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2018/02/28 21:49

太陽活動が低い時期には急性心停止が著しく増加する

アメリカ心臓協会が発行する医学専門誌 Circulation より(2017年)
cardiac-death-solar.jpg

太陽活動と心臓停止

冒頭に載せたアメリカ心臓学会の医学誌の記事は 2017年11月のもので比較的新しいものですが、「地磁気活動と心臓停止の研究」の歴史は古く、その中でも、2002年に発表された「地磁気活動と心臓停止の関係」という文献が本格的な研究の走りだったかもしれません。

それぞれの文献の詳細は医学論文ですので難解ですが、冒頭のアメリカ心臓学会雑誌の論文の「結論」の部分の最後の一文が大体のところをあらわしていると思います。

それは下の通りです。

アメリカ心臓学会雑誌「生命を脅かす不整脈と心臓停止と、地磁気活動の関係」の結論部より

今回のチェコ共和国のプラハ市での集団数(4693例)からの研究では、高い太陽活動を伴う日には、心停止の発生頻度が低いことを示唆する傾向が伺えた。

これらのデータは、心室頻脈性不整脈の患者に焦点を当てておこなわれた以前の研究の結果と一致している。

ここに、

> 高い太陽活動を伴う日の心停止の発生頻度が低い

とあり、これは逆に書けば、

「低い太陽活動の時には心停止の発生頻度度が《高い》」

ということをあらわします。

ここには「太陽活動」とだけあるのですが、この論文や、他のさまざまな研究の論文からは、心停止と関係するものは、

・地球の地磁気の低下

・宇宙線の量

なんです。

たとえば、下の 2017年の科学論文の結論には、さらに詳しく書かれています。

scd-spaceweather.jpg

この論文の結論は、以下のようなものです。

頻脈性突然心臓死(心室頻脈および心室細動に関連)は、より高い宇宙線(中性子)活動および、より弱い地磁気活動を伴う状態において、著しく、より頻繁に起こる。

とあり、これをもっと簡単に書きますと、

「突然の心臓死は、宇宙線量が多い時と地磁気活動が弱い時に《著しく》頻繁に起きる」

ということです。ここには「著しく(significantly more often)」という文言が入っており、科学論文においてのこの形容は、「有意に」という以上だと考えていいものだと思います。

こういう「宇宙線量が多い時」と「地磁気活動が弱い時」には、心臓が原因の突然死がとても増えるという検証が数多くとられているわけです。

では、いつがそういう時かというと「今」なんです。

今というか、「これからずっと」なんです。

宇宙線量が多い時と、地磁気活動が弱い時というのは、太陽活動が弱い時のことをさすわけで、このどちらの条件とも関係がある「太陽活動の停滞」は、まさに今始まっているのです。

太陽活動が縮小し続けていて、今後、太陽活動の最小期に入るということは、この1、2年何度も記事にしてきました。そのあたりは、カテゴリー「これからの太陽活動」などにありますが、いよいよ、本格的にその時期に入ったことが今日のスペースウェザーの記事のタイトルにあらわれていました。

2018年2月22日のスペースウェザーの記事より
spaceweather-2018-0222.jpg

今後はこのような「太陽黒点ゼロ」の中での「太陽活動が極端に低い状態」の時が長く続いていきます。

そして、それに伴って、

・地球への宇宙線量が増える

・地球の地磁気活動が弱くなっていく


というふたつのことが、顕著になってきくるわけです。

その時期は、先ほどの論文の、「突然心臓死は、宇宙線量が多い時と地磁気活動が弱い時に《著しく》頻繁に起きる」という状態そのものであり、結局、私たちは今後そういう時期に入っていくということになるわけです。

あとは、

「どれほど地磁気活動が弱くなるか」

「どれほど地球上に到達する宇宙線の量が多くなるか」


ということによるかと思いますが、かつて例を見ないほどの弱い太陽活動が続いてる中、今後もかつてないほどの状態となっていく可能性は高いと思われます。

今でも一般のメディアなどでは、今も昔もずーっと、心臓死の原因について、肥満やタバコや運動不足や不摂生を口にしますが、しかし、ここ数年若くして亡くなった有名人の方々を思い出してみて下さい。

ガンで亡くなられたの方や、心臓が原因で亡くなられた方々など様々な原因で亡くなられた方々がいらっしゃるとは思いますけれど、その方々を思い出してみていただきたいのですが、「肥満やタバコや運動不足や不摂生」というものが当てはまるような方はほとんど思い浮かばないのではないでしょうか。

むしろ「肥満や運動不足や不摂生」の有名人のほうが元気に生きていたりする。

私たちの生きている現代社会は、「健康と不健康に関しての何かの幻想」に取り憑かれているのだと思うしかないですが、幻想から出て行くことも必要ではないでしょうか。

現実としては、一般に喧伝されていることとはまた違う「現実」があります。

たとえば、少し前の記事、

・「非ステロイド性抗炎症薬」の功罪がまたひとつ : 鎮痛薬イブプロフェンで「急性の心停止」のリスクが極めて高くなることが大規模な医学的調査で判明

どこにでも売られていて、最も気楽に飲む薬のひとつと「死」の関係
欧州心臓病学会のNSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)と心停止の関係についてのプレスリリース

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パッと思いつくままに挙げてみたNSAIDs
NSAIDs-ex.jpg

鎮痛薬アセトアミノフェンが配合されている製品を「妊娠中の女性」が使用した場合、「数年後、あるいは 10年を超えた年月の後に、その子どもが ADHD (注意欠陥・多動性障害)と診断されるリスクがとても高くなることが判明した」ということをご紹介したことがあります。

イブプロフェンもアセトアミノフェンも、医学的には NSAIDs という英語表記がなされるものですが、これは日本語では「非ステロイド性抗炎症薬」とされます。

非ステロイド性抗炎症薬とはどんなものかというと、専門家ではない私が最も的確に表現すると以下のようになります。

「市販されている痛み止めのすべて。そして病院で処方される痛み止めのほぼすべて」

となります。

薬局で頭痛薬などの鎮痛剤を購入すれば、それはほぼすべて「非ステロイド性抗炎症薬」で、何かの症状で病院に行って、熱や痛みに対して薬が処方された場合も、ほとんどはは、「非ステロイド性抗炎症薬」となります。「ほとんど」というのは便宜的に入れているもので、実際には「すべて非ステロイド性抗炎症薬」と書いてもさほど問題ないと思います。

IBUPROFEN CAN STOP YOUR HEART (31% INCREASE IN CARDIAC ARREST RISK)
collective-evolution.com 2018/02/12

鎮痛薬イブプロフェンは心臓を停止させる可能性がある(急性心停止のリスクが31%増加する)

アメリカの「急性心停止財団(Sudden Cardiac Arrest Foundation)」によると、突然心臓が停止する急性心停止(SCA)は、アメリカあるいは他の国々での 40歳以上の成人の主要な死因であり、アメリカだけで年間 326,200人が病院外での急性心停止を経験している。

財団の資料によれば、急性心停止になった 10人のうち 9人が死亡している。

しかし、驚くべきことに、いまだに急性心停止の原因は依然としてわかっていないと考えられている。原因がはっきりとしていない中、医師たちは、家族の病歴、以前に心臓の問題をかかえていたかどうか、あるいは LDL コレステロール(心臓病に関して関係があると言われつつ実は陳腐化しているマーカーのひとつ)など漠然とした危険因子の指摘に終始している。

しかし、医学データの中に、急性心停止に関してのかなり明白な因果関係が示されているものがあり、そして、これが予防につながるとしたらどうだろう。

それは、NSAIDs (非ステロイド性抗炎症薬 / ※ 市販を含め、ほとんどの鎮痛薬)との関係だ。

NSAIDの心臓停止の副作用を明らかにする新しい研究

欧州心臓病学会(ESC)が発表した「《無害な》鎮痛剤が、急性心停止の増加と関係している(‘Harmless’ painkillers associated with increased risk of cardiac arrest)」と題された報告では、一般的に無害であると考えられている多くの鎮痛剤が、急性心停止のリスクの増大と有意に関係していると警告している。

この報告は、欧州心臓病学会の学会機関誌に掲載されたもので、非ステロイド系抗炎症薬の使用が「病院外での急性心停止」の有意な増加と関連しているという大規模な研究に基づいている。

研究者の 1人であるガンナー・H・ギサルソン(Gunnar H. Gisalson)教授はインタビューで以下のように述べている。

「これらの非ステロイド性抗炎症薬は、処方箋なしで購入できる上に、その際に、専門家からの助言もなしに、あるいは制限なしに服用することができますが、これでは、まるで、これらの薬が安全であると公的に語っているかのようなものです」

「しかし、研究では、非ステロイド性抗炎症薬は、心血管リスクの増加に関連していることがわかっています。そのために、私たちは、非ステロイド性抗炎症薬が広く使用されていることを懸念しているのです」

研究では、10年間にわたってデンマークでの病院外での急性心停止を経験した合計28,947人の患者を調べた。すると、これらの人々のうち 3,376人が、急性心停止を起こす 30日前までに非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を服用していた。

使用されていた最も一般的な非ステロイド性抗炎症薬は、イブプロフェン( 51%)および、ジクロフェナク( 22%)であった。(※ 訳者注 ジクロフェナクは、日本ではボルタレンとして知られます)

なお、心臓発作と急性心停止は違うものだ。心臓発作は、血液供給が停止した時のもの(通常は循環障害による)で、心停止は「心臓自体の損傷」で停止する。

研究結果は、非ステロイド性抗炎症薬の使用が、心停止のリスクを増加させることを明らかにした。具体的には、イブプロフェンで 31パーセント、ジクロフェナク(ボルタレン)では 51パーセントの増加となった。

非ステロイド性抗炎症薬でも、ナプロキセン、セレコキシブ(セレコックス)およびロフェコキシブは、心停止の増加と関連していなかった。

ガンナー教授は、以下のように言う。

「この研究により、非ステロイド性抗炎症薬は無害ではないということを痛感しています。広く一般的に使用されている薬物であるイブプロフェンとジクロフェナクは、その使用により急性心停止のリスクが有意に増加していました。 非ステロイド性抗炎症薬は慎重かつ有効な適応のために使用すべきです。また、心臓血管疾患や心血管系の危険因子が多い患者への使用は避けなければならないでしょう」

非ステロイド性抗炎症薬の心臓への影響は以前からも指摘されることがあったが、今回の研究では、確証された形となった。

教授はインタビューを次のように締めた。

「現在、非ステロイド性抗炎症薬について一般に認識され広く知らされている内容(※ これらが気軽で安全な薬という認識)は間違っています。何しろ、これらの非ステロイド性抗炎症薬は、コンビニエンス・ストアで購入することがでくきるのです。そのような薬なら、誰しも、『これは安全な薬に違いない』と思うでしょう。しかし、私たちの研究は、非ステロイド性抗炎症薬の心臓血管に対しての有害な影響を確認しているのです」

「私たちはこの事実を真剣に受け止めるべきだと思います。非ステロイド性抗炎症薬は、医療専門家に相談した後にのみ使用するべきです」

アスピリンやアセトアミノフェンなどの他の一般的な鎮痛薬も、一般に報告されてはいない壊滅的な副作用を有することにも留意してほしい。

ここまでです。

なお、文中にありますが、非ステロイド性抗炎症薬のすべてが心停止と関係しているのではありません。今回の研究でわかったのは、

・イブプロフェン
・ボルタレン

のふたつです。

いずれにしましても、冒頭のほうの過去記事の内容を含めますと、最近に非ステロイド性抗炎症薬の鎮痛剤についてわかってきたこととしては、

・鎮痛剤の一部(主にイブプロフェン)は男性の生殖機能を弱め不妊にする可能性

・鎮痛剤の一部(主にアセトアミノフェン)は妊婦さんの体内の子どもの将来の成長に強く影響を与える可能性

・鎮痛剤の一部(主にイブプロフェンとボルタレン)は心停止を増加させる可能性


というようなものが出てています。鎮痛剤と書きましたが、すべて非ステロイド性抗炎症薬です。

では、鎮痛薬イブプロフェンのあまりにも高い心停止のリスク増加について書きましたけれど、このリスクの数値などは、先ほどの「肥満やタバコや運動不足や不摂生」などを吹き飛ばすほどのものです(この記事を書くまで、うちにもイブプロフェンの鎮痛薬があったのですが、家族が飲んだら……と思い、ちょっとこわくなって捨てましたよ)。これに今回書いている太陽活動を含めれば、今の世の中で言われている心臓へのリスク要因は実は小さなものであることにも気づきます。

また、今の医学で言われている心臓のリスク要因は「血管と心臓との関連」でのものですが、鎮痛薬も太陽活動も「心臓に直接作用する」ものですので、そもそもリスクの質が違うものです。

病気になる「本当の原因」は今の医学で言われているものと少し違う部分がいろいろなところにあります。

そう遠くない、いつか、私たちの社会はほぼ完全に崩壊する時がきますが、そういう時に、つまり「もはや人間の力がどうにも及ばないとわかった時」になれば、むしろ、人は主に思いも馳せることができるのかもしれません。

いずれにしましても、これからしばらくの時期、それは最短で 10年ほどで、長くなる場合は予測できないですけれど、そのくらいの間は、地磁気活動が非常に弱くて宇宙線がとても多い時期となるわけで、心臓などについてさまざまな事象が起きやすくなるということはあり得るかと思います。

最終更新:2018/02/28 21:49

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