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日別記事一覧

2018/09/17 21:01

中東レバノン首都ベイルートでは洪水が「ゴミの川」を作り出すという異様な光景も

2018年9月15日
レバノンの洪水を報じる地元メディア
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中東は、それぞれの地域が本来的には砂漠帯であり、少なくとも「大洪水」というようなものは縁のない場所でしたが、最近は、中東でも各地で大きな洪水が起きます。

最近もシリアとイスラエルに隣接する国レバノンで、大規模な洪水が発生したことが報じられていました。

レバノンの場所
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特に北部では大規模な冠水により交通などに被害が出たことが伝えられています。

9月9日 レバノン北部の様子
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レバノンの首都はベイルートで、国の中央部に位置しますが、ベイルートも洪水の影響を受けたようで、すごかったのは、「洪水で川にいろいろなものが流れ込み、ベイルートの川がゴミの川となった」という光景です。下がその様子です。

https:●//youtu.be/EFx4q9mfzbE

最近は、中東の様々な場所で、「これまでの記録にない」ような洪水が相次いで発生するようになりました。

下のような過去記事はその一部です。レバノンの隣国のイスラエルでも今年 4月に壊滅的な洪水が発生しています。

イスラエル各地を襲っている「聖書にあるような」洪水と雹嵐。死海では鉄砲水が発生し、若者たちが多数死亡

2018年4月28日のイスラエルの報道より
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イスラエル各地が、ちょっと普通ではない大雨や洪水、雹などに見舞われており、各地で多数の死者が出る異常事態となっています。イスラエルにおいて、洪水でこのように多くの死者が発生するのは普通のことではありません。

4月25日頃から、イスラエル各地で大雨や雹嵐などの悪天候に見舞われているようなのですが、最も大きな被害を出したのは、死海近くの「砂漠」で発生した鉄砲水でした。

死海からの鉄砲水の洪水により、少なくとも 11名の十代の若者たちが死亡するという大きな被害を出してしまっています。

下はその報道のひとつです。

死海での洪水での死亡事象についての2018年4月27日の報道
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死海とガリラヤ湖の位置
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この死海での災害は、集中豪雨による予期せぬ「死海の氾濫」という事態のために起きたもので、現場では徴兵訓練コースの学生グループたちがトレーニングのために訪れていました。

下は、その際の死海近くで撮影された動画です。このあたり一帯がいわゆる砂漠ですので、異様な感じのする光景です。

https:●//youtu.be/8MLzZwAzmyE

死亡したうちの 8名は女性で(イスラエルでは、女性にも徴兵があります)、国中に悲しみが広がっている……というように報道されています。

また、他の地域でも洪水などにより、若い人や子どもを中心に死亡事例が報じられていまして、イスラエルでの洪水による自然災害としては最大級のものとなっているのではないでしょうか。

イスラエル各地の被害の様子
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4月25日 イスラエルのアラドに降り積もった雹
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イランで40年ぶりの大雨による黙示録的な大洪水。現在までに25人が死亡、多数が行方不明

2017年4月15日の中東ヨルダンの報道より
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中東のイランで、数十年に1度というような大雨により大変な洪水が発生しているようです。

冒頭の報道では、死者 25名、行方不明者 16名とありますが、その後の別の報道では、死者は 40名近くになっていて、さらに「被害報告はいまだに入り続けており、今後、さらに被害が拡大するおそれがある」と報じられていて、被害はかなり拡大し続けているようです。

イラン北西部での救助活動の模様
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イランとその周辺国
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イラン北部にアゼルバイジャンと隣接している地域がありますが、そのあたりの一帯が特に激しい洪水となっているようです。

この地域での雨量は、40年前に記録したものに並ぶか、それ以上と報じられていますので、きわめて稀な豪雨だったようです。

川と化した道路
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氾濫したイラン北西部の川
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被害の正確な状況はまだわかりませんが、洪水による被害としては、イランの記録に残るものとなってしまうかもしれません。

中東の気候はここ2〜3年、非常におかしなことになっていますが、今年もその徴候が強く出始めている。

このような前例のない気象の現象がそのうち標準となっていくという可能性さえありそうなほど、最近の中東の気象は変化してきている可能性を感じます。

最終更新:2018/09/17 21:01

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2018/09/17 19:58

21世紀は黙示録的な時代に入っているのか?[2]

ところで、自然のほうでは、このように、いわゆる自然災害の規模と件数が拡大しているのに対して、地球で「減っている」ものもあります。

それは、いろいろとありますが、私たちにとって重大なものとして、

・人間の子ども(特に主要国)と人間以外の多くの生物

が大幅に減少していることがあります。

人間以外に関しては、以下のようないくつかの記事に書いたこともあります。

この世の昆虫の数は回復不能なレベルで減少していた 羽を持つすべて昆虫類の生息量が過去27年間で75パーセント以上減っていたことが判明。

2017年10月18日の科学系メディアPHY.ORGの記事より
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生態系の根本を考えるとこれは結構壊滅的な事態だったり

今回は、10月18日に科学系のオープンアクセス・ジャーナル「 PLOS ONE 」に掲載された論文の内容を説明した記事をご紹介したいと思います。

まずはその記事の翻訳を最初に載せようと思います。それで起きていることは大体わかるかと思いますので。

なお、ここで説明される「羽のある昆虫」(Flying Insects)というのは、ハチや蝶やトンボなどの大きな羽を持つものから、バッタやカマキリ、蚊やカゲロウ、カブトムシやテントウムシなどもそうですし、あるいはカメムシやアブラムシなども羽のある昆虫で、とにかく非常に多岐にわたるのですが、下のように「昆虫と聞いてイメージするもの」の多くがそれに該当します。

このようなものが羽のある昆虫たち
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要するにこれは、羽があるとかの分類というより、私たち一般人としてわかりやすい表現では、「昆虫の 75パーセント以上が消えた」という解釈で構わないのではないかと思います。

なお、昆虫が地球にもたらす影響は甚大で、見出しにも書きましたし、ご紹介した本文にもありますが、

・自然界の植物の 90パーセントが昆虫によって受粉されている

・鳥類の 60パーセントが昆虫を食べて生きている

などがあり、そして当然、農業などに直接関係することでもあります。

そういう意味では、

「昆虫が消えるということは、《自然界が消える》」ということと同義」

といっていいのではないかと思います。

何といっても、この研究は「27年間という時間」をかけた壮大な調査の結果でもあります。

まずは、ここから記事です。

More than 75 percent decrease in total flying insect biomass over 27 years
phys.org 2017/10/18

過去27年間で「羽を持つすべての昆虫類」の生息量の75%以上が減少していたことが判明
2017年10月18日に発表された研究論文によれば、すべての羽のある昆虫のバイオマス(ある空間内に存在する生物の量)は、自然保護区域において、過去 27年間で 75パーセント以上減少していたことがわかった。オープンアクセス・ジャーナル「 PLOS ONE 」に研究論文が掲載された。

昆虫は、野生の植物の 80パーセントの受粉を担っており、鳥類の 60パーセントに食物源を提供するなど、自然界の生態系機能に重要な役割を果たしている。

昆虫の多様性と生息量が全体として低下していることはわかっていたが、これまでの研究では、昆虫のバイオマスを長期間にわたって監視するのではなく、単一種かそのグループに対しての調査のみだった。

研究をおこなったのはオランダ・ラドバウド大学のキャスパー・ホールマン(Caspar Hallmann)博士で、ホールマン博士らの研究チームは、昆虫の減少の程度と根本的な原因をより深く理解するために、ドイツにある 63の自然保護区域に 27年以上かけて配備されたマレーズトラップを用いて、昆虫の総バイオマスを測定した。

そして研究チームは、これらの地域で、羽を持つ昆虫のバイオマスがわずか 27年間で 76パーセント(夏期は 82パーセント)にまで減少したことを発見したのだ。

彼らの結果は、それまで報告されていた、蝶や野生のミツバチ、蛾などの種の最近報告された自然界での減少と一致している。しかし、この調査では、特定の種類だけではなく、羽を持つ昆虫の全体的なバイオマスが大きな減少を起こしていることがわかり、事態の深刻さを示している。

研究者たちは、この劇的な減少は、生息地に関係なく明らかであるとしており、天候や、土地の利用状況、および生息地の特性の変化などの要因では、全体的な減少を説明することはできないことも判明した。

この減少は、大規模な要因が関与しなければ説明がつかないことを研究者たちは示唆しており、今後の研究では、昆虫のバイオマスに潜在的に影響を与える可能性のある全範囲をさらに調査すべきだとしている。

論文の著者たちは、この減少の原因とその地理的範囲、およびその潜在的影響が生態系にどのように影響するかについて、さらに調査するように促している。

ここまでです。

文中に出てきた「マレーズトラップ」というのは、テント型に張ったネットを昆虫の通り道に設置し、そこに飛来した飛翔性昆虫を採集するものです。

今回の調査で使われたマレーズトラップは下のようなものです。

malaise-traps.jpg

調査自体はドイツでおこなわれたものですが、「自然保護区」を対象ということで、自然の状態が比較的保たれている環境下でこの状況ですから、都市部を含めたものとなると大変なことになるのかもしれません。

そして、この記事のポイントは、

> この劇的な減少は、生息地に関係なく明らかであり、天候、土地の利用状況、および生息地の特性の変化などの要因では全体的な減少を説明することはできない

という部分だと思います。つまり、たとえば、最近では農薬などを含めた化学薬品などについてが昆虫の減少と関係付けられることがありますが、少なくとも今回の調査では、「そういう個別の要因ではない可能性がある」ということになりそうなのです。

理由や原因はわからないながらも、

「その背後に何かとても大きな共通の要因があるのではないか」

ということです。

英国のガーディアンの「虫たちはどこに消えてしまった」という記事も翻訳しました。

そこには、2016年9月に公開された「イギリス自然状態報告書」には、 1970年以降、昆虫の数が 59%の減少を示しているという昆虫たちの苦闘を明らかにした。

とあるのですが、数値としては 59パーセントどころではない実態が今回初めて判明したといえます。

何だかこう……まるで虫たちはこの地球から消えようとしているようです。

私たち人間が「害虫」と呼ぶ昆虫たちはよくメディアなどで取りあげられますけれど、それらも含めて、とにかく消えていっているようなのです。

微生物がいなくなってもこの自然界は成り立たないですが、昆虫には、微生物にはできない「自然界の受粉」を担っているという最大の役割があります。

つまり「植物の命運を昆虫が握っている」ということは、

・昆虫がこれ以上減る → 植物の消滅

という最悪の環境状態に突き進む可能性だってないではないかもしれません。

「そんな大げさな」と思われるかもしれないですが、現に昆虫は 80パーセント近くも減っています。27年間で 80パーセント減少なら、この先……?

ちなみに、過去記事の、

おそらく人間を含めた「全生物」は磁場により生きているハトや蝶が持つ光受容体がヒトにも存在していること。そして、そのハトや蝶が「全滅」に向かっていること
2015年11月23日

ドイツの地磁気専門家であるモニカ・コルテさんという科学者の方が、地球の磁場の逆転と人間の関係について、

「(地球の磁場が非常に弱くなっていても)現在、私たち人類が磁場が弱くなっていることを感じることはないのと同様に、地球の磁場が反転したとしても、私たちはその大きな変化に気づかないと思われます」

と述べていたことに対して、私自身も、

「私たち人類は磁場が弱くなっていることを感じることはない」という面があり、他の多くの動物たち(特に鳥など)が「磁場を直接見る」機能を持っているのに対して、私たち人間には磁場を直接感じる機能はないということがあり・・・まあ、体感的な違和感とかくらいはあるのかもしれないですが、少なくとも、はっきりと「磁場を感じる」ことはできません。

というようなことを書いたのですが、どうやら、この「人間は磁場を感じない」というのは間違いのようです。

どうやら、人間も磁場を見ている可能性があります。

最近、北京大学の分子生物学者、カン・シエ( Can Xie )博士を中心とする研究チームが、ショウジョウバエのゲノムを生物学的仮定に基づいてスクリーニングすることにより、

・「クリプトクロム」という光感受体であるタンパク質

・クリプトクロムと結びついて、自発的に外部磁場の方向を向くポリマー状のタンパク質( MagR と命名)

を特定し、このふたつの結合した複合体が「磁場を向く」ことがわかり、これが、渡り鳥などが磁場を見ている源なのではないかという研究結果を先日発表したのです。

特定されたこの複合体( MagR/Cry 複合体と命名)が磁場を感知する仕組みはまだわかっていないのですが、この複合体は、磁気コンパスのように振る舞うのだそうで、動物の磁気感受と何らかの関係は持っていそうです。

コンパスのように正確に磁気に対して整列する網膜にあるタンパク質の複合体
MagR-compas.gif

このクリプトクロムという光受容体は、多くの動植物が持っていて、また、今回特定された複合体は、ハトや蝶やネズミ、クジラなどの網膜細胞から見つかっていて、そして、ヒトの細胞の中にも作られるのです。

ハトもショウジョウバエも人間も網膜の光受容体の有無は同じ
Cryptochrome-human.jpg

つまり、人間の体の本来の仕組みとしては、

「人間は磁場を《見る》ことができる」

ようなのです。

「磁場を見る」というのは不思議な響きに聞こえるかもしれませんが、この「クリプトクロム」というタンパク質は、目の網膜にあるもののようで、文字通り「見ている」という表現で構わないようにも思います。

しかし、人間も鳥のように磁場を感じられる「根本」を持っているとすると、機能として(たとえば松果体のように)現在は働いていなくとも、感じる感じないに関わらず、人間もまた磁場の影響を受け続けているということになるとは思います。

だとすると、「人間も鳥たちのように、磁場で位置や方向を獲得することができる」という能力があるかもしれないという魅力的な話とつながると同時に、たとえば、現在の「極端に磁場が弱まり続けている状態」の中では気になることもあります。

たとえば、先ほど「複合体がコンパスのように磁場に反応する」という状態を説明しました図で、磁場で旅をする生物としての代表格して、イラストで、「オオカバマダラ(モナーク蝶)と、ハト」が出ていましたが、その2つの種の最近の生存状況(アメリカとヨーロッパのものです)は次のようになっているのでした。

cho-hato.png

それぞれの数値のソースは、オオカバマダラは、米国バーモント州野生生物局ニュースリリース、ハトは、ガーディアンです。

気になることというのは、これと少し関係しています。

磁場の影響を受けやすいと思われるハトが欧州で90%激減していることが示唆する、これからの地球の全生物

この「クリプトクロム」というタンパク質はずいぶん以前からわかっていて、そして、鳥は「磁場があるからこそ生きていけるのかもしれない」ということに関してもずっと以前からわかっていたことのようですが、そのメカニズムがわかっていませんでした。

過去記事の、2015/07/03

鳥が消える日

米国アイダホ州の南西部で、道路に沿って死亡した鳥が延々と広がっている光景が、YouTube にアップされていました。
10idaho-birds-01.jpg

あまり気持ちのいいものではないかもしれませんが、下はその動画を短くしたものです。

https:●//youtu.be/eoWJE2tUU_g 

アメリカでは、 2010年の大晦日から 2011年の新年にかけても、アーカンソー州で「空から雨あられと鳥が落ちてきた」という出来事がありました。

こちらの記事に、クリスチャン・サイエンス・モニターの報道を訳したものを載せたことがあります。

2011年1月4日の米国クリスチャン・サイエンス・モニターより

アーカンソーの新年は不気味な喧噪と共に始まった。

3,000羽にも及ぶブラックバード、ムクドリモドキ、ムクドリなどが、まるでヒッチコックの映画のように空から降り注いできたのだ。

アーカンソー州の鳥類学者カレン・ロー氏は以下のように述べる。

「今回の事件は地元の人々のトラウマになってしまっていいます。こんなことが大晦日に起きたこと、そして、あまりにも多くの人々が、鳥たちが空から落ちてくる光景を目撃してしまったんです。ショックを受けている人が多いです」。


上の記事では、アメリカの各地で「鳥が空から落下している」という出来事に対して、「各地で鳥が落下しているのは、磁場の異変が原因ではないか」ということについてふれたもので、多くの渡り鳥たちが、

・くちばしの細胞で磁場を感知する
・光受容体細胞の中にあるたんぱく質(クリプトクロム)で磁場を「見て」いる

ことなどから、地球の磁場が消滅する、あるいは、弱くなりすぎた場合に、鳥は生きていくことができなくなるのではないかというようなことを書いたものです。

そして、何度もふれていることですが、地球の磁場は過去 100年で一貫して弱まり続けています。

1880年から2000年までの地球の地磁気の強度の変化

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また、5月には、英国などの調査で、「ヨーロッパでは、3分の1の鳥が消滅する危機にさらされている」ことが報告されています。

europe-birds-threat.gif

その中でも、先ほどから出ています「ハト」は、

・ヨーロッパのハトは、1980年代から 90パーセントの減少

このガーディアンの記事によると、この調査は、ヨーロッパの都市部ではなく、地方、つまり「自然の多く残っている場所」でおこなわれたもので、その結果として、ヨーロッパでは、

・鳩は、1980年代から 90パーセントの減少
・ひばりとホオジロの数は、ほぼ半減
・10分の 1の野生ミツバチが絶滅
・鳥類の生息地の 77パーセントの環境が悪化
・ヨーロッパの鳥類の半分に危機
・ヨーロッパの動物の4分の3が危機

というようなことになっていて、これが自然が多く残る田舎での話ですので、都市部を含めて考えますと、なかなか厳しいことになっているのかもしれません。

同じような調査として、「日本のスズメの数が 50年で 10分の 1に激減」というものがありました。
過去記事にあります。

suzume-decline-2010.jpg

スズメの減少に関しては、ヨーロッパでも同じで、6年前のクレアなひとときの「スズメのこと。ナラが消滅していること」という記事で、2006年のインディペンデントの報道をご紹介したことがあり、それによれば、イギリスでも、過去 15年間でスズメの数が 90%減っているそうです。

そのインディペンデントの記事は約 10年前のものですから、今はどうなっているのか。

いろいろな動物が消滅していってはいますが、何となく、「鳥は目立って減っている」というようなことも言えるのかもしれません。

この三十数年は異常といっていい減り方を見せています。アメリカのモナーク蝶も、過去 20年間ほどで、80パーセント減っていることがわかったのだそうで、磁場で旅をする代表的な生物たちが確実に消滅し続けています。

もちろん、磁場の減少以外にいろいろな理由はあるでしょうけれど、これほどまでの急激な減少は、通常の理由では探りづらい感じもします。

そして、

「人間を含めた非常に多くの生物が磁場によって生きている可能性がある」

ということなどを考えますと、近づいているかもしれない「磁極の逆転」(その際、磁場は「ゼロ」になると見られています)の際に、どんなことが起きるのかは、本当によくわからなくなってきた感じもあります。

今の私たち現世人類が、仮に磁場の逆転を経験するとなると、「まさに初めてのこと」となるわけで、やはり大きな出来事になるのかもしれません。

そして、現在の地磁気のものすごい減少を見ていますと、徐々にではあっても、やはり「すでに始まっている」と考えるのもそれほど奇妙な考え方ではないかもしれないとも思います。

ここから、シエ博士のグループの発表について説明していたデイリーメールの記事をご紹介します。

The secret of how pigeons find their way: Magnetic proteins in their EYES act like a compass...and humans have them too
Daily Mail 20105/11/18

ハトたちが自分の行き先を見つける方法に関しての秘密:彼らの瞳の磁気タンパク質は、まるでコンパスのように振る舞う...そして人間にもそれがある

ハトは、動物界で最も大胆な旅をおこなうもののひとつで、数千キロを越えるような移動をした後にでも、正確な位置に到達することができる。

今、科学者たちは、鳥や蝶、そして他の動物たちが、どのように地球の磁場を自分たちの行き先を決めるために使用しているかの解明をしている。

すでに、科学者たちは、網膜と神経細胞で生産され、目から脳へと走る「コンパスのように振る舞うタンパク質」を発見している。

この複合体は、地球の磁場に関する情報と、太陽の位置を組み合わせることにより、動物たちに彼らが旅行する方向を検出させることができる。

そして、これは驚くべきことだとも思われるが、研究者たちは、人間にも、これらと同じタンパク質が発現することを発見したのだ。

鳥などよりも、はるかに少ない量ではあるが、私たちにも磁場を感知するいくつかの能力があるということになる。

研究を率いた中国北京大学の分子生物学専門のカン・シエ博士は、そのタンパク質は、コンパスの針のように作用し、神経系に情報を送信するように見えると述べている。

「かつて、動物が地球の磁場を検出することができるという概念は、一笑に付されていたものでした。しかし、今、それが事実であることが確立したのです」

この研究は、科学誌ネイチャー・マテリアルに発表された。

シエ博士は以下のように述べる。

「この生物コンパス( biocompass )モデルは、動物の磁気のナビゲーションと磁気受容( magnetoreception )の分子機構の完全な解明に向けてのステップとして機能すると私たちは考えています」

「人間に磁気を感じる感覚が存在するかどうかは議論もありますが、地磁気の磁場は、人間の視覚系の光感度に影響を与えると考えられるのです」

サメ、ウミガメ、鳥類、昆虫、オオカミ、クジラ、さらには線虫など、多くの動物たちが、自身の移動を助けるために、地球の磁場を使用すると考えられている。

しかし、彼らがどのようにそれをおこなっているかについての正確なところは、いまだ謎のままだ。

一部の研究者たちは、以前から、ハトのような鳥の持つ、磁場に反応しているように見える特定の目の細胞や、くちばしを同定しているが、その正確なメカニズムは不明であり、一部の研究者たちは、分子によって結合された鉄の塊を特定し、そこに源があるのではないかとした。

また、他の研究者は、クリプトクロム( cyrptochromes )と呼ばれる感光性のタンパク質に起因していると主張した。

しかし、シエ博士と彼のチームによる研究では、実際には、これら2つのシステムは、これらの動物の細胞内でのナビゲーション複合体を形成するために一緒に働くことを見出した。

特に、研究チームの発見した、円筒形の複合体を形成するクリプトクロムと結合するタンパク質を産生する MagR と呼ばれる磁気受容体の遺伝子の存在が大きい。

MagRは、感光性タンパク質のクリプトクロムと結合し、外部磁場の方向に自発的に整列するのだ。

この MagR は非常に磁気を帯びており、そのため、研究者たちは、研究をおこなうための特別なプラスチックのツールを開発しなければならなかったほどだ。

そして、これらの分子が、眼から脳に向かって走っている網膜神経細胞の中で特に発現していることがわかった。

ショウジョウバエ、オオカバマダラ(モナーク蝶)、ハト、そして人間のすべては、これらの分子を生成する。また、ミンククジラやハダカデバネズミ(げっ歯類)、などの他の生き物も、これらの磁気タンパク質を有している。

研究者たちは、これらの発見は、多くの生物学分野の研究、および産業用への応用研究のための新たな領域につながる可能性があると述べる。

また、この発見は、磁場、または、磁気感度を増加させる方法に応答する遺伝子治療の新しいタイプにつながる可能性もある。

研究者たちは述べる。

「 MagR ポリマーおよび、クリプトクロムと MagR の複合体の磁気的な特徴は、異なる分野全体での、数多くの用途の可能性が秘められていると考えます」

米国マサチューセッツ大学の神経生物学者、スティーブン・レパート博士( Dr Steven Reppert )は、この研究結果は、巨大な影響を与えると科学誌ニュー・サイエンティストに語った。

「これは極めて挑発的で、非常に画期的な可能性を秘めています。息をのむような発見といっていいと思います」

というものに書きましたが、「磁場で行動して生きている生物」、つまり、蝶や鳥などがものすごいペースで減少しているのです。

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減少の原因は、はっきりしていないとはいえ、空を飛ぶ生物の多くが「磁場によって移動して生きている」ということがあり、現在、地球の磁場である地磁気の強度が著しく低下していることが関係している可能性もあると言われています。

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地球から昆虫が減少していることにはいろいろな要因はあるのでしょうけれど、農薬や化学薬品などでの汚染もあるのかもしれないですが、「それらの要因が見当たらない場所でも減少している」ということを考えますと、それらと同時に「磁場などを含む地球の環境が宇宙レベルで変化している」という事実が関係している可能性もあるのかもしれません。今の地球は、昆虫だけではなく、ほとんど種類にわたって「生き物は何もかも減っている」のですから。

そして、下の図でわかるように、特に、南北アメリカ大陸の磁場が異常に弱くなっていることがわかります。

欧州宇宙機関のSWARM衛星が観測した2014年6月までの半年間の磁場の変化
magnetic-2014-jun3-0c5b7.gif

また、地球の磁場そのものが、観測が開始されてからの130年間くらい、ずっと弱くなり続けています。

いずれにしても、この地球から昆虫が今より少なくなっていったとした場合、植物や鳥類や人間も含めて、あらゆる生き物が地球上で生きていくことが難しくなるはずです。

そういうような、人間を含めた「すべての生物種にバイオマスの減少が及ぶ」という時期がそんなに遠くないことも今回の調査でわかった気がします。

なぜなら「今後、昆虫が増えていく要因がまったく見当たらない」からです。

この状況で近い未来の地球の生物種の全滅を語るのは大げさでしょうか。

上の記事にあります「鳥類と昆虫の減少ぶり」はものすごいもので、

「 21世紀は、鳥と虫が消えた時代」

といっても差し支えないのではないかと思われます。

「 20世紀にたくさんいた生き物たちが、21世紀にはいなくなった」

この状態が加速しますと、21世紀中には、非常に多くの生物たちが絶滅に近い状態となっていくだろうと思われます。

「回復の可能性」があるのならいいですが、現時点で、たとえばスズメでさえも、個体数の回復の兆しも、その方法も存在しないことが示しているように、多くの生物に、もはや個体数回復の可能性はほとんどないと思われます。

つまり、「絶滅するのは時間の問題」という生物種がものすごくたくさんいるのだと言って構わないと思います。

このような「人間以外の生物種の急激な減少」の根本的な原因がどこにあるのかを探るのは難しいことで、いくつかは想像できるにしても、その全体象をつかむのは難しいことだと思います。ただ、以下の記事で取りあげました「海洋に流入している人間の医療で使用される薬物」の影響はかなりあるかなとは思います。薬は、人から排出された後も薬効そのものがすぐに消えるわけではないですから。

人間の摂取と排出、そして、さまざまな海洋生物への取り込みと排出、さらに海洋生物を食べる陸上の多くの動物たちの摂取と排出……そして、また海に戻る……という循環を、いくつかの薬剤は繰り返しているように考えています。

Male Fish Are Mysteriously Changing Gender
mysteriousuniverse.org 2017/07/05

オスの魚たちが不可解な性別の変化を起こしている

イギリスでの新しい試験では、試験したオス魚の 5分の1がトランスジェンダーとなっていることが判明した。そのオスたちは攻撃的ではない態度を示し、精子の数は減少し、それどころか卵さえ産生する。

今週、英国エクセター大学で開かれたイギリス漁業協会 50周年記念シンポジウムのオープニング講演で、エクセター大学の魚類生理学者で環境毒性学者であるチャールズ・タイラー教授(Professor Charles Tyler)が、英国の 50の異なる場所で捕獲された淡水魚のうちの約 20%がトランスジェンダーであったという報告を述べて、会場を驚かせた。

さらに衝撃的なデータとして、研究者たちは、このミステリアスな性転換の原因が、トイレや流し場などから川に入りこむ避妊薬(経口避妊薬 / ピル)であることを突き止めたのだ。

これは、体内から尿として排泄される分と、直接廃棄されて流されるものと両方が含まれる。

タイラー教授はこう述べる。

「私たちは、化学物質のいくつかが、これまで考えていたよりもはるかに魚に広く健康への影響を与えている可能性があることを知りました」

ヒトの避妊薬は、女性ホルモンであるエストロゲンを魚に異常な量を与える主要な原因だが、研究者たちは、魚にエストロゲン様の変化を引き起こす水域に、他にも 200種類以上の化学物質が存在することを発見した。

研究者たちは、以下のように述べている。

「他の研究では、下水処理によって排出される他の多くの化学物質が、魚に影響を与える可能性があることがわかってきています。たとえば、抗うつ薬を含むいくつかのの薬剤は、魚の臆病さを減少させ、それにより捕食者に対する反応がにぶくなってしまうことが示されているのです」

避妊薬と化学物質により、攻撃的でも競争的でもなくなったオスの魚たちは仲間を惹きつけることが難しくなる。この性質的な弱点は、次世代に受け継がれるわけではないが、それらの性質の変化により生殖行為の総数が減るため、結果として、その種の魚の数は減っていく。

行動に加えて、化学物質は魚の物理的特性にも影響を与えていることについても、研究者たちは下のように語った。

「特別に作ったトランスジェニック魚を使って、リアルタイムで魚の体内の化学物質への反応を見ることができます。たとえば、いくつかのプラスチックに含まれる物質は、魚たちの心臓の弁に影響することを示しました」

プラスチックは現在、太平洋に夥しい量が漂っていることがわかっているが、それらは、イギリスの魚の心臓不全も起こしているらしいのだ。

これらの解決法について、エクセター大学での講演で、魚生物学者たちは、「人間の行動の変化が伴わない限り、いかなる解決法もありません」と述べている。

つまり、尿から排水システムに大量の薬が流れていくような生活をやめて、プラスチックの過剰な廃棄をやめるしかないと言っている。

シンポジウムの主催者であるスティーブ・シンプソン博士(Dr. Steve Simpson)は、今できる最善の策として、「手遅れになる前に、この急速に変化する海と川の魚類の減少を防ぐ方法を私たちは議論しなければなりません」と言う。

しかし……もしかすると、もう手遅れだということはないのだろうか。

「子どもの減少」については、何度か取りあげていますけれど、今回はそのことにはあまりふれようとは思いません、

ただ、最近、少しだけ驚いたニュースがありました。それは、今は「 17人の 1人の子どもが体外受精で生まれている」ということでした。

17人に1人は体外受精児…累計50万人を突破
読売新聞 2018/08/12

2016年に国内で行われた体外受精により、過去最多となる5万4110人が誕生していたことが日本産科婦人科学会のまとめでわかった。

17人に1人が体外受精で生まれたことになる。国内で初めて体外受精児が誕生した1983年以降、累計で53万6737人となり、50万人を突破した。


それだけ自然妊娠することが難しい方が増えているということでもあるのですけれど、「日本の不妊治療の実施件数の推移」も「急激に」という言葉が合う状況です。

treat-2013b.jpg

21世紀に入ってからだけでも 4倍以上増えています。

この「不妊の増加」という原因についても、個別の原因はあるであろうとしても、日本全体として、あるいは主要国全体として増加しているという「理由」については、やはり根本的なところでは難しいことだと思います。

あるいは、生まれてくる子どもたちの「先天性疾患」についても、これも「ものすごい急増を示している」ということになっています。

このこともここでは具体的には述べないですが、かつてはあまりそんなことを真剣に考えていなかった私が、「日本の子どもについての数値」を知ったのは、ほんの3年半ほど前のことでした。

そして、良いとか悪いとかという価値観はともかくとして、「急激な変化」という概念を改めて感じたのです。

最終更新:2018/09/17 20:27

2018/09/17 18:54

21世紀は黙示録的な時代に入っているのか?[1]

2018年9月14日
2014年11月にアイスランドのレイキャビクで撮影されたやや怖い系のオーロラ
reykjavik-facer-aurora2014.jpg

「黙示録的」という解釈は何かということは別として、記事のいろいろなグラフや数値や統計などから「今の時代」を、前の時代と比べてみたりしてみたのです。

その中で……まあ、21世紀といっても、まだ 2018年ですから、スタートしたばかりなのですけれど、それにしては「たった十数年でこんなに地球は変わってしまったのか」というように思ったりもしたわけでした。

そのようなことを少しご紹介したいと思います。

ところで、冒頭のアイスランドのオーロラの写真には特に意味はないのですが、「悪魔的」という単語から少し前のこのオーロラを思い出した次第です。

アイスランドは、わりとこういう「ややコワイ」系の自然現象が出る場所のようで、2010年にヨーロッパの空の便に大きな影響を与えたアイスランドのエイヤフィヤットラヨークトル火山の噴火の際には「3つの噴火が同時に起きていた」のですけれど、その火口が下のような様相を呈していたことがあります。

2010年4月15日 エイヤフィヤットラヨークトル火山を上空から撮影
devil-volcano-2010.jpg

20世紀から21世紀への推移の中に見えること

21世紀が 20世紀と違うという点で、たとえばとてもわかりやすいものとして、「自然災害での経済敵損失の推移」というものがあります。

これは以下の記事に掲載したものです。

ドイツの大学が発表した西暦1900年以降の災害損失データベースが示すこと

2016年4月20日
ドイツ・カールスルーエ工科大学ニュースリリースより
Natural-disasters-2016.gif

過去115年の災害被害の推移の「壮絶さ」を数字で見る

ドイツ最古の工業大学であるカールスルーエ工科大学というのがありまして、この大学は、CATDAT という「世界の自然災害に起因する社会経済的損失」に関してのデータベースを持ちます。

昨日、カールスルーエ工科大学は、このデータベースから、

「西暦 1900年から 2015年までの自然災害での経済的損失と、全死亡者数」

のデータを作成し、公開しました。

これがですね・・・。予想を上回るというのか、実際に私たちはものすごい時代に生きているということが数字として実感できるものなのです。

今回は、そのカールスルーエ工科大学のニュースリリースをご紹介しようと思いますが、まずは、とにかく、そのデータをご覧いただきたいと思います。

1900年から 2015年までの自然災害での経済的損失の推移(米ドル)
disasters-1900-2015a.gif

たとえば、この100年ちょっとの間に「世界がどれだけ変わってしまったか」を感じるには、1900年からの 20年間と、現在の 2016年までの 20年間という2つの時代を下のように比べますと、そのすさまじさがわかります。

cost-compare-01b.gif

もう、これは「全然別の地球に生きている」というような言い方をしてもいいようなすごさで、しかも、1900年からというのは、たった 100年くらいしか経っていないのですよ。それでこれだけ地球は変わってしまった。

現生人類は十数万年の歴史を持っていますので、100年というと、比較的「瞬間」的な時間だと思うのですが、その「瞬間」の間の自然災害のすごいこと。

印象的なのは、100年前にはほとんど見られなかった、

森林火災(グラフの赤の部分)
干ばつ(グラフの黒の部分)
が、数多く起きていることです。

洪水は昔からあったもののようですけれど、最近はそこに「火」が加わっている。

まるで、2016/04/18の記事、

アフガニスタンの大地から「同時に噴き出す水と炎」
fire-and-water-b1.jpg

下はその様子を撮影した動画を短くしたものです。オリジナルは、フェイスブックに投稿されたものでしたが、ヘブライ語での投稿でしたので、撮影者はイスラエルの方なんでしょうかね。

地中から水が噴き出すと同時に、炎も噴き出している様子

https:●//youtu.be/pbktTIkCY4o

科学的には何らかの合理的な説明がつく現象なのかもしれませんが、何となく不思議な光景ではあります。

ちなみに、上のグラフは「経済的損失が増えている」ということでを示しているものであって、「自然災害の発生件数」ではないです。

たとえば、2011年にグラフの「緑の部分」が極端に多いのは、膨大な経済的損失を伴った東日本大震災があったからで、この年に地震が特に多かったというわけではないです。なので、グラフが極端に増加していることが自然災害の数の増加を示しているものではない・・・のですが、ニュースリリースの中でも書かれていますが、自然災害の発生件数自体も増えています。

たとえば、2016/04/17の記事、

M6以上の地震が毎日起きている世界を迎えた中

earthquake-history-2010.gif

毎日1回以上のM6以上の地震が起き続けている今の状態

九州での大地震の前には、連続して3つのマグニチュード6級の地震が起きていましたが、その九州の地震が収まっていない今日 4月17日、今度は、南米エクアドルでマグニチュード 7.8という大地震が発生しました。

エクアドル最大の都市グアヤキルの地震発生直後の様子
ecuador-78.jpg

この地震により、2016年4月10日からの約1週間で起きたマグニチュード6以上の地震は以下のようになります。

4月10日 M6.6 アフガニスタン
4月13日 M6.9 ミャンマー
4月14日 M6.5 バヌアツ
4月14日 M6.5 熊本
4月15日 M6.4 熊本
4月16日 M7.3 熊本
4月16日 M6.0 熊本
4月17日 M7.8 エクアドル
この規模の地震が、「世界の様々な場所」で、ここまで連続するというのは、過去にどのくらいあったのか、あるいはなかったのかわからないですが、とても珍しいことだと思います。

地図にしますと、以下のような感じです。
0410-0417-earthquake-.gif

アフガニスタンからバヌアツまで駆け抜けたような形で連続して発生していたものが、日本の裏側に近いエクアドルで現れたという形になります。

ちなみに、2016年の九州の地震は、「三つの地域で別々の地震が同時多発的に発生した」と考えられるそうです。

という記事でもふれましたが、地震は特に 21世紀に入ってから飛躍的に増えています。

earthquake-history-2010.gif

それでは「自然災害での死者」も増えているのかというと、そうではないことが、データベースからわかるのです。

1900年から 2015年までの自然災害での死亡者数の推移
disasters-deaths-number-1900-2015.gif

たとえば、その年に1度でも極端に大きな災害(洪水、サイクロン、地震など)が起きてしまうと、それだけでその年の死亡者数は上がるので、このグラフと自然災害の件数はリンクしません。

上のグラフでいうと、1930年に洪水(グラフの青の部分)が極端に増加していて、上に「少なくとも 250万人以上」というように書かれていますが、これは何かというと、その年に発生した中国の大洪水による死者なのです。

1931年中国大洪水 - Wikipedia

1931年中国大洪水は中華民国で起きた一連の洪水である。この洪水は記録が残る中で最悪の自然災害の一つと一般にみられており、また疫病と飢饉を除いて、20世紀最悪の自然災害であることはほぼ確実である。推定死者数は、14万5000人とするものから、370万-400万人とするものまである。

というもので、西側の統計では、最大で 400万人が亡くなったと思われる現代史で最大の大災害です。

それと、上のグラフでは、1970年にも嵐(グラフの紫の部分)での死亡者数が、とてつもなく多くなっていますが、これはその年にバングラデシュとインドを襲ったサイクロンによるものです。

1970年のボーラ・サイクロン - Wikipedia

1970年のボーラ・サイクロンとは、1970年11月12日に東パキスタンのボーラ地方(今日のバングラデシュ)とインドの西ベンガル州を襲ったサイクロンである。

もっとも控えめな見積でも20万5000人以上、最大50万人と推定される人命が失われ、サイクロンとしては史上最大級の犠牲者を出した。近代以降の自然災害全般の中でも最悪のものの一つである。
この被害が余りに激甚であったことが直接的な契機の一つとなって、以後パキスタンは内戦状態に陥り、翌年バングラデシュが独立した。

これらのような強大な災害が発生しますと、上のように、その年のグラフは飛び抜けて高い数字を示します。

そして、自然災害自体は増加し続けているのですが、それによる死者数は、世界の人口増加などを加えて考えますと、「むしろ減っている」ということになっているのです。

つまり、「自然災害による犠牲者は減っているが、社会基盤を破壊する災害の発生件数自体は劇的に増えている」ということになりそうです。

この死者数の推移のグラフと、先に示しました「経済的損失の異常なほどの増加」のグラフを合わせて見てみますと、特に、21世紀以降は、

「自然災害が地球の文明の社会基盤をどんどんと破壊し続けている」

ということが言えそうです。

これらのような強大な災害が発生しますと、上のように、その年のグラフは飛び抜けて高い数字を示します。

そして、自然災害自体は増加し続けているのですが、それによる死者数は、世界の人口増加などを加えて考えますと、「むしろ減っている」ということになっているのです。

つまり、「自然災害による犠牲者は減っているが、社会基盤を破壊する災害の発生件数自体は劇的に増えている」ということになりそうです。

この死者数の推移のグラフと、先に示しました「経済的損失の異常なほどの増加」のグラフを合わせて見てみますと、特に、21世紀以降は、

「自然災害が地球の文明の社会基盤をどんどんと破壊し続けている」

ということが言えそうです。

Natural Disasters since 1900: Over 8 Million Deaths and 7 Trillion US Dollars damage
Karlsruhe Institute of Technology ( KIT ) 2016/04/18

西暦1900年からの自然災害 : 800万人以上が死亡し、7兆ドル以上の経済的損失を受けた
カールスルーエ工科大学(KIT)のリスクエンジニアの専門家であるジェームズ・ダニエル博士(Dr. James Daniell)は、これまで収集した自然災害のデータベースから、1900年以来、自然災害により 7兆ドル(約 770兆円)の経済的損失が発生し、また、死亡した人の数は 800万人に達することを示した。

ダニエル博士の災害データベース「 CATDAT 」は、社会経済指標を調べることにより、自然災害による社会経済的損失データを評価する。

博士はオーストリアのウィーンで開催される 2016年 欧州地球科学連合総会でこのデータを発表する。

ダニエル博士は、CATDATデータベースの一環として、1900年以来起きた 35,000件の自然災害事象を収集した。

それによると、1900年から 2015年までの経済的損失の約3分の1は、洪水により引き起こされており、洪水による経済的損失の度合いは大きい。

次に大きなものが地震による損失で、自然災害の経済的損失全体の 26パーセントを占める。そして、嵐(台風やハリケーン、サイクロンなど)が 19パーセント、火山の噴火による被害は全体の 1パーセントとなっている。かつては、経済的損失の最高額を記録する自然災害は洪水だったが、1960年以来、嵐が経済的損失のうちの 30パーセントを占めるようになった。

全体として、過去 100年ほどの間の自然災害による経済的損失は絶対的に増加した。

ダニエル博士は「多くの場合、発展途上国の方が大災害に対して、より脆弱な傾向があり、自然災害での死者と経済的損失が高くなっている」と述べる。

その一般的な理由のひとつは、家屋や建物の質そのものにもあり、また、海岸に人々が働く都市部の多い地域も、自然災害に対しての生命と経済的損失に対してのリスクが高い。

自然災害の経済的損失は、ダニエル博士の計算では、ドル換算で 7兆ドルに達するが、しかし、自然災害による損失の構成要素は、多くの場合、損失の推定値などが入るため、実際とは大きく異なる。

ダニエル博士は、「経済的損失を定量化することがしばしば困難であるように、1つの災害事象の正確な損失値を取得することは、たとえば、2010年のハイチ大地震のように、損失値を計算するのが不可能な場合が多々あり、死者数も過大に評価されていることがあります」と言う。

「これまでの中で、自然災害による経済的損失が最も大きかったのは、2011年3月11日の日本の東北の震災と、ニュージーランドの大地震によるもので、3350億ドル(37兆円)の経済的損失となりました。特に、東北の地震は、地震に加えて、津波と原子力発電所の被害が重なり、単一の自然災害としては、最も高い損失を生んだものとなりました」と、博士は述べる。

地震では、1900年から 2015年の間に、全世界で 232万人の人が亡くなっており、また、地震での犠牲者の約 59パーセントは、津波や土砂崩れなどの二次的災害で亡くなっている。石造建築物の倒壊により死亡した人は、全体の 28パーセントになる。

1960年以来、地震で死亡した人は、すべての自然災害の犠牲者の 40パーセントにもあたる。

火山の噴火に関しては、1900年から 2015年の間に、火山の噴火で亡くなった人の数は 98,000人と、他の自然災害と比較すると多くはない。しかし、1900年以降は起きていないが、たとえば、1815年のタンボラ火山の噴火のような巨大な火山噴火が起きた場合、世界中の気温を下げる可能性があり、それは、世界の食料安全保障の問題につながる側面を持つ。

自然災害での死亡者数そのものは、1900年から 2015年まで、わずかに減少するか一定だが、世界の人口が増えていることから、自然災害で亡くなる人は大幅に減少していると博士は言う。

2000年以来、1度の自然災害で 10万人以上が亡くなったのは、2004年のインド洋津波(死亡者数約 23万人)、2008年のミャンマーのサイクロン(死亡者数約 14万人)の2つとなる。

そして、歴史上で最悪の自然災害は、1931年に中国で起きた、推定死者数 250万人以上と考えられている中国の大洪水である。

下のグラフがそれで、これは、ドイツのカールスルーエ工科大学が統計を発表した「 1900年から2015年までの経済敵損失の推移」を示したものです。

flood-20-21.jpg
・ドイツ・カールスルーエ工科大学

このグラフは 2015年までですが、その後の状況を考えてみますと、特に森林災害や洪水被害では、さらに記録が更新されていると思われます。

これは「経済的損失」の推移であって、自然災害の発生数の増加そのものを示しているものではないですが、それでも自然災害自体が増えていないとこうはならないはします。

このグラフを見ますと、自然災害の中でも、「水と火」、つまり、

・洪水
・山火事

の被害の急激な増加ぶりは、21世紀に入ってから特に顕著です。

下はアメリカでのグラフですが、「山火事によって焼失などの被害を受けた建物の数」の推移です。

us-wild-fire2010.jpg

この山火事の推移も 2010年までのグラフであり、今年のアメリカなどの過去最悪級の山火事の発生数を見ましても、この 2010年の後も急激な増加を示しているはずです。

洪水は、データが 2009年までのものしかないですが、世界の2つの代表的な洪水のデータをまとめたものが下のグラフです。

flood-20-21.jpg

これもまた、2009年以降も世界中で洪水の発生件数は尋常ではない上昇を見せていますので、この後のグラフも相当な上昇を示すはずです。

これらのような自然災害については「悪魔的…」というような概念と合うものなのかどうかはよくわからないですが、少なくとも地球は、

「 20世紀から 21世紀に向かって、穏やかではない方向に急速に進んだ」

とは言えると思います。

なお、ここでもそうですし、一般的にも「自然災害」というような「自然」という綴りが入る言葉を使う場合が多いのですけれど、冷静に考えれば、「自然とは一体その根源は何なのか」と考えると、このような変化が、単なる無機的で無意味な環境の変化だというように思うのは難しい部分もあるようには思っています。

最終更新:2018/09/17 18:54

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