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2019/06/24 21:59

米NASAが次の太陽活動周期サイクル25は「過去200年間で最も弱くなる」という予測を公式に発表。2032年頃まで続くその環境の中の地球はどうなる?

2019年6月23日
sunspot_numbers-nasa-1610-2019.jpg

NASAが発表した最新の太陽活動予測の予想以上の「弱さ」

太陽活動は、約 11年の周期で繰り返されていまして、現在は「サイクル24」という活動周期の最後の時期にあたります。

そして、2020年から新しい太陽活動周期であるサイクル25が始まります。

これについて、先日、アメリカの NASA はウェブサイトで、公式に、

「次の太陽活動は、過去 200年で最低のレベルとなる」と発表しました。

そのページの内容自体は、太陽活動が極端に弱くなることに対して肯定的なものでして、つまり、太陽活動が弱いと強い太陽フレアなどがあまり起きないため、太陽から放出される放射線が現象することにより「有人宇宙飛行には最適な環境」だとしています。

まあ、それはそれとして、次の太陽活動が、NASA が発表したような「極端な弱さ」だとした場合、やはり気になるのは、地球への影響なんですね。

いちばん影響があるのは、気象と気温でしょうけれど、NASA の予測通りですと、次の約 11年間、私たちは、

「過去 200年間、誰も過ごしたことのないような弱い太陽活動の下で生きる」

ことになりそうなのです。

現在の太陽活動サイクル24も、とても弱い太陽活動だったことについては、数年前からたまに取り上げていまして、以下は 2016年の記事ですが、この頃には、サイクル24が、「過去数百年の中でも記録的に弱い太陽活動だった」ことが明確になってきていました。

Record Low Solar Dynamo Asymmetry May Indicate Weak Upcoming Solar Cycle 25, New Solar Minimum
notrickszone.com 2016/03/16

記録的に弱い太陽活動の原動力は、次の太陽活動周期であるサイクル25がさらに弱い太陽活動になるかもしれないことを示す

2016年2月の太陽活動

2016年2月の太陽活動は、過去数ヶ月もそうだったように、平均的な太陽活動より低いものだった。

この月に観測された太陽黒点数の平均値は 57.2 個だったが、サイクル1からサイクル23までの同じ期間の黒点平均数は 80.8個ということで、サイクル24のこの月の黒点数は平均値の 71%しかなかったことになる。

下のグラフは、サイクル1(1755年に開始)〜サイクル23(2008年に終了)の黒点数(青)と、サイクル24の黒点数(赤)、そして、黒いラインは記録的に黒点数が少なかったサイクル5(1798年から 1810年)を比較したグラフだ。

for-cycle25.jpg

太陽黒点は 1749年に観測が始まった。そして、1755年にサイクル1とされた活動周期から現在のサイクル24までのすべての太陽活動の比較は次のようになる。

low-cycle24.jpg

これを見ると、現在の太陽活動が、サイクル7(1823年から 1833年)以来、200年ぶりの弱い太陽活動となっていることがわかる。

現在のサイクル24の太陽活動の合計の黒点数は、サイクル1〜サイクル23までの太陽活動周期全体の、わすか 57%しかない。

サイクル24は、太陽黒点観測が始まって以来、3番目に低い活動として記録される可能性が非常に高い。

そして、現在と同様だった約 200年前の太陽黒点の少なかった時期は、ダルトン極小期(1790年〜 1830年)と呼ばれる気温の低かった時代でもある。

このような現在の弱い太陽活動周期の次はどんなものになるであろうか。

以前指摘したことがあるが、次に来る太陽活動周期の状態の兆候は、活動周期が始まる前の、太陽活動最小期の太陽の極の磁場の強さで示される。

また、太陽の北の磁極と南の磁極との磁場の差異からもそれは示される。

下の図は、太陽の北半球と南半球の磁場の差異をあらわしている
(※ 訳者注 / グラフが下に向かえば向かうほど、北と南の磁場の差が大きいということだと思います)。

nh-sh.jpg

これを見ると、現在の太陽は 1976年以来、最大の北半球と南半球の磁場の差を有していることがわかる。

これらの一連の現在の太陽の現象は、いくつかの科学論文で語られてきているが、研究者たちは、太陽活動の北半球と南半球の磁場が非対称であることとの関係を述べている。

それは、かつて地球が寒冷期に包まれたマウンダー極小期(1645年〜1715年までの異常に太陽活動が低かった時期)の背後にある理由が、今と同じような太陽磁場の非対称性であったとする説だ。

これらの説は、現在の太陽の極の磁場の強度の半球の非対称性からも考える価値があることかもしれない。

いずれにしても、あと1年から2年で、次に何が起きるのかがはっきりする。

しかし、次の太陽活動周期サイクル25は、「それより弱い」と予測されているのです。

いろいろと思うところはありますが、まずは、その NASA の公式ページの記事をご紹介いたします。

Solar Activity Forecast for Next Decade Favorable for Exploration
NASA 2019/06/12

次の10年間の太陽活動は、宇宙探査にとっては有利なものであると予測される

NASA のアポロ計画の最後の宇宙飛行士たちはラッキーだった。このように書いているのは、彼らが、この月に飛行するミッションに選ばれたというだけの理由ではない。

このアポロ最後の飛行では、その途中で発生した宇宙飛行にとっては非常に悪い宇宙天気の被害を免れたからだ。

1972年8月、アポロ16号とアポロ17号のミッションの途中、巨大な太陽嵐が発生した。それと共に、危険な放射線が爆発的に宇宙空間に放出されたのだ。

地球上にいる私たちは、磁場によって、この太陽の放射線から保護されているが、宇宙空間では、その保護が少ないために、宇宙飛行士たちにとっては危険な状態となる。

今後の NASA の有人宇宙ミッションを計画する中では、このような宇宙天気を的確に予想する能力が必要となる。たとえば、NASA が、2024年までに再び月面への有人着陸を目指すアルテミス計画においては、ますます重要だ。

アルテミス計画は、月面に初めて女性を送り、そして次に男性を送ることになっている。

現在進行中の NASA の太陽活動に関する研究は、太陽活動の予測に対して信頼できる新しい方法を見つけた可能性がある。

太陽活動は 11年周期で増減するが、NASA の研究所の科学者の最近の研究では、「次の太陽サイクルは、過去 200年間で最も弱くなる」と推測された。

太陽活動レベルは、黒点の数で測定されるが、次のサイクルの黒点数の最大値は、現在のサイクル 24より、さらに 30〜 50%低くなる可能性がある。

この次の太陽活動(サイクル25)は、2020年に始まり、2025年にその活動最大期に達することを示している。

太陽黒点は、地球の何千倍も強い磁場がある太陽表面の領域だ。太陽活動最大期においても、太陽活動が弱いことにより、その黒点の数が少ないということは、それだけ、太陽フレアなどの危険な放射線の爆発が少ないことを意味する。

この新しい研究は、カリフォルニア州シリコンバレーにある NASA エイムズ研究センター内の「ベイエリア環境リサーチ研究所」の科学者であるイリーナ・キチャシュビリ (Irina Kitiashvili)研究員によって主導された。

研究では、NASA の2つの太陽観測ミッションである太陽観測衛星 SOHO と太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーのデータと、そして、アメリカ国立太陽観測所の 1976年からのデータをすべて照会した。

太陽の活動を予測するために研究をする科学者たちの前に立ちはだかる問題としては、私たちは、いまだに太陽の内部の働きを完全には理解していないということがある。さらには、太陽の奥深くに出現する現象のいくつかの要因は特定できない。

そのため、それらの現象は、太陽黒点のような太陽の表面上に出現する現象の測定から推定しなければならない。

今回のキチャシュビリ氏の研究方法は、これまでの太陽活動の予測の推定法とは異なるものだ。これまでは、太陽の磁場活動の強弱は、黒点の数からあらわされた。

しかし、新しいアプローチでは、太陽の表面に現れる磁場の「直接観測」のデータを使用した。これは、過去4回の太陽活動サイクルの間のデータだけが存在する。

この 3つの太陽の観測源からのデータを、その内部活動の推定値と数学的に組み合わせることで、黒点数か、磁場の観測かを、それぞれ単独で使用するよりも信頼性が高くなるように設計された予測が生成された。

研究者たちは、2008年にこの方法を用いて予測をおこなった。それ以降、 10年間にわたって現在の太陽サイクルが展開し、このサイクルが終わろうとしている今、この方法による予測を評価できる段階となった。そしてこの方法は、太陽の活動の最大値の予測と、その時期について、現実とよく合致していた。

太陽がどのように振る舞うかを知り予測することは、深宇宙に進出する私たちの次の宇宙探査のために、宇宙飛行士たちを保護するための重要な洞察を提供することができる。

NASA は現在、今後 5年間のあいだに、アメリカの宇宙飛行士たちを、月の南極に着陸させる準備を続けている。

そして、今後 10年間の太陽活動の予測は、宇宙天気は非常に静かになる見込みで、宇宙探査には絶好の機会だといえる。

ここまでです。

私は今は、宇宙探査というものへの興味をほぼ完全に失っていますので、「アルテミス計画」という、月に女性と男性を送る計画があることも知りませんでした。

それにしても、NASA の予測による太陽活動の弱さは、事前に予測していた以上のものでした。

文中に、次のサイクルの太陽活動は、今より「30〜 50%低くなる可能性がある」とありますが、今のサイクルの太陽活動もとても弱かったのです。

今回の NASA の研究者の方の方法は新たなものということで、精度も高いものとなっているようですが、冒頭に示しましたグラフを再度示しますと、過去 200年の太陽活動と比較して、次のサイクル25は「現在のサイクル24の半分くらい」の活動しかないことが予測されています。

sunspot_numbers-nasa-1610-2019.jpg

これを最近の太陽活動のグラフで大きく示してみますと、以下のようになります。サイクル24が唐突な感じで弱い太陽活動となっているのですが、次のサイクル25は、「この半分くらいにまで下がる」というのです。

sunspots-1975-2019b03.jpg

以前にも、太陽活動が「今後弱くなる」という予測は、さまざまになされてきました。

その中で際立っていたのが、ロシア人科学者たちによる複数の研究でした。

それらは、2015年から2016年にかけて、以下のような記事でご紹介しています。

Diminishing solar activity may bring new Ice Age by 2030
Astronomy Now 2015.07.17

太陽活動の低下が 2030 年までに新たな氷河期をもたらす可能性がある

17世紀から 18世紀の初めに世界を凍結させた「小氷期」と呼ばれる時期と同様の厳寒の世界が 2030年から 2040年にやってくると予測されている。

これらの結論は、モスクワ国立大学核物理研究所の物理学者ヘレン・ポポワ博士らを含む国際的な科学者のグループによって、ウェールズのランディドノーで開催された国立天文学会議において、ノーサンブリア大学のヴァレンティナ・ジャルコヴァ教授によって発表された。

太陽は、独自の磁場と、時間的に変化する振幅と空間構成を有することが知られている。

それは、太陽からの電磁放射の変化による太陽大気の変化の結果による強力な磁場の形成と崩壊や、太陽からプラズマの流れの強弱、太陽表面の黒点数などだ。

そして、太陽表面の黒点数の変化の研究によれば、それは 11年毎に変化する周期性を持つ構造を有しており、それはまた、炭素 14、ベリリウム 10 他の同位体分析などの地球環境への影響をも有する。

太陽活動はいくつかのサイクルを持つが、それらは各サイクルで異なる期間、および特性を持ち、たとえば 11年サイクルや 90年サイクルなどが知られている。

11年周期の太陽サイクルでは、11年ごとに太陽表面の黒点数が減少する。

過去 90年の黒点の変化を見ると、11年サイクルの黒点の数が周期的に減少していることがわかっており、50%から 25%減っている。

17世紀には、およそ 1645年から1700年頃まで続いた「マウンダー極小期」と呼ばれる太陽活動の長期にわたる減少期間があった。通常なら、40000個から 50000個は出現する黒点が、このマウンダー極小期には 40 から 50 個しか出現しなかった。

太陽放射の最大値と最小値は、黒点の数の最大値と最小値と、ほぼ一致することを示す(黒点が少ない時は、太陽放射が少ない)。

研究者たちは、太陽活動のサイクル 21からサイクル 23までの3つのサイクルの完全な磁力記録から、すべての背景磁場を分析した。研究者たちは、データの分散の 40%をカバーする分析の新しい方法を開発した。これは、主な太陽の磁気波がペアで生成されていることを明らかにするのに役立った。

主成分のペアは、太陽の双極子場の変動の原因であり、11年の太陽活動中に、太陽の極から極へと、その極性が変化する。

電磁波は、太陽の北半球から反対へと移動する、あるいは、南半球から反対へ移動し、その際、サイクル数と共に波の増加の間の位相の変化を有する。それぞれの波は、半球で互いに相互作用する。

科学者たちは、この分析式を導くために管理し、これらの2つの波の進化を説明し、太陽活動の本来の代理の変化と関係した要約曲線から、太陽黒点の数を算出した。

そして、この式を用いて、科学者たちは観測から派生した主成分と比較して、サイクル 24の磁気活動を予測し、それは 97%の精度を示した。

サイクル 24の磁気活動からの黒点数の算出の成功に触発され、研究者たちは、次の2つのサイクル「サイクル 25」(次の太陽サイクル)と「 26」の磁気の波を予測したところ、この2つの太陽活動サイクルでは、黒点が生産される数が低い可能性であることがわかった。

これは、2030年から 2040年頃の太陽活動が 17世紀のマウンダー極小期と同様になることを示している。マウンダー極小期には、本来なら 4万から 5万の太陽黒点が出現するところに 50個から 70個しか黒点が出現しなかった磁気だが、2030年頃は、この時と同様な急激な太陽活動の減少につながると予測される。

太陽活動の新たな減少は、太陽放射照度の低下につながる。これは、地球の顕著な冷却と非常に厳しい冬と冷夏をもたらした「小氷期」と呼ばれる状態と一致することを示す。

太陽磁気活動の進化の独特な物理数学的モデルを開発し、太陽活動全体としての最小値の出現パターンを得るために、それに物理的解釈を与えたモスクワ国立大学のヘレン・ポポワ博士は言う。

「マウンダー極小期の時代には、テムズ川やドナウ川が凍結し、モスクワ川が半年ごとに氷で覆い尽くされました。この時同様の太陽黒点の減少が観察される場合、これは地球の大気の同様の冷却につながる可能性を指摘することができます」

気候への太陽活動の影響について既存の理論に該当する場合、ヘレン・ポポワ博士によると、この太陽黒点最小値は、マウンダー極小期の際に発生したものと同様の重大な地球の冷却につながるという。

この冷却現象は、次の 5年~ 15年以内に発生する可能性がある。

ポポワ博士は述べる。

「私たちの時代の将来の最大の気温の低下は、次の3つの太陽サイクル( 25、26、27)に訪れることを示し、それはこれからの約 30年間です。それらの期間の気温は、マウンダー極小期ほど低くはならない可能性もあります。しかし、私たちは、それを真剣に検討しなければなりません。私たちは、ロシアの気象学者たちとコンタクトをとり続けるつもりです」



Russian scientist: 'The new Little Ice Age has started'
SOTT 2016/10/28

ロシアの科学者 : 「新しい小氷期はすでに始まっている」

地球温暖化に懐疑的な新著『エビデンスに基づく気候科学』(Evidence-Based Climate Science) : 地球温暖化の主要な要因が CO2 排出によるものだという点に反論する数々のデータ

ロシア・サンクトペテルブルクにあるロシア科学アカデミーの天体物理学者であり、ロシア・プルコヴォ天文台の宇宙研究所所長でもあるハビブッロ・アブドゥッサマトフ(Habibullo Abdussamatov)博士は、新しくリリースした新著の中で以下のように述べている

1990年以来の太陽は、全太陽放射照度(※物体に時間あたりに照射される面積あたりの放射エネルギー量 / TSI )において、太陽の「準 200年周期変動」の中での減少期の期間にある。

1990年以降の地球が吸収した放射照度の減少は、それは、世界の海洋の熱循環が緩慢であるために、以前の高いレベル時に地球から宇宙空間に放出された長波放射によっても補填されていないままである。

その結果、地球は、年間の平均エネルギー収支と、長期の熱的条件の悪影響が続いており、そして、それは今後も続いていくだろう。

新しい小氷期の準 100年周期の時代は、第 24太陽活動(サイクル 24)の活動最大期だった 2015年の終わりに始まった。

太陽活動の極小期の始まりは、サイクル 27の前後 ± 1 (サイクル 26から 28まで)になると予測される。

そして、西暦 2060年 ± 11年 ( 2049年から 2071年の間)に、新しい小氷期の最も凍結する時代(最も気温が低い時代)が始まる。

メキシコ湾の海流の流れの段階的な弱体化は、西ヨーロッパにおいての領域において寒冷化が強くなり、それは米国とカナダの東部にもつながる。

フィードバック効果の連続と共に、太陽活動の準 200年周期のサイクルの変化による太陽放射照度は、温暖化から小氷期へと気候が変動していくための根本的な原因である。

「2030年までのミニ氷河期突入」予測…」の記事の内容は、当時の日本のメディアでも取り上げられていました。

以下は、2015年7月の日経ビジネスの記事からの抜粋です。

地球は2030年からミニ氷河期に入るのか?

日経ビジネス 2015.07.22

2030年頃から地球はミニ氷河期に突入する――。

英ウェールズで開かれた王立天文学会で英国の研究者が驚くべき発表をした。今後15年ほどで太陽の活動が60%も減衰するというのだ。

研究発表をしたのは英ノーザンブリアン大学のヴァレンティナ・ジャルコヴァ教授。太陽の内部にある磁場の変化によってミニ氷河期が訪れる可能性を示唆した。

同教授によれば、太陽内に2つの異なる磁気波があることを発見。2波は周波数が異なるが、両波ともに11年周期で変化するという。ジャルコヴァ教授は両波を基に太陽活動の動きを探る新しいモデルを確立した。精度は97%だという。


また、この研究で、「太陽磁気活動の進化の独特な物理数学的モデルを開発した」ことにより、正確な太陽活動予測の計算に貢献したロシア・モスクワ国立大学の女性物理学者であるヘレン・ポポワ博士は以下のように述べています。

「私たちの時代の将来の最大の気温の低下は、次の 3つの太陽サイクル(サイクル25から27)に訪れることを示し、それはこれからの約 30年間となります」

つまり、ポポワ博士は、この 2020年から始まるサイクル25の時点から、地球の気温の低下が始まることを計算しています。

太陽活動について語るモスクワ国立大学のヘレン・ポポワ博士

さらに、先ほどリンクさせていただきました上のほうの記事「ミニ氷河期は「2015年にすでに始まって」おり…」では、ロシア科学アカデミーの天体物理学者による『エビデンスに基づく気候科学』という著作を取り上げていた記事をご紹介しています。

この説によれば、次の大きな太陽活動の周期の転換点は、2015年であり、そこから、数十年におよぶ太陽活動の低下の時期が始まるとあり、具体的には、2050年から 2070年の頃が最も気温の低い、いわゆるミニ氷河期の頂点となると予測しています。

このロシア科学アカデミーの天体物理学者の方の主張を今、読み返してみますと、以下の部分が気になります。

メキシコ湾の海流の流れの段階的な弱体化は、西ヨーロッパにおいての領域において寒冷化が強くなり、それは米国とカナダの東部にもつながる。

この「ヨーロッパと北米の寒波」は、すでに進行しているものでして、それが太陽活動と関係しているかどうかの断言はできないですけれど、今回の NASA の発表や、これまでの数多くの太陽活動の低下についての研究や論文を合わせて考えてみますと、程度はどうであろうと、

「私たちは、すでにミニ氷河期的な時代のすぐ手前にいる」

ということになってきているようです。

しかし、極端に弱い太陽活動がもたらすものは、寒冷化などの気温の変化が中心ではなく、むしろ他の部分が大きくなると思われます。

まず、

「宇宙線の到達量が多くなるため、雲が増え、気候が荒れる」

という状況が強く出てくるはずです。

具体的には、雨が増えていく。

というか、もうその状態は出ている感じです。

雷も宇宙線が関与しているという説が主流になりつつあり、現在の世界での落雷の増加はものすごいものですが、今後さらに落雷現象が増えると思われます。

このような、「雨が増える上に、気温が低下傾向を示す」という状態は、やはり農作状況への懸念と関係します。

さらには、過去のデータを見る限り、農業だけではなく、「非農業部門」の生産性も著しく低下します。

1875年から1930年までの太陽黒点数とアメリカの非農業生産指数の推移
souseisan-taiyo-1930bc.jpg

この「生産性の低下」もまた、工業やハイテクを含めて、世界中ですでに顕著になりつつあるのではないでしょうか。

あるいは、「予期せぬ市場の暴落」もこの時期に頻繁に起きます。

世界恐慌の始まった1929年の株価と太陽放射の推移
1929-solar-daw2bc.jpg

以前から書くことでもありますが、こういうことは、歴史の中で何度も何度も繰り返されていて、因果関係はわからなくとも、「偶然ではない」ということだけは確かです。

そして、その次の「非常に弱い太陽活動」であるサイクル25が始まるのは、来年 2020年となると予測されています。

その後、通常の状態ですと、2032年頃までサイクル25は続きます。

その 11年間がどのような環境になるのかは、過ぎてみて、初めてわかるものなのかもしれません。

何しろ、今の地球に生きているすべての人間にとっての初めての体験となるのですから。

最終更新:2019/06/24 21:59

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