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2020/06/07 20:17

ロシアで変異したマダニが人々を襲っていると科学アカデミーが発表。すでに4000人以上の子どもたちが病院に搬送され、噛まれたうちの36%がライム病に

2020年6月3日
tick-invasion-russia2020.jpg

ロシアのシベリア地方の各地で、「変異したマダニ」に市民が次々と被害に遭っていることが、ロシアのテレビ報道で伝えられています。

被害が拡大している中、ロシア科学アカデミー・シベリア支部の専門家たちが調査したところ、シベリア西部で、「ダニの新種」を発見し、これが大変危険なものである可能性があると伝えられています。

以下が発見された新種のダニで、攻撃性も行動期間も強力化しているそうです。

russian-ticks-003.jpg

この時点で、たとえば、シベリア・ノボシビルスク地域では「異常に活動的な」ダニに噛まれ、医療支援を求める人々が 150%増加していたそうです。

シベリア・ウラル地方にあるスヴェルドロフスクでは、これまで、 1万7242人がダニに噛まれており、そのうち 4334人が子どもだと報告されています。

その中の 22人が「脳炎」の疑いで入院しているとも伝えられます。

また、噛まれた人たちのうちの 36%が、マダニが媒介する人獣共通の細菌スピロヘータによる感染症である「ライム病」にかかっていました。

このマダニの変異について、ロシア化学生物学・基礎医学研究所の研究室長であるニーナ・ティクノバ博士は以下のように述べています。

「ノボシビルスクとトムスク近郊で、マダニの種間雑種の個体が多数発見され、そして、それらは多産の子孫を形成していることがわかりました。このハイブリッドは、両方の親種の特性を獲得しており、活動できる期間が以前より長くなっています」

取材に答えるニーナ・ティクノバ博士
russia-tick-scientist002.jpg

ティクノバ博士によると、最も大きな問題は、この新種のマダニは、両方の親種のマダニが持っている感染性病原体を伝染させることができることだとしていまして、「人間にとって危険です」と博士は述べています。

日本でも、マダニでの被害は近年報告されていまして、マダニに噛まれることで起きる感染症である「重症熱性血小板減少症候群( SFTS )」の報告が増えています。

血小板の減少などには、「免疫グロブリン製剤」というものを使うことがあるらしいのですが、現在、ロシアの多くの都市で、急激にマダニでの被害が増加しているために、「子どもの患者たちを治療するための十分な免疫グロブリン製剤の在庫がない」と報道は伝えています。

特に、ハバロフスク地方では、免疫グロブリン製剤と脳炎ワクチンが完全に枯渇しているそうです。免疫グロブリン製剤の新しい搬入は 7月になると予想されていまして、そのため、ハバロフスク地方では、人々に「マダニのいるような場所に行かず、できるだけ屋内に止まるように」と警告しています。

ロシアは、新型コロナウイルスでも 40万人以上の感染者が出ていまして、最近まで多くの都市でロックダウン対策がとられていました。そのため、多くの人があまり屋外には出ていなかったと思われるのに、マダニでの被害が急激に増加しているというのは印象的です。

ウイルスそのものにしても、感染症を媒介する昆虫などにしても、どんどん変異していきますね。

最終更新:2020/06/07 20:17

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