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記事詳細

2019/06/14 21:02

気候変動は人為的なものではなく、「太陽と地球による究極の共鳴現象」であることを、ドイツの科学者が発見した「降水量と太陽活動の完全なる相関」を見て思う

2019年6月10日ドイツ・ミュンスターの115年間の2月の雨量の推移と太陽黒点数の推移
precipitation-sunspot-120c.jpg

地球の気象の「正体」が明らかになってきた

今回は、以下の記事でも少しふれました、「ヨーロッパの雨量と、太陽活動の関係性が確認された」ことについての記事をご紹介したいと思います。

太陽は地球を含む太陽系の惑星に支配されていた ドイツの科学機関が、《太陽活動が金星 - 地球 - 木星の惑星直列にコントロールされている》ことを科学的に裏付ける

太陽系ではすべての惑星と恒星が共生しているかもしれない

2019年6月4日の科学メディア「ニューサイエンティスト」より
planets-control-sun02.jpg

その相関関係は、冒頭のグラフが示しています通り、「ほとんど完全」となっているのですが、しかし、研究の内容を読みますと、いろいろと不思議なこともあるのです。

そして、それによって、地球の気象というのは単純なものではない(当たり前でしょうけれど)ということを、ますます思わせてくれる研究だと思います。

まずは、そのドイツの 3人の科学者たちによって突き止められた研究の内容を紹介していたアメリカのメディア記事をご紹介したいと思います。

New Findings From German Scientists Show Changes in Precipitation Over Europe Linked To Solar Activity
notrickszone.com 2019/02/15

ドイツの科学者たちによる新たな発見は、ヨーロッパでの降水量の変化が太陽活動と関連していることを示す

地球の気候は、その大部分が太陽活動の影響を受けており、CO2 濃度の影響を受けてはいないと多くの科学者たちが述べ始めている。ドイツの科学者たちは、太陽活動とヨーロッパの降水量との関連を示す新しい発見を発表した。

太陽活動の変化が降雨に与える影響

ヨーロッパにおける広範囲にわたる経済および社会的活動の基礎は、この地域でのバランスの取れた降水量により提供される。特に農業、飲料水の供給、内陸水路輸送などは、直接、降水量の影響を受けている。

しかし、雨量は年ごとに大きく変動する。

集中的に大雨が降り注ぐような1年がある一方で、長く雨の降らないときが続く年もある。ヨーロッパに住む人たちは、このような毎年の降水量の大きな変化には慣れており、通常はそれに対処することができる。

しかし、この降水量の大きな変化の背後にあるものは一体何なのだろう。

ドイツ・ミュンスターの科学者ラッガー・ローレンツ (Ludger Laurenz)博士による偶然の発見は、ある月にはドイツとヨーロッパの他の地域への雨が、これまで検出されていないパターンを示していることをあらわした。

ローレンツ博士は、農業に関する協議会の一環として、ミュンスターの気象観測所に保管されている数十年間分にもわたる雨量の記録を分析する中で、特に 2月の雨量が「 11年の周期のリズムを描いて上下している」ことに気づいた。

ドイツ・ミュンスターの1900年からの2月の雨量の推移
precipitation-sunspot-120c.jpg
その後、詳細な調査の結果、このリズムは太陽活動と密接に関連していることが明らかになった。11年というリズムは、太陽の黒点周期活動と同じだ。

ヨーロッパのデータを調査する

ローレンツ博士は次に、2人の科学者たちと協力して、ミュンスターの観測パターンが、ドイツとヨーロッパの他の地域でも再現されている範囲があるかどうかを調べ、そして、その現象が他の月にも存在するかどうかを調査した。

ベルリン技術経済大学のホースト-ヨーチム・リュデッケ博士は、20世紀初頭以降にヨーロッパで収集された降水量データを収集した。

そして次に、物理学者が、降雨量と太陽活動の変化の類似性を決定するためのコンピュータ・アルゴリズムを開発した。数学的相関関係を使用して、ヨーロッパの 39カ国すべてと 1年の 12ヶ月ごとに合計 115年間分のデータを定量化した。

europe-precipitation-map.gif

このようにして得られた多次元データは、地球科学者のセバスチャン・リュニン 博士によって系統的な傾向について評価され、マップを作成することによって視覚化された。

太陽活動に関連した2月の北ヨーロッパの降水量

この分析の結果、ミュンスターで最初に発見された 2月の降水量と太陽活動との間の関連性は、中央ヨーロッパおよび北ヨーロッパの大部分で共通しており、そこで非常に高い統計的有意性を持つことを示した。しかし、南ヨーロッパでは、この相関は著しく弱まっていた。

2月の中央ヨーロッパ降水量の4年の変化

この統計調査はまた、ヨーロッパ大陸全体の体系的な位相シフトを実証することができた。ドイツと近隣諸国では、この 2月は、4年前(2015年)の太陽活動が非常に強いときに降水量が特に低かった。

他の月の太陽との関連

他の数か月、特に 4月、6月、7月は、降雨量と太陽活動の間の同様の関係が弱いことが示されている。これらの時期の大部分は中央ヨーロッパでは、植生期間(農業で種を蒔いたり苗を植える時期)となっている。

メカニズムは不明のまま

ヨーロッパの降水量と太陽の関係の概念については、以前より他の科学者たちの事例調査でも示されていたことでもあるが、今回の研究で、降水量への太陽活動の関連の概念が確認されたことになる。

しかし、太陽活動からの信号が降水量に影響を与える正確なメカニズムは、基本的にはまだほぼ不明であり、さらなる研究が必要となる。

ここまでです。

「太陽活動と雨量の関係」ということ自体については、たとえば、過去記事で何度かふれたことがあります「宇宙線が雲を作っている」という概念から考えますと、わりと普通に理解できることではあるのです。

地球へ到達する宇宙線を「妨害」するものの代表が「太陽からの磁気」ですので、つまり下の相関が成り立ちます。

太陽活動と雲の相関関係

・太陽活動が強いとき → 宇宙空間の磁気が増加し、地球に到達する宇宙線が減少する → 地球の雲が減少する

・太陽活動が弱いとき → 宇宙空間の磁気が減少し、地球に到達する宇宙線が増加する → 地球の雲が増加する


たとえば、現在は「太陽活動が弱い」ときであり、今後もさらに弱くなっていくと予測されますけれど、宇宙線と雲の関係から考えますと、今後の地球は、

「雲が多い状態が増える」

ことになり、雨量なども増えていくと考えられます。

地球の雨量が増えていることについては、最近の世界中の大雨被害や洪水発生状況を見ていますと一目瞭然ですが、太陽活動からは、今後さらにこの傾向が強くなっていくと考えられます。

宇宙線と雲の生成の関係に関しては、その研究に人生を捧げているといえるデンマーク工科大学の物理学者ヘンリク・スベンマルク博士について以下の記事で取りあげています。

「雲の生成は宇宙線によるもの」という説が25年にわたる観測の末に「結論」づけられる。そして、太陽活動が長期の地球の気温のコントロールに関与していることも

2016年8月25日の科学メディアPHYS.ORGより
solar-cloud-2016.jpg

宇宙線と雲の生成についての25年目の結論は

デンマーク工科大学の物理学者ヘンリク・スベンマルク博士
Henrik-Svensmark.jpg

私が、「雲は宇宙線によって作られている」

という説があることを知ったのは、今から5年ほど前の 2011年のことでした。

そして、その結果がネイチャーに掲載されたものを記事にしたものが、今、日付けを見てみますと、まさにほぼ5年前の 2011年8月26日のことでした。

How Cosmic Rays Make Rain
NANO PATENTS AND INNOVATIONS 2011.08.25

どのように宇宙線が雨を作り出すのか

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本日(8月25日)、「ネイチャー」誌で発表される記事に、 欧州原子核研究機構(以下、 CERN )の CLOUD 実験の結果に関しての最初の報告が記載される。

CLOUD 実験は、宇宙線が大気のエアロゾルの形成に与える影響についてを、コントロールされた実験室の条件で研究しているものだ。エアロゾルとは、気体の中に液体や固体の微粒子が多数浮かんだ物質のことをさす。

このエアロゾルが雲の雫となる大きな要因となると考えられている。

したがって、エアロゾルの構造と形成プロセスを理解することが、「気候」というものを理解することにとって重要だというのが最近の認識となっている。


CERN の実験結果により、これまで、下層大気の中でのエアゾール構造の要因となっていると考えられてきた微量の蒸気は、大気中のエアロゾル生成のごくわずかな部分しか説明できないことがわかった。

そして、宇宙線からのイオン化がエアゾールの構造を大きく強化させる結果も示された。

今回のようなエアロゾルの生成に関しての正確な計測は、雲の構造を理解するために重要なものであり、気候モデルにおいて雲の影響を考える見識とも関係する。


今回の実験のスポークスマンであるジャスパー・カークビー氏はこう言う。

「宇宙線が対流圏と上層大気において、エアロゾル粒子の形成を強化していることがわかりました。結局は、これらのエアロゾルが雲となるわけです。以前は、エアロゾルの構造の多くは蒸気だろうと考えられていたのですが、それは構造の中のごく一部だとわかったのです」

(訳者注) 「対流圏と上層大気」という記述がありますが、大気の構造は大体次のようになっています。
atmos.jpg
「対流圏と上層大気」というのは、つまり、「ほとんどの大気中では」という言い方でもそれほど違わないように思います。

大気中のエアロゾルは、気候で重要な役割を演じる。日光を反射し、雲を輝かせる。さらに、雲の雫を作るのだ。

しかし、今回の実験で宇宙線がエアロゾルの形成を担っていることはわかったとしても、大気についての完全な説明にはまだ遠い。

さらにエアロゾルの生成要因となる霧や微粒子が含まれる必要があり、このようなエアロゾルの「アイデンティティ」を見つけることが CERN のCLOUD 実験の次のステップだ。


「下層大気のエアロゾルの構造が、硫酸と水とアンモニアだけによる構造ではないことがわかったことは、大変に大きな発見ですが、他にどのようなエアロゾルの生成要因となる霧や微粒子が含まれているのか。それは自然から得られているものなのか、あるいは人間や都市などの中から発生していくようなものなのか、ということを見つけることが非常に重要なことで、これが私たちの次の仕事です」

と、カークビー氏は述べた。

(訳者注)

スベンスマルク効果という仮説があって、これが今回の CLOUD 実験とも関係した概念ですので、少し長くなってしまいますが、一部引用しておきます。


スベンスマルク効果

スベンスマルク効果とは、宇宙空間から飛来する銀河宇宙線が地球の雲の形成を誘起しているという仮説である。

太陽磁場は宇宙線が直接地球に降り注がれる量を減らす役割を果たしている。そのため、太陽活動が活発になると太陽磁場も増加し、地球に降り注がれる宇宙線の量が減少する。この説はその結果、地球の雲の量が減少し、反射率が減少した分だけ気候が暖かくなった可能性を指摘した。

1998年に CERN 素粒子物理学研究所のジャスパー・カービーにより大気化学における宇宙線の役割を調査するためにCLOUDと呼ばれる実験が提案された。

一方、さらに小規模なSKYと呼ばれる実験がスベンスマルクにより行われた。2005年の実験では、空気中において宇宙線によって放出された電子が雲の核形成の触媒として作用することが明らかとなった。このような実験により、スベンスマルクらは宇宙線が雲の形成に影響を与えるかもしれないとの仮説を提案した。


これは CERN によるクラウド(CLOUD)という大規模なプロジェクトによるものなのですが、なぜそんな大がかりな実験が行われ続けていたかというと、

「どうして雲が作られるのか、まったくわかっていないから」

ということです。

私はこの時に、やはり初めて、

「人類は、いまだに雲がどうして作られるのか知っていなかった」

ことを知ります。

その頃から、私は、雲や気温や天候というものが「根本的には非常に謎が多い」ことを知り、むしろ、私は気温や気候に非常に興味を持つことになるのですが、それはともかく、上のような CERN の科学者たちを、大規模実験に突き動かすほどの動機をもたらした「最初の主張」を起こした人物が、「孤高の宇宙物理学者」とでも呼びたいデンマーク工科大学のヘンリク・スベンマルク教授でした。

おそらくですが、スベンマルク教授の、「雲は宇宙線によって作られている」という主張が「正しいのではないか」と、少なくとも心の中ではそう考える人たちがとても多いからだと思います。

そして、まだ最終過程ではないでしょうけれど、スベンマルク博士は、このたび、自らの説を 25年にわたる観測でほぼ実証し、「雲は宇宙線から作られる」と結論付けたのです。

そして、さらに、

「雲は宇宙線によって作られ、その宇宙線をコントロールしているのは太陽活動」だということも。

今回、デンマーク工科大学とイスラエルのヘブライ大学の 25年にわたる観測の結論として、この「宇宙線と雲の関係」が「ある」として、結論付けたのです。

理由はよくわからないのですが、現在の多くの科学者たちは、一般的に、「宇宙線が地球の様々な事象に影響を与えている」とする仮説に、否定的な姿勢を取りたがります。

しかし、科学などわからない私でも、宇宙線の持つ大きな性質、

・地球を完全に貫く貫通力を持っているので地球全体に干渉できる

・他に類を見ないほどの高エネルギー体である

・原子核と核反応を起こすことができる


ことなどから、地球に多大な影響を与えていても不思議ではないとは思っていました。

宇宙線量と雲の関係については、もともと、計測の上では非常にはっきりしていたものでもあります。

たとえば、下は、1978年から 1998年までの「雲の量の変化」と「宇宙線の量の増減」をあらわしたグラフですが、「完全に一致」しています。

1978年から1998年までの雲量と宇宙線量の関係
cosmic-rays-clouds-1978-1998.jpg

下のグラフは、1983年から 2006年までのもの。
cosmic-ray-clouds3.jpg
この一致は偶然という範疇で片付けられるものではありません。

また、宇宙線が地球の天候に与える長期的な影響についても、2013年頃には確実視されていて、

"Milky Way's Cosmic Rays Have Direct Impact on Earth's Weather & Climate"
Daily Galaxy 2013.09.04

「天の川の宇宙線は、地球の天気と気候に直接影響を与える」

デンマーク工科大学のヘンリク・スヴェンスマルク( Henrik Svensmark )教授は、長年の実験から魅力的な新しい説を発表した。

それは、私たちの天の川銀河からやって来る宇宙線が、直接、地球の天気や気候に関与していることを示すという理論だ。

スヴェンスマルク教授はこのように言う。

「電離放射線が、雲の生成に関係する小さな分子クラスター(複数の分子が集合した状態のこと)を形成するための補助となっていることが私たちの実験によって示されました」。

「この説に対して批判的な意見としては、分子クラスターは雲の生成に影響を与えるために十分な大きさにまで成長しないという主張がありました。しかし、私たちが現在おこなっている研究である SKY2 実験では、そのひとつの部分を形成したわけで、彼らの主張とは矛盾するのです」。

「私たちは地球の大気上で起こる予期しなかった化学的事象の詳細についての結論を出したいと思います。それは、恒星の爆発から生じて地球まで遠い旅をしてきた宇宙線の最期についてです」。

cosmicray-cloud-007.png
▲ 提供:デンマーク工科大学。

この理論によれば、大気中の分子の小さなクラスターは、低高度の雲を作るために集まる雲凝結核(くもぎょうけつかく)として機能するために十分な大きさに成長するという。

この SKY2 実験によれば、クラスターの成長は非常に活発で、大気中の宇宙線におけるガンマ線である電離線を提供する。そして、これが宇宙線による化学の魔法として機能するというわけだ。

デンマークの物理学者たちは、さかのぼること 1996年に、宇宙からの高エネルギー粒子である宇宙線が雲の生成に重要な関与をしていることを示唆していた。

それ以来、コペンハーゲンをはじめとして様々な場所でおこなわれた実験は、宇宙線が実際に小さなクラスターを生成することが実証された。しかし「宇宙線が雲を生成している」というこの仮説は化学理論の数値シミュレーションからは成立しないものだと指摘され続けていた。

しかし、幸運にもこの「宇宙線が雲を生成している」という化学理論は SKY2 実験のような実験において何度も試されることになった。しかし、一連の実験では、新しいクラスターが雲の生成のために有力であるほど十分に成長させることについては失敗するというシミュレーションでの予測通りの結果となってしまった。

ところが、電離線を用いた他の一連の実験では非常に異なる結果が得られ、クラスターが雲の生成に重要な関与を示していることが確認された。

私たちの頭上の空気中で起こっている反応はごく普通の分子を含む。そして、たとえば、太陽からの紫外線は、硫酸を作るオゾンと水蒸気と反応して二酸化硫黄をつくる。

雲の形成に関係するクラスターは、主に硫酸および水の分子で構成され、それらは他の分子を用いて成長する。

大気化学者は、クラスターがその日の結合量の上限に達したときには成長を停止することを想定しており、その一部は天候に関連するほど十分な大きさに成長する可能性がある。

現在のところ、SKY2 実験では、イオン化した内部の空気を保つ自然の宇宙線やガンマ線ではそのような成長の停止は発生してしない。この結果は、クラスターが成長を維持するためには、成長維持のために必要な分子を供給する別の化学プロセスが存在していることを示唆している。

という記事でも、やはりスベンマルク博士の「宇宙線は、地球の天気と気候に直接影響を与える」という説をご紹介したことがあります。

その内容は、ややわかりにくいものでしたが、翻訳記事の出だしは以下のように始まります。

デンマーク工科大学のヘンリク・スヴェンスマルク教授は、長年の実験から魅力的な新しい説を発表した。

それは、私たちの天の川銀河からやって来る宇宙線が、直接、地球の天気や気候に関与していることを示すという理論だ。


そして、今回のスベンマルク博士の発表は、単に宇宙線が雲の増減に関係するということだけをあらわしているのではなく、

「太陽活動(太陽フレアなど)は地球の宇宙線の量をコントロールするため、太陽活動の状態によって長期間の地球の気温と天候は影響を受ける」

ということも強く示唆しています。

過去記事の、

Record Low Solar Dynamo Asymmetry May Indicate Weak Upcoming Solar Cycle 25, New Solar Minimum
notrickszone.com 2016/03/16

記録的に弱い太陽活動の原動力は、次の太陽活動周期であるサイクル25がさらに弱い太陽活動になるかもしれないことを示す

2016年2月の太陽活動

2016年2月の太陽活動は、過去数ヶ月もそうだったように、平均的な太陽活動より低いものだった。

この月に観測された太陽黒点数の平均値は 57.2 個だったが、サイクル1からサイクル23までの同じ期間の黒点平均数は 80.8個ということで、サイクル24のこの月の黒点数は平均値の 71%しかなかったことになる。

下のグラフは、サイクル1(1755年に開始)〜サイクル23(2008年に終了)の黒点数(青)と、サイクル24の黒点数(赤)、そして、黒いラインは記録的に黒点数が少なかったサイクル5(1798年から 1810年)を比較したグラフだ。
for-cycle25.jpg

太陽黒点は 1749年に観測が始まった。そして、1755年にサイクル1とされた活動周期から現在のサイクル24までのすべての太陽活動の比較は次のようになる。

low-cycle24.jpg

これを見ると、現在の太陽活動が、サイクル7(1823年から 1833年)以来、200年ぶりの弱い太陽活動となっていることがわかる。

現在のサイクル24の太陽活動の合計の黒点数は、サイクル1〜サイクル23までの太陽活動周期全体の、わすか 57%しかない。

サイクル24は、太陽黒点観測が始まって以来、3番目に低い活動として記録される可能性が非常に高い。

そして、現在と同様だった約 200年前の太陽黒点の少なかった時期は、ダルトン極小期(1790年〜 1830年)と呼ばれる気温の低かった時代でもある。

このような現在の弱い太陽活動周期の次はどんなものになるであろうか。

以前指摘したことがあるが、次に来る太陽活動周期の状態の兆候は、活動周期が始まる前の、太陽活動最小期の太陽の極の磁場の強さで示される。

また、太陽の北の磁極と南の磁極との磁場の差異からもそれは示される。

下の図は、太陽の北半球と南半球の磁場の差異をあらわしている(※ 訳者注 / グラフが下に向かえば向かうほど、北と南の磁場の差が大きいということだと思います)。

nh-sh.jpg

これを見ると、現在の太陽は 1976年以来、最大の北半球と南半球の磁場の差を有していることがわかる。

これらの一連の現在の太陽の現象は、いくつかの科学論文で語られてきているが、研究者たちは、太陽活動の北半球と南半球の磁場が非対称であることとの関係を述べている。

それは、かつて地球が寒冷期に包まれたマウンダー極小期(1645年〜1715年までの異常に太陽活動が低かった時期)の背後にある理由が、今と同じような太陽磁場の非対称性であったとする説だ。

これらの説は、現在の太陽の極の磁場の強度の半球の非対称性からも考える価値があることかもしれない。

いずれにしても、あと1年から2年で、次に何が起きるのかがはっきりする。

など、ここ数年何度も取り上げたことがありましたが、太陽活動はとても弱くなり続けていて、NASA の予測では、次の太陽活動周期である「サイクル 25」は、歴史的に弱い太陽活動となるとされています。

1749年から2040年の黒点数の推移
solar-cycle-2040.jpg

次にやってくる太陽活動周期「サイクル 25」が本当に上のグラフのようなものとなってしまった場合、まあ、どうなるのかはよくわからないですが、以前記事にした、太陽活動そのものの予測から地球の気温をシミュレートしたロシア人女性科学者のことをご紹介しました、

Diminishing solar activity may bring new Ice Age by 2030
Astronomy Now 2015.07.17

太陽活動の低下が 2030 年までに新たな氷河期をもたらす可能性がある

17世紀から 18世紀の初めに世界を凍結させた「小氷期」と呼ばれる時期と同様の厳寒の世界が 2030年から 2040年にやってくると予測されている。

これらの結論は、モスクワ国立大学核物理研究所の物理学者ヘレン・ポポワ博士らを含む国際的な科学者のグループによって、ウェールズのランディドノーで開催された国立天文学会議において、ノーサンブリア大学のヴァレンティナ・ジャルコヴァ教授によって発表された。

太陽は、独自の磁場と、時間的に変化する振幅と空間構成を有することが知られている。

それは、太陽からの電磁放射の変化による太陽大気の変化の結果による強力な磁場の形成と崩壊や、太陽からプラズマの流れの強弱、太陽表面の黒点数などだ。

そして、太陽表面の黒点数の変化の研究によれば、それは 11年毎に変化する周期性を持つ構造を有しており、それはまた、炭素 14、ベリリウム 10 他の同位体分析などの地球環境への影響をも有する。

太陽活動はいくつかのサイクルを持つが、それらは各サイクルで異なる期間、および特性を持ち、たとえば 11年サイクルや 90年サイクルなどが知られている。

11年周期の太陽サイクルでは、11年ごとに太陽表面の黒点数が減少する。

過去 90年の黒点の変化を見ると、11年サイクルの黒点の数が周期的に減少していることがわかっており、50%から 25%減っている。

17世紀には、およそ 1645年から1700年頃まで続いた「マウンダー極小期」と呼ばれる太陽活動の長期にわたる減少期間があった。通常なら、40000個から 50000個は出現する黒点が、このマウンダー極小期には 40 から 50 個しか出現しなかった。

太陽放射の最大値と最小値は、黒点の数の最大値と最小値と、ほぼ一致することを示す(黒点が少ない時は、太陽放射が少ない)。

研究者たちは、太陽活動のサイクル 21からサイクル 23までの3つのサイクルの完全な磁力記録から、すべての背景磁場を分析した。研究者たちは、データの分散の 40%をカバーする分析の新しい方法を開発した。これは、主な太陽の磁気波がペアで生成されていることを明らかにするのに役立った。

主成分のペアは、太陽の双極子場の変動の原因であり、11年の太陽活動中に、太陽の極から極へと、その極性が変化する。

電磁波は、太陽の北半球から反対へと移動する、あるいは、南半球から反対へ移動し、その際、サイクル数と共に波の増加の間の位相の変化を有する。それぞれの波は、半球で互いに相互作用する。

科学者たちは、この分析式を導くために管理し、これらの2つの波の進化を説明し、太陽活動の本来の代理の変化と関係した要約曲線から、太陽黒点の数を算出した。

そして、この式を用いて、科学者たちは観測から派生した主成分と比較して、サイクル 24の磁気活動を予測し、それは 97%の精度を示した。

サイクル 24の磁気活動からの黒点数の算出の成功に触発され、研究者たちは、次の2つのサイクル「サイクル 25」(次の太陽サイクル)と「 26」の磁気の波を予測したところ、この2つの太陽活動サイクルでは、黒点が生産される数が低い可能性であることがわかった。

これは、2030年から 2040年頃の太陽活動が 17世紀のマウンダー極小期と同様になることを示している。マウンダー極小期には、本来なら 4万から 5万の太陽黒点が出現するところに 50個から 70個しか黒点が出現しなかった磁気だが、2030年頃は、この時と同様な急激な太陽活動の減少につながると予測される。

1677年に凍結したテムズ川
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太陽活動の新たな減少は、太陽放射照度の低下につながる。これは、地球の顕著な冷却と非常に厳しい冬と冷夏をもたらした「小氷期」と呼ばれる状態と一致することを示す。

太陽磁気活動の進化の独特な物理数学的モデルを開発し、太陽活動全体としての最小値の出現パターンを得るために、それに物理的解釈を与えたモスクワ国立大学のヘレン・ポポワ博士は言う。

「マウンダー極小期の時代には、テムズ川やドナウ川が凍結し、モスクワ川が半年ごとに氷で覆い尽くされました。この時同様の太陽黒点の減少が観察される場合、これは地球の大気の同様の冷却につながる可能性を指摘することができます」

気候への太陽活動の影響について既存の理論に該当する場合、ヘレン・ポポワ博士によると、この太陽黒点最小値は、マウンダー極小期の際に発生したものと同様の重大な地球の冷却につながるという。

この冷却現象は、次の 5年~ 15年以内に発生する可能性がある。

ポポワ博士は述べる。

「私たちの時代の将来の最大の気温の低下は、次の3つの太陽サイクル( 25、26、27)に訪れることを示し、それはこれからの約 30年間です。それらの期間の気温は、マウンダー極小期ほど低くはならない可能性もあります。しかし、私たちは、それを真剣に検討しなければなりません。私たちは、ロシアの気象学者たちとコンタクトをとり続けるつもりです」

などの内容と共に今回のスベンマルク博士の研究と重ねますと、これから 10年単位の未来は相当厳しい気候にさらされる可能性もあります。

しかし、そういう懸念は感じるかもしれないですけれど、それと同時に、私たちの地球の環境は、「人為的などうだこうだ」とか、そういう小さなものに左右されているのではなく、「宇宙由来の条件」のもとで、地球はその気温も大きく変化するし、気候も環境も変化していくのだと考えれば、何とダイナミックな渦中に生きているのだろうか、と思うこともできるのではないかとも思います。

というわけで、ここから PHYS.ORG の記事です。

Solar activity has a direct impact on Earth's cloud cover
PHYS.ORG 2016/08/25

太陽活動は地球の雲の被覆に直接影響を与える

デンマーク工科大学国立宇宙研究所(DTU Space)とイスラエルのヘブライ大学・物理学ラカー研究所の科学者たちのチームの研究は、地球が雲で覆われる事象と、太陽の爆発活動(太陽フレアなど)とが直接関係していることを示した。

これは 25年以上の衛星による観測に基づいて導き出された結論だ。

太陽の爆発現象が、地球の大気から宇宙線を遮断することはよく知られている。

しかし、今回、地球物理学会誌(Journal of Geophysical Research)に発表された新しい研究では、太陽の爆発現象があった際(つまり、地球の大気中に宇宙線が少ない場合)には、同時に、雲に覆われる事象が世界的に減少していることを見出した。

これは、雲の形成に宇宙線が重要な役割を果たしているという説を支持するものとなる。

太陽の噴火は、雲の質量を約2パーセント減少させる原因となることがわかったが、これは、その際に、大気中から約 10億トンの液体の水が消失していることを意味する。

雲の出現は、長い時間的スケールで地球の気温に影響を与えることが知られているため、今回の調査は、雲と気候変動の理解の重要なステップを示している。

論文の筆頭著者であるデンマーク工科大学国立宇宙研究所のスベンツマルク博士は、以下のように述べる。

「地球は銀河宇宙線と呼ばれる空間からの粒子による一定の衝撃の下にあります。太陽の表面で発生する暴力的な爆発(太陽フレアなど)は、約1週間、地球から宇宙線を吹き飛ばす力があります。今回の我々の研究は、宇宙線がそのような太陽活動によって減少しているときに、地球の雲の被覆(覆われること)も、太陽活動と対応して減少していることを示しています」

「雲は、私たちの研究では、地球上の気温を制御する上で重要な要素であるため、これらの関係は、地球の気候変動に影響を与える可能性があるのです」

非常に高エネルギーの粒子である宇宙線

宇宙線の粒子は、地球の大気中の分子イオンを帯電して生成する。イオンは、エアロゾルの形成を促進することが実験室の研究では示されており、エアロゾルが雲を構成する「雲の滴」を形成するための種として機能する可能性がある。

この実験室でのメカニズムが現実の大気中で実際に起こるのか、あるいは、これは実験室でだけ再現できるものなのかということについては、長い間、議論されてきたテーマだった。

太陽表面の爆発が銀河宇宙線を吹き飛ばした際には、地球の大気中では 20%〜 30%のイオンの低下を引き起こす。

イオンの存在が雲の形成に影響を与えるのであるならば、太陽の爆発が宇宙線を吹き飛ばす事象の中で雲量の減少を観察することが可能であるはずだ。

かつて、宇宙線と地球の雲の量の変化について、週単位での関係(これは「フォーブッシュ・ディクリーゼズ(Forbush decreases / 刷新のための減少)」と呼ばれている)は観察されていたが、その影響は科学文献の中で議論され続けてきた。

しかし、新しい研究では、この「フォーブッシュ・ディクリーゼズ」が現実的に雲の増減に影響していると結論づけた。この結果は、「イオンが雲の生成過程において重要な役割を果たしている」という提案を支持する。

しかし、チームがこの結論に到着するには、大きな努力が必要だった。フォーブッシュ・ディクリーゼズは、ほとんど発生するものではなく、その雲に及ぼす影響は、人工衛星や陸上からの地球大気観測を使用して、やっと検出できる程度のものだった。

フォーブッシュ・ディクリーゼズの強さを決定するために、大気モデリングとの組み合わせで約 130局からのデータを組み合わせる必要があった。この新しい方法により、イオン化に従ってランク付けられた 1987年から 2007年までの期間の 26の事象のリストが得られた。

長期的な影響の可能性

この短期的な雲の増減は、明らかに長期的な地球の気温の変化への影響を持つ。

雲は、常に銀河宇宙線での短期的変動の影響を受けているが、それらはまた、年間〜数十年〜数百年のスケールで起こるゆったりとした太陽活動の変化の影響を受ける可能性があるのだ。したがって、銀河宇宙線は、地球の気温を決定する役割を果たしている。

過去と将来の地球の気候変動への太陽の貢献は、単にその太陽放射(太陽光線の熱など)による影響だけではなく、むしろ、太陽活動の中で発生する爆発現象に左右される宇宙線の変化によるところが大きいという可能性があるという結論に達する。

この「雲と宇宙線の関係」は見事なもので、以下は1983年から2005年のそのふたつの推移です。ほとんど完全なリンクとなっています。

1983年から2005年の地球の雲の量の推移と宇宙線量の推移
cosmic-ray-clouds2006f.png

ですので、降水量と太陽活動に関係性があるということまでは推測できるのですけれど、今回ご紹介したドイツでの研究で見出された以下の2点の意味がわからないのです

まず、

「 1年のうちで、2月が特に太陽活動と連動し、他の月では連動しない月がある」

ということと、

「中央と北ヨーロッパでは太陽活動と雨量が連動するが、南ヨーロッパではあまり連動しない」

というふたつです。

これらが意味するところは、

「太陽活動が降水量とリンク《しやすい月としにくい月》がある」

ということと、

「太陽活動の降水量への影響が、地域によって違う」

ということなのです。

これに関しては、「なぜそんなことが?」と思わざるを得ない部分があります。

何しろ、太陽の影響は、基本的に、たとえば北半球なら、ほぼ地球全体に同じように影響があると考えるのが普通で、「中央ヨーロッパに影響して、南ヨーロッパに影響しないなんて道理があり得るのだろうか」とは思います。

季節の違いにしても、「太陽の影響に、何月というような概念が関係するというのはどういうこと?」というように不思議に思うのですね。

今回の研究で分析されたデータは、115年間分であり、信頼性は極めて高いものだと思われます。つまり、「そのような傾向(季節や地域によって太陽活動からの影響の度合いが違うということ)が現実としてある」ということのようなのです。

しばらく考えてみたのですけれど、この「地域差と月の差が出来る条件」として考えられるのは、

「海洋の影響」

くらいしか思い浮かびません。

たとえば、エルニーニョと呼ばれる現象がありますが、これは地球の広範囲に気象の影響を与えますけれど、この現象は、「太平洋の赤道付近の海水表面の温度が普通とは異なる状態」になることで、簡単にいえば、「単に海水面温度が周期的に変化する」というだけのことなのですが、それだけのことで、各地に非常に激しい気象の影響を生じさせます。

エルニーニョ以外でも「海水面の温度が通常とは異なる」ことにより気象に異変が生じることが知られている現象は他にもたくさんあり、特に、北大西洋振動 (NAO)というものは、降水量を含めた地球の気象に大きく関係しています。

・太陽活動による影響



・海洋で周期的に発生する海水温度の変化

の双方による影響なのかもしれないと思い始めました。さらには、そこに「地球の海流」が参加して、地球全体の気象に介入している。

以下の記事で取りあげたことがありますが、「大きな海流の流れ」というのは、地球のさまざまな気候を作り出すことに大変関係しています。

かつて地球に「250年間の寒冷化」をもたらした原因となった「大西洋の海流の崩壊」が正式に確認され、少なくとも欧州と北米は、いつミニ氷河期に突入しても不思議ではない状態に

2018年11月30日の米国ゼロヘッジの記事より
ice-age-1201.jpg

ついに「重要な海洋循環の崩壊」が確認された

今回ご紹介しますのは、地球の海洋を流れる海の大きな循環のうちの、大西洋にあたる部分の重要な海流の循環が、

「過去最大レベルで弱体化しており、崩壊していると言えるかもしれない」

ということが、研究で判明したことをご紹介します。

最初は科学記事で扱われたものですが、冒頭のゼロヘッジなどのような投資や経済関係のサイトやニュースでも多く取りあげられていました。

その理由は、

「この海流の崩壊により、ミニ氷河期の到来が極めて現実味を帯びてきた」からです。

この「海流の崩壊とミニ氷河期の到来」の関係については、過去記事でも取りあげたことがあるのですが、まずは、今回の研究発表の内容をご紹介したいと思います。

この研究を最初に報じた科学メディアのユーレカ・アラートの記事からです。

なお、その大西洋の海流の名前は、日本語では「大西洋子午線逆転循環」と呼ばれるようですが、馴染みがない上に実際にほとんど使われていません。一般的には、英語の頭文字から「 AMOC 」と呼ばれています。

これを「アモック」と読んでいいのかどうかよくわからないですので、英語表記とさせていただきますが、この AMOC があるお陰で、「ヨーロッパは人間が住める気温となっている」のです。

AMOC は、ヨーロッパに暖かい海水をもたらしています。

下が AMOC の場所と、暖かい水と冷たい水が循環する様子です。

AMOCの海流の(従来の)構成
europe-amoc-relation.jpg

これが今、「崩壊」しつつあるのです。

まずはここから記事です。

Ocean circulation in North Atlantic at its weakest
eurekalert.org 2018/11/28

北大西洋において海流が最も弱い状態となっている

最近の調査によると、北大西洋の海洋の循環は過去1500年で最も弱くなっていることがわかった

香港大学の地球科学専攻局(Department of Earth Sciences)と「太古海洋科学研究所(Swire Institute of Marine Science)」の科学者、クリステレ・ノット(Christelle Not)博士と、ベノワ・ティボデュー(Benoit Thibodeau)博士によって共同で研究された内容が発表された。

その論文は、20世紀の北大西洋の海洋循環が「劇的な弱体化」を示していることを強調しており、それは地球温暖化とグリーンランドの氷床と関連する溶融物の直接の結果であると解釈されている。

これは北大西洋における、より海流の遅い循環が、北アメリカとヨーロッパの両方の気候に影響を与えるだけでなく、アフリカやアジアの夏のモンスーンでの降雨にも深刻な変化をもたらす可能性があり、近い将来の地球全体の気候にとって重大な事象であると考えられる。

この発見は、権威ある科学誌「ジオフィジカル・リサーチ・レターズ (Geophysical Research Letters)」において発表された。

地球の重要な海流に「大西洋子午線逆転循環(以下、AMOC)」と呼ばれるものがある。この AMOC は、北極圏に対しては暖かい地表水をもたらし、赤道の海域に対しては冷たい海水を深海にもたらしている北大西洋循環の海流のひとつだ。

AMOC がもたらす熱とエネルギーの移動は、海面温度に影響を与えていると共に、水循環、大気の循環、そして熱帯収束帯の変動が含まれる。

このため、この AMOC は、ヨーロッパと北米の気候に直接影響を与えているだけではなく、アフリカとアジアのモンスーン・システムに影響を与える可能性がある。

検証されている多くの気候モデルは、この重要な海流である AMOC が弱体化していることを示し、あるいは「崩壊」の予測さえ示されてきていた。

これは地球温暖化の下で、グリーンランド氷床からの淡水の放出の一部に起因すると考えられている。この淡水は塩水よりも密度が低く、深水の形成を防ぎ、海流の循環全体を遅くしていると見られる。

しかしながら、この AMOC の弱体化については、AMOC についての長期的な記録が不足しているために、それが弱体化しているかどうかについては、依然として激しい議論が続いていた。

その中で、ノット博士とティボデュー博士は、海洋の過去の温度を推定するために、海底の堆積物のコアに含まれる「有孔虫 (foraminifer / ※原生動物の一種)」と呼ばれる微生物の化石を検証するという方法をとった。

使用された堆積物のコアは、2つの重要な海流が交差するカナダ沿岸のローレンシャン海峡(Laurentian Channel)からのものだ。

したがって、この場所の海流の強さは、中心エリアの海水温度をコントロールしていると考えられ、すなわち、この中心エリアから再構成された温度が北大西洋循環の強さを示すことを意味する。

協力者たちと、機材でのデータを検証すると共に、気候と海洋をシミュレートできる 2つの数値モデルを使用してその結果を検証した。

ティボデュー博士は、以下のように言う。

「 AMOC は地球の気候を制御するうえで重要な役割を果たしますが、科学者たちは過去にその海流の強さに関しての信頼できる指標を見つけ出すのに苦労してきました」

「今回のこの新しい AMOC の記録の発見は、海流の原動力への理解を深め、最終的に、地球温暖化に伴う潜在的な近い将来の変化をよりよく理解するのに役立つことになるはずです」

興味深いことに、研究チームは、この AMOC の記録を研究している中で、小氷期( 1600年頃から 1850年頃の間の約 250年間のあいだに記録されている長く続いた寒冷期)にも、現在と同じ海流が弱体化していた兆候を発見したのだ。

現在の傾向ほど顕著ではないが、その 1600年頃から 1850年頃の時期には北大西洋での海流の循環が弱かったことが判明した。

これは当時のヨーロッパへの熱移動の減少を意味し、その期間のヨーロッパの寒冷化に寄与した可能性がある。

しかし、ノット博士は、小氷期の AMOC の海流の弱体化と、当時ヨーロッパが寒冷化に見舞われていたこととの関係についての仮説は、より慎重に分析をおこなう必要があると語っている。

ここまでです。

しかし、ここにも根本的な問題があります。

エルニーニョでも、他のさまざまな海洋の海水温度の異常にしても、「なぜ、地球の海水表面温度が、周期的に変化するのか」ということについては、

「わからない」のです。

これらに関しては、たとえば、「なぜ地球には風が吹くのか」というようなことと同じように、細かいメカニズムはわかっていても、「根本的に地球の風や海の温度や海流を支配しているものは何なのか」ということについては、どれもひとつもわかっていません。

しかし、「地球上の降水量」に、雲と雨量と宇宙線と太陽活動……というような複雑な関係が介入している上に、さらに、そこに、海水表面温度の変化と海流というようなものが関わっているのだとすれば、この地球の環境というのは、実に複雑きわまりない精妙なものであることがわかります。

それは別の側面からいえば、「その絶妙さが正確に保たれなければ、気象のバランスは崩れる」ということなのかもしれません。

そして今は、

「その精妙さが崩壊してきているかもしれない」

といえるような気もします。だからこそ、今の世の中で見られるような、数々の荒れた気象や、異常な降雨が出現しているのかもしれません。

今後の地域的な気象については、科学者たちが今回の研究のように、大規模に過去のデータを調査すれば、「予測」することも可能かもしれません。しかし、仮に予測できたとしても、人間には、「降らない雨を降らすことはできない」し、「降り続ける雨を止ませることはさらにできない」のです。

個人的な収穫としては、地球の気象や気候の根本的なところには、宇宙と地球の双方の精緻な環境支配の構造があるのだな、ということを思い描くことができたことだったかもしれません。

それにしても、私たちが生きている「地球の環境」というものは、信じられないほど精緻で複雑な奇跡のようなものだと改めて思います。

その奇跡が少し壊れてきているのかもしれません。

最終更新:2019/06/14 21:02

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