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2018/03/13 22:19

地球の磁場変動と反転は「信じられないほど頻繁に」起きる? : 最新の研究から判明したアフリカ地下での磁場異常の歴史が物語る「磁極の反転あるいはポールシフトの真実」

2018年3月7日のロシア・トゥディの報道より
africa-jiba-hanten01.jpg

地球の「磁極の反転」については、これまでたびたび記事にすることがありましたが、数日前、興味深い報道を見つけましたので、ご紹介したいと思います。

今の地球は、観測が始まって以来の百数十年の中で「その磁場が著しく弱くなっている」ことがわかっています。

下のグラフはわかりやすいものだと思います。

地球の磁場の減衰の様子(西暦1900-2000年)
mf-decay-2000.jpg

こうした中で、これらが、

「地球の磁極の反転(磁極のポールシフト)の前触れなのではないか」

という意見は科学界に根強くあり、それについての研究は比較的盛んです。欧州宇宙機関(ESA)などは、地球の磁場の観測のためだけの地磁気観測衛星スウォーム(SWARM)を運用したりしていまして、注目のある分野ではあります。

そんな中で、最近、「地球の磁極の反転が始まる場所はここなのかもしれない」という可能性のある研究が発表され、欧米などのメディアがいっせいに取りあげていました。

まずは、その記事をご紹介したいと思います。

冒頭のロシア・トゥディ(RT)の記事となります。

なお、記事の中に「南大西洋異常帯」という言葉が出てきますが、これは Wikipedia によれば、下のようなものです。

南大西洋異常帯 Wikipedia
南大西洋異常帯(SAA)は、ヴァン・アレン帯における異常構造である。通常、内部ヴァン・アレン帯の最低高度は約1,000km以上であるが、SAAにおいては高度300kmから400km程度にまで下がっている。そのため、同高度で比較すると放射線量が異常に多く検出される。

この影響で、地球の磁場は、ブラジル上空で最も弱くなり、内部ヴァン・アレン帯がここで落ち込んで地球に最も接近する。


ヴァン・アレン帯というのは、地球を取り囲む放射線帯のことですが、その南大西洋異常帯という場所は、その放射線帯がとても低い場所にあるため、放射線量が異常に多く検出されるのだそうです。

下の赤い部分が、その「南大西洋異常帯」です。

南大西洋異常帯(赤い部分)
saa.jpg

このあたりを念頭に置かれて読まれていただければと思います。

なお、あまり関係ないですが、この南大西洋異常帯は、南米から、南緯 33度線を中心として大西洋を移動し、アフリカ大陸まで広がっていることが地図からわかります。

それでは、ここから記事です。

Strange phenomenon under Africa threatens to flip Earth’s magnetic field
RT 2018/03/07

アフリカの地下の奇妙な現象が地球の磁場を反転させる恐れがある

現在、地球の磁場は急速に減衰しており、多くの科学者たちが地球の極が反転するのではないかと考えている。

最新の調査では、「南大西洋異常帯(SAA / ヴァン・アレン帯における異常構造地帯)」と呼ばれる地域の中のアフリカの地下において、最も重大な磁場の弱体化が起こっていることが示されている。

地球の磁場は、私たちに北極と南極の位置を与えるだけでない。

磁場は、私たちを太陽風や宇宙線から保護している。

磁場の保護がなければ、今日、私たち人類は地球上には生存していないはずだ。しかし、過去 160年間のあいだにもこの地球の磁場の力が大幅に弱まっており、科学者たちは地球の磁極が反転している可能性があることを示唆している。

もしそれが起これば、これは磁気の極性の入れ替えを意味する。つまり、北を指すコンパスは、南を指すことになる。

不思議な現象だと思われるかもしれないが、この「磁極の反転」は実際に地球の歴史の中で何度も起こきていることでもある。磁極の反転は、およそ 20万〜 30万年ごとに発生していることがわかっている。

下の図は、NASA による磁極が反転する際の磁場の混乱を示している。
during-reversal.jpg

地球の磁場の反転が「生まれる」場所

「南大西洋異常帯」は、アフリカのジンバブエから大平洋を通って南米のチリに至るまで続く。この地帯の過去 160年間の劇的な磁場の弱体化は科学者たちにとって特に興味深いものだ。

現在、この地帯の磁場はとても弱く、人工衛星がその地域に入るのは危険なエリアともなっている。

この南大西洋異常帯は差し迫った磁極の反転の先駆けなのかもしれず、この場に磁極の逆転に関するデータが存在しているのではないかとも考えられている。

アメリカ地球物理学連合(AGU)の「ジオグラフィック・リサーチ・レターズ(Geophysical Research Letter)」に掲載された米国ロチェスター大学の新しい研究は、驚くべき現象に光を当てた。

最近の変化を環境と整合させるために、研究者たちはアフリカ南部の各地域からデータを集め、過去何世紀にもわたる地球の磁場強度の記録を集めたのだ。

研究者たちは、古代アフリカの初期鉄器時代と後期鉄器時代にまで遡り粘土の残骸からデータを集めた。これらの人工物からのデータは「古磁場観測(archaeomagnetism)」という手法を用いて過去の磁場を研究することが可能となった。

「非常に高い温度で粘土を焼くと、磁性の鉱物が安定します。そして、土器が高温から冷えたときに地球の磁場の記録がそこに保持され続けるのです」と研究者の一人である、ジョン・タルドゥノ(John Tarduno)氏は説明する。

そして、彼らはこの研究により、このアフリカの地域の磁場が過去 1600年間に数回変動していることを発見したのだ。

これは、アフリカの下の地球の中核で繰り返された現象の最新のものだと考えられる。そして、このアフリカで起きる現象は、地球全体に影響を及ぼすと確信される。

(※訳者注 / ここにありのす過去 1600年間の磁気異常の発生の正確な年代は、西暦 400-450年の間、700-750年の間、1225-1550年の間の3回のようです)

研究者のタルドゥノ氏は、以下のように結論付けた。

「アフリカの中核 - マントル境界には何か普通でないことが存在しているという強力な証拠が得られた。そして、これは地球全体の磁場に重大な影響を及ぼす可能性がある」

論文の筆頭著者であるヴィンセント・ハレ(Vincent Hare)氏は、これらのデータは、必ずしも地球の磁極の反転を完全に予測しているとは限らないとして、以下のように付け加えた。

「この異常な動きが過去 160年から 170年の間に少なくとも 2回起こり、そして、これがより長期的なパターンの一部であることがわかりました。しかし、この動きが完全な地球の磁極の反転につながるのかどうかを確定するのは時期尚早です」。

ここまでです。

なお、記事では、アフリカ南部から古代の粘度のデータを集めたとありますが、そのデータを集めた地域は、調べてみますと下のエリアでした。

今回の研究でデータが集められた地域(赤で囲んだ場所)
sa-saa.jpg

この研究の内容は、この地で、

・過去 1600年間のうちで 3回の磁場の異常があったことがわかった

ということで、そして、

「この磁場の異常は、地球全体に影響を与えるものだった可能性がある」

ということになりそうなのですが、さて・・・ここで考え込んでしまったのですね。

過去 1600年というと、地質的年代では、そんなに大した期間ではないのですね。

具体的に、今回の研究で過去にこの地で磁場の異常があったと観測されるのが、それぞれ「大体」ということになりますが、

・西暦 400 - 450年
・西暦 700 - 750年
・西暦 1225 - 1550年

のあいだなのだそうです。

そして、私の理解が間違っていなければ、この間に地球の磁場の移動(反転)が起きていたのかもしれないということになるのかもしれないのです。

この年代区分は、日本の歴史でいえば、

・西暦 400 - 450年 → 古墳時代
・西暦 700 - 750年 → 奈良時代
・西暦 1225 - 1550年 → 鎌倉時代から戦国時代

仮に、このそれぞれの期間において、「磁極の反転、あるいはそれに準じるような地球規模の磁場間異変が起きていた」とした場合には、どういうことになるかといいますと・・・。

「地球の磁極の反転の間にも社会を壊滅させるように天変地異はなかった」

としか言いようがないような気がするのです。

古墳時代はともかく、奈良時代にしても、鎌倉時代などにしても、個別の大地震はいくらでもあったでしょうが、「地球すべての文明が全滅したという記録は、世界のどこにも残っていない」ような気がするのです。

もちろん、今回の研究が、その時に「地球の磁極の反転が起きていた」ことを述べていることを確定しているわけではないですが、もし、それに近いようなことがあるのだとするならば、

「地球の磁場の反転、あるいは磁極のポールシフト等と呼ばれるものの影響は実は大したことはないという可能性が出てきた?」

というように思えてきてしまったのです。

もともと、これらのような「地球の磁場の反転」に強く興味を持ったのは、

「2012年に、太陽の磁場が奇妙な反転を起こした」

ということが大きいかもしれません。

磁極が「一時的に4つになった」2012年の太陽
20120419-solar-polar02.jpg

これは国立天文台が 2012年4月に発表したもので、下はその時の読売新聞に掲載された報道からの抜粋です。

太陽磁場、来月に4極化か
読売新聞 2012.04.20

国立天文台などは(2012年4月)19日、 5月にも太陽の磁場が反転し、北極と南極にN極(プラス磁場)、赤道付近に二つのS極(マイナス磁場)が出現する「 4重極構造」に変化するとの予想を発表した。

同天文台の常田佐久教授(太陽物理学)らは、太陽観測衛星「ひので」を使い、磁場データを分析。2011年 7月以降、北極の磁場がS極からN極に反転し始めたことを確認した。

一方、ほぼ同時に反転するはずの南極はN極のままで変化せず、 4重極構造が確実視される状況となった。


地球も「太陽に続いて奇妙な磁極の反転を起こすのではないか」というようなことを思ったりしていたのでした。

地球が定期的に磁場の反転を起こすことは知られていましたが、ただ、今までは「数十万年に一度」だとか、そういうことだったのですが、今回の研究では、そのスパンが「ものすごく短い(数百年周期)かもしれない」という可能性もあるのかもしれません。

そして、何ともいえないにしても、仮に過去 1600年の中で何度も地球が「磁場の変動と異常」を経験し続けていたというのなら、今後起きる地球の磁極の反転という一大事象も、あるいは穏やかに過ぎていくのかもしれません。

ただ、地球全体の磁場に大きな変化が起きること事態は確かなわけですから、地質的な変動がまったく伴わないということはないと思われます。それなりにダイナミックな変動を起こしながらということにはなりそうです。

最終更新:2018/03/13 22:19

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