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2019/07/12 20:55

台湾南部の農村地帯で「泥火山」が突如噴火。地質活動の活溌化の予兆か

2019年7月8日の台湾の報道より
taiwan-mud-volcano2019b.jpg

台湾南部にある屏東県(へいとうけん/ピントンけん)に「万丹」という場所があります。英語表は Wandan ですので、ワンダンと読むらしいですが、畑と水田が広がるこの地で、7月8日、「泥火山」が突然噴火したことが報じられています。

台湾・万丹の場所
wandan-taiwan-map2019.jpg

噴火する泥火山
mud-volcano-peopde.jpg

mud-volcano-t002.jpg

wandan-003.jpg

下は動画です。

https:●//youtu.be/OY_1t-fYShE

泥火山は水田の中から噴出したようです。

なお、冒頭のニュースに「経済への影響」という表現がありますが、どういうことかと言いますと、この場所では昨年も泥火山が噴火したそうで、その時には農作物に大きな被害が出たのだそうで、今回の噴火ではどうなるのかという意味だと思われます。

前回の噴火では、水田のコメと共に、道路も損傷するような噴火となったようですが、今回の噴火がこれからどのようになるかはわかりません。

なお、泥火山はいわゆる火山の噴火と同じ現象ではないですが、地下からの噴出現象ではありまして、過去のいくつかの例を見ていますと、「その後の地震や火山活動とまったく無縁とは言えないかもしれない」とは思います。

たとえば、ブログでは、過去に以下のようなイタリアとニュージーランドの泥火山についてご紹介したことがありますが、どちらも、その後、地質活動が激しくなっていき、それぞれの場所や周辺地域では、大きな地震や噴火などが発生しています。

連続した地震に見舞われているイタリア中部の村に謎の「泥火山」が形成され、泥の噴火が続く

2016年11月4日の報道より
italy-mud-volcano.jpg

イタリア中部では、8月24日にマグニチュード 6.2の地震が発生した後、10月26日にはマグニチュード 6.1の地震、そして、10月30日には、イタリアの近代史でも最大級のマグニチュード 6.6の地震が発生し、その後も非常に多くの余震が続き、連続する地震におさまる気配が今のところは見えていない状態です。

そのイタリア中部のサンタ・ヴィットーリア・イン・マテナーノという場所で、「泥火山が形成されつつある」という報道がなされていました。

形成されつつある泥火山
mv-02.jpg

サンタ・ヴィットーリア・イン・マテナーノの場所
santa-vittoria-in-matenano-map.gif

サンタ・ヴィットーリア・イン・マテナーノというのはイタリア中部の小さな村で、人口 1400人の閑静な場所らしいのですが、そこに突如として泥火山が出現したことで、ちょっとした騒動となっているようです。

mv-03.jpg

最近のイタリア中部地震との位置関係は下のようになっています。

sug-today3-map.gif

この泥火山が発生した原因が地震によるものかどうかはわからないですが、報道では「奇妙な現象」と位置づけられていて、この地で通常起きるような現象とは言えないようです。

ニュージーランドのタウポ火山帯にあるワイオタプで「泥噴火」が発生。近くでは同国最大級のシンクホール事象が起きたばかり

2018年7月22日のニュージーランドの報道より
wai-o-tapu2018.jpg

ニュージーランドの北島にある「ワイオタプ」という地温地帯で、突如「泥噴火」が発生したことが報じられています。

泥噴火というのは、間欠泉の泥バージョンのようなものですが、泥噴火が続いている場所で起きるならともかく、そうではない場所での発生はとても珍しいことだと思います。

2018年7月21日 ワイオタプでの泥噴火
wai-o-tapu-2018-0721.jpg

ワイオタプの場所
wot-map.jpg

冒頭のニュージーランドの報道では動画で紹介されていまして、下のような感じで噴火しています。

https:●//youtu.be/wpuhC1G7_bQ

この泥噴火自体も珍しい現象ではあるのですが、気になるのは、この「場所」です。

2018年 5月に以下の記事を書かせていただきました。

ニュージーランド北島の「超巨大火山」の近くで同国としては過去最大級の巨大なシンクホールが発生。直径は約200メートル

2018年5月2日のニュージーランドの報道
new-zealans-sinkhole.jpg

ニュージーランドの北島で、4月30日、ニュージーランドの科学者たちによれば、「ニュージーランドの歴史の中で最も巨大なシンクホール」が発生しました。

その直径は約 200メートルで、深さは下剤判明している部分では 20メートルというこのシンクホールですが、数字よりも、写真のほうがその巨大さがわかりやすいかもしれません。

2018年4月30日 ニュージーランド・ロトルアで発生したシンクホール
nz-giant-sinhole01.jpg

nz-giant-sinhole02.jpg

地質学者たちは、シンクホール発生後に無人のドローンを送り込んで、内部の調査を始めていますが、科学者の1人は、メディアに対して、

「このシンクホールの底に見えるのは、60,000年前に噴火した火山の鉱床です」

と述べています。

実は、今回シンクホールが発生したニュージーランドの北島というのは、「世界最大級の超巨大火山」があるところで、そして過去 7万年で最大級の火山噴火があったとされめている場所なのです。

その超巨大火山タウポは、今では噴火口としてのカルデラだけが残っていますが、今回のシンクホールの発生場所と合わせて地図に示しますと下のようになります。

シンクホールが発生したロトルアと、地球最大の超巨大火山のひとつ「タウポ」の位置
rotorua-nz-map2018.jpg

シンクホール事象が、地震活動や火山活動と関係しているかどうかについては科学者たちは述べていません。

ちなみに、ニュージーランドのタウポが噴火したのは、2万6500年前とされていまして、この時の噴火指数は、現在の地質学で定められている最大値の「 VEI 8 」という壊滅的なものだったと考えられています。

もちろん、このような噴火はそう起きるものではないですが、しかし、何万年、何十万年という単位でいえば、アメリカのイエローストーンなどと同じように「繰り返している」こともまた事実ではあります。私たちの文明はそういうものの上に築き上げられてきているということを、たまに思い出すのもいいのかもしれません。

これは、「ニュージーランドのロトルアという場所で同国としては最大級のシンクホール事象が発生した」ということをご紹介したものですが、今回の出来事の場所とほぼ同じなのです。

今回、泥噴火が発生したワイオタプという場所は、地域としては、ロトルア地区そのものなのですが、ここはかつて「地球で最大級の噴火のひとつ」を発生させたと考えられる「タウポ火山地帯」と呼ばれる場所でもあるのです。

それぞれの場所をもう少し正確に書けば、下のようになります。

ロトルア、ワイオタプ、そしてタウポの場所
wot-nz-map2018.gif

タウポ火山地帯での珍しい地殻活動が多くなっていることは事実で、それが火山活動と関係しているとは思いませんが、「何らかの地殻活動が活性化している」という可能性は高いといえるのかもしれません。

ですので、泥火山の事象が発生したということは、「地質活動が活発になっているかもしれない」という徴候のひとつだと考えることは、それほど的外れではないと思われます。

台湾も環太平洋火山帯であると同時に、比較的大きな地震が多い場所ですが、日本から台湾あたりでの地質活動の推移が注目されるところかもしれません。

最終更新:2019/07/12 20:55

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