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2018/12/12 20:06
イエローストーンの間欠泉スチームボート・ガイザーの今年の噴出回数が30回を超え、54年前の記録を更新し過去最大に
2018年12月10日のアメリカの報道より
今年、アメリカのイエローストーンにある間欠泉「スチームボート・ガイザー」の話題を何度か取りあげたことがあります。
その内容は、この間欠泉が「過去にないほど活発な噴出を起こしている」というもので、最初に取りあげたのは以下の記事でした。
米イエローストーンの間欠泉の「尋常ではない噴出」についてのアメリカでの大々的な報道。そして、この2年ほど拡大しているように見える「徴候」のようなもの
2018年4月29日の米国ロイターの報道より
徐々に「徴候的な現象」が拡大しているのかもしれない
この数日、アメリカのメディアでは久々に「イエローストーン」についての記事が広くリリースされています。
その内容は、イエローストーンでの「異常な間欠泉の活動」についてのことですが、今回際立つのは、いわゆるメジャーメディアがこぞって報じているということかもしれません。
昨年あたりもイエローストーンに関しての報道を取りあげることが多くなっていましたが、まずは今回のアメリカでの報道をご紹介します。
いろいろ報じられているのですが、現在のアメリカの様々なメディアの内容を参照して記事にしている米ゼロヘッジの記事をご紹介しようと思います。
これをご紹介しようと思った理由は、記事の最後のほうに、イエローストーン火山観測所の科学者たちが、
> 「噴火の際には、数週間から数年間の警告の兆候が先行する可能性が高い」
と述べていることです。
この1、2年間のにイエローストーンで起きていたことを羅列すれば、それはもしかるすと、「警告の兆候」というもののカテゴリーに入るものなのかもしれません。過去のそれらの事象については、ゼロヘッジの記事の後にご紹介します。
それでは、ここからです。
"Unusual Eruptions" At World's Largest Active Geyser In Yellowstone Stoke "Supervolcano" Fears
zerohedge.com 20108/04/29
イエローストーンにある世界最大の活動間欠泉での 「異常な噴出」が、超巨大火山の噴火への懸念を燃え上がらせている
約1ヶ月前に、アメリカでは、イエローストーンの世界最大の間欠泉の噴出が増加していることが各メディアから報告されていた。ロイターの報道によれば、この場所での最後の噴出は 2014年のことで、今回はそれ以来のこととなる。さらに今年の最初の噴出からイエローストーンの間欠泉は6週間で3回以上噴出したという。
地質学者たちによると、この6週間で3回以上の噴出というパターンは 「普通のことではない」というが、しかし、この異常な間欠泉の活動がイエローストーンの地下で破壊的な火山活動が始まっていることを示すものではないという。
ただ、今回のイエローストーンの活動は、アメリカのメジャーメディアによって数多く報じられていることが気になるところだ。様々な報道で、今回の活動について「異常なこと」だとする専門家たちの記述がなされている。
報道によれば、イエローストーンの間欠泉は、3月15日と 4月19日に、それぞれ 約 91メートルの高さの噴出を発生させた。
そして、現地メディアの報道では、4月27日の午前 6時30分にイエローストーンの間欠泉「スチームボート・ガイザー(Steamboat Geyser)」で 3回目の噴出が報告された。現在、そこに至る通路は閉鎖されている。アメリカ地質調査所(USGS)のイエローストーン火山観測所によれば、イエローストーンの間欠泉で3回の噴出があったのは、 2003年が最後だという。
今年のスチームボート間欠泉の噴出は、これまでのところは通常の噴出よりも規模が小さくなっているが、それでも、4月の 2つの噴出はイエローストーン公園の有名な間欠泉「オールド・フェイスフル・ガイザー(Old Faithful Geyser)」の噴出水量の約 10倍だった。
そして、このことは予想されたことだが、今回の出来事が起きてすぐにアメリカの地質学者たちがメディアに次々と登場して、「イエローストーンで大きな噴火が近づいている可能性を示す徴候はない」と語った。
しかし、地質学者たちの言葉にもかかわらず、彼らは、今回の間欠泉の熱擾乱を示す可能性がある最新の一連の噴出の原因を突き止めることができてはいない。
イエローストーンのスチームボート・ガイザーより高く噴き上がる間欠泉は、ニュージーランドのワイマング・ガイザー(Waimangu Geyser)だけだが、しかし、その噴出は 100年以上起きていないという。
今回のスチームボート・ガイザーでの「異常な噴出」の原因が何であろうと、ただちにパニックを起こす必要はもちろんない。
イエローストーンの最後の大規模な噴火事象は 7万年前とされているが、この地域は現在でも依然として非常に地質活動は活溌であり、イエローストーンは将来的に噴火する可能性がある。ワシントン・ポスト紙が先週報告したように、イエローストーンは、1980年のセント・ヘレンズ爆発よりも何千倍も強力な噴火を起こす可能性を持つ。
アメリカ地質調査所は、イエローストーンでそのような強力な噴火が起こるとは考えにくいと前置きしつつ、もしそのような噴火が起きた場合、イエローストーン北部のロッキー山脈の多くを灰の中に埋めてしまうだろうと述べている。また、溶岩流は中心から半径 50キロメートルから 60キロメートルを覆い尽くし、火山灰は、最大で 800キロメートルの範囲に及ぶだろうとしている。
もちろん、これは最悪のシナリオだが、いずれにしても、科学者たちは、イエローストーンに関しては「私たちの生きている間(この数十年でという意味)にそのような噴火が起きる可能性はほとんどない」と強調する傾向がある。
なお、イエローストーン火山観測所の科学者たちは、「噴火の際には、数週間から数年間の警告の兆候が先行する可能性が高い」とメディアに記している。
ここまでです。
ここ2年ほどのイエローストーンでは、いろいろとありましたが、印象的な出来事としては、ふたつほどありまして、ひとつはイエローストーンの近くの川が「沸騰した」という 2016年夏の以下の出来事でした。
イエローストーン近くの川が「沸騰」してから4カ月後の夏、周辺の川では1万匹にのぼる魚が大量死。
2016年8月18日
米国モンタナ州のパラダイス渓谷を走るイエローストーン・リバー
2016年8月のイエローストーン国立公園で
アメリカのイエローストーンについては、その話題をたまに取り上げることがあります。
イエローストーン国立公園近くの川が「沸騰」しているということをご紹介したことがありました。
そんなイエローストーン国立公園を流れるイエローストーン・リバーで、かつてない規模の「魚の大量死」が発生していることが、アメリカの多数のメディアで報じられています。
2016年8月17日の米国報道より
冒頭の写真のように、イエローストーン・リバーは、イエローストーン国立公園のかなり広範囲を流れているようなのですが、そのすべての流域で魚が死んでいるのが発見されているようです。
最初は 1.000匹ほどの大量死だと思われたのですが、後に、モンタナ州の魚類野生動物公園局(Montana Fish, Wildlife and Parks)は、「その 10倍が死んでいる可能性がある」と発表しました。
この川では、前代未聞の大量死だそうです。
原因はまだわかっていませんが、多くにおいて、水中での大量死の原因は、
・藻の大発生を含む酸素の欠乏
・水温の異常(高すぎる、低すぎる)
・化学物質など
などですが、時に、これらのどれにも属さない「原因が不明」の大量死も、しばしば見られます。
場所がイエローストーンですので、こういうことが起きると、いろいろな話が飛び交います。
当然、下のような「これは噴火と関係しているのではないか」というような投稿も SNS などで多少飛び交っています。
ツイッターより
しかしまあ、さすがに、イエローストーンほどの巨大な火山の噴火の前兆だと、この程度のものとも思えないです。
あとは、昨年のイエローストーンの群発地震の回数が「 2500回を超えた」ということでしょうか。下の記事は、群発地震が 2567回を超えた時のものです。
米国イエローストーンの群発地震の発生が2567回を超え、回数と継続期間が「観測史上最大」の規模に
2017年9月3日
米国ニューズウィークの記事より
6月からアメリカのイエローストーンで群発地震が始まったことは何度かお伝えしたことがありますが、8月31日に、群発地震が始まってからの回数が 2567回となり、過去に記録されたすべての記録を上回ったことが発表されました。
イエローストーンの場所
イエローストーンの今年の群発地震は、始まった当初から、
収まらないイエローストーンの群発地震。発生以来の地震の回数は500回に迫る規模に
2017年6月22日
イエローストーンでの地震発生数が「1000回」を超える
2017年7月のアメリカ地質調査所による月例報告書
などのように、500回とか 1000回などの節目の回数で記事にしていましたが、気づくと、8月の終わりに 2500回を超えていたのでした。
これまでの一連の群発地震の中で、最大だったのは 6月15日に記録されたマグニチュード 4.4で、過去1ヶ月では、8月21日のマグニチュード 3.3が最大の地震でした。
このイエローストーンの群発地震は、基本的にはマグニチュード1以下の小さな地震が大部分ですが、いずれにしても、これほど長期間、イエローストーンの群発地震が続くことはあまりないことです。
過去には 1985年と 2010年に、やはり 2000回を超えたことがありましたが、しかし現在のイエローストーンはいまだに群発地震が続いているため、過去最長となる可能性が高いようです。
あまり関係のないことですが、8月21日にアメリカを通過した 99年ぶりの皆既日食が、ちょうど「イエローストーン領域の上」を通過していったことを思い出します。
2017年8月21日の皆既日食のルート
アメリカ地質調査所はイエローストーンに対してはいかなる警報も出しておらず、安全なままの態勢ですので、群発地震が続いている以外は、特別何らかの動きがあるというわけではないですが、さらに群発地震が長く続くようですと「新しい動きが始まっている可能性」も感じないではないです。
イエローストーンの群発地震に関しては、節目ごとにご報告したいと思います。
次は 3000回ですが、そう遠い日のことでもなさそうです。
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2018/12/12 19:45
インドネシアのジャワ島で巨大竜巻が人口100万人の都市を直撃し、「数分間で800軒以上」の家屋を破壊
12月7日のインドネシアの英字紙ジャカルタポストより
インドネシアのジャワ島西部で、12月6日、このあたりの気象としては、とても珍しいと思える「巨大竜巻」が発生し、ジャカルタに近いボゴールという街を直撃しました。
下は、ボゴールが竜巻の直撃を受けている中で撮影された動画です。
https:●//youtu.be/UKa1fOwCAaA
12月6日のボゴールの竜巻
竜巻の直撃を受けたボゴールという街は、人口 103万人の大都市で、住宅も多いということもあるのでしょうが、大きな被害が発生し、少なくとも、 850軒の家屋が被害を受けたと報じられています。
インドネシア・ボゴールの場所
被害の範囲は、5キロメートルに及んだそうですが、竜巻の発生していた時間は、「ほんの数分」だったとのだそう。
発生した後、瞬く間に大きな被害を出して消えていったようです。
12月頃からの時期のインドネシアは雨や悪天候の多い時期だそうで、今回も、悪天候の中で竜巻の発生もあり得るかもしれないとジャカルタの気象局は通達していたそうですが、それは結局は、この土地ではほとんど見ることもない巨大な規模の竜巻が発生となってしまったようです。
ジャワ島の悪天候の季節は、通常なら 2月まで続きます。
2018/12/12 19:39
パプアニューギニアのマナム火山で「13キロメートル超」の噴煙を上げる大噴火が発生
12月8日 噴煙13kmを立ち昇らせて噴火するマナム火山
パプアニューギニアのマナムという小さな島にある火山が、12月8日、非常に巨大な噴火を起こしました。
マナム火山の場所
火山情報を伝えるボルケーノ・ディスカバリーの報道によれば、噴煙は、13.5キロメートルの高さにまで上っているようです。
この火山は、今年 8月にも巨大噴火を起こしており、それについては以下の記事で取りあげたことがあります。
パプアニューギニアの小さな島「マナム」で噴煙15キロメートルに達する巨大噴火が発生。全島民退避の可能性も
パプアニューギニアでの噴火を伝える8月25日の報道より
その島にある火山が大噴火を起こしたのですけれど、その噴火の噴煙の高さは、15キロメートルにもおよぶもので、島の全長よりも高いものとなっています。
この「噴煙の高さ 15キロメートル」がどのくらい激しいものかといいますと、たとえば、日本で最も活溌に噴火している火山のひとつである鹿児島の桜島の「歴代で最も高い噴煙の高さ」が、5キロメートル( 2013年8月18日)ですから、その 3倍の高さというところで、噴火の規模のすさまじさがわかります。
下の写真は、8月25日の噴火の様子です。
8月25日のマナムでの噴火の様子
このマナムの人口は 9000人なのですが、この噴火を受けて、最も影響のある地区の 2000人に退避が命じられました。
しかし、報道では、島全体が噴煙と火山灰に覆われているようで、全島民の避難の可能性があるようです。
この 13キロとか 15キロの高さの噴煙というのは、日本での火山活動と比較すると非常に際立っているもので、たとえば、鹿児島の桜島の歴代で最も高い噴煙の高さが、2013年8月に記録された 5キロメートルですから、マナム火山は、この半年の間にその 2倍から 3倍となる噴火を起こしたことになります。
12月8日の噴火の様子
なお、マナム島の人口は 9000人ですが、現在のところ影響はわかりません。
環太平洋火山帯の活動は、なお活発であるようです。