【楽天市場】Shopping is Entertainment! : インターネット最大級の通信販売、通販オンラインショッピングコミュニティ 店長の部屋Plus

日別記事一覧

2018/10/18 21:05

人工甘味料は肥満抑制物質GLP-1と、各種の肥満抑制腸内細菌を殺す

腸内細菌群と肥満の関係についての科学記事より
gut-microbuiome-obesity.jpg

肥満が伝染病のように現代社会に、たった数十年で広がった理由

低カロリーやノンカロリーの甘味料が「腸内細菌のバランスを短期間で崩壊させる」ことを以下の記事で書かせていただきました。

人工甘味料の「身体破壊の威力」がまたも明らかに 低カロリーあるいはノンカロリー甘味料は「腸内細菌の環境を徹底的に破壊」し、健全な人間を2週間で糖尿病へと導く可能性
seetener-crash-gut.jpg

この記事でご紹介したのは、欧州糖尿病学会で発表された研究ですが、この記事を書いている中で、以下の部分に、「おっ」と思うところがありました。

血糖値をコントロールするのに役立つホルモン GLP-1 の放出が低下したことに関連して、ブチリビブリオ細菌集団の減少を観察した。

この意味は、簡単に書き直せば、

「体内の GLP-1 という物質の放出を手助けしている腸内細菌が減少する」

ということです。では、この GLP-1 というのがどんなものかということについては、ご存じない方もいらっしゃるかと思いますが、上の記事では「血糖値を下げる働きがある」ことについて言及されていますけれど、これは、この発表が「糖尿病学会」によっておこなわれたものだからだと思われます。

実は、この GLP-1 というのは、一般的には、

「肥満を抑制する」

として知られているホルモンなのです。

どんなものかということについては、糖尿病専門医の重藤誠医師が書かれた以下の文章がわかりやすいです。

やせるホルモンGLP-1とは

体重は、かなりの部分がホルモンのバランスによって決まっています。食欲を落として体重を減らす作用のあるGLP-1は、やせるホルモンとも呼ばれています。

GLP-1は、胃に入った食べ物が、腸に流れるスピードを遅くするため、急激な血糖の上昇を抑えると同時に、満腹感を持続させます。腸のL細胞という細胞から分泌されるほか、脳内でも造られており、脳での作用は、食欲を落として食べ過ぎを防ぐほか、認知機能や記憶力などに関わっていると考えられています。

GLP-1の重要な作用として、食後のインスリンの分泌を増やす作用があり、食後の血糖を抑えてくれます。食後の血糖が上がると、動脈硬化が進行するほか、認知症やがんのリスクを高めることがわかっています。

インスリン自体が、脳の満腹中枢に作用して食欲を抑え、体重を減らす作用があります。GLP-1は、インスリン分泌の調節をすることでも、食欲を抑制しているわけです。

また、血糖が安定することで、精神的な安定や、動脈硬化の抑制が期待できます。

脳で造られるGLP-1は、神経伝達物質として作用し、直接的に食欲を抑えます。他の神経伝達物質にも影響を与え、複合的に食欲を抑えているようです。


このような作用がある GLP-1 は、アメリカでは、2014年に肥満治療薬として認可されていて、数百万人規模のデータから、

・糖尿病患者の血糖が改善する

・体重を減らす

という効果があることについては、ほぼ間違いないようです。

そして、昨日の記事にありますように、「人工甘味料は、この肥満抑制作用のある GLP-1 の放出を減少させる」ということになるようなのです。

これを非常に大ざっぱにいいますと、

「低カロリーあるいはノンカロリー甘味料を摂取すると《太りやすくなる》」

ということになってしまいそうなのです。

先日の記事では、低カロリー(ノンカロリー)甘味料は、「糖尿病の人たちが血糖値を上げないようにするために使っている」部分があるのにも関わらず、実際には、「人工甘味料を摂取するほど GLP-1 の減少により血糖値が下がりにくくなる」という皮肉な現実について書かせていただきましたが、今回は、

「カロリー制限をするために低カロリーやノンカロリーの人工甘味料を摂取すると GLP-1 の減少により、むしろ痩せにくくなる」

という肥満に関しての皮肉の話でもあります。

しかし、肥満に関してだけの話としても、人工甘味料と肥満の関係は、これだけではないと私は考えています。

たとえば、前回の記事でご紹介した論文には以下のような記述があります。

この研究で、低カロリー甘味料を摂取した被験者群が、糞便中に存在する微生物の型のより大きな変化を示し、その中でも良好な健康と関連する細菌であるユーバクテリウム‐シリンドロイデスが有意に減少することを見出した。

他に食物の発酵を助ける腸内の有益な細菌種の個体群も減少した。

しかし、11種の日和見菌(体が弱った時に腸内で悪い働きをする細菌)の存在は増加していた。


ユーバ何とかというような細菌の面倒くさい名称はともかくして、ここにあるだけでも、

「人工甘味料が複数の腸内細菌を殺している」

ことがおわかりかと思います。

この「単一の物質(ここでは人工甘味料)が複数の腸内細菌を殺す」という影響は、肥満という問題だけにとどまるものではないはずです。

カロリーの吸収を行っているのは腸内の細菌群

冒頭に「腸内細菌のバランスと肥満が関係している」ことが明らかとなったという科学記事を載せていますが、この内容はともかくとして、要するに、このタイトルのように、最近のさまざまな発見により、

「主要国での肥満の流行は、人々の腸内環境の崩壊が関係している可能性が高い」
という考え方が次第に主流になりつつあります。

ダイエットなどの問題に関しては、今でもカロリーだ糖質だ脂質だといろいろと言われていたり、テレビでもネットでも、おびただしいダイエットのための商品や健康食品が広告されているでしょうけれど、最新の医学でのカロリーに対しての基本的な考えは、そういうことではなく、下のようになっているはずです。

「カロリーの消費は人それぞれの《腸内細菌の構成》によって異なる」

本人の問題ではなく、腸内細菌の問題だと。

これは、極論として書きますと、どれだけカロリー制限をしようと、あるいは糖質を控えようと、あるいは運動をしようと、もう何をしようと、

「腸内環境のバランスが崩壊している限りは痩せない」

というようなことになると考えられるのです。

もちろん、何か極端なダイエットをして、一時的に体重を落とすことはできたとしても、それを維持することも、リバウンドを防ぐことも難しいと思われます。

食べ物を食べるのは確かに私たち本人ですが、それを「吸収」しているのは、実は腸内細菌なのです。

アメリカで 2016年に出版された『あなたの体は9割が細菌:微生物の生態系が崩れはじめた』という著作についてご紹介したことがありました。

タワシも(タワシかよ)……私も、以前から「腸内環境」というような言葉だけは知ってはいましたけれど「そんなもん大したもんでもなかろう」程度に考えていたのですけれど、この「あなたの体は9割が細菌」を読んで、考えがすっかり変わりました。

それどころか、

「身体で最も重要な器官が腸である」

というようにも思うようになっています。

この「あなたの体は9割が細菌」の最初のほうのセクションで、長い部分が占められているのが「なぜ現代社会は肥満がこんなに増えたのか」ということで、これに関しても、膨大な研究データや資料から「肥満と、腸内環境のバランスの変化に関係がある可能性が高い」ということになっていきます。

たとえば、マウスの実験で、腸内細菌のバクテロイデーテスという細菌群の量が、肥満しているマウスと、通常のマウスで違うことが見出されたことから始まった研究で、簡単に書けば、バクテロイデーテスという細菌群が、

「カロリーを食べてくれている」

ことがわかったのです。

吸収量の差としては 2%程度の小さなものなのですが、この程度の差でも、人間にあてはめますと、

「 10年で 19キロの体重差となる」

のだそう。

食べ物を食べるたびに、カロリーの吸収量に差があり、それが蓄積されていくのです。

これだけではなく、肥満と腸内細菌については、いろいろとこの本にも多くの研究が記されています。

まあ、それらの詳細はともかく、今の医学では、

「肥満は腸内細菌のバランスにより決定づけられている」

という可能性が高いということが、ほぼ結論づけられています。

しかも、肥満に至るというのは、あまりいいバランスではない状態だといえるかもしれません。

なぜなら、過去十数万年の「人間の体系」は基本的に肥満ではないからです。

人口集団の多数が肥満という状況は、長い地球の歴史の中の「過去数十年で急速に現れた」もので、原因があるとすれば、この「数十年にある」のだと思われます。

前回と今回は人工甘味料のことを書いていますが、腸内細菌のバランスを破壊するものは、現代社会にはいくらでもあるはずです。

抗生物質のように「直接、腸内細菌を殺す作用」がある可能性があるものから、間接的に腸内環境に影響を及ぼすような物質も多々あるような気がします。

たとえば、人工甘味料にしても、

「もともとは、腸内環境を破壊するために発明されたものではない」

わけですけれど、しかし結果として、そのようになっている。

このような「結果として腸内細菌のバランスに影響を与えている」ものは、本当にいろいろとあるだろうなあとは思います。

詳細にすべてがわかることもないでしょうけれど、しかし「明らかに腸内細菌の環境に良くない」とわかっているものに関しては、日常でなるべく避けることは悪いことではないと思います。

抗生物質などの場合は、病気や怪我や手術によっては使わざるを得ない局面もあるかと思いますが、人工甘味料にはそんな局面はないですので、人工甘味料入りのドリンク(缶入りアルコール飲料も)などを含めて、なるべくなら摂取しないのが良いような気もします。

まあ、個体差、つまり「人による」というのはあるのでしょうけれど。

たとえば、今回の記事を書いていて、ふと、昨年 12月の以下の報道を思い出しました。

ダイエット・コークを1日12本、トランプ氏に専門家が懸念
CNN 2017/12/12

トランプ米大統領はカロリー、糖分ゼロの炭酸飲料「ダイエット・コーク」が大好物で、1日12本のペースで飲んでいることが、米紙ニューヨーク・タイムズの最近の記事で分かった。専門家らは、人工甘味料などによる健康への影響に懸念を示している。

最近の研究では、人工甘味料「アスパルテーム」を使ったダイエット飲料は甘い物への欲求をかえって強めることや、体内で砂糖入り飲料と同じような生理反応を引き起こすことが分かってきた。

ダイエット飲料を飲む人は飲まない人に比べ、生活習慣にかかわる2型糖尿病や高血圧、脳卒中、認知症のリスクが大きくなると、米パデュー大学のスーザン・スウィザース教授は指摘する。

テキサス大学の研究チームが65歳以上の年代でダイエット炭酸飲料と腹囲の変化の関係を長期的に調べたところ、ダイエット飲料を飲むと腹部の肥満が悪化し、さらに心臓病のリスクも増すとの結果が出たという。

栄養学の専門家は「トランプ氏にはダイエット・コークの少なくとも半分を水に換えるよう勧めたい」と話している。


この報道の、締めの

> ダイエット・コークの少なくとも半分を水に換えるよう勧めたい

にはちょっと笑いましたけれど、しかし、米大統領が、脳や腸が機械仕掛けのロボットでない限り、その腸内環境はものすごいことになっていそうです(機械仕掛けなのかもしれないですが)。

今回は「肥満」の話から入りましたので、ダイエットのための記事のようになってしまったかもしれないですが、そういうことでもなく、結局はこれもまた「腸」の話ではあります。

まあ……私自身が肥満ですので、気になる話ではあり、ご紹介しているのも事実ですが。

ちなみに、私、腸内環境改善の一環として、2ヶ月くらい前から、インドのアーユルヴェーダで腸内環境を改善するとされる「トリファラ」というものを毎朝飲んでいるのですけれど、これはとてもいいと実感はできます。しかし、「信頼できるような販売元がわからない」ということもあり、ご紹介することができないのですよ(私自身はインドから直接買っています)。

効能や体験は「トリファラ 腸」などで検索されるとおわかりになると思われます。

何というか、尾籠な表現ですけれど、「便の匂いがほぼなくなった」のですね。しかも、このせいかどうか知らないですが、確かに痩せますしね。

あと数カ月くらい自分で人体実験をして、良さそうならご紹介したいとも思うのですが、日本でもきちんと扱ってくれるといいのですけれど。

以前も書きましたけれど、崩壊した腸内細菌バランスが完全に元に戻ることはないと私は考えていますが、現代人の私たちは、「不完全な腸内バランスの中で最善の環境を保つ方法」を考えて生きていくしかないのかもしれません。

最終更新:2018/10/18 21:05

このお店で1週間以内に売れた人気アイテム

2018/10/18 20:51

実際の著作の中には、自分の子どもが後発的に自閉症となった母親のことが長く書かれていますが、医学知識のほぼないその女性が、1から子どもの「発症の原因の手ががり」を調べ続けて、医師に懇願しての「実験」も行いながら、ついにその原因の仮説に辿りつくのです。

そして、ついには、その女性は医学者ではないのに、医学界で受理される医学論文を発表するに至る一種の愛情と執念のドラマが書かれています、

なお、その内容は一言でいうと、「抗生物質により腸内の細菌環境が破壊されたことによる自閉症の発症」(もっと具体的な機序が本には書かれています)ということになるのですが、もちろん、これは一例であり、自閉症の原因の大半は今でもわからないままですけれど、問題は自閉症そのものの話ではなく、

「腸が理性をコントロールしている」

ということが、この本の中のいくつかのくだりなどでよくわかるのです。

脳が健全で正常であっても、細菌を含む腸のシステムが破壊されることで、「理性は消えていく」のです。

そして、おそらくとしか言いようがないですが、他のさまざまなメンタルに関する病気や症状の中にも、「腸内のシステムが破壊されることによって起きているものがある」という気がします。

私たち人間の遺伝子情報(ゲノム)は「自らの腸内細菌によってコントロールされている」ことが判明
2018年1月17日

そこから思う、感染症やガンや認知症の著しい増加の理由の原因のひとつは、抗生物質と超除菌の濫用社会での「腸内細菌の崩壊」なのかもしれないこと

2018年1月11日のアメリカの科学メディア報道より
bacteria-control-us.jpg

私たち人間の遺伝子をコントロールしているものは

いろいろと私たち近現代の人類は、この世の仕組みというか、「何かと何かのあいだの関係性」について勘違いしながら長いあいだ生きてきたということを最近になって、いろいろと知ることが多くなったように思います。

その中に、たとえば「腸内細菌」というものがあります。この言葉は、最近は比較的よく耳にする言葉でもあります。

そして今では、この腸内細菌から「マイクロバイオーム」という言葉も科学の世界では使われていまして

人体は「マイクロバイオーム」を内蔵する生態系、腸内フローラ、腸内細菌叢の世界

well 2015/12/22

世界的に有名な英国の総合科学雑誌ネイチャー誌が、このたび、人の腸内に住む微生物群、マイクロバイオームに関する話題を取り上げる特集を組んでいる。

研究グループは、マイクロバイオームの大部分は腸内に棲み付くが、微生物群は単なる「居候」ではないと説明している。「食べ物の消化」「抗炎症物質の産生」「敵味方を見分けるための免疫システムの教育」など、人間の健康と生存に重要な機能を数多く担う存在になっている。

医学や栄養学の世界の考え方が大きく変わりつつある。人間は単独で生きていく生き物ではなく、互いに協調・競合する微生物を内部に秘めた複雑な生態系だと考えられるようになりつつある。


このように、それまで単なる「居候」的存在と考えられていた人間の体内の細菌たちが、上の記事から抜粋しますと、

> 「食べ物の消化」「抗炎症物質の産生」「敵味方を見分けるための免疫システムの教育」など、人間の健康と生存に重要な機能を数多く担う存在になっている

という役割をおっていたということが次第にわかってきた、というようなことになってきていました。

この意味はつまり、「腸内(あるいは他の体内の)細菌と人間は共存している」ということへの理解が進んできていたということになるのだと思われます。

これを知った時にはそれなりに「微生物と人間の共存とは大したものじゃ」などというように思っていたのですが、しかし、「事態の真実」はさらに進みました。

最近の英国での研究でわかったことは、「共存」をはるかに上回る意味を腸内の細菌たちが持っていたということでした。

それは「共存」というレベルではなく、人間と細菌の立場が逆転したといっていいもので、すなわち、

「腸内細菌が、私たちの遺伝子情報をコントロールしている」

ことが判明したのです。

最近の科学で少しずすわかってきていたような「人間と体内の細菌の共存」というような概念から、見識はさらに進んで、「私たちは腸内の細菌に生かされている」という可能性が強くなってきたといってもいいと思います。

これはもう共存というよりも、「主従」でいえば、

・主は腸内細菌

・従が人間

ということになりそうなのです。

まあ、主従というたとえは変ですが、何しろ、今回の英国の研究でわかったことは、腸内細菌が制御しているのは、私たちのゲノム、つまりすべての遺伝情報なのです。これは「生体としての私たちのすべての部分を腸内の細菌が牛耳っている」可能性が高いということになります。

まずは、ネイチャーに掲載されたその英国での研究について、発表したバブラハム研究所のニュースリリースそのものから冒頭部分をご紹介します。

どうして冒頭部分かといいますと、中盤以降は難解理論と専門用語の嵐でして、私自身も理解できないですし、むりやり訳して掲載してもあまり意味がないと思いましたので、わかりやすい冒頭の部分を翻訳いたしました。全体にご興味のある方はリンクから原文をお読み下さい。

ここからです。

How good bacteria control your genes
英国バブラハム研究所 ニュースリリース 2018/01/09

良い細菌が遺伝子をコントロールするメカニズム
英国ケンブリッジ近郊にあるバブラハム研究所(Babraham Institute)の科学者たちは、ブラジルとイタリアの研究者たちと協力し、腸内の優れた細菌が細胞内の遺伝子を制御しているメカニズムを発見した。

ネイチャーに発表されたこの研究は、腸内細菌からの化学的メッセージがヒトゲノム全体の重要な化学マーカーの位置を変える可能性があることを示している。

このように化学的メッセージが腸内細菌から伝わることで、細菌は感染症と戦い、また、ガンを予防するのに役立っていると見られる。

パトリック・ヴァーガ・ウェイス(Patrick Varga-Weisz)博士が率いるこの研究は、果物や野菜の消化により腸内の細菌によって産生される化学物質が、腸内層の細胞内の遺伝子にどのように影響を与えるかを示している。

これらの分子は、短鎖脂肪酸と呼ばれ、細菌から私たち自身の細胞に移動し、そして、細胞内で遺伝子活動を変化させ、最終的に細胞の働きに影響するプロセスを引き起こす可能性がある。


ここまでです。

マーカーとか短鎖脂肪酸とか難しい言葉はともかとくして、ここにある、

> 腸内細菌からの化学的メッセージがヒトゲノム全体の重要な化学マーカーの位置を変える

の中に、「ヒトゲノム全体の」という部分があるのがおわかりでしょうか。

腸内細胞は、「体のどこかの部分に影響を与える」のではなく、「人間の遺伝子情報全体を変える」可能性があるのです。

さらに文章の中には、

> 最終的に細胞の働きに影響するプロセスを引き起こす可能性がある

とありますが、これらが示すことは、この腸内細菌の働きが人の体状態や、健康や病気にどのくらい影響を与えているかと考えますと、「ほぼすべてに及ぶ」といっていいのではないでしょうか。

つまり、明らかに外部的な要因からくる健康問題や病気を除いたすべてということです。免疫系の病気は全体的に関係があるはずですし、もちろん、ガンも非常に関係があると思われます。そして、精神や神経の病気もそうでしょうし、アレルギーも非常に関係してそうです。もちろん、あらゆる感染症にかかるということもそうだと思われます(同じ病気が流行しても、ある人はかかって、ある人はかからない、など)。

おそらく、およそ病気という病気すべてから「体を守る」役割をこの腸内細菌は持っているということになるのではないでしょうか。

ということは、

「腸内細菌が死滅したり消滅した時には、人間は健康に対しての防御を失う」

といっていいかと思います。

「何が他院医の細菌を殺すか」といえば、身近なところでは、腸内細菌を殺す最も有名なものとして「抗生物質」があります。

抗生物質の今の世の中での濫用は、もはや書くまでもないでしょうが、安易に抗生物質を使うたびに、その人の腸内細菌がいくばくか失われていくということは事実です。

そして、このようなことを思った時に、「なぜ、今の地球は病気の時代となっているのか」ということが、かなり具体的にわかってくるのです。

抗生物質と清潔に殺されていく人類

2年ほど前、「過去 30年間の世界での感染症の異常な増加」について

下の図は、米ワシントンポストに掲載されていた「1984年に新しく出現した感染症」と、その後の状況を示してものです。

1984年に新しく出現した感染症と「その後の30年間に出現した感染症」
infection-now-2017.gif

なぜ、1984年との比較かといいますと、この年にエイズが出現して世界に衝撃を与えたからですが、その後は図のように、世界に衝撃を与える感染症が日常的に出現するようになっています。

そして、こういうことが「どうして起きているのか」については、その根本的な理由は今でもわかっていないとされています。

しかしです。

たとえば、上の地図をよく見るとわかるように「新しい病気が数多く生まれている場所」は、いわゆる未開の地と言われるような衛生状態が悪い場所が主ではありません。この図を2年ぶりに見て、そのことに気づきました。それはアメリカであり、中国やアジアヨーロッパのような「清潔な国」での新しい感染症の出現が顕著になっているのです。

infection-truth.jpg

そして、私は過去に、「主要国の過度な清潔社会化が、数多くの病気を生み出している可能性」について書いたことが何度かありました。

そして、今回の記事でご紹介している「腸内細菌が人間の遺伝子をコントロールしている」ことから、

・「抗生物質の服用を含む過度な《除菌》社会」が、この病気の地球を作り出したことと関係あることは間違いない

と確信しました。

今回の記事では腸内細菌のことについての研究でしたが、人間には他のいろいろな部位に「常在菌」がすんでいてくれます。

そして、たとえば、喉や手の平にある常在菌は、現代社会では常に滅菌されやすくなっています。つまり、殺菌作用のある石鹸やうがい薬、あるいは除菌洗剤にふれるたびに、それらは死滅していきます。

いろいろなことがそうですが、こういうことの重なりで、現代人の体は極限まで弱くなってきているのではないかと思った次第です。

抗生物質だけではなく、過度な滅菌・殺菌という概念のあらゆる部分が、最終的には人間の遺伝子の弱体化につながっていくといえるのだと個人的に今は確信しています。

あるいは、生まれてくる子どもとの関係の話として、以下のような記事も書かせていただいたことがあります。

自閉症の子どもが生まれる決定的な要因が米バージニア大学の研究者により特定される。それは「母親の腸内細菌環境」。その予防法も初期段階ながら提起される

米国バージニア大学のニュースリリースより
microbiome-autism-uva.jpg

今回は、アメリカのバージニア大学が 7月17日に発表した冒頭の「自閉症のリスクは母親の腸内の微生物の健康状態によって決定されることを発見した」ということについてお伝えしたいと思います。

現在、主要国における自閉症のお子さんの増え方は普通ではなく、下はアメリカの例となりますが、「 40年間ほどの間に 70倍も増加している」のです。

アメリカの1975年から2015年までの自閉症と診断された子どもの推移
autism-diagnoses-rising02.jpg

日本を含む他の主要国でも、ここまでではないとしても、非常に増えていることにおいては同じだと思われます。

このようなこともあり、この問題は社会的にも大きすぎるものとなりつつあるのではないかとも思います。

それと共に、今回この記事をご紹介しようと思った理由は、以前いくつかの記事を書いている中で、私は、

「子どもの先天性障害のかなり多くが、母親の腸内細菌の状態と関係しているのではないだろうか」
と思うようになっていました。

たとえば、最近の記事では、以下の「腸内システムが脳を支配している可能性」についてふれた記事などの内容でも、それを考えました。

この中で翻訳してご紹介した記事の中に、

「お腹の赤ちゃんの、脳の発達そのものが結腸のリズムに支配されている」

ことが、神経科学に関する医学専門誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に発表されたりしていまして、つまり、「まず腸があり、それが脳を形成していく」ということが最近はわかったりしているのですね。

さらには、以下の記事、

妊娠中の「グルテン不耐性」の女性がグルテンを摂取すると、その子どもが統合失調症などを含む脳障害を発症する確率が飛躍的に高くなるという医学論文

アメリカの医学メディアの記事より
gulten-schizophrenia-link.jpg

Eating gluten during pregnancy may raise your child’s risk of adult schizophrenia
thedr.com

妊娠中にグルテンを食べると、その子どもが成人した時に統合失調症になるリスクが高まる可能性があることが判明している

小麦の摂取は、健康な妊娠につながるのかどうかということについて、最近になって調査が始められた研究によって、注目すべき結果が出ている。

それは、グルテン不耐性(過敏症)の人が、妊娠中にグルテンを摂取すると、その赤ちゃんが人生の中で統合失調症を発症するリスクが二倍以上になることがわかったのだ。

グルテンとは、小麦、ライ麦、大麦などに含まれているたんぱく質だ。

最近行われたこの研究は、スウェーデンで 1975年から 1985年の間に生まれた人たち約 800人の被験者の血液サンプルを分析し、その後の彼らの状態の経緯との比較を行った。

その結果、研究者たちは、統合失調症を発症した被験者たちは、出生時に血中に高レベルのグルテン抗体を有しており、母親からグルテン不耐性を受けていたことを示した。

母親の免疫抗体は、胎児が子宮から出た後に生きていくための準備をするために、胎盤を通過する。しかし、それはまた、食物の不耐性のような免疫異常や、あるいは炎症、および自己免疫系が体を攻撃する状態も受け継ぐ。これらの免疫関連障害は、胎児の脳の発達に深刻な影響を与えると考えられている。

これは、妊娠中の感染症や炎症性疾患が、なぜ、お腹の子どもの精神病や自閉症、あるいは他の脳障害のリスクに結びつくのかの理由ともなる。しかし、食物不耐性がそれらの原因となることがわかったのはこれが初めてのことだ。

なぜ妊婦がグルテン不耐性について知る必要があるのか

最近の食料品店の棚にはグルテンフリーの商品が増えており、あるいは、グルテンフリーのオプションを提供するレストランも増えていることに気づかれる方もいるかもしれない。

グルテンによる腸内の自己免疫疾患である「セリアック病」というものがあるが、現在、その割合が過去 50年間で 4倍になっていることがわかっている。しかし、実際には、セリアック病の患者の 95%が診断されていない(自分でわかっていない)と推定されているのだ。

研究者たちは、セリアック病ではなくともグルテンに対して炎症反応を起こすグルテン不耐性を有する人々の数は、全体の人口の 10%から 30%であると推定している。

グルテン不耐性が、お腹の子どもに統合失調症および他の脳障害を引き起こすことがある可能性については、今回のスウェーデンの血液サンプルの研究が初めてののものではない。

研究者たちは、1950年代からグルテン不耐性と統合失調症の関連を追求してきたが、それ以前の研究でも、たとえば、第二次世界大戦中のアメリカ陸軍の研究者たちは、配給する食糧に、小麦を極端に減らした食物を配給したところ、統合失調症の入院患者が著しく減少したことを記録している。

研究では、グルテン不耐性が脳や神経組織を体内の他のどの組織よりも破壊し、多くの他の脳障害や神経的障害につながっていることを示している。

母親のグルテン不耐性が赤ちゃんの脳にどのように影響するか

生まれる前から胎児の脳の左右の半球は、精巧なスケジュールに従って段階的に発達していく。

脳の左右の半球は、正確な時間枠内でその発達目標を達成するために他の半球に依存する。

子宮内および幼児期の間、グルテン不耐性などによる感染および炎症は、この複雑なタイミングの中でそれに干渉して、適切な脳の発達を妨げる可能性がある。

これは、幅広い範囲での神経障害、注意欠陥/多動障害(ADHD)、自閉症、うつ病、不安障害、および他の小児期の脳疾患の原因となり得るとも考えられている。

今やアメリカでは、小児の精神障害は 5人に 1人の児童に影響を及ぼしており、その割合は増加し続けている。

すべての女性がグルテン不耐性のスクリーニングをすることについて考慮する必要がある理由
この論文のメッセージは、すべての妊婦の方々、さらには、赤ちゃんを欲しいと思っているすべての女性たちが抗グリアジン抗体検査を受け、その検査が陽性だった場合、グルテンフリーの食事を取ることが勧められる。

妊娠中のどの時点で、母親のグルテン不耐性が胎児の脳に影響を与えるかはわかっていない。しかし、赤ちゃんの脳と神経系が妊娠の初期から発達することはわかっている。

大人になってからの精神病や統合失調症の原因は、現代の医学でもまだ完全に理解されてはいないが、データとして存在することに対して注意深くなることに問題はないと思われる。あなたが子どもが欲しい女性なら、グルテン不耐性かどうかを調べ、あなたがグルテン不耐性ならグルテンを摂取しない食事を心がけるべきかもしれないということだ。

グルテン不耐性では、腸の症状について言われるが、これは必ずしもグルテン不耐性の人が全員同じような反応をするわけではないので、明確ではない。人によって、反応は、慢性の皮膚の発疹、関節痛、神経症状、胃腸の問題などさまざまだ。

米ジョン・ホプキンス大学の神経学者であるハカン・カールッソン博士(Hakan Karlsson, M.D. Ph.D)は、以下のように述べている。

「母親の抗グルテン抗体と、その子どもの精神疾患との間に明確な因果関係があるかどうかが明確にわかっているわけではありません。しかし、それでも、セリアック病を発症していなくとも、子どもを持ちたい多くの女性の方、あるいは男性の方もグルテンを控えた食事を行うほうが良いと私は考えています」

では、「グルテン不耐性」(小麦などに含まれているグルテンを普通に消化できないために心身に様々な不調が発生する)という言葉が出ました。

……それで、その記事に書きましたけれど、「私自身がグルテン不耐性だった」ことが最近わかりまして、今は基本的に……というか、ほぼ完全にグルテンをとらない生活をしています。

ちなみに、これは「健康のため」とかではないです。今の私は、グルテンを摂取すると、多くの不快な症状(私の場合は、異常な胃の不調、さまざまなアレルギー症状、手足のしびれ、鼻血、睡眠時無呼吸症候群のような状態、持続する関節痛など)が出ます。

グルテンをやめて、これらの症状が全部消えたときにはさすがに驚きました。

「ああ、こういうことがこの世にはあるんだ」と。

しかし、自分のことはここでやめておきます。

書きたかったのは、このような状態も「グルテンが悪いのではない」と私は認識しているのです。

グルテンのせいではなく、私たちのほうのせいであり、

「大腸の細菌(マイクロバイオーム)のバランスが崩壊したことによって、グルテンとうまく付き合うことができなくなってしまった」

のだと私は考えています。

これは、先ほどリンクした記事でご紹介した本で、著作『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』というものの中にも、グルテンや乳糖への不耐性の原因の可能性として腸内細菌について書かれていますが、私もそう思います。

グルテンからはここで離れまして、話を戻しますと、たとえば、この『あなたの体は9割が細菌』という著作の前半部分にあるエピソードは下のようなものでした。

後発性(生後しばらくしてから初めて診断される)自閉症の原因として、破傷風菌類が腸内で繁殖することにより、その毒素が脳に到達して自閉症になるケースがあることが分かってきた。

この原因のひとつが乳幼児期の抗生物質の使用によるもの。抗生物質が腸内の破傷風菌の繁殖を阻止する細菌類を殺してしまうことで、破傷風菌が繁殖する。


ごく一部のケースですけれど、自閉症の原因として、「腸内環境が抗生物質によって崩壊したことによるもの」があることがわかったということが書かれてあります。

人間の脳は、乳幼児期に最も発達するわけで、それに加えて、先ほど書きましたように、「脳の成長を担っているのは、腸であり、腸内細菌である」わけで、その時期に、腸内細菌がダメージを受けると、脳もダメージを受ける可能性が高くなると。

しかし、このような後天性というのはあくまでごく一部であり、多くの自閉症のお子さんたちは「生まれた時から自閉症」であることが圧倒的に多いのです。

先ほどのような最近の医学的発見と、現実のさまざまな状況を合わせてみると、最近の私は、「先天性の疾患はお母さんの腸内環境と関係があるのかもしれない」と考えるようになりました。

生まれてきてからならともかく、生まれる前の赤ちゃんの腸内の環境は、すべてお母さんからの影響としか思えないからです。

それで、今回のバージニア大学のニュースリリースでは、「自閉症のリスクが母親の腸内細菌の健康状態に決定づけられる」と断言されていまして、それでご紹介しようと思った次第です。

ここからご紹介しようと思いますが、これを読むにあたって、内容の概要と、注意しなければならないことを先に書いておきます。

最も大事なことは、

「これは自閉症の方のご本人の治療とは関係のない話である」

ということです。予防とは関係しますが、治療法ではありません。

アメリカでは、自閉症のお子さんに対して、糞便移植などで腸内環境を改善する治療の努力はおこなわれていますが、すでに脳の成長が完成した子どもへの影響には限界があります。

下が今回の研究の概要です。

バージニア大学の今回の発見の概要

・自閉症的な神経発達障害が、母親の腸内のマイクロバイオームの健康状態によって決定づけられることが判明した

・もうひとつは、自閉症となる脳障害を起こす原因が「インターロイキン17a (IL-17a)というタンパク質であることもわかった。


そして、以下の部分には注意されてしほいと思います。

読まれる際に注意するべきこと

ニュースリリースでは、食餌療法やプロバイオティクスを摂取することなどによって母親の腸内の健康を保つことにより、自閉症リスクを下げられるかもしれないと書かれてありますが、これは今回の研究で得た成果ではなく、ニュースリリースを書いた人の感想でしかないです。

これに関しては、今回は長くなるのでふれないですが、「腸内環境を良くする」と言われている食品やプロバイオティクスなどのサプリメントが、腸内を「完全に良くするということはあり得ない」というのが合理的に正しい考え方だと思われます(少しは良くするでしょうけれど、この自閉症の予防の問題では「少しの改善」ではいけません)。

まして、「食事の改善だけ」で、バランスを崩した腸内細菌の環境を完全に修復することは不可能だと思われます。何しろ、私たちひとりの中にある腸内細菌の数は「 100兆個」です。仮に何億もの数のいいものが入っている食品をとっても、東京ドームの観客のひとりに「良い水滴が当たる」程度の効果しかないと思われます。


このあたりには注意されて読んでいただきたいと思いますが、おそらく腸内環境を完全に変えるには「糞便移植」しかないと私は考えています。

糞便移植はアメリカやオーストラリアなどでは積極的におこなわれているようですが、日本ではどうなのかわかりません。

では、ここからバージニア大学のニュースリリースです。

Autism Risk Determined By Health of Mom’s Microbiome, UVA Finds
バージニア大学ニュースリリース 2018/07/07

子どもが自閉症となるリスクは母親の腸内の微生物の健康状態によって決定されることをバージニア大学の研究者たちが発見した

自閉症スペクトラム(典型的な自閉症の状態から軽い症状の人までをすべて含んだ医学用語)を発症するリスクは、妊娠中の母親の腸内に自然に生息している微生物の集合であるマイクロバイオームによって決定されることが、バージニア大学医学部の新しい研究から示唆されている。

この研究からは、自閉症を予防するためには、母親が食事の内容を変えたり、状態に合わせたプロバイオティクスを摂取する程度の簡単なものである可能性があることが見出されている。

バージニア大学の科学者たちは、マウスにおける自閉症的な神経発達障害の発症を防ぐために、今回の発見を使って、それが有効であることを確認した。

さらに、研究者たちは、免疫系によって産生される特定の炎症性分子を遮断することによって、自閉症のような疾患の発症を止めることができることを見出した。

このインターロイキン-17a(IL-17a)を標的とする試みは、自閉症を予防するための別の潜在的手段を提供すると研究者は言う。しかし、このアプローチは、副作用のリスクがあるために、はるかに複雑であることに注意してほしい。

「私たちは、腸内のマイクロバイオームが自閉症的な疾患に対する感受性の決定に重要な役割を果たしていることを明らかにしました。母親のマイクロバイオーム、またはこの炎症分子である IL-17a を標的とすることができることを示唆しています」と、 バージニア大学の神経科学科のジョン・ルケンズ(John Lukens)教授は述べる。

教授は、「この IL-17a を(自閉症の)早期診断のためのバイオマーカーとして使用することも可能です」とのべる。

マイクロバイオームと自閉症のリスク

ルケンズ教授と同僚たちによるこの画期的な研究は、母親のマイクロバイオームの健康と子どもの健全な発達との複雑な関係を明らかにしたといえる。

教授は、「マイクロバイオームは、複数の方法で発達中の脳を形作することに強く関係しています。 マイクロバイオームは、お腹の中の子どもの免疫系が感染や損傷やストレスにどのように反応するかということを形成していく上で、本当に重要な存在なのです」と言う。

そして、母親の不健全なマイクロバイオームが問題を生み出す場合がある。

ルケンズ教授の研究は、未発達の胎児が神経発達障害を受ける可能性を示している。そして、教授たちのチームは、IL-17a 分子がマウスにおける自閉症的症状の発症に重要な寄与をしていることを見出した。

今回の研究には、良いニュースが含まれている。

それは、マイクロバイオームは、食餌療法、プロバイオティックのサプリメント、糞便移植によって簡単に変更することができる。これらのアプローチのすべては、腸内に生息する様々な微生物の間の健康なバランスを回復させることを目指している。

「私たちの仕事の次の大きなステップは、妊娠した母親たちのうち、自閉症リスクと相関する腸内のマイクロバイオームの特徴を特定することだと思います。本当に重要なことは、母親のマイクロバイオームを効果的に、安全に調整するために、どのようなことができるのかを理解することだと考えます」とルケンズ教授は語る。

自閉症予防のためのもう一つの選択肢

IL-17a の遮断も自閉症を予防する方法を提供するかもしれないが、ルケンズ教授はその経路は、より多くのリスクを伴うと述べる。 「妊娠について考えれば、母親の身体は基本的に赤ちゃんの外来組織を受け入れています」と言う。

その結果、胚の健康を維持するためには、免疫調節の複雑なバランスが必要となるため、妊娠中に免疫システムを操作することには慎重にならざるを得ない。

IL-17a は、以前から、関節リウマチ、多発性硬化症および、乾癬などに関与していることがわかっており、それを標的とする薬剤はすでに入手可能だ。

しかし、ルケンズ教授は、この IL-17a という分子は感染症、特に真菌感染症を止めるための重要な目的を持っていると指摘する。そのような役割を持っている IL-17a を阻害することにより、母体が、「あらゆる種類の感染症に罹りやすくなる可能性があるのです」と言う。

妊娠中に感染症に罹りやすくなるというような状態になることは、胎内の子どもの発達に複雑な波及効果をもたらす可能性がある。

研究の次のステップとして、ルケンズ教授と彼のチームは、自閉症および他のそのような状態の進行における他の免疫分子の潜在的役割を探求する予定だ。今回特定された IL-17a は、その中にひとつに過ぎないかもしれないからだ。

ルケンズ教授の研究は免疫系と神経発達障害を関連づけているが、これはワクチンが自閉症の発症に寄与していることを示唆するものではないことを強調した。

「免疫応答と発達中の脳との間には明確な関連があります」と彼は語った。 「ワクチンとは何の関係もありません」。

この研究は、ハートウェル財団、オーウェンズファミリー財団、シモンズ財団自閉症研究イニシアチブによって支援されている。さらに、研究チームのメンバーは、国立衛生研究所 / 全米医科学研究所、バージニア大学医療科学者養成プログラムから支援を受けた。

ここまでです。

とても画期的な発見ではありますが、これで楽観できるものではないことを私たちは考えなければなりません。

なぜなら、「どうして、その母親(あるいは多くの大人たち)の腸内の環境は崩壊してしまったのか」ということを明確に突き止めない限り、自閉症や先天性の障害を持たれるお子さんたちが増え続けることは避けられないと思われるからです。

最近のさまざまな研究によって、人間の器官の中で最も重要なものが腸であるかもしれないということが次々と明らかになっています。

身体の健康に対してだけではなく、思考や理性やメンタルに関してもそうです。

先ほどリンクした記事にもありますように、脳でさえも、

「脳は腸内細菌にコントロールされている部位に過ぎない」

ということがわかってきており、腸というより、「人間の中に住み着いている細菌が、人間の肉体存在そのものを支配している」ということが事実のようなのです。

もちろん、肉体と「本質的な自分」は違うものかもしれないですけれど、しかし、人間は、ある程度は健全な(五体の話ではなく、疾病や苦痛がないという意味)肉体と共にいなければ、その自分本人としての理性を生かし切れないのも事実です。

たとえば、「ずっと症状や病気で苦しんでいる状態だけでは、その人の素晴らしい理性も表現も思考も良い状態で外へは出にくい」と。

人が健康になったほうがいいというのは、人としての理性と理想を表現するためだけであり、長生きなどするためではないはずです。

自分の持っている、より良い思想や理性や理念を、ある程度の年齢の時に自由に発散するためのもので、そのためには、ある程度の身体の健康があったほうがいいと。

そして、適度な年齢が過ぎたら、さっさと「自分の本質の世界」へ戻っていくと。

いずれにしましても、その「ある程度の健康」は、腸内の環境を浄化していくことで、保持できる、あるいは、かなり回復できると確信しています。

最終更新:2018/10/18 20:53

2018/10/18 20:49

人工甘味料の「身体破壊の威力」がまたも明らかに 低カロリーあるいはノンカロリー甘味料は「腸内細菌の環境を徹底的に破壊」し、健全な人間を2週間で糖尿病へと導く可能性

欧州糖尿病学会で発表された人工甘味料による腸内細菌の破壊の研究に関する報道
seetener-crash-gut.jpg

低カロリー甘味料がどのように腸内環境を破壊し、糖尿病を急速に悪化させるか
diet-drink-2018.jpg

科学報道メディアで冒頭のような「低カロリー甘味料が腸内細菌バランスを破壊する」

というものを見かけました。

私は馬を降り(馬はもういいから),そして、また馬に乗りました(そうかよ)。

こういう支離滅裂な思考になりやすい傾向というのは、私のように腸内環境が乱れている人にありがちなことですが、最近はこのブログでも

「腸の存在の重大性」

というものをよく取り上げます。

それは、腸というより、その腸に在住している「細菌たち」の重大性でもあるわけで、今はこの腸内細菌を破壊するさまざまなものが少しずつ判明してきていますが、今回は、ヨーロッパ最大の糖尿病の学会である欧州糖尿病学会の年次総会で、

「低カロリー(ノンカロリー)甘味料は腸内環境を破壊する」

ということ。

そして、それと共に、

「低カロリー甘味料は、糖尿病を発症あるいは悪化させる要因となる」

ということが発表されたということについてご紹介させていだたこうと思います。

この問題がどこにあるかといいますと、「多くの人たちが、健康や病気の管理のために低カロリーやノンカロリーの人工甘味料を使っている」ところにあると思われます。

しかし、今回の研究で、「人工甘味料の継続的な摂取は、短期間で腸内細菌の環境を破壊して、糖尿病の発症に大きく貢献する可能性」が示されたということになります。

簡単にいえば、

「低カロリー(ノンカロリー)甘味料はまったく健康のためにならない」

ということが、かなりはっきりとしたということかもしれません。

これらの人工甘味料が腸内環境に与える影響として、今回の実験からいえることは、

・体に役立つ良い腸内細菌群を減少(崩壊)させる

・しかし、体に「悪い」腸内細菌群は増加する


という一石二鳥の(使い方が違う)効果があるようで、良いものを消滅させて悪いものを増やすという、かつての高見山関が言うところの「2倍、2倍」という感じの効果であるわけです(何だかわからないですが)。

さらには、血糖値を下げる働きがあるホルモンに GLP-1 というものがあります。

糖尿病の人などは、この GLP-1 を補う薬を投与されますが、薬などなくても、人体には腸内に、もともとこの GLP-1 の放出を促す細菌たちがいるのです。

それは「ブチリビブリオ」という細菌で、この細菌が GLP-1 というホルモンの放出を手助けするらしいのですが、人工甘味料は、この有益な作用を助けるブチリビブリオ菌を「減少させる」こともわかったのでした。

つまり、

「低カロリー甘味料を摂取することは、糖尿病の発症に寄与するか、あるいは糖尿病を悪化させる可能性が極めて高い」

と言えそうです。

これは何だか皮肉な話で、なぜなら、低カロリー甘味料は、「糖尿病の人たちが血糖値を上げないために使っている」部分があるからです。

たとえば、糖尿病関係の、あるページには、以下のように記されています。

低カロリーやノンカロリーの甘味料は、急激な血糖上昇につながりやすい砂糖の使用量を抑える目的で広く使われています。

最近ではさまざまなタイプの甘味料が出回っており、これらを有効に使うことにより食事療法をより容易に行うことができるようになりました。


このようにありますが、実際には、

低カロリー(ノンカロリー)甘味料は GLP-1 の放出を手助けしている腸内細菌を死滅させることにより、摂取すればするほど血糖値が下がりにくくなる。

ということなりそうで、おそらく、このような人工甘味料を過剰に摂取している場合は、糖尿病が加速度的に悪化していく可能性があるように思います。

こういう「皮肉」は今の医学の世界には満ち溢れていますが、この場合の解決法は簡単で、「人工甘味料をとらなければいい」だけですので、皮肉を解消するのは難しいことではないと思われます。

人工甘味料は脳も破壊する

人工甘味料といえば、以下の記事で、人工甘味料入りドリンクは、脳に大変な悪影響があり、「脳卒中とアルツハイマー病の発症率が3倍になる」という内容をご紹介させていただいたことがあります。

人工甘味料入りドリンクが「脳卒中とアルツハイマー病の発症率を3倍にする」というアメリカの調査結果

人工甘味料が脳に与える影響を示したボストン大学の論文が掲載された記事
aha-stroke-2017l2.jpg

ここのところ自然災害的なことが続きまして、その手の記事が多かったのですが、今回はちょっと毛色の違うもので、タイトルに書きました通りの、

「人工甘味料が含まれている飲料が、脳卒中と認知症の発症を3倍にする」

ということが、アメリカのボストン大学の大規模研究でわかったということに関して紹介していた記事を翻訳したいと思います。

もしかすると、世界で最も人工甘味料入りの飲料を消費しているかもしれない日本の「酒飲み」たち
この研究は、3000人の成人の被験者を 10年に渡って調査した結果で、論分は、脳卒中研究の世界的権威であるアメリカ心臓協会が発行する医学誌「ストローク」に掲載されました。ストローク(stroke)というのは「脳卒中」という意味で、つまり、医学誌「脳卒中」というストレートな雑誌名です。

人工甘味料が脳に与える影響を示したアメリカ心臓協会の医学誌の記事
stroke-sweet02.jpg

上のタイトルは「ダイエット飲料は脳に負担が大きい?」というような感じですが、内容を先に簡単に書いておきますと、下のようなことがボストン大学の調査で判明したということになります。

・人工甘味料を摂取している人は脳卒中と認知症の発症率が約3倍になっていた

・砂糖も人工甘味料も含めて甘味料を多く摂取している人たちには「脳の老化の加速」が見出された

・1日に1種類以上のダイエット飲料を飲む人たちは脳の容量が小さくなっていることが見出された


などです。

具体的な数値は、人工甘味料入りの飲料を飲む人は、

・脳卒中になる率が 2.96倍
・アルツハイマー病になる率が 2.89倍

ということでどちらも、ほぼ3倍ということのようです。

この論文をご紹介しようと思った理由は、「現在の日本独自の飲料文化」をふと思ったからです。

たとえば、この「人工甘味料入りの飲み物」に関しては、ご紹介する原文では「ダイエット飲料」という表現がされていて、翻訳もそれに従っていますが、実は日本ではちょっと事情が違うのです。

というのも、この記事を読んだ時に、ふと以前のことを思い出したのです、

それは、お風呂で缶チューハイを飲んでいた時のことでした。

ふだんは缶入りのお酒はあまり飲まないのですが、この日は暑かったこともあり、メーカーはともかく(実質どこのメーカーのものも同じです)スーパーで缶チューハイみたいなのを買い、夕方お風呂に入った時に「飲みながら入ってみようかな」と、お風呂につかりながら飲んでいました。

そして、何となく、缶に表示されいるろいろいな文字を読んでいますと、「糖類ゼロ」とか「プリン体ゼロ」とか記されていて、「今は何でもかんでもゼロなんだなあ」と思いつつ、次に「成分」を読みましたら、次のようになっていました。

・グレープフルーツ
・ウオツカ
・酸味料
・香料
・甘味料(アセスルファムK、スクラロース)
・炭酸ガス含有

アセスルファムKとスクラロースは共に人工甘味料で、どちらもショ糖の数百倍の甘さを持ちますが、糖ではないので糖類にはなりません、人工甘味料では、アスパルテームなんかも有名です。

その時は何とも思わず読んでいましたが、今回の「人工甘味料入りの飲料がアルツハイマーと脳卒中を3倍にする」という論文を読んだ時に、

「人工甘味料入りの飲料って、まさにあれらの缶チューハイではないの?」

と思い至ったわけです。

論文には、「1日に1種類のダイエット飲料を飲む人」も影響を受けていることが書かれてありますが、お酒をわりと飲む人っていうのは、おそらく、あれらの缶チューハイを1本だけで済む人は少ないのではないかと思うのです。

そして、先ほどの缶チューハイだけではなく、どういうことか今の世の中の缶のお酒は、

「糖類ゼロばかり」

なんです。

糖類ゼロということは、人工甘味料が使われているということになりますが、非常に多くがそのようになっています(全部と言いたいくらいの比率です)。

そして、「もしかすると、今の日本人って、歴史的に見ても驚異的な量の人工甘味料を消費してるのでは」と思ったのでありました。

これはもちろん、良いとか悪いとか言っているのではなく、事実というか、つまり、かつては、ほとんどの缶入りアルコールには人工甘味料なんて入っていませんでしたから、まさに今の時代での出来事だと思います。

缶チューハイのたぐいがどのくらい飲まれているのかは、ちょっと古い数字ですが、2012年の缶入りチューハイの出荷量は日本経済新聞の記事によれば、「 1億2300万ケース」だったそうです。

1ケースは 24本換算ですので、本数になおせば、「 29億5000万本」!

これに通常のダイエット飲料だとかも加えると、日本で消費されている「人工甘味料飲料」は壮大な量となることに驚嘆した次第でした。

ARTIFICIALLY SWEETENED DRINKS FOUND TO TRIPLE YOUR RISK OF STROKE & DEMENTIA
collective-evolution.com 2017/09/05

人工甘味料が脳卒中と認知症の発症率を3倍にすることがわかった

人工甘味料の問題に関しては長い間議論にあがる議題のひとつだった。それまでも複数の研究が人工甘味料が糖尿病やガンなどの健康問題に関与しているという調査を出してきていた一方で、人体に対しての悪い影響は、それがある、あるいはないということについて、メーカーも含めて様々な意見や激しい応酬が繰り返されてきた。

そんな中、最近のボストン大学の新しい研究では、ダイエット飲料など人工甘味料入りの飲料が、脳卒中や認知症の発症リスクをほぼ3倍にしていることが示された。

この研究は今年初め4月のアメリカ心臓協会の医学誌「ストローク( Stroke / 脳卒中の意)」に掲載された「砂糖と人工甘味飲料が脳卒中と認知症の発症に対して持つリスク(Sugar and Artificially Sweetened Beverages and the Risks of Incident Stroke and Dementia)」と題された論文で発表された。

ボストン大学の研究者たちは約 3000人の成人のデータを収集し、それらを2つのカテゴリに分けた。 45歳以上の人たちのデータからは脳卒中のリスクに関して観察・分析し、60歳以上の人たちのデータに対しては認知症の発症に集中して観察と分析をした。

その研究の結果、ダイエット飲料が脳卒中や認知症を発症する危険性をほぼ3倍にすることが示されたのだ。

この研究は 10年間に渡って続けられた。

ボストン大学アルツハイマー病センターの神経学教授であるスッダ・セシャドゥリ(Sudha Seshadri)教授は、以下のように述べる。

「今回の研究が人工甘味料に関しての調査のすべてというわけでもなく、また最終的なものでもありません。しかし、強力なデータだとは言えます。この研究を見る限りでは、甘い飲み物を飲むことにはあまり良い面はないと思われます。砂糖を人工甘味料に変えても役に立たないこともわかりました」

同じテーマを研究するマシュー・ペーズ(Mathew Pase)博士も 2017年3月に、 医学誌「アルツハイマー病と認知症(Alzheimer’s & Dementia)」に研究を発表している。

この研究では、約 4,000人分のデータと、磁気共鳴画像( MRI )スキャンと認知テストの結果を使用した。 ここでの焦点は、1日あたり 2種類以上の砂糖飲料を消費した人々と、週 3回以上ダイエット飲料を消費する人々に焦点を当てた。

研究者たちは「甘味飲料の高い摂取量」を持つ人たちの中に、早期アルツハイマー病と相関する「脳老化の加速」のいくつかの徴候を発見した。

また、研究者たちは、 1日に少なくとも 1種類のダイエット飲料を飲む人たちでは脳の容積がより小さくなっていることを発見した。

腸は脳と直結していますので、腸内環境が乱れることにより、脳に悪影響がおよぶのはとても納得できます。

低カロリーの人工甘味料は、今の日本では、いわゆる缶入りチューハイのたぐいで大量に使われていまして、何億本、何十億本という「人工甘味料入りアルコールドリンク」が人々に消費されています。

これらの人体へのダメージは、アルコールによるものより、人工甘味料による腸内環境の破壊によるもののほうが大きいような感じがします。

個体差はかなりあるでしょうけれど、毎日、人工甘味料入りの飲料やアルコール飲料を飲んでいた場合、その期間に応じて段階的に腸内の「良い細菌群」が減少していき、あまりにも、その期間が長引いた場合(長期間、飲み続けた場合)は、回復できないレベルまで腸内環境が破壊される可能性もあるのかもしれません。

今回の実験では被験者数は少ないとはいえ、全員に腸内細菌の減少が見られていたようですので、個体差があるとはいっても、すべての人がある程度の影響を受ける可能性のほうが高い気がします。

今回の研究で被験者に使われた人工甘味料は、スクラロースやアセスルファムなど、低カロリー甘味料入りのドリンクや、缶チューハイなどに普通に使われているもので、日本ではありふれたものです。

それを「 2週間服用しただけで腸内環境は破壊された」のでした。

ここから、今回の記事をご紹介します。

New study reveals that low-calorie sweeteners disrupt the gut bacteria in healthy people in association with impaired blood sugar control
eurekalert.org 2018/10/04

最新の研究で、低カロリー甘味料が血糖コントロール障害と関連して、健康な人の腸内細菌を破壊することが明らかになった

今年の欧州糖尿病学会(EASD)の年次総会で発表された新しい研究は、低カロリー(およびノンカロリー)甘味料(LCS)の消費は、グルコースレベルの調節の障害に関連し、腸内細菌のタイプを変えてしまう可能性があることを明らかにした。

この研究は、オーストラリア・アデレード大学医学部とアデレード大学健康栄養科学センター(Centre of Research Excellence in Translating Nutritional Science to Good Health)の共同による。

この研究では、腸内の微生物(腸内細菌)に対する低カロリー甘味料の影響と、体内でグルコースをどのように吸収し、そして調節するかについての研究がなされた。

これまで知られている医学的研究では、低カロリー甘味料入りのドリンク(ダイエットドリンクなど)を定期的に、あるいは多量に飲用している場合は、2型糖尿病の発症リスクが高くなることが明らかにされているが、しかし、糖尿病発症の根底にあるメカニズムについては不明だった。

アデレード大学の研究者たちは、糖尿病ではない健康な体の被験者たちの食事に低カロリー甘味料を 2週間添加することで、グルコースの消費に対して体がどのように応答するかを調べた。

その結果、臨床的にグルコース消費と関連性のある反応の増加を引き起こすのに十分であることを示した。

今回の研究には、糖尿病患者ではなく、平均的な体重を有する平均年齢 30歳の 29人が被験者として参加した。

そのうち 15人の参加者は無作為にプラセボを摂取し、14人は 1日当たり 1.5リットルの低カロリー甘味料入りの飲料を飲むことに相当する低カロリー甘味料の組み合わせ(スクラロース 92mg および アセスルファム 52mg )を摂取した。

用量は、2週間にわたって 1日3回、カプセルの形態で投与された。 低カロリー甘味料の摂取の前後に便を採取し、腸内に存在する微生物の種類を同定した。

この研究で、低カロリー甘味料を摂取した被験者群が、糞便中に存在する微生物の型のより大きな変化を示し、その中でも良好な健康と関連する細菌であるユーバクテリウム‐シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides / ヒト腸内グラム陽性細菌の一種)が有意に減少することを見出した。

他に食物の発酵を助ける腸内の有益な細菌種の個体群も減少した。

しかし、11種の日和見菌(体が弱った時に腸内で悪い働きをする細菌)の存在は増加していた。

さらに、研究では、血糖値をコントロールするのに役立つホルモン GLP-1 (血糖値を下げる働きがある)の放出が低下したことに関連して、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)細菌集団の減少を観察した。

また、ショ糖およびグルコースのような単糖の代謝に関与する微生物遺伝子の量にも変化があった。

研究者たちは論文で以下のように述べている。

「健康な非糖尿病被験者たちにおいて、2週間の低カロリー甘味料の補給は、消化管の細菌を破壊し、健常な人(の腸内)には通常存在しない(悪い)細菌類を増加させるのに十分であった」

「エネルギーを収穫するためにこれらの増加した細菌に使用される経路は、グルコースを調節する身体の能力を低下させると予測される」

「今回の私たちの知見は、人工甘味料が糖尿病患者の血糖コントロールを悪化させるという考えを支持することになった」

ここまでです。

腸の重要性について、最近、記させていただきました記事としては、以下のようなものがあります。

現代の医学では「腸」は「第二の脳」と考えられている
「脳と腸」がきわめて密接な関係があることは知られていまして、脳腸相関というように言われていますが、平易に書かれてある記事から抜粋しますと、下のようなことです。

腸が「第2の脳」と呼ばれる理由は? 目には見えない「脳腸相関」のメカニズム
ヘルスプレス 2015/08/21

腸は「第2の脳」と呼ばれる。脳と腸は、自律神経、ホルモンやサイトカインなどの情報伝達物質を通して、互いに密接に影響を及ぼし合っている。

脳がストレスを感じると、自律神経から腸にストレスの刺激が伝わるので、お腹が痛くなったり、便意をもよおしたりする。

腸が病原菌に感染すると、脳は不安を感じる。腸からホルモンが放出されると、脳は食欲を感じる。まさに、腸は「第2の脳」だ。

このようなことは今ではよく言われていまして、もっといえば、腸が神経症状と関係することも最近は言われています。たとえば下は、京都府立医科大学附属病院の医学者の方が書かれているページにあるものの一部です。

腸内細菌のなかで神経伝達物資であるγアミノ酸(GABA)を産生する菌があることも確認されています。この菌が少ない子どもは、行動異常、自閉症などになりやすいとされています。自閉症の子どもに対して腸内環境の改善による治療が試みられています。

このように、腸が脳に与える影響はとても大きいということはわかってきていまして、それだけに最近は「腸内環境」とか「腸内フローラ」とか、そういう言葉が一般的に言われたりすることもあります。

つまりは、「腸はとても大事なものである」ということについては、最近までにずいぶんとわかってきていたということになります。

しかし、ここまでは「注釈」ですが、今回の記事の要点はこの部分ではないのです。

これまでの観点は、腸は大事だといっても、感覚的にも実際の研究などでも、「人間の理性や思考をつかさどる中心は脳」だという考えが普通だったと思います。

要するに、いくら腸が大事だといっても、「人が正気を保つことや、人がいろいろと考えること」に対しての重要な順位としては、

・脳
・腸

の順番だったわけです。あるいは、さらに言われたとしても、「脳と腸の相互作用で」というようなことだったと思われます。

ところが、最近(5月29日)の神経医学専門誌『ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス』に発表された研究では、どうやらその順位は危ういかもしれないということになってきました。

つまり、現実は、「脳と腸が相互に関与し合っている」というより、

「腸が脳をコントロールしている」

という可能性が強くなってきたのでした。

コントロールという言葉を使うのが適切でなければ、「脳から独立した神経システム」を腸が持っているということになります。

最近出版されたアメリカのある本の内容にあるものなのですが、それらは本文の後にふれられたらふれようと思います。

まずは、ロシアの記事です。

科学者たちは、私たち人間は、脳から独立した神経系を持っていると確信した

2018/06/02

私やあなたがたが今この文章を読むことができているのは、私やあなたの頭の中に「脳」があるからだ。

しかし、私たちが「もうひとつの脳」を持っていることをご存じだろうか。それは頭にあるのではなく、脳とは関係のない場所の「腸」にある。

その部分は中枢神経系の関与なしに、何らかの形で腸の筋肉の動きを制御することができる何百万ものニューロンからなる自律的な基盤だ。これらのニューロンは実際に結腸にある。結腸は、小腸と直腸をつなぐ大腸の主要部分であり、消化管の最終的なリンクを通して食べ物の残骸を運搬する管状器官だ。

科学者たちは大腸のこの部分を腸管神経系(ENS)と呼び、脳や脊髄からの指示なしに機能することができるために、一部の科学者たちはこれを「第二の脳」と呼んでいる。

しかし、最新の神経科学に関する専門誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(Journal of Neuroscience )」に発表された新しい研究によると、この「第二の脳」は、そのような呼称を超えた、あまりにも賢い存在かもしれない。

高精度の神経イメージング技術の組み合わせを用いて、この「第二の脳」を観察したオーストラリアの研究グループによれば、「腸管神経系は、腸内活動の組織化に必要な数百万のニューロンで構成されている」という。

科学者が微弱な放電を伴うマウスの単離結腸を刺激すると、結腸の隣接部分の筋肉の動きに直接対応する「ニューロンのリズミカルな協調興奮のプロセス」を観察することができた。「この研究では、腸管神経系の活動が、結腸に沿ってかなりの距離で筋肉活動を時間の経過とともに調整することができることを示した」と報告書は述べている。

研究者たちによると、ニューロンのこのような同期的な挙動は、脳の発達の初期段階においても一般的なのだという。

これは結腸内で明らかになった規則性が、腸管神経系の進化の初期段階から保存された「元の特性」であることを意味する可能性がある。

(※ 訳者注 / この部分は理解が難しいのですが、脳の発達そのものが初期段階より結腸のリズムによってなされているというような意味なのではないでしょうか)

しかし、今回の研究での結論は、さらに重要なことかもしれない。

それは何かというと、科学者たちは「中枢神経系が形成されるより前に腸管神経系が現れたと仮説しているため、おそらく結腸内の神経伝達のメカニズムは「第二ではない」可能性があるのだ。

これが真実ならば、哺乳類動物の脳は、まず消化管を通って食べ物を移動することを学び、その後に脳は複雑な体系を取りあげているだけなのかもしれない。

ニューロン興奮の機構が結腸で見出されたのは今回が初めてだ。

これはマウスでのみ検出されているが、研究者たちは、今回得られた結果が他の哺乳動物にも適用できると確信している。

しかし、腸管神経系の役割をより明確に理解するためにはさらなる研究が必要であることは明らかだ。脳ともうひとつの脳の働きについて研究しなければならないことは多い。

ここまでです。

そして、先ほど書きましたけれど、「腸内の異常は、理性や知性の喪失にも至る」という可能性について最近は思うことがあります。

先ほど、「アメリカの著書」のことを書いたのですが、それは、2016年に出版された『あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた』という著作です。

わりとタイトルの通りの内容のものではあるのですけれど、書かれてあることが多岐にわたっていて、うまくご紹介できないのですが……。

上の Amazon のページのに書評がたくさん書かれてあるのですけれど、その中に内容を説明して下さっているものがあり、そこから一部抜粋したいと思います。いくつか省略等させていただいています。

Amazon の『あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた』の書評より抜粋

以下、本書の中で新たに知った興味深い話題をいくつか取り上げる。

1. 自閉症の原因として色々なものが疑われている。破傷風菌類が腸内で繁殖することで、毒素を出してそれが脳に到達し、自閉症になるケースがあることが分かった。原因の一つは抗生物質の使用である。腸内の破傷風菌の繁殖を阻止する細菌類を抗生物質で殺してしまうことで、破傷風菌が繁殖する。

2. 細菌は体調だけでなく、精神にまでも影響を与えることがある。ラットがトキソプラズマに感染すると、恐怖心を失って振る舞いが変わり、猫の餌食になる。猫好きの人も猫にひっかかれることでトキソプラズマに感染し、性格が変わる。

3. 人の脳は乳幼児期に集中的に発達・形成される。その時の腸内微生物の様相によって性格は影響される。乳幼児期の抗生物質の使用は危険を伴うということを理解しておいた方が良いだろう。

5.自閉症に関して、特に生後18か月以内に抗生物質の治療を受けるのは最大のリスクとなるようだ。アレルギーに関しては、2歳になるまでに抗生物質の治療を受けた子供はのちに喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症を発症する率がそうでない子供と比べて2倍も高い。抗生物質を多く与えられるほどアレルギーになりやすく、4クール以上の治療を受けたこどもは3倍もアレルギーを発症しやすくなる。


ここまでです。

最終更新:2018/10/18 20:52

ページ上部へ

カレンダー

2018年10月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

今月

過去の日記

2019年
2018年
2017年

このお店で1週間以内に売れた
人気アイテム