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2017/12/13 21:32

地球上の「超巨大噴火」の発生周期がこれまでの定説より何十倍も短いことが英国ブリストル大学の最新の研究で明らかに。これによって現在は「完全に噴火発生時期の範囲内」に
2017/12/10
英国ブリストル大学の調査を紹介した科学記事
super-volcano-2017.jpg

あまりにも大きく塗り替えられた過去の超巨大噴火のサイクル

「超巨大火山」とか「超巨大噴火」、あるいは「破局噴火」など、いろいろな言葉はありますけれど、この地球の文明の姿を大きく変えてしまう可能性のあるような火山の噴火に関しては、これまで何度も記事にしてきたことがありました。

この地球が経験する自然災害の中で、

「地球規模での大きな変化を受けることになる」

という事象はそう多くはなく、それは、

・巨大天体の衝突
・火山の超巨大噴火


のふたつです。というか、そのふたつだけです。

6500万年前に恐竜が滅びた原因が天体の衝突だったとすれば、そのようにひとつの時代を変えるものでもあり、また、火山の超巨大噴火も多くの文明を変化させたり滅亡させてきました。

火山の超巨大噴火の場合の問題としては、直接的な影響の他に「長く気候と気温が変わってしまう」ことがあり(日照が少なくなり、平均気温が大きく下がる)これが影響するのですけれど、それと共に、いわゆる「破局噴火」というものなどは、直接的な被害も大変なものとなると考えられています。

過去記事の、

・「噴火すれば最悪1億人が死亡と想定」 : 九州南方にある鬼界カルデラの活動の徴候の報道から再び「破局噴火の時代」をおもう

被害想定は最悪「死者1億人」の衝撃

報道は下の通りです。抜粋したものですので、全文をお読みになりたい場合は、リンクから神戸新聞のサイトでお読み下さい。

九州南方海底に活動的マグマか 神戸大が確認

神戸新聞 NEXT 2016/11/18

神戸大学海洋底探査センターは18日、九州南方の海底に広がるくぼみ「鬼界(きかい)カルデラ」を調べた結果、熱くて濁った水が海底から湧き出る「熱水プルーム」を5カ所で確認した、と発表した。

海底からの高さは最大約100メートルに上る。現時点では噴火予測はできないが、カルデラ直下のマグマが活動的であることを示しているという。

同センター長の巽好幸教授(マグマ学)のチームは10月13~27日、大学保有の練習船「深江丸」を使い、鹿児島県の薩摩半島南約50キロに位置する鬼界カルデラ(直径約20キロ)内で、ドーム状に盛り上がっている場所などを調べた。

音響測深装置で、水深約200~300メートルの海底に向けて船から音波を出し、反射波を観測。少なくとも5カ所で、海底からの高さ数十メートル~100メートル程度の熱水プルームを見つけた。

鬼界カルデラは約7300年前に噴火を起こし、九州南部の縄文文化を滅ぼしたとされる。

巽教授によると、こうした超巨大噴火は日本では過去12万年で10回発生。実際に起これば国内で死者が最悪約1億人と想定している。

というものです。

この記事に出てきます鬼界カルデラの大体の位置は下のようになります。
kikai-caldera-map.gif

この記事の最後は、

> 実際に起これば国内で死者が最悪約1億人と想定している。

という物騒なものとなっていますが、ただ、この死亡者1億人というのが今回の調査での鬼界カルデラ単体のこととは思えず、おそらく他のカルデラ噴火を含めての想定ということなのでしょうけれど、いずれにしても、こんな数の想定をしていたということは、初めて知りました。

単一の自然災害において「1億人の死者の想定」というのは、まさに物騒中の物騒といえることで、「ザ・キング・オブ・ザ・物騒」というような称号も与えられようかと思われるものですが、その数に反応して、この記事を取り上げたというような次第です。

「 1億人」というような数字が出てきたりします。この数字は報道にあったもので、個人的にはちょっと極端だと思いますが、それでも「直接的な死亡者数」だけでも相当なものとなる可能性が指摘されています。

推定として、九州にある火山が破局噴火(カルデラ噴火)を起こした場合の推定状況は以下のようになると思われます。2014年10月の東京新聞の記事からです。

2014年10月23日の東京新聞より抜粋

巨大なカルデラをつくる巨大噴火が今後百年間に日本列島で起きる確率は約1%とする試算を神戸大の巽好幸教授らがまとめ、二十二日発表した。最悪の場合、一億二千万人が死亡し、実質的な「日本喪失」もありうるとしている。

巽教授らは、二万八千年前の姶良カルデラ噴火と同規模の噴火が九州中部で起きたと想定する被害を予測した。

九州のほぼ全域が火砕流に襲われ、約二時間で七百万人が死亡する。西日本は一日のうちに五十センチの火山灰が積もり、四千万人の生活の場が埋没する。

北海道と沖縄以外は十センチ以上の火山灰で覆われる。生活の糧を奪われ救援もできないため、日本の総人口に近い一億二千万人が死亡する恐れがあるとした。

というようなことが推定されています。

あくまで推定ですので、起きてみないと何ともいえないですが、影響が大きなものであることには変わりはなさそうです。

いずれにしましても、こういう巨大な噴火が発生した場合、文明は大変な影響を受けることはわかっているわけですが、それにしては、私たちはそれほど危機感を持たずに生きていられるわけですけれど、その「理由」というものは、すなわち、

「そのような超巨大噴火の発生間隔は長いから」

ということがあったのです。

何十万年に1回とか、そういう数字をよく見かけたりしているうちに、「それならダイジョブ」と思っていたというような感じでしょうか(とはいえ、先ほど書きました日本の破局噴火の間隔は結構短くて、過去には平均すれば「 6000年に 1度ほど」起きていますが)。

しかし、世界レベルでの超巨大噴火に関して、最近の研究において、「相当短い間隔で発生していた」ことが、過去 10万年という期間の地質的調査により判明したのです。

今回は、その論文の内容を紹介していた科学メディア「エウレカラート( eurekalert ) 」の記事をご紹介します。

最初に数字を書いておきますと、

[2004年に推定されてから現在まで定説となっていた発生周期] → 超噴火の発生間隔は 4万5000年から 71万4000年

[今回発見された発生周期] → 超噴火の発生間隔は 5200年から 4万8000年


ということで、そして、平均値は「 1万 7000年」ということになったのでした。壮絶な「短縮」となったのです。

以前までは「 70万年ものあいだ噴火しない時があったのだからダイジョブ」という感じだったのですが、新しくわかったところでは「最短で 5千年周期で超噴火により地球の様相が書き換えられていたこともあった」ことがわかったという感じです。

これまでの最後の超噴火は、「ニュージーランドのタウポ山」で起きたものとされていて、それは「 2万 5000年前」です。ということは、今現在は、しっかりと「超噴火の周期に突入している」ということになります。

ちなみに、超噴火というものとは違うかもしれませんが、先ほど書きました「噴火後2時間で 700万人が死亡する」というようなタイプの破局噴火を過去に起こしたと考えられる巨大カルデラは、日本だけでも下のように多数あります。

日本の巨大カルデラ
caldera-japan.jpg

また、世界で過去に超巨大噴火を起こしたことが地質学的にわかっている火山は以下の地図の「赤」と「オレンジ」のものとなります。ここでは、南北アメリカとアジア地域だけを示しています(アジアとアメリカ以外では、イタリアに存在するだけですので)。

supervolcano-map-america.jpg

supervolcano-map-asia.jpg

アメリカは南も北も「超巨大火山の宝庫」だということが改めてわかります。

もちろん、地球には「まだわかっていない超巨大火山」が海底を含めてたくさんあるものと思われます。

では、ここから記事です。

Time between world-changing volcanic super-eruptions less than previously thought
eurekalert.org 2017/11/29

世界の姿を変えてしまう火山の「超巨大噴火」の発生周期は、これまで考えられていたよりも短かった

英国ブリストル大学の科学者たちによるチームが、過去 10万年の間に採取された地質学的記録のデータベースを分析したところ、いわゆる火山の超巨大噴火が発生していた間隔の平均年代が、実際にはこれまで考えられていたよりもはるかに短いことを発見した。

超巨大火山の噴火は、地球規模での破壊が生じる自然災害に分類されるが、そのような災害は、他には小惑星などの巨大天体の衝突しかないほどのものだ。

最近の研究による評価によれば、超巨大火山の噴火は、現在の人類を「文明以前」に戻す可能性があると記されている。

火山の噴火の中で最大の爆発的噴火は「超噴火(super-eruptions)」と呼ばれ、1000ギガトンの質量を噴出する。これは大陸全体を火山灰で覆い、数十年にわたって世界の気象パターンを変えるのに十分な量だ。

ブリストル大学の地球科学校と数学校のチームは、最大の爆発的噴火がどれほどの頻度で起きていたを推計した。

その分析によると、超噴火が起きる平均間隔は、私たち人類に農業革命が起きた 1万 2000年よりわずかに長い程度だった。

チームを率いた統計学者のジョナサン・ルージェ(Jonathan Rougier)教授は以下のように述べる。

「 2004年に行われた以前の推定では、超噴火の発生の間隔は、平均で 4万5000年から 71万4000年で発生するというものでした。そのために現在の私たちの文明が超巨大噴火で脅かされることはないだろうとされてきました」

「しかし、今回発表された論文では、この範囲は 5200年から 4万8000年と見積もられ、最良推定値は平均で 1万 7000年となったのです」

地質学的記録によると、最近の 2回の超噴火は 2万〜 3万年前だった。

これについては、ルージェ教授は、「それ以来、地球が超噴火を経験していないということは(推定平均値からみれば)やや幸運だと思います」と言う。

「しかし、過去 2万年間に超噴火がなかったということが、その期限を過ぎているということを示しているわけではないと考えることが重要です。自然は規則的ではありません」

「そして、火山の超噴火は、これまで考えられていたよりも現在の文明に脅威を与えている存在だと言えると思います」

私たちの文明は、今後数千年の間に想像もできない形で変化するだろうが、次の超噴火が起きる前にも、壊滅的な打撃を受ける可能性のある他の多くの災害の可能性はいくつもある。それらの根拠に基づき、ルージェ教授は、超巨大火山の噴火に対しての計画を立てる必要はほとんどないと言う。それよりも、現在そして次世代の人たちに影響を与える多くの他の重要な問題に取り組むべきだと述べている。

最終更新:2017/12/13 21:32

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