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記事詳細

2020/05/22 20:50

コロナウイルス下の世界の光景と現実をもはや呆然と眺める

1962年にイタリアの新聞に掲載された「2020年の生活」と題されたイラスト
life-in-2020.jpg

たった3ヶ月で地球全域を覆い尽くした「非日常」

冒頭の「すべての人たちが透明のポッドに入って生活している光景」を描いたイラストは今から 58年前の 1962年にイタリアの週刊新聞に掲載されていたものだそうです。

基本的には単なる「未来の光景」として描かれたものなのでしょうけれど、この「 2020年」というキーワードと、「隔離」というキーワードが融合した実に見事な作品であるようにも思います。

ちなみに、以下の写真は、5月上旬に撮影されたドイツの「レストラン」の様子です。このお店は、すべてこのように「ひとつのグループずつポッドで囲む」という隔離政策を行っています。

germany-mise-2020.jpg

個人的には、数日前くらいから、何となく虚脱感が漂うにようにもなっていまして、少し前までは、現在の各国の対策、つまりロックダウンとか自粛とかですけれど、そういうものを強く否定することに対してのエネルギーがあったのですけれど、最近の世界のデータを眺めていますと、「人々はロックダウンされたがっている」ようなんです。

たとえば、以下は、イギリスでおこなわれた世論調査の結果を報じたものです。

英国の世論調査を報じる5月10日のサンの記事
corona-locked-forever.jpg

以下のような記事でした。

「封鎖を続けろ」 イギリス人の90%が新型コロナウイルスのロックダウンを緩和することを望んでいないというショッキングな世論調査の結果が見出される
90% of Brits do not want Boris Johnson to ease coronavirus lockdown, shock poll finds
The Sun 2020/05/09

イギリス人の 10人に 9人が、ロックダウンの緩和をしてほしくないと思っていることが世論調査で明らかとなった。ほとんどのイギリス人が、コロナウイルスのリスクを回避するために、今後も家に閉じ込められることに不満はないという。

すでに英国は、7週間の行動制限が課せられているにもかかわらず、調査では、全面的にビジネスが再開されることを望んでいる人たちは全体の 4%だけだった。

圧倒的多数のイギリス人たちは、彼らのビジネスを犠牲にする可能性のある経済的な崩壊よりも、新型コロナウイルス感染の第二波を恐れている。

全体の 3分の 1以上の人たちが、ウイルスが根絶されるまで、政府が、国民全員に家にいるように命じることを望んでいる。

この制限期間が長すぎると考えているのは 50人に 1人だけだった。今週( 5月第1週)からロックダウンを徐々に解除することを支持している人たは、全体のわずか 4%だった。

しかし同時に、イギリス人の 10名中 8名がロックダウンがさらに長引くことが、英国の経済を破壊し、自分たちの生活に悲惨な結果をもたらすのではないかと心配していることも示している。

damages-economy-uk2020.jpg

記事は、まだ長く続きますが、調査で示された数値はそのようなものでした。

ビジネスの関係でいえば、具体的な数値としては、以下のようになっていました。

ロックダウンによる仕事と収入の影響をどのように考えていますか?

・解雇やレイオフをされても自宅で待機していたい 50%
・自分の仕事や会社にリスクが生じるようなら、仕事に戻りたい 25%
・今後長く経済に深刻な影響が出るため、すぐに仕事に戻りたい 11%
・考えたことがない 13%


このようになっていまして、比較的多くのイギリスの人は、「新型コロナウイルによるロックダウンの影響は、少なくとも自分に対してはそんなに深刻にはならないだろう」と考えているようです。

そして、多くの英国の人たちは、「新型コロナウイルスの流行が収束するまでロックダウンが続いてもいい」と考えているというような数値となっているのですね。

「へえ」と思いましたけれど、これが世論なのでしたら、民主主義的に、ロックダウンのほうが正しい政策ということになるようです。

より多くの人がそれを望んでいるというのなら、外部の人間がどうこう言う話ではなのかもしれません。「人間って不思議だな」とも思いますけれど、まあ、逸れた話となりますので、詳しくふれないですけれど、この精神状態は、いわゆる「ストックホルム症候群」の生存本能のメカニズムと少し似ているのかなとも思います。

ストックホルム症候群は、いろいろと説明されますけれど、要は、「極限状態での生存本能」としてのメンタルのメカニズムです。

ストックホルム症候群

犯人と人質が閉鎖空間で長時間非日常的体験を共有したことにより高いレベルで共感し、犯人達の心情や事件を起こさざるを得ない理由を聞くとそれに同情したりして、人質が犯人に信頼や愛情を感じるようになる。

ストックホルム症候群は恐怖と生存本能に基づく自己欺瞞的心理操作(セルフ・マインドコントロール)であるため、通常は、人質解放後には、犯人に対する好意は憎悪へと変化する。 (Wikipedia)


現在のイギリスでは、それほど経済の先行きに対して悲観していない人たちが多いようですが、たとえば、アメリカでは以下のような状態となっているわけでして、同じようなことが他の多くの国で次第に明らかになるのではないでしょうか。

世界の出来1439 すでに大恐慌など目ではない惨状

仕事に戻れないアメリカ人の数は7000万人以上に

日々、ニュースにふれるたびに「この莫大な犠牲は何のためだった?」と思わざるを得ないような報道が続きます。

冒頭のグラフは、5月8日に発表されたアメリカの「人口比の雇用状況」で、現在、アメリカでは、一時的な解雇を含む「仕事をしていない状態」の人たちの率が 51%に達しているとバンク・オブ・アメリカが発表したことが報じられていました。

アメリカの就労人口は、約 1億5000万人程度ですが、その半数にあたる人々が仕事を失ったか、仕事に戻ることができない状態が続いているようです。

5月8日に発表されたアメリカの雇用統計による公式の速報値では、4月の失業率は、14%で、2050万人が 4月に仕事を失ったとされています。

・米失業率、戦後最悪の14% 4月の就業者2050万人減 (日本経済新聞)

この 2050万人は大きな数値ですけれど、その前日に米ブルームバーグが報じているところでは、

「新規失業保険申請件数は7週連続で 300万件超え、合計3350万件」

ということで、すでにアメリカには、3000万人を大きく超える失業者が出ているようでして、今回の雇用統計の数値も修正されると思われ、次の雇用統計は、さらに大きな失業率を示すと考えられます。

アメリカでも、この 14%という失業率は疑問視されているようで、ロイターは以下のように報じていました。

米雇用統計、実体過小評価か 失業率23%も=ミネアポリス連銀総裁

米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は7日、労働省が8日に発表する4月の雇用統計について、多くの人が積極的に職探しをできていないことを踏まえると、実体が過小評価される可能性があるとの考えを示した。

カシュカリ総裁はNBCの番組「トゥデイ」のインタビューで、4月の雇用統計について、失業率は17%まで上昇する可能性があるが、実際の失業率は最悪の場合23%まで高まっている恐れがあると指摘。「悪化が予想されている明日の雇用統計は、新型コロナウイルス感染拡大による被害の大きさを過小評価している可能性がある」と述べた。(ロイター)


先ほどのバンク・オブ・アメリカの発表したように「全体の 51.3%が仕事をしていない」状態だということは、失業保険を申請した 3350万人と同じほどの数のアメリカの人たちが、レイオフ(一時解雇)の状態となっていると見られ、そして「その人たちがまた仕事に戻ることができるか」どうかは、職種によってはかなり難しいものとなりそうです。

今後、時間の経過と共に、「アメリカの失業者は、5000万人を超えてきても不思議ではない」と言えるのではないかと思われます。

アメリカだけではなく、どの国にしても「経済のV字回復の可能性はない」ですので、仮にいつか復活したとしても、相当な時間がかかるものとなってしまうのかもしれません。

なお、この失業やレイオフの数値などから、米ブルームバーグの経済分析チームは、

「この失業状況は、アメリカの四半期 GDP が実質約 40% 縮小するモデリングと一致する」と報告しています。

なお、今回のアメリカで影響を受けている業種に関しては、当初は、観光、飲食、レジャーなどのセクターに集中していましたが、その後、ほぼすべての職種に広がっています。

5月8日の時点で、おおむね以下のようになっていると報じられています。

アメリカの職種別の失業数
・レジャーと娯楽産業: 失業数 765万3000人
・教育および医療サービス: 失業数 250万3000人
・小売業: 失業数 210万6900人
・専門サービス等: 失業数 212万8000人
・ヘルスケアと社会支援業: 失業数 208万6900人
・製造: 失業数 133万人
・建設: 失業数 97万5,000人
・情報: 失業数 25万4000人
・金融: 失業数 26万2000人
・輸送および倉庫: 失業数 58万4100人


そういえば、このイギリスでは、ロックダウンの影響なのか、「新型コロナウイルスとは関係のない過剰死亡」が起きていることが報じられています。

3月から4月の英国での新型コロナ以外での死者数(平年との比較数)
non-corona-uk2020.jpg

2020年4月3日-4月24日の英国の死亡者数
・2020年4月 総計 7万9251人
・平年の同時期 総計 4万1780人
(平年との差異は +3万7471人)
・この差異中、新型コロナによる死亡者 2万6683人
・この差異中、新型コロナではない死者 1万788人


このようなことが起きているにも関わらず、英国では、政府も国民もこのロックダウンのさらなる延長を望んでいるということで、このような数値は今後さらに増加していくと思われます。

5月に入ってからは、統計などを含めて「非現実的なもの」を多く目にするようになってきました。

そのようなものを少しご紹介させていただこうかと思いますが、これらのような数値でさえ、「今はまだほんの始まりに過ぎない時期である」ということを考えますと、すさまじい世界が先に待っていそうです。

来たるべく世界を示すいくつかの数値

まずは、アメリカのクレジットカードのローン支払い状況です。

まだロックダウンが始まったばかりの 3月で、以下のようになっています。

米国のクレジットカードの支払い状況
revolving-credit-march2020.jpg

この十数年、アメリカ人たちは「借金をどんどん増やして」きました。

以下は、アメリカの学生ローンの推移と、自動車ローンの推移です。

特に、学生ローンは 2006年から 4倍となっていて、このようなすごい状況の渦中で、新型コロナウイルスのパンデミックが発生したのです。

sutdent-loans-march2020.jpg

大量の失業者(現時点で 3600万人)がアメリカではすでに出ていますが、大学をやめざるを得ない人も今後急速に増えそうです。

それと、過去 120年ほどの「アメリカの債務の急激な増加」もすさまじいものがあります。

us-national-debt2020.jpg

そして、この後の 2020年4月に「アメリカ政府の過去最大の支出」がありました。

us-govt-spending.jpg

このような中で、投資家たちは、アメリカ国債を過去最大に売り越しています。

2020-tsy05-15.jpg

このアメリカの「異様な数値」に見られるような影響は主要国のほぼ全体に広がっているはずで、そして、主要国は、すでに昨年 2019年の時点で、以下の記事で取りあげましたように「債務の限界」に達していました。

Global Debt Is Up To $188,000,000,000,000 - This Is Officially The Biggest Debt Bubble The World Has Ever Seen
TMIN 2019/11/07
全世界の債務が188兆ドルを超え、世界はかつて一度も経験したことのない史上最大の債務バブルに突入した

世界の負債は現在 188兆ドル(2京円)にのぼっている。

そして、その額は、毎年急速に増加し続けている。

世界には、このようなシステムが、どのように機能するかさえ考えない人たちも多いと思われるが、これこそは、私たちの日常に深く潜伏している奴隷的制度のひとつの形態といえる。多くの人たちが、この債務から自由になることはできない。

債務の借り手は貸し手に縛られており、現在の世界の金融システムは、可能な限りの多くの富を上位 0.1%の裕福層に集中させるようになされている。

もちろん、人類の歴史を通じて見れば、奴隷制は常に存在してきた。その動機は、奴隷化された人々から経済的な利益を引き出すことだった。

現代の私たちのほとんどは、自分自身が奴隷的な存在であるとは考えることはない、しかし現実には、世界のエリートたちは、これまで以上に私たち全員から、より多くの富を引き出している。

私たちの労働の多くはエリートたちをさらに裕福にしているが、それでも、ほとんどの人は何が起こっているのかを理解していないように思える。

たとえば、以下のような例を考えてみてほしい。

クレジットカードの借金があり、毎月少額の支払いしか行わない場合(日本でのリボ払い)は、結果的に、最初に借りた金額の 2倍以上を返済することになる可能性があることはご存じだと思われる。

そのお金はどこに行くのだろうか。

もちろん、それは、クレジットカードを発行した金融機関に送られるが、それらの金融機関は世界的エリートたちによって所有されている。

つまり、クレジットカードによる借金をする選択をしたときから、人々は自ら進んで借金の奴隷と化しているということになるのだ。そして、利子をつけてその借金を返済するために働き、苦労をする。

その苦労は結果的にエリートたちを裕福にし続ける。

もっと大きな規模では、同じことが国家全体に起こっている。

今日、アメリカ政府の借金は約 23兆ドル(2500兆円)だ。この時点で、本質的に、私たちアメリカに暮らす者たちは、集合的に奴隷化されているわけであり、これらの債務をすべて利子つきで返済する義務があるのだ。

現時点でアメリカ政府が、すべての負債を返済することは文字通り不可能であり、それなのに、毎年、さらに 1兆ドル(110兆円)ほどの債務を上乗せし続けている。

世界のエリートたちは、これらの債務から年間 5,000億ドル(55兆円)以上の利子を引き出しているが、今後数年でその額はさらに大幅に増加することが予想されている。

アメリカの連邦準備制度と連邦所得税の両方が 1913年に制定されたのは偶然ではない。連邦準備制度は、連邦政府に可能な限り多くの債務をもたらす無限の債務スパイラルを作り出すために作られた。

その時点から現在に至るまで、アメリカの国債の規模は 7000倍以上になった。

そして、連邦所得税は、私たちの富を政府に移し、このすべての債務を返済するメカニズムとして必要だったのだ。

これは本当に深く陰湿なシステムであると言えるもので、本来は、アメリカ人たちは、このような制度を閉鎖させることを良しとしない政治家たちを支援することを拒否するべきだが、現時点でもなお、このアメリカの債務の問題は、この国の主要な政治問題ですらないのが現実だ。

これはもちろん、アメリカだけの問題ではない。どういうわけか、事実上、地球全体の中央銀行が、債務を軸にした道を進むことを確信しているのだ。

実際、現時点で、世界の人々の 99.9%が中央銀行を持つ国に住んでいる。

現時点で中央銀行を持たない国家は以下の 9つの国だけだ。

・アンドラ
・マン島
・モナコ
・ナウル
・キリバス
・ツバル
・パラオ
・マーシャル諸島
・ミクロネシア連邦

これら 9か国すべての人口を合わせても、全世界の人口の 0.1%に及ばない。

世界の 99.9%以上が、中央銀行のある中で生きているということは単なる偶然なのだろうか。

そうではない。

世界のエリートたちは、基本的に、人類が自由であることを望んでいない。私たちが彼らをより豊かにするために、できるだけ多くの借金をすることを望んでいる。

これがどれだけひどい偽装の中にあるかを理解すると、多くのことかわかりやすくなる。

システムの仕組みを理解している人たちにとって、世界の負債総額が、過去最高の 188兆ドルを記録したことは驚くことではないはずだ。

IMFのゲオルギエバ専務理事は、11月7日に、世界の債務が、全世界の GDP の 2倍以上に相当する史上最高の記録に達したと述べた。民間部門の借入が全体の大部分を占めているが、経済が減速すると、政府や個人がリスクにさらされると専務理事は述べている。

公的および私的の両方の世界的な負債は、過去最高の 188兆ドル( 2京円)に達しており、これは、全世界の GDP の 230%に相当する。

世界の債務の額は 2016年以降 24兆ドル( 2600兆円)増加しており、世界がこれまで経験したことのない史上最大の債務バブルになっている。

当然、この債務バブルは、ある時点で壮大な規模の世界的な災害となる形で破裂するだろうが、それまでの間、世界のエリートたちは可能な限り私たち全員から搾取し続けるだろう。

アメリカでは、前回の金融危機以来、建国以来史上最大の債務が作られている。政府の債務は 2倍以上になり、州および地方政府の債務は国のほとんどにおいて、とんでもない割合に膨らんでいる。

アメリカの企業債務も 2倍になった。アメリカの学生ローンの債務は 2倍以上になった。

自動車ローンの債務は過去最高を記録し続けており、アメリカの消費者たちは、今では 14兆ドル(1500兆円)の借金を持つ。

私たちの負債の山は非常に巨大になったため、この状態を維持するためには、さらに多くのお金を借りるしかなくなっている。その中で、私たちの「自由」の状況はさらに悪化することは避けられない。

そこから逃れる術はほとんどないのだ。


世界債務、過去最大の2京円に IMF
日本経済新聞 2019/11/08
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は7日、ワシントンで講演し、世界の公的部門と民間部門の債務が計188兆ドル(約2京円)と過去最大を更新したと明らかにした。
これは世界の国内総生産(GDP)の約2.3倍に当たる。債務の持続性や透明性の確保がより必要だと指摘し、リスク管理を強化するよう訴えた。

こういう数字やデータの多くが、「ロックダウンが本格化する前のもの」であるということを考えると、先行きは相当すごいことになりそうです。

そして、先ほどのアメリカの「クレジットカードの破綻の状況」を見ていますと、影響が及ばない業種はほぼないのではないかとも思います。

それは以下の記事でもふれています。

世界の出来1430 ハイパーインフレーション預金封鎖。

最終更新:2020/05/24 15:17

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