O6 (グルコース)の化学構造を持っており、それが微生物によって分解され、二酸化炭素(CO 2)、プロトン(H+)と電子(e - )になる。
この自然のプロセスを利用して、プラント- e 社はこれを電気エネルギーに変換できたのだ。
この電力は実際の電子機器に使うことができる。
現在、この Plant-MFC では、1平方メートル 0.4ワットの電気を発電させることができる。この発電量は、同じサイズのバイオガス発酵プロセスから発生した電気を超えている。
今後、本プロダクトは、1平方メートルあたり 3.2ワットの電気を作ることができるようになる。
ノートパソコンを駆動させるには、わずか 15平方メートルの植物の栽培面積があればいいということになる。
100平方メートルの土地の面積を持っている場合なら、発電量は年間 2,800キロワットに達する。この量は、オランダの家庭や他のヨーロッパ諸国の基本的な電力需要を満たすことができる量だ。
現在、プラント - e 社は、泥地や濡れた地面での活用に焦点を当てている。この条件が満たされれば、都市部では、建物の屋上などで発電ができる上に、都市部での生物の多様性を増加させることにも役に立つだろう。
この発電法は、さまざまな活用が考えられる。
暖かい地域では、稲作に応用できる。また、湿原、川のデルタ地域、マングローブ林や泥炭地などの湿地帯に位置する場所でも、効率よく発電ができる。
経済的な側面については、これらのプロダクトは、将来的には石油エネルギー、太陽電池パネルや風車からの電力より安くて貴重なものとなるだろう。
これは、再生可能で持続可能なエネルギー生成というだけではなく、「すべての人が利用可能」なものだ。
また、この方法はどのような遠隔地でも利用できるので、世界に 12億人以上いると思われる電気のない生活をしている人々の助けにもなる可能性がある。
ここまでです。
日本でも、どなたかこのビジネスやってくれないかなあ。
自給自足指向なども高まっている日本では、ビジネスとして成功すると思いますので、お金目的で全然いいですので、どなたか、日本にも紹介してくれると嬉しいですね。
植物が「緑色」であり続ける理由がわかった! そして人間の生活システムの完成は「植物との完全な共生」にあるのかもしれないことも
「植物はどうして緑色なのか」という疑問については、ほとんど形而上的な質問でもあり、わかっているのは、「緑色に見える理由」だけで、「緑色である理由」の答えはいまだにありません。
植物が緑であることの「謎」は、植物以外のすべての生物、たとえば、哺乳類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫やそれに類するものから、微生物や細菌などに至るまで、あらゆる生物は種により様々な「色」を持っています。
花に止まる蝶
プランクトン
しかし、地上の植物は、ほんのわずかな例外を除けば、その葉は緑色です。
地球上のあらゆる生物の中で、植物ほど、どの種類もすべてが同じ色を持っているというものはいないのです。
花の色や大きさ、葉や全体の形、 育つ環境や、生育のしくみなどは、植物ひとつひとつでまったく違うのに「葉が緑である」ことから外れた植物はほとんどいない。
ここには何か地球の創造と関係するような「大きな必然性」があるはずです。
偶然でこんなことになるわけがない。
まず、最初に、この問題の最も大きな壁であるひとつの事実、
「光と水で生きている植物にとって、実は、緑色という色は最も効率が悪い」
ということを少し考えてみます。
緑色は植物の生存には最も適さない
まずは、4年前の記事でも抜粋しました、社団法人 日本技術士会 北陸本部のウェブサイトにあります「彼らはなぜ「緑色」を選んだのだろうか・・・???」というコラムから抜粋します。
これが、植物と携わっている人が、いつかは辿りつく究極の問いです。
少し長い抜粋ですが、これ以上は削ることができませんでした。
彼らはなぜ「緑色」を選んだのだろうか・・・???
ほとんどの植物の菓っぱは緑色をしている。そんなことはあまりにも当たり前すぎて、以前はな~んも気にならなかった。毎日空気を吸いながら、空気の存在そのものを忘れてしまっているように。私がこの世に生まれるずっとずっとず~と以前からそうだったはずだし、私が神に召された後もやっばりず~とそうだろうと思う。(略)
植物の葉が緑なのは、「葉が緑色の光を反射あるいは透過し、他の色の光を吸収している」という理由による。
つまり、葉は緑色の光をあまり必要としないということである。光のエネルギーを取り入れて糖を生産(光合成)するのに、緑色の波長領域のエネルギーを捨てた……ことを意味している。
ところが……である。(私の記憶に間違いが無ければ、ここが重要!!)
地球に届く太陽光の強さと波長との関係を見ると、緑色の光に強さのピークがあるらしい。最強の緑色光を使えば、例え曇天の日でも光合成が可能となるんじゃないか? その方が明らかに効率的ではないか。
光のエネルギーを利用して光合成を行う植物が、最も強い光を吸収しないで捨てる。そういうメカニズムになっている植物たちって、一体なんでやねん!?!
なんでそんな非効率的で訳のわからん選択をするのだろう?
単に、神様の御戯れかな???
数億年も前に植物が誕生してから、ずっとずっと緑で来たのだろう。だから、緑であることが何か非常に重要な合理性を持っているはず。
そして植物たちが選択して来たその合理性は、強いエネルギーの光を捨てて相対的に低いエネルギー利用を選択することの意味を納得させるだけの説得力を持っているはずである。(どなたか、知っている人がいたら是非教えて下さい!!!)
植物たちと付き合いはじめてから35年もの時間が流れてしまいました。
その間、ほとんど毎日目にしている彼らが「緑色」であることに対し、ほとんど意識をしなかった。ところがある日、ふと気になり出すと多いに気になり、その疑問を捨てられなくなってしまう。
35年も見続けて来ながら、そんな基本的なことすら解っていなかったのだなあ~と、かなり凹んでいます。彼らが緑である理由はいまだに解りませんが、自分の無知さ加減は身にしみて解りました。
願わくば、「なあ~るほど!!!」と納得してから神に召されたいと思います。
このコラムを書かれた方は、植物と35年も付き合ってきた方だということのようですが、それから4年経っていますから、お元気なら、植物と付き合って 40年ということになりそうです。
この方の持つ疑問とは、「太陽の光と色の関係」と「色はどうして、その色に見えるか」ということから考えてくと、わかりやすいと思います。
色の発生の原理
太陽光がその物質に当たったときに、光は、
・反射する光
・吸収された光
とにわかれます。
上の図にありますように、「目で見える色は、反射した太陽光」ということで、実は、私たちは物質の色を見ているのではなく、
「反射した光が目に入ったものを脳で感じているだけ」
だということになります。
たとえば、植物なら、その葉が緑色に見えるということは、植物が緑の光を「吸収しないで反射している」から緑に見えていることになるという理解でいいのではないかと思われます。
ところで、「見る」ことに関して、さらに言いますと、反射した光は意識しなくともこちらに向かってくるのですから、実は、
「物体を見ているというより、反射した光(電磁波)を脳が感じているだけ」
とも言えます。
これが「見る」という行為の実相ですが、さらに言いますと、これはちょっと別の話になってしまいますが、赤とか緑とか白とか様々な「色は存在する」と私たちは何となく思っていますが、実は、色は存在しません。
「どうしてその色をその色だと人間は感じるのか」は、これもまた永遠の謎
なのです。
下の図は色の分布で、図の下に「電波」とか「マイクロ波」とかが書かれてありますが、つまり、私たちは電波とかマイクロ波とかいう「波長に色を感じている」わけです。波長に色などはついているわけもないのに、私たちはそれを「色」と認識します。
電波にもマイクロ波にも赤外線にも紫外線にもX線にも当然、色はついていません。
しかし、それらの波長を私たちは「色」と感じている。
単なる波長をなぜ人間が「色」として感じるのかは、永遠の謎とされています。
しかしまあ、このことは今回のこととは違う問題ですので、「この世は、色も形も存在しない」ということについては、置いておきます。
さて、「存在している色」としての緑の話に戻ります。
上の図の「色のスペクトル」を見てみると、真ん中に緑色があることがわかると思います。
つまり、緑の光は「強い光」なのです。