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記事詳細

2019/07/22 23:37

米ノースカロライナ州沿岸の海底の広い範囲からメタンガスが噴出していることがアメリカ海洋大気庁により確認される

2019年7月22日NOAA (アメリカ海洋大気庁)のウェブサイトより
methan-bodie-island02.jpg

アメリカ東部ノースカロライナ州の沖で、「メタンガスが海底から噴出し続けている広い場所」があることが、NOAA (アメリカ海洋大気庁)の海洋の探査によって明らかとなりました。

NOAA のウェブサイトによれば、メタンガスの噴出が発見されたのは、ノースカロライナ州沿岸のボディー島付近の沖合で、約 400メートルの深さの海底からの噴出がわかったのだそうです。

ボディー島の場所
bodie-island-map2019.jpg

NOAA によれば、このように 400メートルなどの深い海底からのメタンガスの噴出が地上に影響や危険を与える可能性はないということです。

海底からメタンが噴出している場所の様子
bubbles-bodie-island.jpg

ただ、気になるのは、この数年のアメリカ周辺では、メタンガスの噴出事象や、あるいは、メタンガスの噴出だと予想される現象が相次いでいまして、地下でメタンと関係する何らかの活発な動きがあるようにも考えられます。

それらについては、たとえばも以下のような記事で取り上げさせていただいたことがあります。

アメリカ全土で発生源不明の「悪臭や異臭」の事例が立て続けに発生中。その原因はもしかすると、本格的な変化と関係するものかもしれない

2019年3月5日の米メディアの記事より
mysterious-odors-everwhere.jpg

発生源不明の異臭悪臭に包まれている今のアメリカ

数日前に、冒頭にあります、

「原因不明の不思議な匂いが、世界中に現れている」

というアメリカのブログ記事を目にしました。

そのようなことが、2月の中旬から集中的に報じられていたことが記されていたものでした。

しかし、記事を読んでみますと、世界中とタイトルにあるわりには、取り上げられていましたのは、アメリカの 4例とイギリスの 1例で、「世界中という表現はちょっと大げさだな」とは思います。

それにしても、そんなようなことが起きていたのだなあと思いまして、それ以外にも起きていないかどうか自分でも調べてみましたら、

「 2月の中旬を中心に、ほぼアメリカだけで、集中的に発生源不明の異臭悪臭騒動が起きている」

ことがわかりました。

そんなわけで、「世界中で」というより、

現在、アメリカの各地が、謎の異臭や悪臭に包まれている

ということになりそうです。

ニュースで「謎の悪臭が漂う」ということが報じられていたものとしては、以下のような場所でした。もちろん、他にもあるかもしれないですが、自分で見つけられたものは以下の事例です。

番号は、その下の地図と対応するための便宜上のものです。

1. フロリダ州ケープコーラル
2. バーモント州エセックス
3. ミネソタ州ミネアポリス
4. サウスカロライナ州モンクス・コーナー
5. ペンシルベニア州シャルティエズ・バレー
6. カリフォルニア州インペリアル・ビーチ
7. ウェストバージニア州ロスト・クリーク
8. テキサス州オースティン


2019年2月に謎の異臭が報告された場所
odors-map-2019us.jpg

記録として、それぞれの報道のタイトルと概要をご紹介させていただきます。
日付は報道された日です。

2019年2月にアメリカで報じられた発生源不明の異臭・悪臭の報道
cape-coral-odors.jpg

2019年2月18日 フロリダ州ケープコーラル

ケープコーラルに謎の臭いが漂い、家族の健康を心配する住民たち
NBC News
フロリダ州ケープコーラル市の南東部で、謎の異臭に住民が悩まされている。

異臭は、目や喉に刺激を感じるもので、不快感のある匂いは化学物質を連想させるという。発生源は特定できておらず、住人たちは健康に影響がないかどうかを懸念している。


2019年2月18日 バーモント州エセックス

エセックスの小学校で謎のにおいにより、生徒たちが登校できなくなっている
WCAX
エセックス市にある小学校で、「非常に強い悪臭」が発生した。

当局は、悪臭の発生源を突き止めるために、水質調査をおこなったが、問題は見つからなかった。エセックスの他の学校でも、同じ悪臭に見舞われたが、そちらも原因も発生源もわかっていない。


2019年2月28日 ミネソタ州ミネアポリス

旅客機が謎の臭気により乗員乗客が気分を悪くする
WGEM
シカゴからシアトルへ飛行していたアラスカ航空 51便は、飛行中、機内に発生源不明の悪臭が漂い、複数の乗客と乗務員が気分を悪くしため、航空機は、ミネアポリスのセントポール国際空港に緊急着陸した。

乗務員によると、「焦げたプラスチックのような匂い」だったというが、発生源は特定されていない。複数の人たちが呼吸困難を訴え、4人が病院に搬送された。


2019年2月14日 サウスカロライナ州モンクス・コーナー

モンクス・コーナーの悪臭は新しいパイプ掘削による可能性
NEWS2
サウスカロライナ州モンクス・コーナーで、断続的に悪臭が漂う事態が続いているため、当局が調査にあたっている。

現在同地では、地面からガスを吸うためのパイプの掘削がおこなわれており、これが悪臭と関係している可能性があると考えている。


2019年2月26日 ペンシルベニア州シャルティエズ・バレー

謎の悪臭のためにシャルティエズ・バレーで緊急避難
CBS News
シャルティエズ・バレーで、不可解な異臭が発生し、シャルティエズ高校の生徒たちに対して、非難命令が出された。

原因や発生源はわかっていない。現在、警察と消防が、異臭の原因を見つけようとしている。


2019年2月13日 カリフォルニア州インペリアル・ビーチ

インペリアルビーチの住民たちが悪臭と対峙している。ビーチは閉鎖された
CBS News
カリフォルニア州のインペリアル・ビーチが、悪臭と大雨のために閉鎖された。

国境警備隊は、水質検査の結果、多数の使用禁止物を含む化学物質が検出されたと発表した。

メキシコのティファナにある川への不法投棄が原因と見られ、大雨によって、それがカリフォルニア州の川に流れこんだと見られる。


2019年2月25日 ウェストバージニア州ロスト・クリーク

ロスト・クリークの悪臭の原因を探す住民たち
WBOY
ウェストバージニア州ロスト・クリークの住民たちは、この地で起きている奇妙な現象の原因を探している。

その現象とは、ロスト・クリークを流れる小川の表面から強い悪臭が沸き上がっているのだ。

現在、当局やガス会社が原因を突き止めようとしているが、今のところ正式な発表はない。


2019年2月7日 テキサス州オースティン

オースティンの奇妙な匂いは、ゼブラ貝によって引き起こされた
テキサス州オースティンの南部から中央にかけて、異常な匂いが漂った。

当局の調査により、上下水道パイプライン内部にゼブラ貝という貝が繁殖したことで、パイプが詰まり、それにより悪臭が漂った可能性が高いことがわかった、

当局は、水道水を飲むことへの脅威はないと語り、悪臭への対策を早急におこなうと述べている。


ここまでです。

異臭・悪臭といいましても、「それがどのようなものか」ということについては、事例により、まちまちで、おおむね下のようになっていました。

・フロリダ州ケープコーラル → 化学物質を連想させる刺激臭

・バーモント州エセックス → 強い悪臭(種類不明)

・ミネソタ州ミネアポリス → 焦げたプラスチックのような匂い

・サウスカロライナ州モンクス・コーナー → 強い悪臭(種類不明)

・ペンシルベニア州シャルティエズ・バレー → 強い悪臭(種類不明)

・カリフォルニア州インペリアル・ビーチ → 強い悪臭(種類不明)

・ウェストバージニア州ロスト・クリーク → 強い悪臭(種類不明)

・テキサス州オースティン → 強い悪臭(種類不明)


このうち、ミネソタ州ミネアポリスの事例は航空機内ということで、普通に考えれば、機内での何らかの問題と思いますので、除外するとしまして、フロリダ州の「刺激臭」とミネソタ州の「焦げたプラスチックのような匂い」というふたつに関しては、化学的なものであるというような感じです。

そして、他の事例に共通しているのが、種類のわからない、

「強い悪臭」

となっています。

「種類のわからない悪臭」とはいいましても、一般的に「強い悪臭」というものから想像できるタイプの匂いは、ある程度は想像できます。

硫黄系というのか、そちらか、いわゆる「腐敗臭」的なものなどのそういう系統なのではないかと。

そして、これで思い出すのことが、2012月9月にカリフォルニアで起きた事例でした。

同時多発テロの追悼日の 9月11日の前日に、カリフォルニア州で大規模に「卵の腐ったような匂い」が漂ったのでした。

以下は、2012年9月の AFP の報道からの抜粋です。

地震の予兆? カリフォルニアの異臭騒ぎ、原因は…
AFP 2012.09.12

米カリフォルニア州で(2012年9月)10日、卵の腐ったような臭いが約240キロメートルに及ぶ広い範囲で確認され、専門家による調査の結果、付近の湖で死んだ魚や藻類が原因であることが判明した。

10日に強烈な刺激臭を当局に通報した人は200人に上り、同州で長く発生が懸念されている巨大地震の予兆となる何らかの地熱現象ではないか、との憶測がインターネット上を駆け巡った。

だが、南海岸大気質管理地区の専門家らが行った発表によれば、臭いの元は同州南部サンディエゴから東に数時間の距離にあるソルトン湖にほぼ間違いないことが分かった。


記事では、「ソルトン湖」という湖が原因の可能性とありますけれど、当時、私の感想としては、地理的な意味を含めて、

「この悪臭の原因はソルトン湖からのものではない」

と結論しています。

それについては、以下のふたつの記事などで記させていただいています。

地震の予兆? カリフォルニアの異臭騒ぎ、原因は…
AFP 2012.09.12

Map_CA.png

米カリフォルニア州で10日、卵の腐ったような臭いが約240キロメートルに及ぶ広い範囲で確認され、専門家による調査の結果、付近の湖で死んだ魚や藻類が原因であることが判明した。

10日に強烈な刺激臭を当局に通報した人は200人に上り、同州で長く発生が懸念されている巨大地震の予兆となる何らかの地熱現象ではないか、との憶測がインターネット上を駆け巡った。

だが、南海岸大気質管理地区の専門家らが翌11日に行った発表によれば、臭いの元は同州南部サンディエゴから東に数時間の距離にあるソルトン湖にほぼ間違いないことが分かった。


Rotten smell reeks havoc across Southern California
LA Times 2012.09.10

南カリフォルニア全域が「腐った匂い」により混乱している

匂いの正体は、ソルトン湖での魚の大量死ではないかと見られているが、この匂いをすぐに消すことはできないという。

9月9日の朝、サンタクラリタ・メゾジスト教会周辺に漂う「卵の腐った匂い」を、周辺の人びとは教会の下水管が破裂したのかと思ったという。

そして、この教会から東へ 110キロの場所に住むクリス・テイタムさんも、同じ時に強烈な匂いに参っていた。クリスさんによると、「何かがドロドロに腐った匂いがしたんです」と言う。

その朝、結局、南カリフォルニアの多くの地域にこの「腐った匂い」が充満していることがその日のうちにわかった。

保健当局には、緊急電話の下水道調査の依頼のコールが大量に押し寄せた。

当局によると、匂いの原因の有力な説は 160キロ離れたロサンゼルスにある。ソルトン湖の魚の大量死によって引き起こされている可能性が高いという。

しかし、州の大気管理の当局者たちは、これまでこのような悪臭を経験したことがないという。
通常のソルトン湖での魚の大量死では、この地域まで匂いが来ることはない。

ソルトン湖では前日、非常に強い風が吹いており、ソルトン湖の管理担当者によれば、「風によって水が巻き上げられたのかもしれない」という。そして、ソルトン湖は浅い湖なので、湖の湖底にある腐った材質のものが水と共に巻き上げられ、風で運ばれた可能性があるという。

それでは、これらの「卵の腐ったような匂い」は何が原因である可能性が高いかといいますと、

「地下や海底から噴出しているメタンガス」

であるように思うのです。

実際、翌年の 2013年3月にも、カリフォルニア州で異臭が広がったことがありますが、この時には、当局の調査によって、「海中から噴出しているメタンガスである可能性が高い」と発表されています。

以下は、2013年3月のアメリカの報道からの抜粋です。

サンタモニカの悪臭の原因は海底から噴出しているメタンが原因の可能性
KTLA 2013.03.04

ロサンゼルス当局は、サンタモニカに漂う悪臭の原因は、海からのメタンの大量放出によって引き起こされたと推定している。

サンタモニカの火災防護チームがサンビセンテ近くの沖で測定した結果、海中に大量のメタンを発見した。

当局は、最近の水温の変化は、海面の下でメタンが放出されたことによってプランクトンや藻類の大量発生が引き起こされたものによるかもしれないと語った。

メタンガスは地殻プレートが移動したことによる地質現象によって噴出されている可能性も考えられるという。


この記事には、

> メタンガスは地殻プレートが移動したことによる地質現象によって噴出されている可能性

とありますけれど、今回のアメリカの異臭も、これらと同じような「卵の腐ったような匂い」の系統であるならば、メタンである可能性もあるのかもしれません。

今、アメリカで起きているような「悪臭騒ぎ」も、その原因は、巨大な地殻の異変が進行している証拠になる可能性がある事例を含んでいるかもしれないと少し思います。

もし今後も、アメリカに異臭や悪臭報道が相次ぐとすれば、それは個別の要因がわかるものはともかくとして、

「発生源不明」

最近のアメリカは、全土的に地震が増えているという事実もあり、この数年単位で、何か地質の状況の変化が進行しているのかもしれないことを感じさせます。

最終更新:2019/07/22 23:39

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