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2020/06/26 21:46

ルーマニアで過去200年間で最悪の洪水が発生。しかし、その直前までは過去100年で最悪の干ばつが続いていた

2020年6月25日
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ヨーロッパのルーマニアで大洪水が発生していることが伝えられています。

報道では、「過去 200年間で最悪の洪水」と伝えられています。

冒頭の写真は、6月19日のルーマニアの報道からのものですが、6月24日の時点の報道でも洪水が続いていることが報じられていますので、大雨と洪水が長く続いているようです。

6月19日から24日のルーマニア各地の様子
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この洪水に関して、ルーマニアの報道では、「国土の半分が洪水の危機に晒されている」としており、深刻な洪水がそれほど多いわけではない同国にとっては、とても大きな災害となっているようです。

国土の半分といいますけれど、ルーマニアは決して国土面積の狭い国家といえず、以下のようにヨーロッパの中では、比較的存在感のある面積を持ちます。

ルーマニア
romania-location-2020.jpg

なお、ルーマニアと日本の面積を比較しますと、以下のようになります。

・ルーマニアの面積 約 24万平方キロメートル
・日本の面積    約 38万平方キロメートル


ここから考えますと、ルーマニアの報道の「国土の半分が洪水の影響を受けている」ということがある程度正しいとしますと、
「日本国土の3分の1ほどの大地が洪水の影響を受けている」

と考えることもでき、そのように考えますと、相当な洪水被害だといえます。

そして、この 200年で最大の洪水には「皮肉」な話がついています。実は、ルーマニアは、今年 5月までは、「過去 100年間で最悪の干ばつ被害を受けていた」のです。

以下は、ブルームバーグの記事を伝えた 5月のルーマニアの報道の冒頭です。

2020年5月20日のルーマニアの報道より

前世紀の時代を含めて最悪の干ばつが、ルーマニアと他のいくつかの東ヨーロッパ諸国に影響を与えている。

欧州東部の干ばつが東ヨーロッパの農作物を壊滅させており、この地域では共産主義の崩壊以来で経験する最悪の経済不況を招くと予想されるほど状況が悪化している。

ルーマニアとポーランドの一部の地域では、過去 100年間で最悪の干ばつであり、チェコ共和国では過去 500年間で最悪だ。 (economica.net)


この報道の約1ヶ月後、状況が一転して、ルーマニアは「過去に経験したことのないような大洪水」に見舞われ続けているのです。

干ばつは、農作に大変な影響を与えますが、大洪水も同様に農作に大変な影響を与えますので、かなり厳しい状況となっている可能性があります。

ルーマニア以外の東ヨーロッパの気象の状況は詳しくはわからないですが、地図を見ますと、周辺には小麦の一大生産地であるウクライナを含めた農業大国が多く、この地域の気象も気になるところです。

世界的に中長期での食糧供給の不安が出てきていますが、気象の異常は今や世界で全体的に広がっている感じもあり、夏までにどのようになるのかなと思います。

中国でも、過去最悪級の洪水が続いていまして、しかも、中国ではイナゴの大発生も確認されています。世界各地で農作物への懸念が拡大しています。

中国24の省で大規模な洪水 三峡ダムへの懸念が高まる

6月に入ってから、中国各地で集中豪雨による大規模な洪水が発生している。

中国当局の15日の発表では、国内24の省で850万人が被災した。

17日早朝には、中国の三峡ダムの上流にある四川省カンゼ・チベット族自治州丹巴県の発電所の施設と周辺の村が洪水で流された。これにより、三峡ダム決壊への懸念が再燃している。

中国メディアの報道によると、6月16日以降、中国南部、中部と西南部で豪雨が24時間にわたって継続的に降り続いた。

17日には、四川省の丹巴県内で13カ所以上で土砂崩れや地すべりが確認された。県内の発電量2000キロワットの梅龍発電所と発電量3200キロワットの阿娘溝発電所が、土石流によって崩壊し、一部の村が飲み込まれた。梅龍発電所の地元である梅龍溝では、大規模な堰止湖が発生した。

中国国内ネット上では、四川省などの水害で各地の小型ダムが決壊すれば、湖北省宜昌市にある三峡ダムが崩壊する可能性があるとの心配の声が上がっている。

17日、中国人のあるネットユーザーは海外のツイッターで、「宜昌市より(長江の)下流にいる市民たちは、早く逃げなさい」との中国国内専門家の警告を相次いで転載した。この専門家は、中国建築科学研究院の研究員である黄小坤氏だ。同氏は、SNS微信のグループチャットに警告を書き込んだ。

三峡ダムに詳しい中国人の水利専門家である王維洛氏は大紀元の取材に対して、「三峡ダムが崩壊すれば、(長江の中下流にある)宜昌市や湖南省岳陽市から、長江の入り江に位置する上海市まで、甚大な被害をもたらす」と強く懸念した。
(epochtimes.jp)


記事はさらに長く続きますが、日本語の記事ですので、続きは上のリンクからお読みになることができます。
さて、ここに、

「三峡ダム」

という言葉が出てきます。

これは中国最大のダムであり、さらには「世界最大のダム」でもあります。

そのような世界最大のダムでありながら、この三峡ダムには、長く「懸念」が存在しています。その懸念は、ストレートに「安全性の問題」なのです。

仮に、この三峡ダムが決壊するようなことがあった場合、どのようなことが想定されているかといいますと、最も穏やかな表現としての Wikipedia から抜粋しますと、以下のように記されています。

三峡ダム - Wikipedia より抜粋

ダム決壊の危機

2019年、中国国内のダム専門家がGoogle earthで2009年に撮影したダムの基礎部分の写真と2018年に撮影した写真を比較した際「2009年にはダムの基礎部分はまっすぐな直線になっているが、2018年には数ヶ所が湾曲している」と発表したことで、三峡ダムに決壊の危機が迫っているとする声が高まった。

中国当局はこの指摘に対して事実を否定している。

なお、万が一決壊した場合は上海市や武漢市などの下流域の大都市に大きな被害をもたらし、中国経済に大ダメージを与えるとともに、中国国内の電力供給がストップすることで大規模な停電を引き起こす可能性がある。(Wikipedia)


というようなことが懸念されています。

この記述に、

> 2009年にはダムの基礎部分はまっすぐな直線になっているが、2018年には数ヶ所が湾曲している

とありますが、写真で比較しますと、以下のようになります。

2009年2018年の三峡ダムの衛星写真の比較
sankyo-dum-2019abc.jpg

明らかに「ダムの基礎部分が激しく湾曲している」ことがわかりますが、このことが判明した 2019年時点で、懸念とされていたのですけれど、そこに今回の、

「中国の観測史上最大級の洪水が押し寄せている」

ということなんです。

仮に、三峡ダムが決壊した場合の「影響の範囲」ですが、シンガポールにある南洋理工大学のハリー・チェン教授は、SNS に以下の地図を投稿していました。

三峡ダムが決壊した場合の影響があると予測される範囲
dum-collapde-map02.jpg

日本列島がそのまま入るような範囲に渡る大変に大規模な洪水災害となる可能性があるようで、想像していたものをはるかに超えた災害になる可能性があることを知りました。

そして、現実として、「すでに三峡ダムの水位は、警戒水位を大幅に超えている」のです。

以下は、6月23日のエポックタイムズの記事からです。

重慶市「史上最大規模の洪水」を警告 三峡ダムは警戒水位2m超

中国四川省重慶市の水利当局は6月22日午前11時50分、危険度の最も高い「洪水紅色警報」を出した。市は豪雨や長江水系の河川であるピン江(きこう)の上流側での急激な増水により、重慶市のピンインの部分で、今後8時間以内に「史上最大規模の洪水」に見舞われると警告した。

中国メディアによると、1940年に設置された重慶市水文監測総站が「洪水紅色警報」を発令したのは、開設以来初めてのことだ。

市内江津区の水位は、警戒線より5.7メートルから6.3メートル上回ると予測した。市民4万人が避難したという。

中国水利省の最新発表では、全国各地の198本の河川の水位が警戒線を超え、洪水が発生した。

一方、中国国営中央テレビと中国紙・北京青年報は21日、湖北省宜昌市の三峡ダムの水位が引き続き上昇していると報道した。
長江上流での豪雨の影響で、21日までに、同ダムの水位が147メートル上昇した。

三峡ダムを運営する三峡集団によれば、ダムの洪水防止最高警戒水位は144.99メートル。現状では、警戒水位を2メートル以上超えた。

中国中央気象台によると22日、22日から25日にかけて、長江中下流の地域では引き続き大雨になると予想される。 (epochtimes.jp)


このように、現在の三峡ダムは、警戒水位を 2メートル以上超えている上に、今後さらに、今まで以上の量の大雨が降るという予測がなされています。

たとえば、20世紀最大の自然災害は、この長江の洪水によるものでした。

1931年中国大洪水

1931年中国大洪水は中国で起きた一連の洪水である。

この洪水は記録が残る中で最悪の自然災害の一つと一般にみられており、また疫病と飢饉を除いて、20世紀最悪の自然災害であることはほぼ確実である。

推定死者数は、14万5000人とするものから、400万人とするものまである。 (Wikipedia)


そして、現時点の洪水に対して、「史上最悪の洪水」だと中国当局から警告されているわけでして、ダムの決壊等がなくても、大きな被害が発生する可能性が高くなっているところに「三峡ダムの問題」があるということになります。

三峡ダムが決壊した場合に影響を受ける人口はよくわからないですが、先ほどの地図で示しました大都市である武漢(人口 1100万人)と南京(人口850万人)、そして上海(人口 2500万人)だけでも、数千万人という人口になるわけで、影響というだけなら、億単位となることは避けられなさそうです。

中国では他にもいろいろ起きていまして、以下の記事など、何度かふれていますイナゴ (サバクトビバッタ)ですけれど、「中国でもイナゴの大群が発生した」ようなのです。ただし、中国で発生したこのイナゴは、サバクトビバッタではないです。

以下は、6月12日のエポックタイムズの記事です。

中国、吉林省・黒龍江省でイナゴ発生 食糧危機の恐れ

新型コロナウイルスの感染者が増えている中国東北部では、6月に入ってから、イナゴの大群が発生し、農作物の被害が広がっていることが明らかになった。

東北部は中国の主要食糧生産地である。パンデミックで食糧の輸入が激減し、また、中国各地では異常気象が起きており、今後国内で食糧不足が発生する可能性が高いとみられる。

黒龍江省林草局は、6月1日に各関係部門に送った通知において、同省ハルビン市周辺の5つの区、県で深刻な蝗害が発生し、面積約244万2744平方メートルの農作物が被害を受けたと明らかにした。

また、吉林省吉林市農業農村局も6月5日、各部門にイナゴなどの害虫調査実施や被害防止強化を要求した。同局の通達によると、4日までに吉林市管轄下の蛟河市、樺甸市、永吉県、龍潭区などの荒れ地や林を含む13.4ヘクタールに及ぶ場所で蝗の群れが観測された。

イナゴの密度は、1平方メートルあたり10〜20匹だが、場合によって1平方メートルあたり50匹もいる。現在、イナゴの状態はまだ幼虫だという。 (epochtimes.jp)


この記事では、

> イナゴの状態はまだ幼虫

とありますので、イナゴの発生が本格化するのは、夏になるこれからのようです。

この中国東北部は、今回の大雨や洪水の影響は受けていないと思われますが、皮肉なことに「洪水被害が避けられたために、イナゴの幼虫も守られている」という結果となりつつあるのかもしれません。

パンデミックに引き続いて、この夏は、気象の不安定さも人類社会への不安を拡大させる要素となっていくかもしれません。

最終更新:2020/06/26 21:46

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