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2019/07/08 20:48

アメリカのサンアンドレアス断層と、カナダのカスケード沈み込み帯で1日のうちにマグニチュード6級の地震が連続して発生

earthquakes-us-0704.jpg

毎年 7月4日は、アメリカの独立記念日ですが、その 7月4日に、北米でやや不吉な感じの場所において、マグニチュード 6クラスの地震が立て続けに発生しました。

まず発生したのは、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のハイダ・グワイという群島を震源にしたマグニチュード 6.2の地震でした。そして、同じ日に、アメリカ・カリフォルニア州のロサンゼルスから北に 200キロメートルの場所を震源とするマグニチュード 6.4の地震が起きたのです。

これらの地震は、地震の規模としても、そこそこ大きいものですが、それよりも「起きた場所」が懸念されています。

カナダの方は、「カスケード沈み込み帯」と呼ばれる場所で、西暦 1700年に、マグニチュード9クラスの壊滅的な地震が発生した場所です。

米カリフォルニアのほうは、サンアンドレアス断層といって、マグニチュード 7クラスの大地震が歴史的に繰り返されている断層なのです。

その位置は以下のようになっていまして、それぞれの震源アイコンの場所で、今回の地震が発生しています。

カスケード沈み込み帯とサンアンドレアス断層
cascadian-san-andreas2019.jpg

なかなか緊張をもたらす場所での地震となっているのですが、それに加えて、特にこの 7月4日は、北米から南米の西海岸の「全域」で地震が多数発生していたことがわかります。

以下は、この日の世界のマグニチュード 3以上の地震です。

2019年7月4日に発生したM3.0以上の地震
earthquakes-0407-2019.jpg

ふだんは、特に北米では、マグニチュード 3以上の地震がこれほど起きることは、ほとんどないですので、この日は特別に地震が連動していたのかもしれません。

関係ない話ではありますが、上のデータを見ますと、この 7月4日の 24時間は「日本の領域では M3以上の地震が一切起きていなかった」こともわかります。日本において、M3ほどの小さな地震が 24時間発生しないというのも、これはこれで珍しいことです。

それはともかく、この 1年ほどの間、このカスケード沈み込み帯からサンアンドレアス断層までの地層帯では様々な地質活動が報じられていました。そのあたりについて書かせていただいてものとして、比較的最近の記事では、以下のようなものがあります。

そこで何かが進行しているのか? : アメリカのサンアンドレアス断層上で「1日に39回連続した地震」が発生。同時に「断層上を移動するシンクホール」という不思議な事象が出現中

2018年11月4日
san-andreas-2018nov.jpg

2018年は、このブログを始めてからのどの年よりも「サンアンドレアス断層とカスケード沈み込み帯」での地質的な事象が多い年です。

この

・サンアンドレアス断層
・カスケード沈み込み帯

は、どちらも、過去に巨大地震あるいは超巨大地震を周期的に発生させていたことがわかっており、その意味では、将来的にどちらの断層でも巨大地震は起こり得るわけですが、今年はそのどちらについても、話題が多いです。

カスケード沈み込み帯とサンアンドレアス断層
cascadian-san-andreas2018bc.jpg

そして、2018年の 8月には、このカスケード沈み込み帯で、「マントルが上昇している」ことを、アメリカの大学が突き止めたことを以下の記事でご紹介しました。

カスケード沈み込み帯で「マントルが上昇している」ことが米オレゴン大学の調査により判明

マントルが上昇していることがわかった場所
mantle-us-2018a.jpg

Geologists Find Anomalies, Pieces of Mantle Found Rising Under Cascadia Fault
scitechdaily.com 2018/07/25

地質学者たちは、カスケード沈み込み帯の下にあるマントルが上昇しているという異常を発見した

研究者たちは、海底に設置された 268個の地震計と、陸地に設置されている数百に上る地震計から得られた 4年間のデータを分析する中で、北アメリ大陸の西海岸に位置するカスケード沈み込み帯の南北両方の端に異常を見出した。

彼らが発見した異常は、アメリカ太平洋北西部で発生する可能性のある地震事象の起きる位置、頻度、強さに影響を与える可能性がある。

これは、断層の下の他の場所より地震波の速度が遅い地帯があることを見出したことによるものであり、そこは岩石が溶けて温度が上昇している可能性があるため、地球の上部マントルが浮上していることを示しているというものだ。

この研究は、米国オレゴン大学の博士課程の学生であるマイルズ・ボマー(Miles Bodmer)氏により、地質学の専門誌「ジオフィジカル・リサーチ・レターズ (Geophysical Research Letters)」に発表された。

このカスケード沈み込み帯では、西暦 1700年に超巨大地震が発生したことが判明しているが、それ以来、大規模な地震を経験していない。

この場所は、北米大陸プレートの下にファンデフカ・プレート(Juan de Fuca)が沈み込む場所だ。この断層帯は、カナダのバンクーバー北部からカリフォルニア北部のメンドシノ岬までの沖合に広がっており、その南北の長さは、620マイル(約 1,000キロメートル)におよぶ巨大な地層帯だ。

今回の研究で判明した「マントルの浮上」の位置は、サンアンドレアス断層の南端にあるゴルダ変形帯の下と、そして、オリンピック半島から南バンクーバー島の下で、それぞれで浮上が起きている。

ボマー氏は、以下のように言う。

「カスケード沈み込み帯の北と南の沈み込み断層の二カ所で異常が見出せます。これらの地域は、他のカスケード沈み込み帯全体と同じ状態となっていません。独自の地質的特性を持ちます。そして、この北と南の部分では、断層の緊張(locking)が高まり、震動の密度も増加しているのです」

断層の緊張とは、2つのプレートがどれだけ強く張っているかを指す。

「この北と南の部分でこのように見られるようなことが緊密につながっていれば、この地帯はストレスを溜めており、大きな地震の発生により、そのストレスやエネルギーを解放する可能性があります」とボマー氏は語る。

ただ、そのような状態で起きる地震は、それなりの規模とはなる可能性はあるにしても、カスケード沈み込み帯のすべてが一度に崩壊して起きると想定されているマグニチュード 9以上のクラスの超巨大地震のようなものにはならないとボマー氏は言う。

プレート同士の緊張状態は、カスケード沈み込み帯の中央部ではかなり弱い。

今回の調査結果は、地震発生の予測に役立つものではないが、地震についての探査や測地解析のリアルタイム性の必要性を指摘するものともいえる。

カスケード沈み込み帯とサンアンドレアス断層の交差する場所は複雑性が高く、北米で最も地震活動の活発な連続した場所だ。これらの地域では、最終的には、大きな地震として、そのエネルギー放出されるような蓄積がある。

この研究では、遠方の地震から来る様々な形態の地震波を使用した深いイメージングが行われている。

今回の研究は、カスケード沈み込み帯の過去の地震記録を理解するのに役立つだけでなく、プレートの結合力を調査することにも役立つことを示唆しているとボマー氏は言う。


何らかの活動が少しずつ(あるいは急激なのかもしれないですが)始まっているという感じを強くする2018年のさまざまな話題ですが、そのサンアンドレアス断層上で、11月2日に、

「 39回の地震が連続して発生した」

ということが起きました。

39回連続した地といっても、最大の地震の規模がマグニチュード 4.1ですので、それほど大きな地震というわけではないですが、このサンアンドレアス断層上で、このような「群発地震」が起きることは、かなり珍しいことではあります。

そして、これらの地震の震源が、「サンアンドレアス断層に沿って移動している」ということが注目されているところでもあります。

また、10月の終わり頃から、カリフォルニアのソルトン湖という湖の近くで、

「腐った卵の匂いを排出しながら《移動する》シンクホールが出現した」

という、ちょっと聞いたことのないような事象が起きており、これはさらに大きく報道されています。下は、それを報じたロサンゼルス・タイムズの記事です。

カリフォルニアに出現した「移動する泥火山」についての報道
slow-moving-volcano.jpg

「移動するシンクホールって何だ?」とは思いますが、よくわからないだけに、上のロサンゼルス・タイムズの記事のタイトルにも「ミステリー」という単語が使われていて、これもまた、

「サンアンドレアス断層に沿って動いている」

のだそうです。

この夏あたりからこれらの場所で起きていたことを地図に書き出すと、以下のようになります。

2018年にその断層上で起きた出来事
sa-cascadia-2018.jpg

これらのことが、ただちに巨大地震につながるということでもないでしょうが、しかし、インドネシアなどの例を見るまでもなく、今、地球は大変に地震活動が活発な時期に入っています。

そういうものが発生しても「不思議ではない」とはいえます。

今回は、最近のカリフォルニアで起きていることについてまとめていた、冒頭のアメリカのブログ記事を翻訳してご紹介します。


California Hit By 39 Earthquakes Within 24 Hours As Scientists Warn Of “Movement Along The San Andreas Fault”
Economic Collapse Blog 2018/11/03

カリフォルニアで24時間のうちに39回の地震が発生した事象について、科学者たちは「サンアンドレアス断層に沿って動いている」と警告する

一連の地震が過去 24時間にわたってカリフォルニアで発生しているが、科学者たちは、この揺れが「サンアンドレアス断層に沿った動き」の結果であると伝えている。

ここ数ヶ月のあいだ、「環太平洋火山帯」に沿って驚くほど多くの地震活動が起きている。また、世界の地震の数が通常より極端に多くなった時期もあった。

この異常な地震活動のすべてが何かにつながっている可能性はあるのだろうか?

アメリカの専門家たちの中には、「次の巨大地震」がカリフォルニア州に発生するのが遅れていると話す人たちがおり、その直撃があった場合、被害は想定よりも、はるかに悪くなる可能性がある。

過去 24時間以内にカリフォルニアを襲った 39回の地震の大部分は、サンアンドレアス断層に沿って起きている。以下は CBS ニュースからの抜粋だ。

サンアンドレアス断層に沿った群発地震は、最大の規模がマグニチュード 4.1で、11月2日の午前中にホリスター地区とサリナス渓谷を横断した。CBSサンフランシスコは、地震での揺れはあったが、大きな被害はないと報告している。

アメリカ地質調査所(USGS)によると、11月2日の午後5時58分(米国時間)に、トレス・ピノスの南西 19キロメートルの場所を震源とするマグニチュード 4.1の地震が発生した。その後、M 3.6、M 3.2、M 3.0 の地震が続いた。

CBS News


サンフランシスコの報道によれば、当局は、この揺れが「サンアンドレアス断層に沿った動き」によって引き起こされたと述べ、最初のマグニチュード 4.1の地震に続いて、20回以上の余震が続いたという。

幸い、大きな被害は報告されていないが、揺れは感じられたようだ。英国エクスプレスのインタビューに答えた住民は以下のように述べている。

ホリスターに住む住民の 1人はこのように述べた。「地震の時は眠っていたのですが、誰かがベッドをゆさぶっているかのように感じました」

モントレーベイに住む 1人の住民は、今回の一連の地震が、巨大地震の前に起きる地震である可能性に懸念を抱いていると語った。

そして、住民たちは次のように語る。

「私たちは、過去数ヶ月の間に、多くの地震の揺れを感じていました」


今回のような連続した地震の後に何もなく過ぎる可能性はあるだろうが、しかし、専門家たちは、カリフォルニアでの巨大地震は、「間違いなくある時点で起きる」と、以下のようにエクスプレスに述べている。

専門家たちは、カリフォルニア州での巨大地震は、その発生が遅れており、今後 30年以内に、マグニチュード 7.0の規模の地震が予想されると警告している。

アメリカ地質調査所の 2008年の報告では、サンフランシスコの東に走っているヘイワード断層について、サンフランシスコに住む 700万人の住民たちを脅かす可能性のある時限爆弾的な断層として説明している。


そして、「次の巨大地震」が発生した場合、その被害は、ほとんどの人々が想像しているよりも悪化する可能性がある。

以前ご紹介した記事では、カリフォルニアでの巨大地震は、「カリフォルニア州の大部分を、ほぼ即座に海に沈める可能性がある」と結論づけた最近の研究についての次のようなニュースを引用した。

カリフォルニア州の巨大地震は、発生が遅くなる可能性もあるが、しかし、ロサンゼルスの科学者たちは、巨大地震の発生時に、この地域に生じる新たなリスクを見出した。

巨大地震がこの地域を直撃した場合は、カリフォルニアの大部分をほぼ即座に海に沈める可能性があると彼らは主張しているのだ。

これは、南カリフォルニアの危険地帯の一つであると長い間信じられているニューポート・イングルウッド断層についての研究の中で発見された。


この話は、カリフォルニアの住民ではなくとも誰でも驚くだろうと思うが、専門家によると、これはいつか実際に起こる可能性が非常に高いという。

下は、それが取りあげられた記事からの抜粋だ。

この研究にあたったひとりであるカリフォルニア州立大学の教授、マット・カービー(Matt Kirby)氏は、巨大地震の発生の際、大地の沈没は迅速に起こり、それによりカリフォルニア州の一部が海に覆われる可能性が高いと述べている。

カービー教授は、「それは比較的、瞬時に起こるものです」と言う。

「おそらく、地震が発生した瞬間に、海水が急上昇しているのを見ることになるでしょう」


ちょうど数週間前、カスケード沈み込み帯に沿って、この地では珍しい複数の地震が発生した。

また、カリフォルニア州南部では、「動くシンクホール」が 1日 1.8メートルずつ移動している。それはその通り道にある「すべての道を破壊している」という。

下は報道からの抜粋だ。

この「動くシンクホール」が移動している場所は、サンアンドレアス断層の始まりの場所となる。今回の群発化した地震と共に、専門家たちが「次の巨大地震」を懸念する理由がここにある。

また、ソルトン湖の近くの場所において、「腐っている卵の臭い」を放出させている小さな泡立つ泥のプールが発生したことも懸念されている。

この現象を研究している専門家たちは、この現象は「シンクホールの移動」という表現が合うと言い、現在は移動の速度をスピードアップさせており、その経路にあるものすべてを破壊している。


現在の真実は、このように、私たちの周りに差し迫った変化の兆しが見えるということだ。

もちろん、これは単なるアメリカの西海岸だけの話ではない。

私たちは世界中で異常な地震活動を目撃し続けており、地球がますます不安定になっていることは非常に明白だといえる。

世界には、巨大地震が発生する可能性が指摘されているいくつかの場所があり、この北米のカスケード沈み込み帯と、サンアンドレアス断層も、まさにそのような地質の場所となります。

世界全体として地震は増加傾向にありますが、この場所でも、このような規模の地震が続くようですと、いよいよ北米の西海岸の地質活動も本格化してきているというように考えられる面も出てくるのかもしれません。

最終更新:2019/07/08 20:48

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