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記事詳細

2019/01/13 21:23

地球の大気の流れに何が起きているのか 北半球の「風力」が過去40年間で最大70パーセント近くも「弱くなっている」ことが中国科学院の大規模調査で判明

2019年1月11日
中国科学院の研究を報じるロシアのメディア
wind-weaks-2018.jpg

今年の年明けに、ロシアで、

「北半球の風力が著しく《弱まっている》ことがわかった」

ということが報じられました。

これは、風力発電に影響を与えることとして報じられているのですが、風力発電はともかくとして、

「強くなっているのではなくて、弱くなっているの?」

と正直思った次第です。

というのも、わりと最近、「サハラ砂漠の粒子が何らかの力で 3500キロメートルも移動していた」というオランダ王立海洋研究所の発表を以下の記事でご紹介したことなどもあったからです。

地球の上空に存在する 「未知の物理法則」 重力に逆らう力によりサハラ砂漠の塵が世界中に拡散しており、これが気候変動の原因かもしれないと科学者たちは述べる

2018年12月24日
mysterious-dust-phenomenon.jpg

地球の上空の物理的法則を支配している「何か」
冒頭の記事をご紹介させていただこうと思うのですけれど、どんな記事かといいますと、「大気中の塵の粒子が地球の気候変動に関与している可能性」についての研究発表なのですけれど、この研究で「奇妙なこと」が見出されているのです。

それは、「サハラ砂漠から運ばれた塵の粒が 3500キロメートルも離れたカリブ海で採取された」というものなのです。

このことの何が奇妙かといいますと、カリブ海で採取された「粒子の大きさ」なんです。

粒子が風に乗って遠方まで粒子が飛ばされるには、その粒子が「極めて微小」であることが必要です。たとえば、粉のような粒子なら、確かに地球の偏西風なりジェット気流なりに乗れば、遠くまで運ばれことはあると思います。

ところが、カリブ海で収集されたサハラ砂漠の塵には、

「0.45 ミリメートル」

というようなものが含まれていたのです。

0.45ミリメートルというと小さなものと感じられるかもしれないですが、おおざっぱに「 1ミリの半分」と考えますと、肉眼で見えますし、指でそのサイズを作ることができるほどには大きいものといえます。

そういう「小さな石」を、上から落とすと、どうなるか。

……まあ、どうなるかも何も、それは下に落ちます。

それが「重力」というものです。

上から落ちたものは、どんな小さなものでも、いつかは下に落ちますけれど、0.45ミリメートル程度の大きさがあれば、弱い風程度なら、わりとまっすぐに下に落ちるはずです。

ところが、そのようなサハラ砂漠の粒子……もう砂といってもいい大きさかもしれませんが、それが大西洋のいたるところで収集されている。

この意味は、

このような大きな粒子が数千キロなどの距離を、「空中で《下に落ちずに》移動している」

ということなんです。

これは、「普通の物理的な法則では説明できない」ということになるわけです。

それと共に、これは今回ご紹介する記事ではふれられていないですが、「サハラ砂漠からカリブ海」という「方向」にも興味を持ちました。

サハラ砂漠とカリブ海の位置関係は以下のようになります。

sahara-carib-map2018.jpg

地図でいえば、「塵は、右から左に移動した」と理解できますよね。

ここもいろいろと「奇妙」なのです。

しかし、その奇妙性は後でふれさせていだたくとして、まずは、その記事をご紹介したいと思います。科学記事ですので、ちょっとわかりにくい部分があるのですが、いろいろと捕捉的なことも含めて、記事の後で書かせていただきます。

Mysterious giant dust particles found at gravity-defying distances
phys.org 2018/12/18

重力の法則に反する場所で見つかる不思議な巨大ダスト粒子

未知の力が巨大なダスト(塵)粒子を世界中に広げていくという動きを可能にしており、これが地球温暖化の一因となっている可能性があることを科学者たちが発見した。

サハラ砂漠からやって来るこれらの大きなダスト粒子は、サハラ砂漠から最大 3500 キロメートル離れたカリブ海でも見つかっている。この 3500キロメートルという距離は、地球規模の風の流れの中でこのような大きな粒子が移動することが可能であると科学者たちが考える距離より 50倍近く大きい。

大気中の塵は、地表に入る太陽の日光と地球から放出される熱などに影響を与え、さらに、熱帯低気圧の発達や、または雲の形成との間の微妙なバランスにも影響を与えている。

科学者たちは、大気中での大きな粒子の役割は、これらの粒子が予想外の長距離を移動しているという影響とともに、将来的には、気候の予想モデルに含まれるべきであると述べる。

英レディング大学の大気物理学教授でこの研究の共著者であるガイレス・ハリソン(Giles Harrison)教授は、次のように述べている。

「これらのダスト粒子はサハラ砂漠から巻き上げられ、地球の風により大陸の間を移動します。それは、以前あったように、ヨーロッパの空をオレンジ色に変えたこともありました」

「ところが、現存する科学に基づく考えでは、これらのような巨大な粒子が、そのような長距離にわたり大気中を移動するということは考えられないのです」

「このことが意味するところは、巨大な粒子の長距離の移動を可能にする科学的に知られていない大気の流れのプロセスが存在しているということです。あるいは、大きな粒子を大気中に保持するプロセスの仕組みが存在することを示唆します」

「これらのような大きな粒子は、地球の周囲の放射線伝達と海洋の炭素循環に影響を与えているということから、サハラ砂漠の塵が非常に遠方で発見されているというこの証拠は(地球の気象変動に対して)非常に重要です」

「過小評価」されている大きなダスト粒子の役割

オランダ王立海洋研究所(NIOZ)により率いられたこの研究では、研究者たちは、 2013年から 2016年の間に、大西洋の 5か所に浮遊ブイと水中の堆積物収集装置を設営し、大西洋上に運ばれるサハラ砂漠の塵を集めた。

サハラ砂漠から運ばれるプルームの中の塵の粒子のサイズは、以前は、直径 0.01〜0.02 ミリメートルの範囲の大きさの粒子であると考えられていたが、今回の調査でカリブ海で収集されたサンプルでは 0.45 ミリメートルという大きな粒子が測定されている。

このようなサイズの粒子が、地球の風の循環でサハラ砂漠からカリブ海のような長距離を飛来することは現状の見識では考えられない。

科学者たちは、このような大きな粒子の、雲の形成と海洋の炭素循環の両方の影響における役割について過小評価されてきたと考えている。

これまでの気象のコンピュータモデルは、大気中の粒子の雲や海に対しての影響を考慮していないが、この粒子が気象に対して及ぼす影響は大きい。

また、この研究では、大気中から除去される粒子の量は、重力によって除去されるよりも雨によって除去されるほうが多いことがわかった。それは以前に仮定された量よりも大きかった。

塵の粒子によって形成された液滴は非常に酸性であり、また、大きな粒子はより速く海底に沈み、つまり海のより深い部分に栄養素を運ぶ。このため、海洋にとって、このような大きな粒子が運ばれることには意味がある。

塵の粒子は、酸性であるということと海底に栄養素を運ぶという両方の影響により藻類の成長に影響を与え、したがって食物連鎖と海洋の炭素循環に影響を与える。

研究の主執筆者であるオランダ王立海洋研究所のミシェレ・ヴァン・デル・ダウズ(Michele van der Does)博士は以下のように述べる。

「事実として言えることは、大きなダスト粒子が長時間、大気中に浮遊し続けるということは、重力の物理法則と矛盾すると考えられます」

「しかし実際に私たちは、大気中の力と運動の組み合わせを通して、大きなダスト粒子が確かに長時間、大気中にとどまっていることを見出しました。そして、それは気候に大きな影響を与える可能性を示唆しているのです」

こういう現象を知り、これは風によるものではないのですけれど、それでも漠然と「地球の風力は強くなっているのだろうなあ」というように思っていましたら、少なくとも北半球では、風力は「激減」しているというのです。

報道そのものは短いですので、まずはその内容をご紹介します。

Ветры в Северном полушарии ослабевают
МИР ВОКРУГ2019/01/02

北半球の風が著しく弱まっている

中国科学院の科学者たちは、陸上の風力発電所のタービンを駆動する風速が、北半球全体で著しく減少していることを発見した。

科学者たちは、世界中で 1000以上の気象観測所を調べることによって、この発見に至った。

発表では、1979年のレベルと比較して、北半球の風の力は 67%減少していることを示しているという。

この影響は、アジアで最も顕著であり、風力発電基地の 80%が、約 30%の電力の減少を示した。

また、ヨーロッパの全拠点のほぼ半分の風力発電基地でも同様の結果が示された。

北アメリカでは、気象観測所の 30%が、1979年の風力の 3分の 1にまで低下していた。

そして、この事実は、世界最大の風力発電所群が設置されている中国にとっては、懸念されるべきュースとなっている。

中国の研究者たちは、このような変化の原因を突き止めようとしているが、理由のひとつには、1979年当時は空気の移動を妨げないような畑や草原が広がっていた土地が多かったことと比較すると、現在は、土地の使用方法が変化し、大量の建物が出現したことなどがあるのではないかと指摘している。

あるいは、大気中の二酸化炭素濃度の増加により地球の環境が変わったことにより風力が弱くなったのではないかと考える科学者たちもいる。

複合的な要因で風の流れの減少に影響を与えた可能性もある。

科学者たちは、風力エネルギーを開発することを計画しているすべての国と企業は、これらの要素を考慮に入れなければならないと指摘する。

ここまでです。

「 67%減少」というのはかなりのもので、現在の私たちの住む北半球は、今から 40年前などと比較して 7割近くも風が弱くなっているようなのです。

ふと思い出すのは、今から 6年前の記事ですが、「ハワイからそよ風が消えている」という報道を、

ハワイから消滅しつつある「そよ風」。でもその理由は誰にもわからない
2013年06月06日

ハワイから消滅しつつある「そよ風」。でもその理由は誰にもわからない
oahu2.jpg
▲ 快適なハワイの気候を作っている理由のひとつが「そよ風」なのだそうですが、今、消えていっています。

Hawaii's gentle breezes disappearing, but scientists don't know why
CTV News (カナダ) 2013.06.04

ハワイのおだやかなそよ風が消えつつある。しかし、科学者たちはその理由がわからないという

人々がハワイに住みたいと思う理由のひとつに、ハワイ特有の心地よい「そよ風」もその中に含まれているように感じる。それらの穏やかな風は北東からやってくるもので、ハワイの湿度を追い払ってくれることにも十分に役立っている。

ハワイでは人々が涼むために、家のリビングではなく、庭や駐車場などでリラックスしている光景は珍しくない。涼しいそよ風と冷たい飲み物があれば、扇風機もエアコンもなくとも、快適に過ごせるのだ。

ところが現在、専門家が言うには、貿易風と呼ばれるこれらのそよ風が減少し続けていて、ハワイの人々の生活にも少しずつ変化をもたらしている。

それは見た目に大きな変化ではないが、湿気に弱いハワイの人々は以前より扇風機やエアコンを使う機会が増えていたり、あるいは、火山からのスモッグをすべて吹き飛ばすには現在の風はあまりにも弱いために、街にモヤが増えてきているということなどがある。

さらには、風は雨が降る手助けをする。貿易風が減少することは、水そのものが少なくなることをも意味する。当局は、ハワイでの給水の保持と、人々へ節水を促しているが、その理由にこの「風が消えてきている」ということがある。

水の減少は森林が健全に維持することに影響し、また、農作への影響についても、科学者たちは検討している。

なぜ風が減ったのか?

その背景に何があるのかはよくわかっていない。

マノアにあるハワイ大学の気象学者、パオ・シン・チュー博士は、風の減少について次のように述べる。

「そのことはいつもハワイの人々に質問されるのです。どうして風がなくなってきているのかと。しかし、私たち科学者にはまったくその理由がわからないのです」。


地球物理研究ジャーナルで発表された昨年(2012年)の秋の調査では、 1970年以来、ホノルル空港での測定で、貿易風がこの数十年で 28パーセント減少していることが示された。

ハワイに住む住人たちは、体感的にこのことに気づいている。釣りやカヌー、あるいはサーフィンを楽しむ人々は、風が変化したことを直接的に感じているという。

それだけではない。

風が消えてしまってから、時に、ハワイ島のキラウエア火山から出る二酸化硫黄によって産み出された風がホノルルにまで立ちこめ、白や茶色の「もや」を残すことがある。現在のハワイの風は火山のスモッグを完全に飛ばすにはあまりにも弱いのだ。

これは、喘息やその他の呼吸器系の問題を悪化させる懸念がある。

そして、パオ・シン・チュー博士が懸念していることは、今後、ハワイの人口が増えた場合、より多くの水が必要となるが、現在の風の弱い状況は、雨の減少と、その結果としての水の供給の低下に繋がることだという。

ハワイの議会は、予測される雨の減少から森林を守る対策のひとつとして、雑草を除去すること、そして森林植物を掘る野生動物を締め出すことなどを含む森林保護のための 850万ドル( 8億 5000万円)の国家予算を承認した。

貿易風の減少は、ハワイの一部が干ばつとなっている理由の一つだ。たとえば、マウイ島は、今年、観測史上最も乾燥した4月となった。干ばつは農業に影響を与える。

そして、貿易風の減少は、最大の産業であるハワイの観光にも影響を与える可能性がある。毎年 800万人の観光客がハワイを訪れる。しかし、貿易風がなくとも、ハワイの気候は東京や香港に比べても十分に穏やかだ。気温もテキサスやアリゾナのように上がるわけでもない。

なので、観光客の減少ということへの懸念は少ないと現地では見ている。

という記事で取りあげたことがありました。

どうでもいいようなニュースにも見えるのですが、個人的には、何となく気に留まるニュースでもありました。

先程の中国科学院の科学者たちは、北半球の風が弱くなっている原因を、「家や建物が増え、風が通りにくくなった」とか、「二酸化炭素の濃度が増えて云々」というようなことを述べていたようですが、おそらく、それは関係ないですね。

大きな大気の流れは高い場所を通っているわけですから、そういう地上の状態と関係する小さな話ではなさそうです。

やはり、たまに取りあげさせていただく、

「地球の大気の流れの崩壊」

というようなものが関係しているのではないでしょうか。

下のような過去記事は、今の地球の上空で大気の大きな変化や崩壊が急速に進行しているかもしれないことを示した記事です。

《特報》地球の気流が壊れた ジェット気流が赤道を通過して北極から南極に進むという異常すぎる事態。このことにより、この先の気象と気温はこれまでに考えていた以上のカオスとなる可能性が極めて濃厚に

2016年6月30日
気象の専門家たちは「私たちは地球規模の気候緊急事態を宣言しなければならない」と語り、騒然が広がる
カナダ・オタワ大学の気象学の専門家ポール・ベックウィズ教授による事態の解説
jet-stream-equator.jpg

ベックウィズ教授の動画解説欄の翻訳

北半球のジェット気流が赤道を越えて進行し、そして、南半球のジェット気流と合流するという事態が起きています。

これは今までになかった新しいジェット気流の動きだと思われ、そして、このことは、気候システムの騒乱が進行中であることを示しています。

現在の私たちの気候システムの振る舞いは、私たちが予想していなかった状況、あるいは予想はしていても、過去に経験したことのない新しい、あるいは恐ろしい方法で私たちを驚かせ続けています。

混乱した気候の世界へようこそ。

私たちは今、地球規模の気候緊急事態を宣言しなければなりません


今回ご紹介することは本当に驚くべきものですが、最初に何が問題なのかを簡単に記しておきます。

まず、そもそも、ジェット気流とは通常はどのような動きを見せるものかということと、そして、今はどのようになっているのかということから入らせていただきますと、まず、通常のジェット気流というのは、Wikipedia の説明では、以下のようになります。

ジェット気流 - Wikipedia

ジェット気流とは対流圏上層に位置する強い偏西風の流れ。

主要なものとして北緯40度付近の寒帯ジェット気流と北緯30度付近の亜熱帯ジェット気流がある。


図で示しますと、下のようになります。

通常のジェット気流の一例
jetstream-past.jpg

地図の下に「赤道」の位置を加えましたが、寒帯ジェット気流も、亜熱帯ジェット気流も、どちらも赤道などとはまったく関係しない場所を循環するのが普通だということがおわかりかと思います。

しかし、冒頭の動画のタイトルに「ジェット気流が赤道を通過している」とありますように、「ジェット気流が赤道を通過している」という壊滅的な変化が見られているのです。

下の写真は、アジアからオーストラリアくらいまでの位置の現在のジェット気流を示したもので、赤と緑で示されているジェット気流が「赤道」を通過して、しかも、寒帯ジェット気流と亜熱帯ジェット気流が「出会っている」という異常な光景が記録されたものです。

jet-stream-asia.gif

これまでの考え以上に気象と気温が混乱する可能性

ことの発端は、気象などの記事を記しているロバート・スクリブラー(Robert Scribbler)という方がブログ上で、このジェット気流の異常を指摘した

「巨大な重力波が冬と夏をゴチャゴチャにしてしまうのか? 壊れてしまったジェット気流が今、北極から南極に走っている」

というタイトルの下の記事の投稿以来、ソーシャルネットワーク上で大きな話題となり、冒頭のように、このことについて気象学の観点から状況を解説する専門家なども現れるというような騒動となっているという次第です。

wrecked-jet-stream0s1.jpg

これは「ジェット気流の動きが、これまで一度も見たことのないものとなっている」ということなんです。

先ほどのブログのタイトルに「冬と夏をゴチャゴチャにしてしまうのか」とあったり、冒頭のオタワ大学のベックウィズ教授は、「混乱した気候の世界へようこそ」と書いていたりしているのを見てもわかるように、今後、今まで想像していた以上の経験したことのない気象や気温が出現する可能性がより高くなっていると言えます。

ちなみに、ジェット気流のこの異常に関しては、「こういうことが起きている」という事実があるだけで、「理由」や「原因」は誰にもわかるものではないもののはずです。

どうしてこんなことが? ということに対しての答えは出ないと思われます。

しかし、現実として起きている。

この現象が、どのような異常気象や異常気温をもたらすのかも予測はできません、

しかし、最近言われていたような、「今年の夏は、エルニーニョからラニーニャに移行するから猛暑」というような単純な図式で、これからの気候や気温を考えることはできないと思われます。

気流の崩壊は続く 規則正しく続いてきた成層圏の気流のサイクル「準2年周期振動」の規則性が2015年に崩壊したことがアメリカ地球物理学連合の研究で明らかに

2016年9月4日
stratospheric-wind-anomaly.jpg

アメリカ地球物理学連合「ジオフィジカル・リサーチ・レター」より
qbq-2015-1.jpg

もはや、地球の大気の状態は、少なくとも過去数十年とは完全に違ったものとなってきている可能性が高いのです。

地球の天候に影響するいくつかの大気のサイクル

地球の気温や天候に影響を及ぼすものとして知られているものでは、一般的には「エルニーニョ(南方振動)現象」などがありますが、実は、他にも非常にたくさんあります。

ずいぶん以前ですが、

・気候を支配するものたち 北大西洋振動 (NAO)
 2010/02/13

季節 - 数十年スケールからみた気候システム変動という論文を紹介していただきました。日本大学文理学部地球システム科学科の山川修治という教授が書かれたもののようです。

これは、私のように気象に関しての概念がない人間にとっては大変に参考になるもので、気象や気候に興味のある方には是非読んでいただきたいと思います。簡単とは言い難いですが、「気候が作られていく理由や変化する理由」というものが漠然とながらもわかります。また、現在の異常気象の原因もこれで少しは理解できるかもしれません。宇宙からの影響がどうしたというようなことを先日、私は書きましたが、宇宙からの影響以前の知識として、こういう地球上の天候の一般知識を知ることがまずは大事かとも思います。

ちなみに、私などは気候変化の原因というと、エルニーニョ現象とか最近流行の北極振動くらいしか知らないのですが、気候変動に影響を与える現象として知られているものには、

・北極振動
・エルニーニョ・南方振動
・マドン・ジュリアン振動
・北大西洋振動
・太平洋数十年振動
・準2年周期振動
・対流圏準2年周期振動
・太陽活動

など、たくさんあるようです。
多くに「振動」という単語がつきますが、この文書によると「振動とは周期性をもって繰り返される現象のこと」だそうで、つまり、それぞれ周期の期間は違っても、「繰り返される」というもののようです。サイクルですね。最近、地球や宇宙を牛耳るあらゆることに「サイクルの存在」を感じますが、気象変動などにもサイクルが存在しているような感じを受けます。

今回から、この「季節 - 数十年スケールからみた気候システム変動」を少しずつ紹介したいと思います。私自身が、完全に無理解のところからスタートしているので、最後に行き着くには時間がかかるかもしれません。

今、世界で起きている異常な気象の原因や、あるいは、これからの地球の気象といったものを、私を含めた一般人がみんなで考えていくというのも、それはそれで楽しいことのように感じます。

今回は、私たちの住んでいる地球の「北半球」の気候形成に大きな役割を果たしているという、北大西洋振動という現象について。

なお、地球の気候(地域差になど)ができる基本的な理由ですが、「対流圏」と呼ばれる地表から上空12kmくらいまでの高さまでの空気の層があり、この層が「地域によって厚さが違う(赤道に近づくほど暑くなり、両極に行くほど薄くなる)ことで、空気の対流が起きて、気候の変化や地域差というものが起きるようです。

taiki-ken.gif

▲ 地球の対流圏というページにあった、宇宙から地表までの構造を示す図。気候はこの一番下の「対流圏」で起こされているとされています。

そして、気候の変動に影響すると考えられている大きな要素は、

・大気の構造と循環
・成層圏の循環
・太陽活動の影響
・海面水温変動が関連する数十年サイクルでの気候変動


などになっているようです。

北半球の大半の気候を司る北大西洋振動(NAO)

「離れた2つ以上の地域で気圧がシーソーのように伴って変化する現象」をテレコネクションというらしいのですが、すべての「振動」とつく現象はこのことによって起きているようです。「いくつかの地域で気圧がシーソーのように」、つまり、一方が高ければ一方が低いというように相関して変化することによって起きる現象です。

北大西洋振動も大気と海洋の相互作用によって発生するもので、起きる場所が違うだけで、エルニーニョ現象などの概念と同じようなものと考えるといいのかもしれません。

この北大西洋振動は、主に北半球の気候形成に大きく関係しているようで、たとえば、日本では「オホーツク海高気圧」というものが出現すると、初夏に低温下しやすいそうですが、その形成にも関与していることがわかってきています。

この北大西洋振動は、指数として数値化されていて、

・南北気圧差が平年値より大きいと正(プラス)のフェイズ
・南北気圧差が平年値より小さいと負(マイナス)のフェイズ

となるようで、これによって、偏西風(上空12~16kmのところを吹いている強い西風)の強弱が変化し、正フェイズと負フェイズでは、真逆の気候になっていくようです。

13_03.jpg
▲ 地球科学のせかいというページにある、シンプルでわかりやすい偏西風の図。

冬には、特にヨーロッパや中東などが北大西洋振動によって、直接的な影響を受けるようなのですが、後述しますが、そのヨーロッパやユーラシア大陸の冬の気候が、夏の東アジアの気候にも影響するようで、このあたり、なかなか壮大な話なのです。

要するに、気候というのは原因をひとつずつ上に探っていくと、小さな1地域の天候でも、その原因はどんどん地球全体のレベルに向かっていくというような部分はあるようです。


いわゆる「地球温暖化」という概念はこの「北大西洋振動」の1988年頃からの「正フェイズが長く続いた状況下でのもの」のもとで作られた概念だったようにも思われます。正フェイズでは、ヨーロッパ、中東などでは高温と干ばつが進行し、ロシアや中国北部なども気温が上がるようです。逆に、この活動が負フェイズの場合はヨーロッパ諸国やロシア西部、北アフリカ、アラビア半島などは寒冷化していくようです。また、韓国や日本などの東アジアでも寒冷化した冬となる傾向にあるそう。

こういう事例が挙げられています。

1997 年 1 月、オランダでは 11 年ぶりに伝統の 200 km 運河スケート大会が開催された。それまでの 10 年間は NAO 正フェイズが優勢で、暖冬続きであったが、この冬は前年の 12 月から NAO 負フェイズへ転じ、久々の厳冬になった。

前回の正フェイズ期間が、1988 ~ 1995 年と、わりと長いものでしたので、ひとつのパターンに入ると、十数年は同じ気候の傾向が続きやすいのかもしれません。

nao-1880-1995.jpg

このグラフは 1865年から1995年までの約140年くらいの期間の北大西洋振動の状況です。プラスになっているところは「正フェイズ」で、マイナスになっているところは「負フェイズ」だと思われます。

わりと規則正しいサイクルになっているように私には見えます。上の説明にあてはめると、「北半球は大体、10年サイクルで寒くなったり暑くなったりしている」ということなのかもしれません。

(番外)上のグラフが「1865年から始まっている」ということにちょっと興味を覚えて、太陽黒点のグラフと比べてみましたが、これは特に連動性は感じませんでした。下のグラフが、1875年頃からの黒点の状況です。

kokuten1850-2000-thumbnail2.jpg

北大西洋振動の状況から見る今後の天候

さて、今現在のヨーロッパの寒波の状況を見ると、少なくとも、北大西洋振動が「正フェイズ期間ではない」とは言えるような感じがします。そう思って調べてみましたら、北大西洋振動の現在の状況はネットで調べられるのですね。

Climate Prediction Centerというところで、過去4ヶ月間のNAO指数(北大西洋振動の指数)の推移を発表していました。
これが2009年10月から2010年2月12日までの北大西洋振動の状況です。

nao-2010-02.jpg

やっぱり、マイナスですね。
昨年の12月からほぼ負フェイズのようです。

論文の中に記載されている「北大西洋振動が負フェイズの場合の世界の天候の傾向」は、

・地中海で雨が多くなる。
・ヨーロッパとロシアの西部で平年より寒くなる
・北アフリカやアラビア半島方面で大雨になりやすい
・シベリアと東アジアでは低温
・アメリカの北東部で低温


となるようです。

などがあり、これらによって、世界各地の天候や気温などが変化していくとされています。あるいは、成層圏準2年周期振動は地球の大気中オゾン濃度の変化とも関係しています(この「オゾン層」については、いろいろと興味深いデータがあるのですが、いずれ記させていただこうかと思っています)。

今回、アメリカ地球物理学連合が発表したのは、「成層圏準2年周期振動」というものの異変で、この概念はやさしいものではないですが、Wikipedia から説明を抜粋しておきます。

成層圏準2年周期振動 - Wikipedia

成層圏準2年周期振動(QBO)とは赤道域の成層圏での風系が約2年周期で規則的に変動する現象のことである。


これに関しては、今回ご紹介する本文の方でもふれられていますが、どういう現象かというのはともかくとして、観測により確認されてから 60年以上、この「成層圏準2年周期振動」は、正しい期間的サイクルで変動を続けてきたのでした。

その数十年間観測され続けていた規則正しい動きが「 2015年から崩壊した」ことが、今回の発表の内容です。

まずは、そのことを取り上げた記事の翻訳をご紹介しておきます。

ここに出てくる言葉の中に、「対流圏」と「成層圏」というものがありますが、上空 10キロメートルくらいまでを対流圏、その上の 10キロから 50キロメートルくらいまでを成層圏と呼んでいます。

fig_01-1.jpg

現在「異常」が起きているのは、この中の成層圏での大気サイクル現象です。

それでは、ここから記事です。

Mysterious anomaly interrupts stratospheric wind pattern
THE WATCHERS 2016/09/02

不可解な異常が成層圏の大気の流れの規則性を遮断している

科学者たちは現在、赤道成層圏においての東風と西風の典型的な交互の流れの規則の偏差を観察している。これは、これまでおこなわれたことがなかった観測だ。

私たちが地球上で経験する気象は、一般的に対流圏で発生する。対流圏は高層大気の最も下にあたる場所だ。
troposphere-a.jpg

しかし、地球の対流圏の上にある成層圏は、彼ら独自の風を生み出している。

今回の観測による新しい研究で、科学者たちは、信頼性の高い成層圏の風の規則に異常な妨害が起きていることを報告した。

この成層圏の風の規則は「準2年振動」として知られている。

これは、赤道上空の成層圏では赤道を中心とする南北対称な東風と西風が約1年交代で交互に現れる大気の規則で、強い西風で始まる準2年振動は、約1年かけて、これらの西風が徐々に弱まると、今度は西風と交代するように、東風が下部成層圏に高度に落としてくる。

このサイクルは、平均的に 28ヵ月周期で繰り返されるている。

1953年以来、科学者たちは、ラジオゾンデとして知られている機器によって赤道風を観察している。ラジオゾンデはゴム気球により上空に運ばれる。

(訳者注)ラジオゾンデ とは、地上から上空の高層気象観測の気象データ(気温、湿度、気圧)を随時観測するために、主にゴム気球で飛ばされる無線機付き気象観測機器のこと。写真は、気象庁のラジオゾンデ。
radiosondes.jpg

その観測の中で、準2年振動は、1960年代初頭に発見された。

準2年振動の各サイクルの時間的推移は、数か月程度の幅で変化することはあるが、全体としての規則性はこれまでの観測の中で、途切れることなくこのサイクルは推移していた。

ところが、今回の観測では、世界中のいくつかの赤道地点でラジオゾンデを用いたデータから科学者たちが発見したことは、今まで一度も途切れることなく続いていたこの準2年振動が、2015年に通常のパターンから逸脱し始めたことだった。

通常なら、西風の高度が下がり、それとシンクロするように風邪は弱くなり、東風が置き換わる必要があるが、2015年には、そのようにはならず、西風の高度が上に変化し、高高度の東風の下降を妨害しているような動きを見せたのだ。

これは、準2年振動の通常の動きとは違うものだった。

研究者たちは、この異常の原因を特定するために、風や温度のデータの分析を続行することを予定している。そして、これらの異常が、何らかの影響につながるかもしれない可能性についても検討する。

彼らのこの調査は 2015年から 2016年まで続いたエルニーニョ現象と、気候変動との関連についての調査も含まれる。

ここまでです。

ちなみに、「準2年振動」とか、あるいはエルニーニョも「南方振動」というような日本語名称となっていますが、この「振動」というのは、一般的な日本語の感覚での、ガタガタとかいう振動のイメージのものではなく、気象学でいえば、

「振動とは周期性をもって繰り返される現象のこと」

を言うそうです。

このような発生する「サイクル」を持っている大気現象が、地球にはいくつもあり、なぜ、そして、どういうメカニズムでそれらのサイクルが存在しているのかはいまだに「ひとつも」わかっていませんが、そういう中のサイクルのひとつが、「今、壊れた」ということになりそうです。

次々と崩壊していく地球の循環サイクル

本来なら地球の北半球を東西方向に向けて流れ続けているジェット気流が「南北方向に流れている」という衝撃的な報告を取り上げたものでした。
jet-collapse-2016b.gif

これに関しては、その後もいろいろな議論があり、このジェット気流の流れの異変そのものについて疑う意見などもあり、今でもどうもわからないままですが、このジェット気流の異常の際には、何人かの専門家や気候学者がそのように主張していたものの、公的な確認はついに「ない」ままでした。

しかし、今回は、アメリカ地球物理学連合という地球物理分野で最大の権威による発表であるということもあり、「異常が実際に起きている」ことについては疑う余地がないのです。

仮にですが、仮に、先ほどふれました「ジェット気流の異変」が(たまたまであっても)本当に起きていたということがあるのなら、私たちは、

・ジェット気流

・成層圏準2年周期振動

という2つの地球大気の循環サイクルの変化というのか「崩壊」というのか、そういうことに直面しているかもしれないのです。

そして、大事なことは、地球の現象のすべては「ひとつに収束する」というように考えられることです。

これは、たとえば、海にはいろいろな海流があって、名前のついたそれぞれの海流が存在しているように見えても、それらは結局、海水の大循環の中に組み込まれていくものですので、海流は最終的にはひとつであり、そして、おそらくは、海流は「小さな異変が、大きな異変へと結びついていく」ものだと私は考えています。

そして、大気の循環も、ある程度同じようなことが言えるのかもしれないと思っています。

その理由としては、「どうしてこれらの大気の大きなサイクルが存在するか」ということは科学的にはわかっていないわけですが、普通に考えれば、これほど大きな物理的な動きをコントロールする力となりますと、宇宙からの何らかの力か、あるいは地球内部からの何らかの力が関係していることは間違いないわけで(おそらくは宇宙)、ということは、

「宇宙からの何らかの力が変化したいるのなら、すべての変化につながる」

と考えても、それほど矛盾しない気がするからです。

とはいえ、これに関しては、そのメカニズムを推測しても仕方ないことではあります。

しかし、現実としてこの数年間は、気流の変化に起因すると思われる異常な気象や異常な大気の流れが少しずつ顕著になり続けていて、そして今では、その変化が実際に体感できる上に確認(異常気象や自然災害の増減の数値など)できる状況となってきています。

やはり変化しているのだと思います。それも、わりと急激に。

もし、大気の大きな循環のサイクルが崩壊してきているのだとすれば、今のような夏の台風シーズンだけなどではなく、秋も冬も、そして春も、私たちは何か今まで経験したことのないような気候の状態に直面する時が多くなるのかもしれません。

最終更新:2019/01/13 21:23

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