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2019/12/09 14:42

破局の手前 2014年ウクライナ騒乱を率いたネオナチ集団が香港デモ隊と合流。そして、その背後に共通する「プロビデンスの目」

2019年12月01日 香港に到着したウクライナの極右活動家による投稿
ukraine-hong-kong2019.jpg

香港に迫りつつあるかもしれない重大な局面

混乱の渦中にある香港ですが、この香港の現場に、「ウクライナの極右活動家たちが結集している」ことがアメリカやロシアのメディアで伝えられていました。

報道によれば、極右活動家というより、彼らは 2014年のウクライナのクーデター(2014年ウクライナ騒乱)を主導したネオナチの軍人(民兵)のようなんです。

香港に到着したウクライナの極右集団「名誉」の構成員
ukrainian-rw-2019.jpg

この人たちの SNS を見ますと、ウクライナの訓練では「完全に武装」している兵士たちのようで、自動小銃や重火器を持つ姿がインスタグラムやフェイスブックに投稿されています。

インスタグラムより
ukrane-m16-2019.jpg

この自動小銃を持っている男性が、組織を率いているセリ・フィリモノフという人だと思われますが、これからご紹介するロシアの報道記事に何度も名前が出てきます。

しかも彼らは、報道によれば、ジャーナリストだと偽って入国しており、報道関係者だけが持つことができる「プレスパス」を所持していることが、彼ら自らのフェイスブックへの投稿で明らかとなっています。

取得したプレスパスをカメラに向ける活動家の一人
press-pass-hk2019.jpg

プレスパスがあるのなら、基本的にどのような場所でも自由に移動することができるはずです。

この人たちは「いったい何のために香港に?」とは思います。

アメリカでもロシアでも報じられていますが、ロシアのメディアからご紹介します。

Why Are Ukrainian Neo-Nazis Joining the Hong Kong Protests?
sputniknews.com 2019/12/02

なぜウクライナのネオナチ集団が香港の抗議活動に参加しているのか

香港で続く抗議活動に、ウクライナの著名なネオナチ集団が加わっていることがわかった。

2014年のクーデター(2014年ウクライナ騒乱)で、抗議活動を組織化したウクライナの極右グループの指導者たちは最近、香港の抗議デモに参加するために香港に渡った。

彼らは、「名誉 ( Honor あるいは Gonor)」と呼ばれる極右グループで、彼らが香港に渡った理由は不明だが、2014年のウクライナのクーデターと、香港での現在の抗議活動の両方が事実上、アメリカ CIA が生み出した全米民主主義基金からの支援で行われたことと関係するのかもしれない。

「名誉」のセリ・フィリモノフは、12月1日、「香港の人たちは私たちを身内として歓迎してくれた」とフェイスブックに投稿し、他の極右メンバーとの写真を投稿した。

フィリモノフはかつてウクライナの超民族主義組織「アゾフ大隊(Azov Battalion)」の支援グループである「アゾフ市民革命(Azov Civilian Corps)」のリーダーだった。

フィリモノフの別の投稿では、「香港の自由のために戦おう!」とし、香港のデモ参加者たちと一緒にポーズをとった写真を載せた。

この時に投稿された動画には、このグループの他のメンバーも映っており、その中には、かつてアゾフ大隊に属していたイホル・マリアール(首に「勝利またはヴァルハラ」という意味のタトゥーを施している)や、ウクライナの右翼組織オデッサ・セクションを率いたセルヒイ・ステルネンコが含まれる。

セルヒイ・ステルネンコは、2014年5月2日に、ウクライナの貿易連合ビルに放火した。この火事で 42名が死亡し、数百名が負傷した。

ステルネンコはまた、2014年ウクライナ騒乱の数カ月後に、ウクライナ政府の元役人を襲撃するギャング組織を結成している。

投稿された写真や動画に映っている男性たちのうちの何人かは、2015年にフィリモノフによって設立された極右組織「名誉」のシンボルのタトゥーを入れている。この組織のシンボルは、トライデント、三本の短剣、スワスティカなどだ。

また、メンバーの男性たちは、香港理工大学の前で写真を撮影した。香港理工大学では、警察とデモ参加者が 2週間にわたり激しく対立し、1,000人以上の学生が拘束され、ガソリン爆弾や爆発物を含む数千の武器が押収された。

ウクライナの極右活動家たちは、自分たちを「フリー香港センター」(Free Hong Kong Center)と呼び、現在の香港の抗議活動と 2014年のウクライナの抗議行動とには強い結びつきがあるとフェイブック上で述べている。

また、彼らは、「自分たちは今はウクライナのアゾフ大隊とは関係なく、単なる一活動家だ」と記している。

これらの「単なる活動家」たちが香港で何をしているのかは明確ではない。

2014年のウクライナのクーデター前の 3年間、米国 CIA が支援する全米民主主義基金(NED)は、ウクライナでの政権交代の取り組みに 1400万ドル( 15億円)を投じた。そして、1990年半ば以降、香港が中国に返還される前に、全米民主主義基金は香港で反北京の態度を培ってきた。

ここから、フィリモノフと極右組織のメンバーたちが、全米民主主義基金の要請に応じているのか、それとも単なる抗議旅行の一部であるのかは、容易に推測できるだろう。

ここまでです。

この記事にある「アメリカが背後に」というようなニュアンスからは、陰謀論的な雰囲気もあるのですけれど、他の記事、たとえば米国ゼロヘッジなどでも、上の記事に出てきましたウクライナの極右団体である「アゾフ大隊」という組織もアメリカ政府の援助を受けているというようにあります。

なんというか、

「今の香港を 2014年のウクライナのようにしたい」

というような思惑でもあるのですかね。

2014年ウクライナ騒乱というのは、Wikipedia の冒頭は以下のような説明となっていますが、騒乱というよりは、クーデターです。

2014年ウクライナ騒乱 - Wikipedia

2014年ウクライナ騒乱は、2014年2月にウクライナ(主に首都キエフ)で発生した一連の抗議活動である。これをきっかけに当時のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が失脚し、ロシアに亡命した。


この時のキエフの様子は「まさに地獄」でして記事で取りあげたことがあります。

この時のウクライナのデモ隊は、警察や治安部隊に対抗するために、次々とタイヤに火をつけて放ち、その炎の中から投石や銃撃を繰り返しました。

抗議デモではなく、あからさまな戦争でした。

2014年1月25日 ウクライナ・キエフにて
nt-ukraine.jpg
2014年1月25日のニューヨーク・タイムズより。

boston-ukraine.jpg
2014年1月24日の Boston.com より。

デモ隊も警官隊も、次々と衣服に火が燃え移り、中には自分に火が燃え移ったことに気づかずに投石を続けている人たちもいました。

燃え尽きた後には下のように廃墟化した街が広がります。
bp6.jpg
2014年1月24日の Boston.com より。

上の記事を読んでいて、今回のことと関係する「あること」を思い出しました。

今回の記事に出てきた3つの国、すなわち、

・中国
・ウクライナ
・アメリカ


には「ひとつの共通点」があることを思い出したのです。

それは「お金」なんです。アメリカの現行のドル紙幣と、ウクライナのかつての紙幣、そして中国の金貨には「プロビデンスの目」が描かれているのです。

プロビデンスの目とは、 Wikipedia 的には「目が描かれたキリスト教における意匠で、神の全能の目を意味する」というものですが、一般的には、フリーメーソンのイメージとして認識されているものかもしれません。

以下がそれぞれのお金に描かれたプロビデンスの目です。

2006年までウクライナで使われていた500フリヴニャ紙幣
ukrane-bill-500b.jpg

アメリカの1ドル紙幣
dol-one-2019.jpg

中国人民銀行が 2000年に発行した記念金貨
ch-2000-1b.jpg

この3つの国は、「プロビデンスの目」がお金に刻まれていることで共通しているのですね。

直接的には、秘密結社(あるいは友愛結社)のフリーメーソンのシンボルであることが広く知られています。このことについては、 Wikipedia にも、「フリーメイソンリーが用いるシンボルの一つ、プロビデンスの目」として下の図柄が紹介されています。

Masonic-Eye-Of-Providence.gif

また、下は、1796年に描かれた絵で、ボストンのユニオン・ロッジにあるもの。

boston-lodge.jpg

それにしても、「プロビデンスの目」と言われても私は何のことかわかりませんでしたので、こちらも Wikipedia を見てみますと、

プロビデンスの目とは、目を描いた意匠。プロビデンスはキリスト教の摂理という意味で、神の全能の目を意味する。

光背や、三位一体の象徴である三角形としばしば組み合わせて用いられる。

※注意キリスト教三位一体ではなく悪魔の三位一体の意味


とのこと。

そういうこともあり、この「目のシンボル」自体は、たまにいわれる「悪魔的」なものとは一応違うというような歴史的な背景はありそうで、そのためか、わりと気楽にこのシンボルは使われています。

プロビデンスの目があしらわれたデザイン

ドイツのアーヘン大聖堂(文化遺産)
a-hen.jpg

ポーランドのザモシチ・カトリック教会
poland.jpg

アメリカ合衆国の国章の裏面
Great_Seal_of_the_United_State.jpg

なお、アメリカは昔から国章にプロビデンスの目を好んで使っていたようで、下のは 1782年にデザインされたものです。

1782年のアメリカ合衆国の国章
barton-great-seal-design-1782.jpg

米国ユタ州ソルトレイクシティのモルモン教寺院の入り口
saltlake-temple.jpg

世界中の様々なもののデザインに、この「プロビデンスの目」が、国家、宗教の宗派などと関係なく、幅広く使われています。

中国の100元紙幣の以下の白丸の部分を拡大しますと、このような紋様が描かれているのですね。

中国の100元紙幣
ch-cat-2019.jpg

何か他の意味のあるデザインなのでしょうけれど、何度も見ましても、

「フクロウ「悪魔」にひれ伏しているふたりの人間」

の構図にしか見えないのです。

まあしかし、このフクロウのほうはともかく、「中国」「ウクライナ」「アメリカ」は、確かにプロビデンスの目でつながるわけで、「そういう場所で起きようとしている何か」は気になりますね。

あまり過激化の方向へ向かわなければいいのですけれど、2014年のウクライナに騒乱をもたらした人たちが来ていることを考えますと、この先どうなることかと思います。


最終更新:2019/12/09 14:42

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