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2018/06/06 16:44

温暖化も寒冷化もなく世界各地の気温はムチャクチャな渦中。メキシコでは44℃の中で信号機が溶け、極東シベリアでは37℃の超熱波。一方で、ロシア西部と南米チリでは寒波の記録を更新中

観測史上最高の熱波を報じるメキシコの報道より
mexico-44-record.jpg

南米チリの首都サンティアゴは氷点下の気温と氷に包まれている
santiago-kion-m3.jpg

ユーラシアの気温の現況を見てみましたら、下のように「何だかグッチャグチャ」になっていたのでした。

下は、6月2日の「平年との気温の差」です。

簡単に書けば、

・赤が濃くなればなるほど平年より気温が高く
・青が濃くなればなるほど平年より気温が低い

ことを示します。

2018年6月2日の中東、ロシア、アジア等の平年との気温差
0602-kion-anomaly01.jpg

数字が小さくて、よくわからないかもしれないですが、ロシアの極東から中国東北部などで、場所によって「平年より 15℃気温が高い」というようなことが示されている一方で、ロシア西部やカザフスタンなどでは「平年より 10℃以上気温が低い地域が続発している」ということになっています。

russia-0602-kionb.jpg

現在のユーラシア大陸の気温の分布を大まかにあらわしますと、およそですが、以下のようになっているようです。

0602-kion-anomaly02.jpg

平年より気温が 10℃以上高い地域や、 反対に 10℃以上低い地域がこれだけ広範囲に広がっているとは今日調べるまで知りませんでした。

ヨーロッパやアメリカの荒れた気象に関して記事にすることは最近もありましたけれど、アジア地域の気象については、それほど取りあげていませんでしたので、気温は平年並みに推移しているのかな、程度に考えていたのですけれど、そうはいかないですね。

先ほどの気温分布では、6月2日に関しては、日本列島もほぼ全域が平年より気温が高く、しかも、北海道から九州まで広い地域で、平年より 5℃以上高い場所が点在しているという状況のようです。

つまり、「今は平年より暑い」ということになるようで、先ほどの「心地良い」という表現は適切ではないようです。

どうして、こんなにちぐはぐな気温の分布となってしまっているのかに関しては、個別にもいろいろと条件はあるでしょうし、大きな意味では、先日、ジェット気流に関して書いた以下の記事にあるようなことも関係するのかもしれません。

地球のジェット気流が崩壊している中で、その大気の循環異常のメカニズムがアメリカの日本人科学者によって突き止められる

5月24日の米シカゴ大学ニュースリリースより
jet-stream-traffic.jpg

気象異常が拡大している中で発見されたジェット気流異変のメカニズム
最近は、異様に荒れた気象や、それと共に出現する空の様相などを取りあげさせていただくことが多いですが、「気象が根本的に変わった」ということに関して、3年くらい前までは、「感覚的な部分もあるのかな」とも思っていたのですけれど、異常な気象状態ということに関して今ではそれは感覚的なものではなく、現実として、

「地球の気象は最近急激に異常になったと断言してもいい」

と思われるのですが、気象を左右する条件の中でも、直接的な影響に関して非常に大きい存在と考えられるものに「ジェット気流」があります。

最近、それに関しての研究が、科学誌サイエンスに発表されました。

発表したのは、アメリカのシカゴ大学の科学者たちで、筆頭研究者のお名前は「ノボル・ナカムラ」教授とあり、調べてみますと、おそらく日本人の中村昇さんという科学者の方だと思われます。

このナカムラ教授たちが、異常気象をもたらす際のジェット気流の「ブロッキング」という停滞現象が起きる要因を明らかにしたというものです。

今回の発表は、ジェット気流の崩壊というような話ではなく、以前より実際に頻繁に起きる「ジェット気流のブロッキング現象」についてのメカニズムを明らかにしたというものです。

ジェット気流というのは、時期により、あるいは日々そのコースは変化しますが、正常な状態では、おおまかに下のようなルートで地球を循環しています。

そして、一般的には、「どの部分も基本的には、スムーズに循環している」ということになるのですが、現実には、このジェット気流が「全然スムーズに動いていない」ことが頻繁に起きます。

たとえば、今回ご紹介する記事の中には下の図が示されています。2017年3月のジェット気流の様子が示されています。

2017年3月8日 ブロッキングが起きているジェット気流
jet-stream-uchicago.gif

この記事にありますように、「ジェット気流がスムーズに動いていない」というようなこともあるのかもしれないなとは思いますが、まあしかし、いろいろな条件があるのでしょうね。

気温に関係するニュースを少し見てみましたけれど、やはり範囲を世界全体にしてみても、寒冷化とか温暖化とかの「傾向」というものがなくて、グチャグチャではあります。

冒頭に、熱波のメキシコの報道と、時期としては異常な寒波のチリについての記事を載せましたけれど、メキシコにいたっては、「高温で標識や信号機が溶けている場所がある」のだそうです。

下の写真は、メキシコのトレオンという場所の 6月1日の様子です。

6月1日 メキシコ・トレオンで熱波で溶けた信号機のカバーなど

torreon-melting-shingou.jpg

あと、先ほどの気温分布にもありましたけれど、ロシア西部の広範囲が異常な寒さに見舞われていまして、氷点下を記録する場所があるなど、5月としては記録的な寒波となっています。

シベリアの寒波を報じるロシアのメディア

siberia-panic-cold.jpg

ロシアの首都モスクワでも、6月1日に、6月として観測史上で最も低い気温が観測されたことが報じられています。

そして、ロシアの東側では先ほどのように非常に高い気温となっていて、6月2日には、シベリアで「37℃」を記録した場所もあります。

6月2日のロシアの極東シベリア周辺の最高気温(35℃超えの地点が多数)
siberia-37c-0602.jpg

いくら何でも、これらの気温はちょっと極端ではあります。

日本は今のところ、天候も気温に関しても比較的穏やかな状態で推移していますが、いつこのロシアの状態のようになるかはわかりません。

それが高いほうか低いほうかもわかりませんが、世界中を通して今年もまた気象と気温の問題は大きく生活に影響しそうです。

たとえばヨーロッパでは、ワイン生産が寒波で戦後最低の生産数になるほどの崩壊の局面にあるなど、実生活に相当強く影響する事態が本格化しています。

そして、すでに「何年ものあいだ」この気象と気温の問題は蓄積し続けていますので、表面化する問題は今後さらに大きくなりそうです。

最終更新:2018/06/06 16:44

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