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2017/10/15 22:35

史上初めての場所に誕生し、史上初めてのコースを取る記録づくめのハリケーン「オフィーリア」。それは地球の海と大気の大規模な変化の象徴そのものであり、自分が死にゆくことを知らない者の象徴でもあり
2017/10/15

2017年10月14日の報道より
ophelia-2017.jpg

通常と真逆に進むハリケーン・オフィーリアの予想進路
hurricane-ophelia.gif

10月12日に、大西洋で発生した熱帯暴風雨「オフィーリア」がハリケーンに発達しました。これで今年、大西洋で発生した熱帯暴風雨は何と 27になり、そして、このオフィーリアまで 10連続ですべてハリケーンに成長しているという異常な記録が打ち出されました。

しかも、このオフィーリアは、「ハリケーンとしては史上初めてのコース」を取っているという異様なことになっているのです。

何が起きているのか。

10連続して発生したハリケーンの名は「オフィーリア」
今年 2017年は、本当にハリケーンがよく発生した年で、人的被害と共に経済的な被害が非常に大きなものとなっていますが、改めて今年、大西洋で発生した熱帯暴風雨の一覧を見ると、下のようになり、27もあったのです。

2017年に大西洋で発生した熱帯暴風雨の一覧
2017-atlantic-hurricane-season-names.jpg

この中で右側の下から2番目のフランクリン(Franklin)から、右側の一番上のオフィーリアまでが連続してすべてハリケーンに発達しました。

なんだかもうスゴイですが、10月12日に発生してハリケーンに発達した「オフィーリア」は、そういうものとはちがうすごさを持ったハリケーンといえます。

何がすごいというのは、

・歴史上1度もハリケーンが発生していない海域で発生した

・ハリケーンでは、ほぼ見られたことのない進路をとっている


ということです。

これは後半に図でもご説明したいと思います。

そもそも、冒頭に示しましたこのオフィーリアの進路を見れば、それがいかに奇妙なコースかとお感じになる方もいらっしゃるのではないかと思います。

まずは、冒頭のライブサイエンスの報道記事を先にご紹介します。この記事でも、このオフィーリアの異様さが描かれています。なお、この記事が書かれた時点では、オフィーリアは最も弱い勢力の「カテゴリー1」でしたが、 15日現在、勢力として上から3番目の「カテゴリー3」に発達しています。

ここから記事です。

希なコースを取るハリケーン・オフィーリアがアイルランドとイギリスに向かっている

すでに 2017年のハリケーン・シーズンは終わったかのように思われている現在、ハリケーン・オフィーリア(Ophelia)がアイルランドとイギリスに向かうという珍しいコースを取っている。

アイルランドに到達する頃には勢力が落ち、ハリケーンから熱帯低気圧になると予測されているが、それでも、アイルランドや英国で暴風雨が吹き荒れる可能性があり、風速は最大で時速 130km にまでなると見られている。

オフィーリアは、非常にハリケーンの多かった今年のシーズンの 10番目に発生したハリケーンとなる。

今年 2017年は、カテゴリー5のハリケーンが記録された日数が過去最大となったことが、アメリカ大気研究大学連合(UCAR)のマイケル・ローリー(Michael Lowry)氏により発表されており、また、米国コロラド州立大学のハリケーン研究者であるフィル・クロツバッハ(Phil Klotzbach)氏によれば、熱帯低気圧が、10回連続してハリケーンに発達していることが記録されている、まさにハリケーンの当たり年となっている。

ハリケーン・オフィーリアはイルマやマリアのように注目されてはいないが、しかし、このオフィーリアが記録している風速時速 160km は、これはこれまで大西洋東部で発生したハリケーンの中で最も強い暴風だ。

また、この大西洋東部で低気圧がカテゴリー2のハリケーンに発達したのは 1992年以来のことだとアメリカ国立ハリケーン・データセンターの予報官は述べている。

オフィーリアは、通常より高い海水温度のためだけではなく、より冷たい気温のおかげでハリケーンに発達したと考えられる。クロツバッハ氏によれば、大気の状態が非常に不安定であったために予想以上にハリケーンの勢力が増したと伝えている。

オフィーリアのコースは、これまでにまったくないほどではないのかもしれないが、しかし、かなり異例といえる。

アイルランドを襲った暴風雨としては、1961年のデビー(Debbie)があるが、この時のデビーがアイルランドに到達した際にハリケーンの勢力だったのか熱帯低気圧だったのかどうかは当時の記録からは不明だ。

近年でアイルランドとイギリスに影響を与えた熱帯低気圧の中で顕著だったのは、1986年の暴風雨チャーリー(Charley)と、2011年の暴風雨エックス・カティア(Ex-Katia)のふたつがある。そういう意味では今回のオフィーリアのコースもまったく前例がないというわけではないのかもしれない。ただ、ハリケーンの勢力を維持して接近しているというのは極めて前例が少ない。

2013年に、科学誌ジオフィジカル・リサーチ・レターズに掲載された調査結果によれば、大西洋東部で発生したハリケーンによる風が西ヨーロッパに影響を与えることが増えている。気温が上昇し、ハリケーンの発生するエリアが拡大すると共に、ヨーロッパでも暴風雨が発生しやすくなっているという。

以前はなかったことだが、それらの暴風雨はヨーロッパに到着するまで勢力と熱帯暴風雨の特性を維持することが多くなったのだ。

そのため、ヨーロッパでの暴風雨による被害と経済的損失も拡大している。

ハリケーン・オフィーリアは、今後、アイルランドに向かい、より涼しい海域に移動しする中で低気圧に移行すると予想されている。

オフィーリアの正確なコースはいまだに確定していないが、月曜(10月16日)から、北アイルランド、スコットランド、ウェールズ、イングランドの西海岸などでは広く強風、大雨、高波による影響があると見られている。

ここまでです。

このオフィーリアの「コースの異常さ」については、過去の記録と照らし合わせるとわかりやすいかと思います。

下は、10月14日にアメリカ海洋大気庁(NOAA)が出したオフィーリアの進路予想図です。予想円は多少は変化するだろうとはいえ、アイルランドとイギリスを直撃するコースとなっていることがわかります。

オフィーリアの進路予想(色は風速で、赤いほど強い風速です)
ophelia-course.gif

そして、下の図は、進路の記録が残る中での「過去の大西洋で発生したすべてのハリケーンの進路」です。色は赤になればなるほど勢力が強いことを示します。

そこにオフィーリアの発生場所を加えたものです。

過去に大西洋で発生したハリケーンの進路
ophelia-reecord.gif

このオフィーリアは、発生した場所も「史上初めて」で、そのコースも「史上初めて」のハリケーンなのです。

世界地図で説明しますと、下のようなことになっているのです。

ハリケーン「オフィーリア」というもの
rare-hurricane.gif

先ほどのライブサイエンスの記事では、希ながら過去にもあったとされていますが、その後、オフィーリアは勢力をカテゴリー3にまであげていまして、これほどの勢力のハリケーンがこのような奇妙な場所で発生し、奇妙な方向に進んだことはおそらく観測史上では「1度もない」と言っていいはずだと思われます。

もはや本当に、海の状態(海水温度)も大気の状態もムチャクチャなことになっているからこそ、だとは言えそうな気がします。

こんなことがこれからも続くということはないだろうとはいえ、たまにでも起きるようになりますと、これまでハリケーンの被害を受けていた場所とはまったく違う場所でハリケーン被害が増える可能性があるということになります。

今回のオフィーリアは、さすがにイギリスを直撃する頃には、ハリケーンから低気圧に変わっているでしょうけれど、今後、大西洋の海と大気の状態がさらにおかしなことになっていけば、将来はわかりません。ハリケーンのままヨーロッパを暴風雨が直撃する時、という時代が来るかもしれません。

それは、具体的には、

・今よりさらに大西洋の海水温度が上がり

・しかし、大気の気温は下がってくる


というふたつの状態が現れた時に、そういう状態が発生しやすくなると思われます。

そんなことがあるかないかというと、すでに科学者たちの間では「あり得る」と予想されていることを、過去記事、

・瞬間最大風速200メートルの台風やハリケーンが現実化する?:モンスター・ストームと、海底火山、小惑星の衝突の関係が MIT の研究により明らかに
 2015/10/26
hypercane-top.gif

つい2日ほど前、「史上最強級のハリケーン、メキシコ太平洋岸に上陸」というような報道があり、その報道では、当初、

・中心気圧は 879 ヘクトパスカル
・最大風速 90 メートル

などという、もはやとんでもない勢力のハリケーンだと報じられていて、「これはまたしても…」と緊張しましたが、急速に発達したこのハリケーン・パトリシアは、「勢力の衰え」も非常に急速だったことで、大きな被害は免れたようです。

AFPの記事によりますと、

一時は最大風速90メートルまで発達するとみられていたパトリシアだが、米国立ハリケーン・センターによると、北東部のサカテカス州を通過する24日朝までに熱帯暴風雨となり、さらに最大風速は13メートルまで弱まり熱帯低気圧となった。

ということで、まさに、あっという間に史上最強にまで強大化して、あっという間に萎んだという、何だか珍しい台風だったようですが、そもそも、たとえば、今回のハリケーンで言われていた「最大風速 90メートル」とはどの程度のものなのか。

たとえば、日本の過去の最大瞬間風速で最も大きなものはどの程度だったのでしょうか。

いさぼうネットの「最大瞬間風速105メートルの世界」というページに上位 20がまとめらてれいますが、上位 3位は以下の通りです。

1位 沖縄県宮古島 最大瞬間風速 85.3 メートル(1966年09月05日)
2位 高知県室戸岬 最大瞬間風速 84.5 メートル(1961年09月16日)
3位 鹿児島県名瀬 最大瞬間風速 78.9 メートル(1970年08月13日)

ということで、日本の記録では、「最大風速 90メートル以上」というのは、記録としては存在しないということで、台風の多いこの日本で記録がないというのは、やはり、とんでもない風速のようです。

ちなみに、風速と被害の関係は、風速と感覚と被害というページによりますと、そんな 80メートルだの 90メートルなどではなく、

30メートル 屋根が飛ばされることがある。電柱が倒れることがある。
35メートル 自動車や列車の客車が倒れることがある
50メートル たいていの木造家屋が倒れる。樹木は根こそぎになる

と、もうこのあたりで、通常の被害としては「壊滅的」ということになりそうで、90メートルとかはちょっと想像つかないですね。

なお、近年で、この「最大風速 90メートル」の直撃を受けた例が、2013年11月4日にフィリピンに上陸した「台風ハイヤン( Haiyan )」でした。日本名は、平成25年台風第30号です。

この台風の「台風 30号」という名前からおわかりのように、この 2013年という年は、11月に入ってから 30個目の台風が発生していたという、すごい年でした。

このハイヤンは、中心気圧は勢力最大時で 895パストヘクトル、最大瞬間風速は90メートル(気象庁)という、その時点で、「観測史上最強」の台風でした。

その後、アメリカ軍合同台風警報センターは、ハイヤンの上陸時の最大瞬間風速を 105メートルと発表しています。

ハイヤンの通過後の報道より
haiyan-endof-world.gif
上のミラーの記事のタイトルは、「まるで、この世の終わりのようだった」とありますが、風速 90メートルの世界というのは、そういう世界になってしまう状況のようです。

ハイヤンは、結果的に、

・死者 6201人
・行方不明 1785人

という、台風の被害としては最悪級のものとなってしまいました。

風速200メートルという常識的ではない台風やハリケーンが発生する条件とは

そして、ここで冒頭に貼りました「最大風速が 200メートル以上ある」というハリケーンが発生する可能性について、アメリカのマサチューセッツ工科大学( MIT )の教授らのチームが、

「その可能性はある」

としている記事を目にしたのです。

上に書きましたように、風速 90メートルだとか 100メートルとかの直撃は「その場所の文明が崩壊する」レベルだということがよくわかるのですが、その倍となる 200メートルとかになると、ちょっと想像が難しいです。

その記事をご紹介したいと思います。

ちなみに、そのようなモンスター級といえるハリケーン、あるいは台風が発生するには、

・37.8度以上の海水温度が必要

なのだそうで、さすがにそんなに海水温が上がる可能性はないだろうなと思っていましたら、マサチューセッツ工科大学のチームは、「非常事態下」としてのスーパー・ハリケーンを想定していることがわかったのでした。

すなわち、そのような海水温度の状態となるには、

・巨大な小惑星の熱帯の海への衝突
・大規模な海底火山の噴火

のどちらかが必要だと。

とりあえずは、まずはその記事をご紹介します。

「パトリシア・エフェクト」- 最大風速500マイル毎時(風速223m)のハリケーンの発生は理論上可能なのか? MIT の専門家は「可能だ」と言う

アメリカ国立ハリケーン・センターは、ハリケーン「パトリシア」が、ハリケーンセンターが管轄する大西洋および北東太平洋地域で記録したハリケーンとしては過去最強であることを報じた。

航空機のデータから推定される中心気圧は、実に 880ヘクトパスカルとなり、これは、ハリケーンセンターで記録された中の最低気圧となる。

ハリケーンセンターは、「信じられないことだが、本日(10月23日)のメキシコ上陸前に、この中心気圧はさらに下がる可能性がある」と述べた。

しかし、パトリシアは、10月24日に上陸後、急速に勢力を弱め、メキシコ中央部上空で熱帯低気圧となった。

マサチューセッツ工科大学( MIT )大気科学専攻のケリー・エマニュエル( Kerry Emanuel )教授は、起こり得る可能性のある、過去最悪を超える勢力のモンスターハリケーンについて説明する。

それは、風速 500マイル毎時(風速 223メートル)に達する、ハリケーンならぬ「ハイパーケーン( hypercane )」とでも呼べるようなものなのだ。

このようなハリケーンの発生は起こり得るのだろうか?

それはおそらくあり得ると教授は言う。

このハイパーケーンは、MIT の海洋と気候プログラムを教えるエマニュエル教授によるコンピュータモデルのひとつだ。

教授は、ハリケーン物理学を研究している。ハリケーンの行動を詳細に調べ、地質学的な過去を探ることによって、これらのモンスター・ハリケーンがどのように動いているかを理解しようとしている。

実際のところ、ハリケーンが発生するメカニズムを正確に知っている者はいない。その大部分は謎のままなのだ。

ハリケーンの発生に必要な基本的な条件は、26.7℃以上の海水面温度、非常に湿った空気、そして、積乱雲を伴う嵐だ。

しかし、ハリケーンに成長するには、それだけでは足りない。他の要素が必要なのだ。

エマニュエル教授は以下のように述べる。

「ハリケーンは自然の出来事です。そして、ハリケーンは、自分自身で発生するわけではないのです」

「発生させるトリガーが必要なのです」

そのようなモンスター・ストームを作り出すには、海水温度が、少なくとも 37.8℃にまで上昇する必要があるが、このような条件を作り出すには、巨大な小惑星が熱帯の海に衝突するか、あるいは、巨大な海底火山が噴火する他はない。

このようなことは、海に強烈な加熱を生成する。

エマニュエル教授と同僚たちは、小惑星の海への衝突が引き金となって発生したハイパー・ハリケーンが数百万年前の地球規模での大量絶滅を引き起こした可能性について理論化している。

でご紹介したことがあります。

その中でご紹介した記事で、マサチューセッツ工科大学の大気科学の専門家であるケリー・エマニュエル博士は下のように述べていたと書かれています。

風速 200メートル以上のモンスター・ストームを作り出すには、海水温度が、少なくとも 37.8℃にまで上昇する必要があり、このような条件を作り出すには、巨大な小惑星が熱帯の海に衝突するか、あるいは、巨大な海底火山が噴火する他はない。このようなことは、海に強烈な加熱を生成する。

エマニュエル教授と同僚たちは、小惑星の海への衝突が引き金となって発生したハイパー・ハリケーンが数百万年前の地球規模での大量絶滅を引き起こした可能性について理論化している。


ということで、

「海底火山の噴火の増加が、巨大ハリケーンの増加を促す可能性」

を示唆しています。

そして、いわゆる地球温暖化というものより「寒冷化」のほうが荒れた天候を作りやすい

これは私個人の想像ですが、今、地球は、下のふたつの状況に突き進んでいるように見えます、

・海底火山を含む火山活動の劇的な活溌化

・ミニ氷河期


です。つまり、海が暖かく、大気が冷たい状態になりやすくなっている。

そして、「海が暖かく、大気が冷たい状態」が最も荒い天候を生み出すのです。

最終更新:2017/10/15 22:35

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2017/10/15 22:14

ラスベガスの乱射が「計画的な虐殺」であった可能性がさらに明白に。銃器のプロが語る数々の異常
2017/10/13

ふつうは銃を撃った後に転がる薬莢。ラスベガスの現場にはナシ

銃器の実戦に慣れた人がラスベガスの出来事を見ると

世界の自然現象や災害などを日々取りあげているサイトで、政治的なことには普段はあまりふれないのですが、昨日、「ラスベガスの乱射事件で、どうしても辻褄が合わないように感じられる10の事柄」というタイトルの、とんでもなく長い記事をアップしていました。

警察関係や軍関係なのか、それともプライベートの銃器マニアなのかはわからないのですが、「昨日の訓練」という文章があったりしましたし、自動小銃やライフルだけでも数十万発撃っているようですので、なかなかの銃の使い手のようです。

そして、この記事は「筆者が銃に詳しい」という点から、非常に私が待ち望んでいた内容のひとつでありまして、ご紹介したいと思いました。

最初は陰謀論的な観点から始まりますが、内容は次第に「銃」というものと、その性能や状況などの説明と併記されていきました、それらを知るにつれて、今回のラスベガスの乱射を取り巻く異常な状況が明らかになっていくのでした。

とても長い記事ですので、そろそろ本題に入ろうと思います。銃の専門用語がいろいろと出てきて、中には銃に関しての訳語など間違っているものもあるかもしれませんが、大まかな意味ということでご容赦下さい。

なお、文中に出てきます「薬莢が床に散らばっていない謎」というのは、たとえば、銃は、射撃すると薬莢が下に落ちます。

薬莢とは、金属製の円筒のことで、下の写真はわかりやすくするために大げさな例をあげていますが、たくさん撃てば撃つほどたくさん下に落ちます。

たくさん射撃したあとの様子(M1921サブマシンガン)
m1912.jpg

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ラスベガスの事件では、被害者の数などから想定すれば 3000発以上の弾丸が発射されたと思われますが、その場合、3000発の薬莢が落ちている必要があります。「撃った場所とされるホテルの部屋にその薬莢がない」のです。犯人の人が「一発撃っては掃除をして、燃えないゴミとして捨てていた」のならともかく、普通に連射すれば、上の写真のようなことになっていくはずなのです。

そういうことを含めまして、いろいろなことが銃に詳しいこの筆者の人に疑念となったようです。

そして、その目的は「虐殺」だったともいえる可能性があることが今回の記事でわかります。

しかし、「誰がやったか」というのはともかく、「なぜこんなことをするのか」というのは相変わらずわかりません。なぜなのだろう。何のためなのだろう。

では、ここからです。

ラスベガスの乱射事件で、どうしても辻褄が合わないように感じられる10の事柄

非常に多くの人々が犠牲となったラスベガスの乱射事件は、現在は捜査の初期段階ではあるとはいえ、私にとって、どうしても奇妙に見える 10の事柄がある。

そのことについて書かせていただきたい。


1. 数十人のコンサートの参加者が複数人の射撃者の存在を報告している

アメリカの法執行当局は、このラスベガスでの乱射の実行犯は1人だと述べているが、複数の証人たちが複数の射撃手の存在を公然と報告している。

これは合理的に考えれば、現場が混乱していたための錯覚などの結果なのかもしれないが、しかし、その目撃された複数の射撃手たちが、通常は法執行機関や軍人だけが持つことが許されている「フルオート」の銃を持っていたことについては非常に不思議に感じる。

この「射撃手が複数目撃されている」ということについては、コロラド州オーロラの映画場での乱射事件(※ 2012年7月20日に米国コロラド州で起きた乱射事件)でも、多数の証人が複数の射撃手の存在を報告しており、本当に単独犯だったのかどうかが疑問視される事態が起きていた。

いずれにしても、今回のラスベガスでの乱射が複数の射撃手によって実行されていた場合、それは何らかの政治的な目的のために乱射を実行しようとしている人々のグループの計画と調整を示している可能性があるのだろうか。


2. 乱射発生の45分前にコンサートの参加者に「みんな死ぬわ」と警告したのは誰だったのか?

乱射のあったラスベガスの音楽イベントで、乱射が起こる数十分前に、ひとりの女性が会場の中でコンサート参加者たちに「あなたたちはみんな死ぬわ」と言っていたことが現場にいた人たちの証言でわかっている。

英国のメディア、エクスプレスによれば、21歳のコンサート参加者の女性は、地元のニュースに、「その女の人は混乱した様相で他の女性を抱きしめながら、『あなたたちはみんな死ぬのよ」と叫んでいたのです」

「しばらくして、女の人はひとりの男性に支えられて会場を出ていったのですけれど、私たちは彼女の言っていたことを真剣にとらえることはありませんでした」

取材に答える「あななたちは死ぬのよ」と叫んでいた女性を見たひとり
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その女性はヒスパニック系だったと目撃者は説明した。女性は男性に支えられて会場から出たという。

他の目撃者の女性によれば、そのふたりは共に身長 165cm程度で、「どこにでもいるような人たち」だったという。

そのふたりが本当に乱射が行われるのを知っていたとすれば、少なくとも犯行がおこなわれることを知っていた人物は複数いたことになるのかもしれない。

3. 私たちが動画でその音を聴いた武器はフルオート銃であり、一般的な法的手段ではアメリカで入手できない武器だ

この乱射は多くの動画によって撮影されたが、それらを見ると、この射撃では「フルオート / 完全自動システム」の銃器で実行されていたことが明確に示されている。そして、アメリカにおいては、そのような武器を一般の民間人が入手することはほとんど不可能だ。

アメリカにおいては、1986年以前に製造されたフルオートの銃器の一部は販売されてはいるが、司法省の「アルコール・ タバコ・火器及び爆発物取締局(ATF)」発行の膨大な書類が必要であり、その田にも生活や信条の調査もされるため、申請から入手までの期間は1年近くになることが多い。また、フルオート銃器を持つための資格を司法省で獲得するためには 2万5000ドル(約280万円)程度の費用がかかる。

フルオート銃器は警察官や連邦当局者、軍隊などにより広く所有されているが、一般人が持つことは極めて難しいのだ。

そのフルオートの武器がどこからもたらされたのか、どのように入手することができたのかということは興味深い。

4. 乱射の時、なぜ会場の出口が封鎖され、犠牲者たちは迷路の中のネズミのような状態に置かれたのか?


現場にいて生き残った証人たちの多くの報告は「乱射の際は、ほぼすべての出口が閉鎖されていた」ことが示されている。ある証人は、この状況を「迷路を走り回るネズミのように会場に捕らえられていた」と証言し、会場の数多くの通路が「行き止まり」とされていたことを説明した。

ほぼすべての出口が閉鎖されたのはなぜだろう?

その理由はともかく、このことがコンサート会場で死傷者を増幅させ、その場を「殺人エリア」とした本質的な理由のひとつだと思われる。

今回の乱射では、ラスベガスのクラーク郡保安官によると、現在までに 515人が負傷し、59人が死亡しているが、これらの数字は想像を絶するものであり、戦争の際の犠牲者数にも近い。報道から明らかなように、この時に人々がコンサート会場から逃げることができていれば、この衝撃的に高い死傷者数にはならなかったはずた。

この乱射の時、コンサート会場は人々を捕まえ、人々はそこに閉じ込められた状態となり、逃げることを不能にした。

そのような場で、撃ちっぱなしが可能なフルオートの銃器を人に向けて撃ち続ければ、そこにいた人たちが銃弾を避けるのは不可能だっただろう。

FOX ニュースによれば、乱射の現場で生き残ったひとりであるラッセル・ブレック(Russell Bleck)さんという男性は、「3メートルの高さの壁が立ち、私たちを塞いでいました。通路が塞がれているため私たちは逃げることができませんでした。あれは単なる虐殺だ。私たちはどこにも行くことができなかったのです」と言っていた。

さらに、射撃が始まった時にステージの照明は客席のほうに向けられ、群衆を照らした。これによって、射撃手はコンサート会場にいる人たちを標的にすることが、より簡単になったはずだ。

なぜ、コンサート会場の照明が、群衆に向けられたのだろうか。

5. なぜ犯人の部屋に10もの銃器があったのかだろうか

報道によると、スティーブン・パドック(Stephen Paddock)と呼ばれる容疑者とされる人物のホテルの部屋には、ライフルを含めて 10もの銃器が置かれていたという。

もしこの人物が犯人であり、そして犯人はこの人物ひとりであるならば、なぜそんなに多くのライフルを持っていたのか?

1人の人間が撃つことのできるライフルは常に1つだ。そして、完全なライフルを持っていた彼に、複数のライフルなどは必要ないはずだ。

そして、犯人の部屋とされる部屋の写真を見ると、豊富な銃が犯罪現場にまるで「舞台に銃を立てる」ようになっていることがわかる。これはなぜか。それに、この老人といって差し支えない人物が、どのように 10もの武器をホテルの部屋に運んだのか。

ライフルは決して軽量ではない。

6. 使われたすべての薬莢はどこに?

私が最後にライフルを撃った時……それは昨日のことだが、ライフルを発射するたびに右側から熱い薬莢が飛び出しうるさく、これをオフにする方法があればとよく思う。

ということは、容疑者スティーブン・パドックが約 10分間の乱射でフルオートのライフルを発射したとすれば、毎秒 6発の割合でその薬莢が床に積み上がるわけで、普通に考えれば、犯行現場に大量の盛り上がった薬莢がそこにある光景を見るはずだ。

1秒あたり 6発だと、1分間 60秒で 360発……。それを 10分間フルオートで撃ち続けると、約 3600発の弾薬になる。途中で射撃が中断された時があるとしても、3000発以上の弾が撃たれたと考えられる。

私が知らない方法があるのかもしれないが、普通なら 3000発の弾丸を発射した場合、ホテルの部屋の床に 3000個の薬莢が転がっていなければならない。

しかし、メディアが発表した写真に見られるように、薬莢は、ほんの少し見られだけで、まるで掃除でもされたかのように、そこにはないのだ。

下は現場のホテルの部屋の写真だ。
mb-01.jpg

イギリスのメディア「デイリーメール」は、「床には数十発の使い終えられた薬莢が床に散らばっていた」と報じていた。

数十発……。

この場所から行われたとされる射撃は数千発なのだ。

しかし、現実には、そこに「数十発」の薬莢が散らばっているという辻褄の合わないことが大々的に報じられている。

あるいは、現場の写真を撮影する前に FBI がすべての薬莢を掃除したのかもしれないが……掃除してから撮影する犯行現場写真というのがあり得るのだろうか。

また、もうひとつ不思議なことは、アメリカのすべてのホテルでは、ハンマー、特にホテルの窓を効率的に割ることのできるフルオート・ハンマーの持ち込みを禁止しているが、この射撃手は明らかにフルオート・ハンマーでホテルの窓を割っている。

7.熱い薬莢や銃が置かれたカーペットになぜ焼け焦げがないのか

私は先日、AR-15(M16自動小銃のこと)で訓練していたのだが、その際の訓練は、目標とする9つの穴を通ってから標的を撃たなければならない「鍵穴射撃(keyhole shooting)」という訓練だった。

これらの穴のいくつかは合板の底近くで切り取られている。つまり、地面に寝て穴を掘る必要がある。

愚かなことに、私はその時、長袖のシャツを着るのを忘れていた。そして、底の穴から撃つために地面に寝そべった時、私の腕の下には熱い薬莢があったのだ。

当たり前のことではあるのだが、私はこのことで腕の皮膚に深刻な火傷を負った。撃った後の薬莢はそれほど熱いものだ。

特に、フルオートライフルを発射している場合は、一部の内部部品の温度が 400℃に達する可能性がある。

400℃という温度はライフルに塗られているグリースがすべて煙となってしまうために、射撃をしたとされるホテルの部屋は、耐え難いほど煙で汚染されていたはずだ。

そのような状態の中では、ホテルの床のカーペットにも薬莢やライフルによる焼け焦げが残るのが普通だ。

しかし、現場の写真のカーペットに焼け焦げはあるだろうか。

写真のカーペットの柄そのものがその模様のようにも見え、よく判断はできないが。


8. 時間を計算すると、警察は72分応答していないのはなぜなのか?

警察を非難するつもりはない。

私は地元の警察を支持する人物でもある。

しかし、今回のラスベガスでは、乱射が起きてからラスベガスの警察が行動を取るまで 72分間かかっていたのだ。

半径 1.6キロメートルに何十人もの警察官がいる街で、フルオートライフルでの射撃事件が起きている中、72分間も応答がなかったことには問題がある。

72分? ちょっと考えられない時間だ。しかし、大量殺人での乱射を実行するためには、その時間が必要だったのだが……。

9. 本当にとても愚かな疑問だとは思うのだが……

報じられた写真には、バイポッド(銃を支える二脚の装置)を装着したライフルがミニバーの前に立っているものがある。

「 19 」という番号がふられている下の写真だ。
mb-03.jpg
これは私だけなのかもしれないが、この銃は、死亡した容疑者とされる人物と一緒に写っている銃と同じに見えるのだが。構造、部品、二脚などすべてが同じ銃に見える。

私の思い違いなのかもしれないが、少なくとも私は間違いなくそうだと思う。

シリアル番号を見ることができれば、正確に分かるのかもしれないが、それが公開されることないだろう。

10.これも最後の本当に愚かな疑問だが……

射撃がおこなわれたとされるホテルの部屋は、すべてのニュースメディアによって「狙撃兵の巣(sniper’s nest)」と呼ばれている。

しかし、私は写真をほぼ見てきたが、これらの写真にはどこにもスナイパーライフル(狙撃専用の銃)がない。

私が見たのは、5.56 mm の弾丸を 223発撃つことができる AR-15の 束だけだ。スナイパーライフルはボルトアクション方式(弾薬の装填を手動で操作する)のライフルであり、オート・ローディング(自動で断薬が装填される)ではない。

私自身は、せいぜい約 10万発の弾丸を撃った経験があるだけなので、まだ初心者だが、これらの弾丸は通常その重さは約 55グラムだ。

そして、今回の射撃手がおこなったとされる距離、つまり、マンダレーベイホテルからコンサート会場までの 400ヤード(365メートル)の目標に達する時間の間に、弾丸の運動エネルギーはその約 75%が失われる。

それに加えて、この角度では弾丸は 32インチ(80cm)下に逸れる。

射撃手に高い角度が与えられれば、弾丸の落下はそれほど劇的ではなく、20度の傾斜角の係数は 0.94となるが、しかし、400ヤードの距離では、撃たれた弾丸のエネルギーの有効性はかなり低くなっている。

写真に写っている銃 AR-15 では、ほとんど射程外といっていもいいだろう。

結論?

ラスベガスでの死傷者はすべて写真にある銃 AR-15 により撃たれたものではない可能性があるということになる。

おそらく実際には、ベルトフィード式(連射できるマシンガンなど)の AKシステムやベルト式の自動銃器などから発射されたより重い弾丸だろう。

しかし、それらの数千発の薬莢はどこに?

興味深いのは、コンサート会場周辺の道路に衝突した弾丸の弾道の詳細が公表されていないことだ。私たちが必要とするすべての証拠は、コンサート会場周辺すべてにあるが、一般の人はアクセスできない。

この事件の報じられている概要は、ギャンブルの問題を抱えている 64歳の高齢者の会計士が、非常に効果的に射撃により 58人の命を奪い、500人以上の人々を負傷させた。さほど連射のできない AR-15自動小銃でだ。

軍事訓練を1度も受けたこともない、フルオートの銃にも精通していないギャンブルマニアの高齢の男が……?

もちろん、すべては私の思い違いかもしれない。

最終更新:2017/10/15 22:14

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