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2018/10/21 18:03

子どもに対しての虐待は、その子どもに「DNAレベルの変化」を引き起こすことが国際的研究で示される。
それがもし「人類全体の遺伝子」として受け継がれていくのなら…人類は結局滅亡するかも

10月2日のアメリカの報道より
abuse-and-dna.jpg

研究発表というのは、冒頭に貼りました最近のものなのですが、これは、本日(10月3日)の AFP の日本語版の記事としても紹介されていました。上の記事では、米ハーバードとありますが、カナダのブリティッシュコロンビア大学などを含めた研究チームによるものです。

この記事の中に「 DNA のメチル化」という言葉が出てくるのですが、この言葉は、In Deep の過去記事で「 2回だけ」出てきたことがあります。

それらの過去記事も後に振り返るとして、まずは、その AFP の記事から一部を抜粋して、ご紹介します。

全体をお読みになりたい場合は、http:●//www.afpbb.com/articles/-/3191912からどうぞ。

ここからです。

児童虐待、被害者に残る「分子の傷跡」 研究
AFP 2018/10/03

虐待を受けた子どもは、そのトラウマ(心の傷)を示す物質的特徴が細胞の中に刻み込まれている可能性があるとする研究論文が2日、発表された。

研究は、トラウマが世代間で受け継がれるのか否かをめぐる長年の疑問解明への一歩ともなり得る。

カナダ・ブリティッシュコロンビア大学などの研究チームは今回の研究で、児童虐待の被害者を含む成人男性34人の精子細胞を詳しく調べた。

その結果、精神的、身体的、性的な虐待を受けたことのある男性のDNAの12の領域に、トラウマによる影響の痕跡がしっかりと残されていることが分かった。

研究チームは、未来の児童虐待容疑の捜査において、「メチル化」として知られるこのDNAの改変を捜査当局は調べることになるだろうと予想する。

ブリティッシュコロンビア大遺伝医学部のニコル・グラディシュ氏は、AFPの取材に「遺伝子を電球とみなすと、DNAメチル化はそれぞれの光の強度を制御する調光スイッチのようなものだ。そしてこれは細胞がどのように機能するかに影響を及ぼす可能性がある」と語った。

「ここで得られる情報から、児童虐待が長期的な心身の健康にどのように影響するかをめぐる、さらなる情報が提供される可能性がある」

遺伝子をめぐってはかつて、受精時において既にプログラムが完了しているものと考えられていたが、現在では、環境要因や個人の人生経験によって活性化・非活性化される遺伝子も一部に存在することが知られている。

精神医学専門誌「トランスレーショナル・サイキアトリー(Translational Psychiatry)」で論文を発表した研究チームは、メチル化が個人の長期的な健康にどのような影響を与えるかについてはまだ不明だとしている。

ここまでです。

簡単にいいますと、

「子どもの頃に虐待を受けた男性の遺伝子 DNA は変化していた」

ということがわかったというものです。

先ほど、過去記事に、この「 DNA のメチル化」という言葉が出てきたと書きましたが、それは以下のふたつの記事です。

まずは、「人間はストレスにより、DNA そのものが変化している」ことが判明した 2017年のネイチャーに発表された論文をご紹介した以下のものです。

ストレスは「DNAレベル」でヒトの肉体を根本的に改変する(だからどんな健康法もどんな健康医療もストレスには勝てない)

2017年10月24日の米医学メディアの記事より
dna-modification-stress.jpg

ストレスが、肉体や精神の健康に対して、極めて重要なおこないをするということは今ではよく言われることですし、特別に言われなくても、誰しも「ストレスばかりの生活が良いわけがない」とは思うところだと思います。

しかし、今では、そういう感覚的な部分を超えて、ストレスが「人間を根本的に変化させている」ということについて、医学と生化学の世界で「実際的な結果」として数多く示され続けています。

今回は、アメリカの医学メディアに出ていた冒頭の記事をご紹介すると共に、過去記事で取りあげた関連する内容も再度ご紹介したいと思います。

DNAの改変は、ガンやうつ病を含むさまざまな肉体と精神両方の病気の原因に

今回ご紹介する記事の内容は医学専門メディアの記事ということで、出てくる単語も内容そのものも難しいです。専門用語はやや平易なものに置き換えたりしていますが、それでもわからない部分は多いですけれど、結局は、

「ストレスが DNA にメチル化と呼ばれる変化を引き起こすことがわかった」

ということが主要な概要となります。この「メチル化」というのを正確に説明することは私にはできず、たとえば、DNAメチル化 - Wikipedia を引用したとしても、

DNAメチル化とは、DNA中によく見られるCpG アイランドという配列の部分などで炭素原子にメチル基が付加する化学反応。エピジェネティクスに深く関わり、複雑な生物の体を正確に形づくるために必須の仕組みであると考えられている。

と、あまりよくわからないのですが、「いまだにそのメカニズムがはっきりとわかっていない DNA の変化」というように私たちは考えていいように思います。

これは大ざっぱにいうと、下のような塩基といわれる部分に変化が起きることです。
dna-mod.jpg

この「DNA のメチル化」というものは、良いとか悪いとかというものではなく、それそのものは生体すべてのための重要なメカニズムで、たとえば、「遺伝子発現の制御をおこなう」ということで、生命の誕生そのものに大きく関わっているのですが、人間が誕生した後のこととして、

・DNAメチル化が発ガンに大きく関わっている

・ヒトの長期記憶の保持はDNAメチル化によって制御されている

・DNAメチル化が精神神経系の病気と関係している


などがわかっています。

要するに、乱暴にいえば、「 DNA のメチル化があるからヒトはガンになったり、メンタル系の疾病になったりする」というようなことも言えるのですが、では、「DNAメチル化がなければいいのか」というと、そういうことではないとは思われます。しかし、おそらく、この「 DNA のメチル化」というものが多発することにより、ガンの発生や、メンタル系の病気の発生、あるいは認知症も関係している部分もあると思いますが、それも増えるということになります。

この DNA のメチル化がどうして起きるのかというのは「わかっていない」ことであり、謎に包まれていたものなのですが、今回、アメリカのエモリー大学の研究者たちの実験より、

「ストレスでそれは起きる」

ということが明らかになったということです。

つまり、「ストレスがガンや精神系の病気を作り出す」ということは感覚的な意味ではなく、「ストレスが DNA を改変し、そして病気になる」という道筋となっている可能性がとても強いです。

以前、

アルツハイマー病の最大の原因が「ストレス」である可能性がアイルランドの大学の研究により突き止められる

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認知症が700万人になる日本の将来、そして、1億人を突破する世界の将来

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文字での報道ですと、

認知症患者は2025年に700万人を突破。65歳以上の5人に1人
認知症ねっと 2015.01.09

厚生労働省は7日、全国で認知症を患う人の数が2025年には700万人を超えるとの推計値を発表した。65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患する計算となる。

認知症高齢者の数は2012年の時点で全国に約462万人と推計されており、約10年で1.5倍にも増える見通しだ。


というように、高齢者の数が圧倒していくことが確定している上に、その高齢者の

> 5人に1人が認知症

ということになっていくことも、ほぼ確定しているという未来というものがあったりいたします。

あるいは、世界全体に目を向けますと、以下のようなことが予測されています。

世界の認知症患者数、2050年には現在の3倍、1.3億人に
認知症ねっと 2015.08.27

世界の認知症患者の数は2050年に1億3200万人に達し、現在(約4680万人)の3倍となる可能性があるとする報告書が国際アルツハイマー病協会(Alzheimer’s Disease International、ADI)より発表された。

この報告は、同協会が作成した「世界アルツハイマー報告書2015」による。

報告書によれば、新規患者数は毎年約990万人とされ、これは3.2秒ごとに患者が1人増える計算。この結果は2010年における推定値に比べて約30%も高いものとなっており、高齢化が進む世界においてその数は急激に増加していくと見られている。


ちなみに、日本では、「認知症の6割がアルツハイマー病」です。
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また、アルツハイマー病が「最も増えている」のはアメリカです。
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それにしても、世界全体として認知症が増え続けているというのは、何と表現すればいいのか悩みますが、こう・・・「蒙昧としていく未来」というよう感じはあるわけですが、そんな状況の中、アイルランドのダブリン大学の研究で、「アルツハイマー病に関して、発症防止に結びつく画期的な発見」をしたという報道があったのですね。

「アルツハイマー病の発症がストレスと明確なつながりがある」というものです。

そのことを、米国インターナショナル・ビジネス・タイムズが、わかりやすく説明している記事を載せていましたので、先にご紹介したいと思います。

鍵になるのは「アミロイドベータ」という物質なのだそうですが、これについては、一般社団法人「認知症予防協会」のページによれば、以下のようなもののようです。

認知症の多くはアミロイドβとタウタンパク質の蓄積によって引き起こされる脳神経細胞の死滅が原因です。

・アミロイドβ……脳神経細胞の老廃物で蓄積が続くと脳神経細胞先端部を傷つける物質

・タウタンパク質…脳神経細胞の中に蓄積し神経細胞そのものを死滅させる物質

初期段階ではアミロイドβの蓄積から始まりその約10年後からタウタンパク質の蓄積が始まります。それから更に約15年間アミロイドβとタウタンパク質は蓄積を続け、脳神経細胞を死滅させ認知症を発症させます。


ということで、一般社団法人の認知症予防協会がこのように書いているということは、現在の医学では、この「アミロイドベータ」という物質が、認知症の発症の要因となっているとされているようです。

ただし、アルツハイマー病になっていない健常者でも、大量のアミロイドベータが蓄積している例(アメリカでの調査では、健康な人の 4人に 1人がアミロイドベータを持っていました)はあるようですので、これが「主原因」ではなく、結局、アルツハイマー病の発症要因は正確にはわかっていなというのが実際のところのような気がします。

そのあたりを前提として、記事をご紹介したいと思います。

World Alzheimer's Day 2015: New Study Associates Stress With The Development Of The Disease
IB Times 2015.09.21

アルツハイマー病の発症とストレスの関係についての新しい研究

ストレスは、しばしば、うつ病や不安症、および高血圧などの疾患の患者数の増加と関連していることが知られるが、トリニティ・カレッジ・ダブリン(ダブリン大学)の研究者たちのチームは、ストレスとアルツハイマー病の発症との間の画期的ともいえる関連を発見した。

研究者たちによると、人は、プレッシャーやストレスの下にあるとき、副腎皮質と呼ばれるホルモンが放出される。

これらのホルモンは、アミロイドベータ(アミロイドβ)と呼ばれる化学的物質の断片の産生の引き金になる。アミロイドベータは、認知症に罹患している患者における記憶喪失を引き起こすことが知られているタンパク質を形成する。

今回の研究の間、研究者たちは、多くのストレスにさらされた実験室のマウスの対照群は、脳におけるアルツハイマー病と関連するタンパク質の多くを示したことを発見した。

ストレスにさらされたマウスたちは、また、彼らの脳内にアミロイドベータのタンパク質の凝縮を示した。これは、アルツハイマー病の発症に重要な役割を果たすことが知られている特定のタンパク質だ。

研究者たちは、この知見を人間の脳細胞に置換した。

チームは、これを、人間の脳細胞における副腎皮質刺激ホルモンの放出因子であると見なし、また、アルツハイマー病に関与するアミロイドタンパク質のレベルの増加を発見した。

フロリダ大学のトッド・ゴルデ教授( Professor Todd Golde )は、今回の研究結果は、アルツハイマー病の原因となる遺伝子を修正や改変するよりも、より容易に、病気を追い払うために使われる可能性とつながると語る。

研究チームは現在、抗体を開発する計画を立てている。この抗体は、ストレス下に放出されるホルモンをブロックするために使用される可能性があり、その場合、ストレス下でも、アルツハイマー病の原因となるタンパク質は形成されない。

ダブリン大学のマシュー・キャンベル博士( Dr. Matthew Campbell )は、プレスリリースの中で以下のように述べている。

「最近のアミロイドベータ抗体の臨床試験の進歩を考えますと、私たちの調査結果が、アルツハイマー病という、この壊滅的な状態が改善されることにつながる可能性となることを願っています」

毎年 9月21日は、世界アルツハイマー・デイだ。

この日は、認知症の最も一般的な形態であるアルツハイマー病に対しての意識を高めることを目指して制定された。

アルツハイマー病協会によると、現在、世界で 4700万人がアルツハイマー病にかかっており、68秒に 1人の割合で新しい患者が出ている。

という記事を書かせていただいたことがありますが、これは「ストレスが、脳の中にアミロイドベータというアルツハイマー病の原因となる物質を増やす」ことが研究でわかったというものでした。これも、後で一部抜粋しておきたいと思います。

日本を含めた今の主要国の社会というのは、多くの人々が大変に健康に気をつかっていて、食べる物や日頃の生活において「歴史的に見て異常なほど健康に気をつかっている」ということになっていて、高齢の方なども、いつまでも若くと頑張り続ける人がとても多い………………のに「病気はとめどなく増えている」という現実。

以前から感じていますが、「今の世の中は《生きているだけでストレスにさらされ続ける》社会」となっていることが原因かとは思います。

何もかもストレス的ではありますけれども、それでも、かつては「夜になれば、ひとりに、あるいは家族だけで過ごせた」のですが、今は違います。スマートフォンや SNS の普及のおかけで「他人から隔離されているリラックス状態」は崩壊しました。

起きている間中、かつてなかった緊張とストレスに見舞われ続けている毎日。

ガンを含めた病気がすさまじく増加している原因、そして、認知症が歯止めが効かないほど増加している原因をここに求めるのは奇妙でしょうか。

というわけで、冒頭の記事をご紹介します。なお、文中に出てくる、うつ病の検査としての「強制水泳試験」と「尾懸垂試験」は、マウスにおこなうもので、人間を対象にしたものではありませんので、ご安心下さい。

Mysterious DNA modification seen in stress response
Medicalx Press 2017/10/24

ストレス応答に見られるミステリアスなDNA修飾

ゲノミクス(ゲノムと遺伝子について研究する生命科学の一分野)の進歩により、科学者たちは、動物の DNA 配列から次々と追加の構成要素を発見している。

そして、発見される DNA の珍しいメチル化による改変(DNAのメチル化修飾)は何か特別な意味を持っているのだろうか。それとも細胞のメカニズムが間違いを起こした徴候というだけなのだろうか?

ジョージア州アトランタにあるエモリー大学医学部の遺伝学者ペン・ジン博士(PhD. Peng Jin)は、いまだに理解されていない動物における DNA の変化、すなわち DNA アデニンにおけるメチル化を研究している。そして、博士たちは、DNA のメチル化が、ストレス条件下で脳内に多く現れ、神経精神障害において役割を有していることを見出した。

この研究結果はネイチャー・コミュニケーションズに掲載される。

DNAのメチル化とは、DNA 中の配列の部分などで炭素原子にメチル基が付加する化学反応のことだ。DNA のシトシン上のメチル化は、一般に遺伝子を遮断し、DNA 遺伝子自体を変更することなく DNA コードをどのように読み取るかを細胞が変化させるエピジェネティック的な調節の重要な部分となっている。

DNA のアデニンにメチル化が現れるとどうなるのだろうか?

バクテリアの場合では、メチル化したアデニン( N6 - メチルアデニン)は、ファージというバクテリアに感染するウイルスによる細胞内への侵入に対して防御する方法の一部となる。

そして、このエピジェネティック的な変化は、細胞のメカニズムの間違いなどではなく、その機能の完全な説明を待っていた。

研究論文の著者であり、エモリー大学人間遺伝学の助教授であるビン・ヤオ博士(PhD. Bing Yao)は最近、 DNA 配列の新しく見出された部分を調べるために、自身の研究所を設立した。ネイチャー・コミュニケーションズの論文で両博士は、うつ病の研究のための標準モデルである強制水泳試験、および尾懸垂試験において、ストレスを受けたマウスの脳の前頭前野を調べた研究について発表した。

この状況下で、ストレスを受けたマウスの脳細胞の DNA 中のメチル化したアデニンの存在量は 4倍に増加したことを科学者たちは見出した。

DNA の変化は、液体クロマトグラフィー/質量分析および、メチル化したアデニンに対する抗体への結合の 2つの繊細な技術で検出された。

メチル化したアデニンは、ゲノムの特定の領域に限定されて存在すると考えられる。

変化した DNA の構成要素(メチル-A)は、遺伝子間の領域に多く見られ、タンパク質をコードするゲノムの部分からほとんど除外されていた。

メチル-Aの喪失は、ストレスによって上方制御される遺伝子と相関し、活性遺伝子の周りで何かがそれを除去していることを示唆している。

ストレスから誘導されるこれらのメチル化した遺伝子は、精神神経障害に関連する遺伝子と重複しているが、しかし、より多くの調査が必要な関係性でもある。

科学者たちは、ストレスに応答する異常な DNA の変化は、DNA結合タンパク質を異所的に生成されること(本来発現する場所以外で遺伝子が発現しタンパク質が生成されること)によって精神神経的疾患の発症に寄与すると推測している。

ここまでです。

まあ、やっぱりわかりにくくはあるのですが、これ以上はわかりやすくすることができなくて申し訳ないです。

ところで、関連としまして、過去記事で、

・子ども時代のストレスが DNA の構造に影響を与え、将来の寿命を縮める

・ストレスが認知症を誘発することについて

子ども時代のストレスが細胞レベルで人の寿命を短縮することが科学者により判明
Scientists: burdens in the childhood reduce life at the cellular level

小児期における離別や悲痛が DNA の損傷に対して保護をする役割を持つ染色体の先端部分にあるテロメアの長さを減少させることが判明した。テロメアの長さの減少はヒトの細胞の老化を意味する。

テロメアは、人体の各細胞の核にある染色体の末端部分にある部位で、DNA を損傷から保護する働きをもつ。テロメアは、細胞分裂を繰り返すたびに徐々に短くなっていき、短くなると染色体は不安定になり、最終的に分裂をしなくなる。その時に細胞は死滅する。

つまり、テロメアの長さが短いほど、細胞の死滅が近いということになり、それは老化を意味する。

chromosome_telomere_genome02line.jpg

最近、科学者たちは、テロメアの長さが加齢の状況だけで変化するのではないことを見出した。

加齢だけではなく、うつ状態、経済的困難、そして、ストレスと結びついた構造体の中でのプロセスの結果として、テロメアの長さが変化することがわかったのだ。また、親しい人との離別と孤独は、より強くテロメアを短くすることもわかった。

ブリティッシュ・コロンビア大学の科学者が率いる研究チームは、小児期にストレスが多い状況で過ごした場合、それが、テロメアの長さと細胞の健康に影響するかどうかを確かめる大規模な調査を実施した。

この研究のために、科学者たちは約 4600人のアメリカ人の高齢者を分析した。これは、染色体におけるテロメアの長さと老化の関係を調べるものとしておこなわれた調査としては、アメリカで最大規模のものとなる。

その結果、小児期における有害要因がテロメアが短くなる結果と結びつくことを示し、高齢者において寿命を短くさせることを加速させた。その場合、テロメアが平均で 11%短くなっていることが示された。

というように、幼少期のストレスが、「そのヒトの寿命を短くしている」ことがわかったというものです。

次は、ストレスとアルツハイマー病の関係についての 2015年のアメリカの報道の翻訳からの抜粋です。

アルツハイマー病の発症とストレスの関係についての新しい研究
World Alzheimer’s Day 2015: New Study Associates Stress With The Development Of The Disease

ダブリン大学の研究者たちは、ストレスとアルツハイマー病の発症との間の画期的ともいえる関連を発見した。

研究者たちによると、人は、プレッシャーやストレスの下にあるとき、副腎皮質と呼ばれるホルモンが放出される。これらのホルモンは、アミロイドベータ(アミロイドβ)と呼ばれる化学的物質の断片の産生の引き金になる。アミロイドベータは、認知症に罹患している患者における記憶喪失を引き起こすことが知られているタンパク質を形成する。

今回の研究の間、研究者たちは、多くのストレスにさらされた実験室のマウスの対照群は、脳におけるアルツハイマー病と関連するタンパク質の多くを示したことを発見した。

ストレスにさらされたマウスたちは、また、彼らの脳内にアミロイドベータのタンパク質の凝縮を示した。これは、アルツハイマー病の発症に重要な役割を果たすことが知られている特定のタンパク質だ。

研究者たちは、この知見を人間の脳細胞に置換した。チームは、これを、人間の脳細胞における副腎皮質刺激ホルモンの放出因子であると見なし、また、アルツハイマー病に関与するアミロイドタンパク質のレベルの増加を発見した。

もうひとつは、赤ちゃんのときに「親との肉体的接触が多いか少ないかで、その人の DNA かそれぞれ変化する(接触が多い方が良い方向に変化)」という、ブリティッシュ・コロンビア大学の医学部が発表した研究をご紹介した以下の記事です。

赤ちゃんは「抱っこ」など肉体的接触を数多くされるほど「DNAが良い方向に変貌する」ことをカナダの研究者たちが突き止める。その影響は「その人の健康を一生左右する」可能性も

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赤ちゃんの一生の健康は、人生の最初の頃の「親との肉体敵接触」で決まる
今回は、カナダ最大の大学であるブリティッシュ・コロンビア大学の医学部が発表した研究について、そのニュースリリースをお伝えしようと思います。

その内容のテーマは短く書けば、

「赤ちゃんをたくさん抱っこするのとしないので(肉体的接触が多いか少ないかで)、赤ちゃんの遺伝子に大きな差が出ることがわかった」

というものです。特に、「体の免疫と代謝に関係する DNA 」に明らかな差異が出ることがわかったのでした。

研究は、生まれて五週目の赤ちゃんの親たちに、子育ての中での記録をとってもらい、赤ちゃんの様々な感情や状態、そして、「どのくらい親と肉体敵に接触していたか」ということを記録してもらうところから始まりました。

そして、「その4年6ヶ月後」に、成長したその子どもたちの DNA を採取して調べたところ、

「親との接触の時間の差が、DNA の生物学的的な優劣と比例していた」

ということがはっきりと示されたというものです。

「5週目の赤ちゃんの時に、たくさん抱っこ(肉体的接触)された赤ちゃんのほうが生物学的に優位な遺伝子だった」と。

これは、ブリティッシュ・コロンビア大学の医学部小児科において、「早い時期からの健康のスタート」というものは何ということで調べるプロジェクトでわかったことだそうで、「これが医学的にわかったのは今回が初めて」ということだそうです。

さらには、他の動物類での実験などと照らし合わせた時に、「この子どもの時に生じる DNA の差異は、その人の健康に一生影響するかもしれない」というところにまで可能性が及んでいます。

つまりは、「自分の子どもをできるだけ健康にしたいのなら、生まれてすぐの頃に、できるだけ肉体的接触をたくさんもってあげること」ということになりそうなのです。この「健康」には、肉体的なものだけではなく、精神的、心理的な健康も含められます。

エピジェネティクス的に変転し続ける子どものDNA

人間の DNA は、ある程度の大人になると不変なのかもしれないですが、子どもの頃は「変化し続ける」ことが最近わかってきています。

今年5月には、アメリカ・ノースウェスタン大学の研究者たちが、「子どもたちの DNA が《子どもの頃に過ごす環境で変化する》」ことを発見しています。

下は、その医学論文のページです。
dna-methylation-child02.jpg

難しいタイトルですが、幼少時に肉体的・精神的に苦しい経験をした子どもたちと、そうではない子どもたちとの間に「 抗炎症などに関与する DNA の変化の差異がある」ことが明らかとなったというものです。

子ども時代の苦しい経験、つらい精神的経験は「良くない変化」を与えることがフィリピンでの大規模調査でわかったというものでした。

ここでいう「変化」というものは、「曖昧なものではない」ということに注意していただきたいです。つまり、 DNA の変化を伴っているわけですから、「その人の体が根本的に変化した」ということなのです。

こういう研究が今いろいろと出ていまして、結局、遺伝子科学が明らかにすることは、子どもに対して最も大事なことは「親や周囲の人間からの愛情」であり、そして今回のブリティッシュ・コロンビア大学の研究は、その中でも、

「生まれてすぐの赤ちゃんをたくさん抱っこすることが、その子どもの人生を健康にする最大の要点」

だということがわかったということになります。

この研究が進めば、たとえば病弱で生まれて、お母さんが赤ちゃんを抱っこできないような病院の環境などがあるとすれば、それを改善することで、良くなるというようなケースも出てくるかもしれません。

そして、これから赤ちゃんを生むことになるような方々は、赤ちゃんが生まれて最初に頑張ることはそれだけ、つまり「たくさん抱っこしてあげる」ということが、その子の一生の健康に最も影響することだと認識していればいいということなのではないでしょうか。

Holding infants or not can leave traces on their genes
ブリティッシュ・コロンビア大学医学部 ニュースリリース 2017/11/27

「乳幼児を抱っこするかしないか」は、その赤ちゃんたちの遺伝子に影響する

ブリティッシュ・コロンビア大学と、その小児病院研究所の新しい研究によると、乳児と親との密接な接触が、分子レベルで子どもに影響を与えている力を持つことがわかり、子どものその生物学的な影響は 4年後には出現していることも明らかになった。

この研究では、乳幼児の時に、親(あるいは世話をしている大人)との肉体的な接触が少なかった幼児たちの細胞の分子プロフィールが実年齢より未熟であり、生物学的に遅れている可能性を示した。

幼児期のこれらの発達の違いが、成人になってからの健康に影響するかどうかは今のところ明らかになっていないが、この変化は、遺伝子発現に影響を及ぼすエピゲノム(生化学的変化)に深く根づき、生涯にわたって影響を及ぼす可能性を示している。

この発見は、胃是か行われたげっ歯類の同様の研究に基づいているが、生命の早い段階での肉体的接触という単純な行為がその生体の一生全体に影響を及ぼすかもしれないということが、ヒトにおいても示された最初の研究である。

ブリティッシュ・コロンビア大学病院の小児研究所で、子どもたちが健康に人生をスタートさせられるためのプロジェクト「ヘルシー・スターツ(Healthy Starts)」を指導している遺伝学教授であるマイケル・コボー(Michael Kobor)博士は「小さな子どもでは、エピジェネティックな老化が遅いと、あまり好ましくない発達の進展が反映されると考えられます」と述べる。

医学誌『デベロップメント・アンド・サイコパソロジー(Development and Psychopathology / 発達と精神病理学)』に掲載された論文によれば、今回の研究には、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州の 94人の健康な乳幼児たちが参加した。

ブリティッシュ・コロンビア大学の研究者たちは、5週齢の乳児の両親に、幼児の行動(睡眠、騒ぐ、泣く、摂食など)の日記を保管しておくように依頼した。その中には、親と子の身体的接触を伴う世話の時間も含まれていた。

そして、その子どもたちが 4歳半になった時に、彼ら彼女らの DNA を頬の内側から提供してもらい、それをサンプリングした。

チームは、 DNA メチル化と呼ばれる DNA の生化学的変化を調べた。そこでは染色体の一部に炭素と水素でできた小さな分子が関連付けされる。これらの分子は、各遺伝子の活性化を制御し、細胞の機能に影響を与えるのを助ける「調光スイッチ」として働く。

メチル化の程度、およびメチル化が DNA 上のどこで特異的に起こるかは、特に小児期における外的条件に影響を与える可能性がある。 これらのエピジェネティックなパターンは、私たちが年をとるにつれて予測可能な状態に変化する。

研究者たちは、5つの特定の DNA 部位で、親との肉体的接触が高い場合と、肉体的接触が低い場合とのメチル化の「差異」が一貫して存在していることを見出した。

これらの部位のうち2 つは遺伝子内にあり、免疫系において役割を果たすもので、もう 1つは代謝に関与している。

(※訳者注 / 親との肉体的な接触が多い乳幼児ほど、4歳の時の免疫と代謝が良好であり、接触が少ないとその逆になる傾向がはっきりとしている)

しかし、これらのエピジェネティックな変化が子どもの発達と健康に及ぼす場合の、それ以上の影響の具体的な部分はまだ分かっていない。

乳幼児の時により高い苦痛を経験し、親との肉体的な接触が少なかった小児は、「後成的年齢」を有し、彼らの実際の年齢( 4歳半)を考えると、予測よりも低かった。いくつかの最近の研究では、後成的年齢は小児の不良な健康状態に結びつく。

研究者たちは、今後これら「生物学的な未熟さ」が見出される子どもたちの健康、特に心理的発達に大きな影響を及ぼすかどうかを研究していくつもりだとしている。

主任医師のサラ・ムーア(Sarah Moore)氏は以下のように述べた。

「さらなる研究で今回の発見が確認された場合、体の弱い乳幼児たちのために、積極的な肉体的接触を提供することの重要性が強調されることになると思います」

この後者の記事は、昨年 12月のものですが、この研究では、単に赤ちゃんの時だけの健康の状態ではなく、「それがその人の一生の肉体的条件を左右する」という可能性を示したもので、記事では以下のように書いています。

他の実験などと照らし合わせた時に、「子どもの時に生じる DNA の差異は、その人の健康に一生影響するかもしれない」というところにまで可能性が及んでいます。

つまりは、

「自分の子どもをできるだけ健康にしたいのなら、生まれてすぐの頃に、できるだけ肉体的接触をたくさんもってあげること」

ということになりそうなのです。この「健康」には、肉体的なものだけではなく、精神的、心理的な健康も含められます。

前者の記事では、「 DNA のメチル化」という言葉が全面に出てきますが、これはとても難しい概念で、今も私にはうまく説明できないのですが、DNA のメチル化とは、図でいえば、 DNA の下の部分などが「変わってしまう」ことです。

dna-mod.jpg

そして、このメチル化というもの自体は、良いとか悪いとかというようなものではないのですが、ただ、以下のように重要な意味を持っているようです。

・DNA のメチル化が発ガンに関わっている

・人間の記憶の保持は DNA のメチル化によって制御されている

・DNA のメチル化が精神神経系の病気と関係している

つまり、ガンになったり、精神系やメンタルの病気になったりする理由の根幹に、この DNA のメチル化があるようなのですが、しかし、今のところ、この DNA のメチル化がどうして起きるのかというのは「わかっていない」のです。

しかし、上の前者の記事のように、アメリカの大学の研究者たちの実験によって、

「 DNA のメチル化はストレスによって起きる」

ことが明らかになったのでした。

もちろん、ストレスだけが原因ではないでしょうが、「何も原因がなく起きているわけではない」と。

そして、これらの問題は、体の何かの部位に影響があるというのではなく、「 DNA 」そのものを変えてしまうということであるわけです。

DNA とは「遺伝」子であり、つまり一般的には「受け継がれていく」ものです。

今のところ、「変わってしまった DNA 」が、後の世代に遺伝として伝わっていくのかどうかは不明ですが、しかし、普通に考えれば、

「変わってしまったものであろうと何だろうと、 DNA なら遺伝する」

というようには思うのです。

そして、今回の、「子どもの時に虐待を受けていた人たちの DNA も変化してしまっていた」という事実。これまでの研究などから見れば、それはおそらくは「良い変化ではない」と考えられます。

たとえば、さきほどの「ストレスは DNA で変化する」ことを取りあげた記事でご紹介した医薬系メディアの内容には、以下のような記述があります。

ストレスに応答する異常な DNA の変化は、DNA 結合タンパク質を異所的に生成されること(本来発現する場所以外で遺伝子が発現しタンパク質が生成されること)によって精神神経的疾患の発症に寄与すると推測されている。

というように、「 DNA が変化してしまったから」「精神神経的疾患の発症にいたってしまった」という人たちは、少なからずいると思われるのです。

精神的なものだけではなく、さまざまな肉体的な疾患の増加も関係していると考えられています。

本題としては、ここからですが、つまりは、今回の冒頭に示しました研究は、「子どもを虐待することは、その人の DNA を悪い方へと変化させる」と共に、

「それは、人類全体としての遺伝子の質の低下につながるのかもしれない」

というように私は思うのです。

そこで改めて見てみる「現在の日本の児童虐待の現状」をあらわした下のグラフです。

日本の児童虐待の相談対応件数の推移(1990年-2014年)
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過去 20年くらいで、何倍……なのかはよくわからないですが、ものすごい増加を示しています。

もちろん、これはあくまで統計であって、現実をうつしだしているものではないかもしれないですが、現実としての数字はともかくとして、「子どもへの虐待がものすごく増えている」ことは事実だと思われます。

そして、このグラフで棒線として示されているのは、数ではなく「人間の子ども」であり、その子どもたちは、全員ではないだろうにしても、

「それぞれ DNA に傷を受けて、それは基本的に一生修復されない」

のです。

体に受けた傷と違って、DNA のメチル化で変わってしまった DNA は(その研究はまだないにしても)もう元には戻らないと考えられます。

そして、その「悪く変わってしまった DNA 」が、

「人類の遺伝子のひとつして、この世に定着していく」

ということになっても不思議ではないのです。

次の世代に伝わり、また次の世代に伝わっていく傷ついた DNA ……。あるいは、劣化した遺伝子。

そういう状況が、さきほどの「日本の児童虐待の件数」のように、飛躍的に増えているという現状があります。

「人間は遺伝子を持ち、その遺伝子は受け継がれる」という基本的な輪廻から考えても、今の時代は、過去にないほどの「破壊の時代」だと私が考える根幹はこのあたりにもあります。

まったくカタストロフだとは思いますが、だからといって、もはや何かを責めるというような特定の対象も思い浮かびはしないわけで、人類みんなで「 DNA の劣化した人類」へ退行進化し続けている現状を見るだけです。

最終更新:2018/10/21 18:03

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2018/10/19 21:57

カトリック司教が「レイキ治療は悪魔の道への扉だ」とレイキを悪魔払いの対象とした出来事を見て思う「完全に本来の意図から逸脱したキリスト教」という存在

10月10日のアイルランドの報道より
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アイルランドのカトリックの司教が、

「レイキは、サタンと通じる道につながる邪悪なもの」

と人々に警告し、アイルランドだけの話だと思うのですが「レイキの治療などに伴う悪魔から人々を守るための担当部署」を新たに設置するというものです。

つまり、「レイキをする人たちに悪魔払いを行う」と。

まさに与太話という感じのものなんですけれど、最近、キリスト教について考えることなどもありまして、何となくご紹介したいと思いました。

レイキ

レイキ(霊気)は民間療法であり、手当て療法・エネルギー療法の一種である。

明治から昭和初期にかけて海外から導入された思想・技術と日本の文化が融合して多種多様な民間療法が生まれたが、霊気はこの民間療法における霊術・民間精神療法の潮流のひとつである。

レイキは身体に備わっている自然治癒力への東洋の信仰に基づくともいわれ、西洋自然魔術の伝統に連なるとも考えられる。

施術者は、患者の治癒反応を促進することを目的とし、患者に軽く手を当てる、もしくは患者の真上に手をかざして、手のひらから「レイキ」というエネルギーを流すと考えている。

ニューエイジの考え方の一つとして、西洋では広く人気となった


要するに「手かざし」とか、そういうようなことを方法論にのっとってきちんとおこなうというようなものでしょうか。

今では、日本より西洋のほうが信奉者が多いようで、レイキの信奉者は全世界で 500万人もいると推定されているのだそう。

現代社会では、いわゆる「代替療法」ということになりますが、しかし、西洋医学的にはほとんど効果は認められていません。これまで、いくつかの世界的な研究がなされた中で、著名な効果が認められた例が少なかったからです。

それでも、アメリカの名門ハーバード大学にはレイキの研究に特化した科学者たちが研究を続けていたりして、ハーバードの科学者のひとりが、現段階で「確実な効果が認められる」という方向の発言をしていますので、そのうち、ある程度の科学的な論文の発表もありそうです。

ただまあ、これらに医療的効果があるかどうかということを別にして、たとえば、人間は、お腹がいたければお腹に手を当て、腰が痛ければ、腰に手を当てる……というように、

・放っておいても、自分で自分の患部に手かざしをする習性

を誰に教わらなくても、そういう行動様式を人間は持っています。

だから、本能的・根本的には「意味はあるのだろうな」とは素直に思います。

私は、レイキの方法論を知らないので、レイキそのもののことはともかくとして、先ほど書きましたように「手を当てる」ということには意味があるとは思っていまして、たとえば、私の好きな野口晴哉さん(1911 - 1976年)は、12歳の時に「治療家として目覚めた」という人ですが、Wikipedia の冒頭には以下のようにあります。

東京下谷に職人の子として生まれる。12歳のときに関東大震災に被災し、このとき本能的に手をかざして治療をしたことを契機に、治療家を目指したという。 (野口晴哉 - Wikipedia より)

ただ、ここで考えてみたいのは、私たち普通の人は、仮に本能的に患部に手がいったとして、

「お腹が痛いときにお腹に手を当てて、痛みがなくなるわけではない」

という現実があります。

もちろん何か作用している部分はあるのかもしれないですが、一般的には痛みのある患部に手を当てても、その痛みが劇的に引くということはないものです。

そこで、「何らかの方法論が必要になる」ということなんでしょうね。

何の話だかわからなくなってきまして、もはや書いていることと冒頭の記事が全然関係なくなってきていますけれど、とりあえず、冒頭の記事をご紹介します。

Bishop to set up exorcism ministry as he warns of the evils of reiki
independent.ie 2018/10/15

司教はレイキの悪魔性への警告として悪魔払い省を設立する

カトリックの司教が、人々から悪魔を追放するための「護衛省」の設立の準備を進めている。そしてまた、司教は、レイキ、あるいは他のニューエイジ的な治療方法は、悪意のある霊に遭遇する可能性をもたらすものだと警告している。

アルフォンサス・クッリナン司教(Bishop Alphonsus Cullinan)は、邪悪な悪魔勢力に対抗してほしいという「複数の要請」を受けており、ウォーターフォードとリズモアの教区(共にアイルランド)の司祭に対し、エクソシズム(悪魔払い)の実践についての訓練を開始しようとしていると語った。

司教は次のように言う。

「かつてレイキの施術者だった司教がおり、ある日、彼がある人に施術をしている時、彼は、そこにサタンのビジョンを見たと言うのです」

「彼は、その恐怖からレイキをやめ、そして教会に戻りました」

クッリナン司教は、地元の FM ラジオの番組で以下のようにも述べている。

「レイキは、エネルギーを逆に向けることで、あなた自身をスピリチュアルな方向に導きます。しかし、それは良いことではなく、実際には危険なことなのです」

司教は、最近報じられることが多いカトリック教会での児童虐待について、「それはサタンによって引き起こされている」と述べたローマ教皇フランシスコの見解に「完全に同意しています」と述べた。

「フランシスコ教皇は、就任した 1日目から、サタンの行動について話されてきていました。私は現在、カウンセリングに携わっているある女性など、複数の悪魔への対処の要請を受けています。彼女がカトリックであるかどうかはともかく、彼女は自分では対処できなくなっている人たちのひとりです。それは、心理学的な範疇を越えているのです」

司教は、過去 2〜3年に、「悪いものの力によると確信されること」と関連した人たちから同じような要請を受けている。件数は 9件に上るという。

「私はその方々に奉仕するための(悪魔払いの)派遣部署を設立する準備を進めています」

「これらの行動は秘密裏に行われなければなりません。なぜなら、その対象となる人たちの身元が明らかになってはいけないからです。

「そして、彼らは、レイキなど何らかのニューエイジ的な治療、あるいは降霊会(霊媒を介して死者の霊と交信をするようなもの)と似たようなものによる治療を試すために、その施術たちの家の門を叩こうとしています」

「しかし残念なことに、それは彼らが邪悪な力を持つサタンへの扉を開いたのと同じなのです」

「『サタンは人間を滅ぼそうとしているのですか?』と聞かれることがあります。その答えは『その通り』です。サタンは教会だけでなく、どこにでも入りこむことができると思われます」

ここまでです。

レイキを含めたニューエイジ的な治療は「悪魔への扉を開けるもの」だと。

こういうのは、今を生きるカトリックの司教っぽい考え方だと思います。

そして、このような考え方は、上の記事にも出てきますが、現在のローマ教皇であるフランシスコ法王自身の考え方を反映しているようにも思います。

この記事の中に、

> カトリック教会での児童虐待について、「それはサタンによって引き起こされている」と述べたローマ教皇フランシスコの見解

というくだりが出てきますが、教会での性的虐待の露見は次々と起きていて、たとえば、比較的最近も以下のようなことが露見しています。

聖職者が性的虐待、ドイツで被害3600人超
産経ニュース 2018/9/25

ドイツのカトリック教会で組織するドイツ司教会議は、国内の聖職者による未成年者への性的虐待に関する報告書を公表し、被害者が過去約70年間で、3600人以上に上ることを明らかにした。

報告書によると、1946年から2014年までの性的虐待の被害者は3677人で、半分以上が13歳以下。

少年・男児が6割以上を占め、少女・女児は約35%だった。加害者の聖職者は1670人に上り、これは全聖職者の約4・4%に相当。1人で44人に危害を加えた聖職者もいた。


こういうようなことも、フランシスコ法王は、

「悪魔が司教を攻撃したことによって起きた(だから司教のせいではないよ)」と。

このことは、今年 9月に海外では大きく報じられていました。

カトリック教会での司教による児童などへの性被害に対し、法王は、

「司教たちは、悪魔にそそのかされてやったのだ」

と言明しています。下はその時の報道のひとつです。

2018年9月11日のカトリック系のメディアより
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そういえば、7年前になりますけれど、「ヨガは悪のための儀式だ」と言っていたバチカンの司教のことをご紹介したことがありました。以下の記事です。

ヨガは悪魔のための儀式? バチカンのエクソシストが語る「悪」

今回はバチカン(ローマ法王庁)のエクソシズム部門の最高責任者(85)が、「ヨガもハリー・ポッターも悪魔の仕事だ」と語ったという話です。

同時にこの神父さんは、ヒンズー教や東洋の宗教を「間違った輪廻に基づいている」などと言ったりと、東洋の一部の宗教関係の人たちがきくと、やや怒りそうな感じのものなんですが、まあしかし、これは愚痴の一種かと。

死んだうちのジイサンなんかもそうでしたけど、男の人は老人になると、愚痴が多くなります。
「最近の若いもんは」と。

そういうふうに読めば、それほど波風も立たないのではないでしょうか。

しかし、こういうちゃんとした地位にある人こそ「悪魔とは何か」ということをちゃんと追求してほしいですけど。


ともあれ、ご紹介します。
英国のデイリーメールの記事です。

Yoga is the work of the devil, says Vatican's chief exorcist (and he doesn't like Harry Potter much either)
Daily Mail 2011.11.25

ヨガは悪魔の仕事であるとバチカンのエクソシストの責任者は語る(そして、彼はハリー・ポッターも好きではない)

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▲ バチカンのエクソシズム最高責任者のドン・ガブリエル・アモース神父が、イタリアのウンブリア・フィルム・フェスティバルで「嫌いなもの」を語った。

ガブリエル・アモース神父は、バチカンのエクソシスト部門の最高責任者であり、これまで、 70,000以上の悪魔払いをおこなってきた。現在 85歳となる神父は、25年前に当時のローマ法王である故ヨハネ・パウロ2世に指名されて現在の地位を得た。

最近おこなわれた宗教会議において、ガブリエル・アモース神父は、彼が「この世で最も嫌いなもの」のいくつかを挙げた際に、その中に「ヨガ」と「ハリー・ポッター(小説)」が入っていたことが世間を驚かせている。

ものごとを率直に言うタイプの人物であるアモース神父だが、以下のようなことをその会議で述べたのだった。

「ヨガは悪をもたらす。それは、ハリー・ポッターを読むのと同じほどの悪だ。どちらも人々には無害に見えるかもしれない。しかし、そのどちら(ヨガとハリー・ポッター)も悪魔の魔法によって、悪に仕えるためのものだ。」。

また、このように続けた。

「ヨガは悪魔の仕事だ。ヨガは、単に体のためのストレッチ運動だと考えるかもしれないが、ヨガはヒンズー教に至るものだ。そして、すべてのこれらの東洋の宗教は、輪廻の間違った信念に基づいているものなのだ」。

これは、イタリアのテルニで開催されたウンブリア・フィルム・フェスティバルで行われた「人類と信仰」という講演の中で語ったものだ。

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▲ ヨガは人をヒンズー教へと向かわせ、ハリー・ポッターは人を悪の道へと導くとアモース神父は信じている。

神父は、ハリー・ポッターとその作者への嫌悪を露わにして次のように言う。

「子どもたちのための小説として、ハリー・ポッターは無害だと考える人は多いだろうが、ハリー・ポッターには悪の魔法によって悪魔に仕えることが書かれている。サタンはいろいろなものに隠されている。そして、悪魔は、自分は存在しないということを人々に信じ込ませたいのだ。善と悪に立ち向かう人々について悪魔はよく研究している」。


さらに神父はこのように言った。

「悪魔は常に私たちを誘っている。若い人たちへのアドバイスとしては、ナイトクラブなどに気をつけることだ。アルコール、セックス、ドラッグ。そして、ナイトクラブには悪魔の結社もある」。


アモース神父が率直な意見によって物議を醸したのはこれが初めてではない。

1954年に聖職者として任命された後には、バチカンのラジオで、「ヒトラーとスターリンは悪魔にとりつかれている」という発言をしたこともある。

なお、最近公表されたバチカンの秘密文書によると、第二次大戦中、当時のローマ法王ピオ12世は、ヒトラーに対しての「長距離リモート・エクソシズム」を試みたことが記されている。しかし、その効果はなかったという。

ヨガ協会の反発

アモース神父の発言に困惑する意見が出されている。

イタリア・ヨガ協会のヴァンダ・バンニ氏はこう言う。

「ヨガが悪魔の修行? 勘弁してください。言いがかりも甚だしい。神父の告発には何の根拠もない。ヨガは宗教ではなく、スピリチュアルな訓練の一種です。ヨガの訓練によって、その人の内部で、自分自身を見つけることが目的なんです。そして、自分の中の自由を発見していくのです」。

さらに、バンニ氏は、

「ヨガは宗教と関係ありません。悪魔の結社とも無関係です」と言った。

ローマでヨガ・アカデミーを運営しているジョルジョ・ファーラン氏によると、ごく少数のヨガからヒンズー教へと向かう人たちがいるが、ほとんどのヨガの実践者たちは宗教とは関係ないという。

なお、私が今の法王を含めて、あまり好きになれないのは、

「本来のキリストが説こうとしていたものと、現在のキリスト教の存在自体があまりにもかけ離れてしまった」

ということがあります。

これは陰謀論とかとは関係のない話で、そういうことではなく、「純粋なキリストの教えとは何か」という問題と関係することです。

それが、昔の時代からか他の宗教を取り入れたため無軌道となり、そして今、統一宗教に成りつつであるので

「ついにカトリック教会は《キリストの反対勢力の頂点に立った》」

という思いが強いです。

最終更新:2018/10/21 17:23

2018/10/19 21:28

米テキサス州でかつて経験したことのない黙示録的な大洪水が発生中

10月17日の米国CBSニュースより
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世界中が「洪水ラッシュ」のような状態に入っているこの 10月ですが、特にアメリカとヨーロッパ各地の洪水の状況がかなり厳しいものとなっていまして、またそれらの地域では次から次へと洪水が発生しています。

アメリカ・テキサス州では、激しい豪雨が降り続いたことにより、テキサス州の中央部にあるラノ川が歴史上で最も水位が高い状態となり、ついに氾濫を起こしました。

これにより、テキサス州がかつて経験したことのない洪水に見舞われています。

テキサス州オースティン近くにあるラノ川
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2018年10月16-17日のテキサス州中部各地の様子
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テキサス州中部では 10月の中旬、数日間にわたり大雨が降り続き、10月16日になり、ラノ川にかかる大橋が崩壊。それと共に、氾濫した川の水が大規模な洪水となって、周辺地域を襲っています。

アメリカでは、ハリケーン・マイケルにより、フロリダ州の海外沿いの街の一部が廃墟になったままですが、他の地域でも次々と水による大きな被害が続きます。

10月17日 ハリケーン・マイケルの上陸から1週間後のフロリダ州海岸沿いの街
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すぐにこの悪天候の状況が変化するというような感じでもなく、アメリカやヨーロッパなどでは、まだしばらく洪水と関係した事象が発生し続けそうです。

最終更新:2018/10/19 21:28

2018/10/19 21:20

アラビア半島のイエメンに史上3番目となるサイクロン・ルバンが上陸。「2日間で数年分の雨」が降り、壊滅的な大洪水に

10月15日 イエメンの大洪水の中で慣れない水中を進むラクダ
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中東アラビア半島のイエメンに、10月14日、サイクロン「ルバン」が上陸し、ふだんはほとんどの雨の降らない砂漠の国にイエメンに、数年分と考えられる雨量を記録する大雨が降り、大変な洪水が引き起こされています。

下は、10月14日から 15日のイエメン各地の様子が撮影された動画です。

https:●//youtu.be/ZnoWDKmt27w

このサイクロンは、アラビア海で発生したものですが、以前は、アラビア海で発生したサイクロンが中東方面に向かうことは基本的になかったのですが、このサイクロンは、アラビア半島のイエメンに向かい、そのまま上陸しました。

10月15日 水没したイエメンの街並
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サイクロン・ルバンは以下のような進路をとりました。

イエメンの場所とサイクロン「ルバン」の進路
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アラビア半島にサイクロンが上陸するのは、「観測史上3番目」なのですが、その前の2つにしても、発生したのは、2015年のことで、つい最近です。

それまでは、

「こういうことはまったくなかった」

のです。

2015年の観測史上初めてとなるイエメンへのサイクロンの上陸は、以下の記事で取りあげていました。

まさに異常 観測史上初めてサイクロンが上陸した砂漠のイエメンで2日間に「5年分の雨」が降る

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▲ 2015年11月4日の米国 CBS ニュースより。

中東のイエメンに、観測史上初めてとなるサイクロンが上陸し、報道によれば、

「2日間で5年分の雨が降る」

という壊滅的な状態になっています。

下は、洪水の中で、住民の人々が救助し合っている様子です。おそらく、イエメンのほとんどの人は、「洪水」というものを経験したことはないように思います。

https:●//youtu.be/0uPVqyRiGQo

このサイクロンは 11月3日は下の位置にあり、今現在、さらにアラビア半島の内陸部に進んでいると思われます。

2015年11月3日のサイクロン「チャパラ」の位置
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上陸した後は。サイクロンの勢力は衰えるとしても、この先にある国々も砂漠の国ばかりで、大雨や洪水には慣れていない国が多そうで、中東の荒れた状況はしばらく続くのかもしれません。

今の地球は、海水温も、大気の循環の方向も完全に変わってしまったのかもしれず、私たちがかなり大きな規模での地球の変化の渦中にいることを感じます。

冒頭の CBS の報道をご紹介いたします。

Yemen, amid brutal war, gets its worst-ever cyclone
CBS 2015/11/04


厳しい内戦の渦中のイエメンに史上最悪のサイクロンが上陸


シーア派の反政府勢力と連立政府との間の破壊的な内戦の中、サウジアラビア主導の空爆が続いているイエメンが、同国史上最強のサイクロン『チャパラ』に見舞われている。

チャパラは 11月3日に、イエメン中部の港湾都市ムカラ付近に上陸し、一帯は最大風速 40メートルほどの暴風が吹き荒れた。このムカラの港は現在、国際テロ組織アルカイダ系「アラビア半島のアルカイダ」に制圧されている。

そして、年間雨量 100ミリ程度のイエメンに、1日でその2倍から3倍の量の雨が降り続けており、今後も大きな被害が出ることが予測されている。同国の歴史の中で、これほどの雨が降った記録は残されていない。

海岸近くの多くの住民たちは、洞窟や学校などに避難しているという。

このサイクロンにより、インド洋にあるソコトラ島では3人が死亡した。

チャパラは、砂漠の上に上陸した後は、急速に勢力を落とすと予測されているが、それまでの雨量は、イエメンの年間平均降水量の5倍に達すると考えられる。

内戦の激しさを増しているイエメンだが、第三の規模の都市タイズでは、サウジアラビアの空爆により、過去 24時間で 33人が死亡している。

国連の発表では、このサウジアラビアの空爆により、少なくとも 2615人の民間人が死亡しているという。


この時には、報道によれば、「 2日間で、イエメンの年間平均雨量の 5倍の雨」が降ったとされていまして、つまり、2日で 5年分の雨が降ったのでした。

今回のサイクロンも同じような雨量となっている可能性があり、年間雨量 100ミリ程度の砂漠の国イエメンに、数年分の雨が降ったと考えられます。

詳細な被害は不明ですが、じきに明らかになってくると思われます。

多くの人々は、屋根に逃れることなどで洪水をしのいでいたようですが、写真を見る限りは、屋根まで水没している家屋も多く、その後の状況はわからない部分があります。

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この日の前後には、フランス南部でも、報道によれば「6時間で3カ月分の雨」が降り、大規模な洪水が発生し、十数名の犠牲者が出ています。

最近は洪水を取りあげることが多いですが、この10月は、実際にはご紹介しているよりさらに多くの場所で洪水が発生し続けています。

これらの多くに見られる「かつてない雨」や「かつてない洪水」事象は世界中に広がっていまして、洪水の時代であることを強く実感させてくれます。

最終更新:2018/10/19 21:20

2018/10/18 21:05

人工甘味料は肥満抑制物質GLP-1と、各種の肥満抑制腸内細菌を殺す

腸内細菌群と肥満の関係についての科学記事より
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肥満が伝染病のように現代社会に、たった数十年で広がった理由

低カロリーやノンカロリーの甘味料が「腸内細菌のバランスを短期間で崩壊させる」ことを以下の記事で書かせていただきました。

人工甘味料の「身体破壊の威力」がまたも明らかに 低カロリーあるいはノンカロリー甘味料は「腸内細菌の環境を徹底的に破壊」し、健全な人間を2週間で糖尿病へと導く可能性
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この記事でご紹介したのは、欧州糖尿病学会で発表された研究ですが、この記事を書いている中で、以下の部分に、「おっ」と思うところがありました。

血糖値をコントロールするのに役立つホルモン GLP-1 の放出が低下したことに関連して、ブチリビブリオ細菌集団の減少を観察した。

この意味は、簡単に書き直せば、

「体内の GLP-1 という物質の放出を手助けしている腸内細菌が減少する」

ということです。では、この GLP-1 というのがどんなものかということについては、ご存じない方もいらっしゃるかと思いますが、上の記事では「血糖値を下げる働きがある」ことについて言及されていますけれど、これは、この発表が「糖尿病学会」によっておこなわれたものだからだと思われます。

実は、この GLP-1 というのは、一般的には、

「肥満を抑制する」

として知られているホルモンなのです。

どんなものかということについては、糖尿病専門医の重藤誠医師が書かれた以下の文章がわかりやすいです。

やせるホルモンGLP-1とは

体重は、かなりの部分がホルモンのバランスによって決まっています。食欲を落として体重を減らす作用のあるGLP-1は、やせるホルモンとも呼ばれています。

GLP-1は、胃に入った食べ物が、腸に流れるスピードを遅くするため、急激な血糖の上昇を抑えると同時に、満腹感を持続させます。腸のL細胞という細胞から分泌されるほか、脳内でも造られており、脳での作用は、食欲を落として食べ過ぎを防ぐほか、認知機能や記憶力などに関わっていると考えられています。

GLP-1の重要な作用として、食後のインスリンの分泌を増やす作用があり、食後の血糖を抑えてくれます。食後の血糖が上がると、動脈硬化が進行するほか、認知症やがんのリスクを高めることがわかっています。

インスリン自体が、脳の満腹中枢に作用して食欲を抑え、体重を減らす作用があります。GLP-1は、インスリン分泌の調節をすることでも、食欲を抑制しているわけです。

また、血糖が安定することで、精神的な安定や、動脈硬化の抑制が期待できます。

脳で造られるGLP-1は、神経伝達物質として作用し、直接的に食欲を抑えます。他の神経伝達物質にも影響を与え、複合的に食欲を抑えているようです。


このような作用がある GLP-1 は、アメリカでは、2014年に肥満治療薬として認可されていて、数百万人規模のデータから、

・糖尿病患者の血糖が改善する

・体重を減らす

という効果があることについては、ほぼ間違いないようです。

そして、昨日の記事にありますように、「人工甘味料は、この肥満抑制作用のある GLP-1 の放出を減少させる」ということになるようなのです。

これを非常に大ざっぱにいいますと、

「低カロリーあるいはノンカロリー甘味料を摂取すると《太りやすくなる》」

ということになってしまいそうなのです。

先日の記事では、低カロリー(ノンカロリー)甘味料は、「糖尿病の人たちが血糖値を上げないようにするために使っている」部分があるのにも関わらず、実際には、「人工甘味料を摂取するほど GLP-1 の減少により血糖値が下がりにくくなる」という皮肉な現実について書かせていただきましたが、今回は、

「カロリー制限をするために低カロリーやノンカロリーの人工甘味料を摂取すると GLP-1 の減少により、むしろ痩せにくくなる」

という肥満に関しての皮肉の話でもあります。

しかし、肥満に関してだけの話としても、人工甘味料と肥満の関係は、これだけではないと私は考えています。

たとえば、前回の記事でご紹介した論文には以下のような記述があります。

この研究で、低カロリー甘味料を摂取した被験者群が、糞便中に存在する微生物の型のより大きな変化を示し、その中でも良好な健康と関連する細菌であるユーバクテリウム‐シリンドロイデスが有意に減少することを見出した。

他に食物の発酵を助ける腸内の有益な細菌種の個体群も減少した。

しかし、11種の日和見菌(体が弱った時に腸内で悪い働きをする細菌)の存在は増加していた。


ユーバ何とかというような細菌の面倒くさい名称はともかくして、ここにあるだけでも、

「人工甘味料が複数の腸内細菌を殺している」

ことがおわかりかと思います。

この「単一の物質(ここでは人工甘味料)が複数の腸内細菌を殺す」という影響は、肥満という問題だけにとどまるものではないはずです。

カロリーの吸収を行っているのは腸内の細菌群

冒頭に「腸内細菌のバランスと肥満が関係している」ことが明らかとなったという科学記事を載せていますが、この内容はともかくとして、要するに、このタイトルのように、最近のさまざまな発見により、

「主要国での肥満の流行は、人々の腸内環境の崩壊が関係している可能性が高い」
という考え方が次第に主流になりつつあります。

ダイエットなどの問題に関しては、今でもカロリーだ糖質だ脂質だといろいろと言われていたり、テレビでもネットでも、おびただしいダイエットのための商品や健康食品が広告されているでしょうけれど、最新の医学でのカロリーに対しての基本的な考えは、そういうことではなく、下のようになっているはずです。

「カロリーの消費は人それぞれの《腸内細菌の構成》によって異なる」

本人の問題ではなく、腸内細菌の問題だと。

これは、極論として書きますと、どれだけカロリー制限をしようと、あるいは糖質を控えようと、あるいは運動をしようと、もう何をしようと、

「腸内環境のバランスが崩壊している限りは痩せない」

というようなことになると考えられるのです。

もちろん、何か極端なダイエットをして、一時的に体重を落とすことはできたとしても、それを維持することも、リバウンドを防ぐことも難しいと思われます。

食べ物を食べるのは確かに私たち本人ですが、それを「吸収」しているのは、実は腸内細菌なのです。

アメリカで 2016年に出版された『あなたの体は9割が細菌:微生物の生態系が崩れはじめた』という著作についてご紹介したことがありました。

タワシも(タワシかよ)……私も、以前から「腸内環境」というような言葉だけは知ってはいましたけれど「そんなもん大したもんでもなかろう」程度に考えていたのですけれど、この「あなたの体は9割が細菌」を読んで、考えがすっかり変わりました。

それどころか、

「身体で最も重要な器官が腸である」

というようにも思うようになっています。

この「あなたの体は9割が細菌」の最初のほうのセクションで、長い部分が占められているのが「なぜ現代社会は肥満がこんなに増えたのか」ということで、これに関しても、膨大な研究データや資料から「肥満と、腸内環境のバランスの変化に関係がある可能性が高い」ということになっていきます。

たとえば、マウスの実験で、腸内細菌のバクテロイデーテスという細菌群の量が、肥満しているマウスと、通常のマウスで違うことが見出されたことから始まった研究で、簡単に書けば、バクテロイデーテスという細菌群が、

「カロリーを食べてくれている」

ことがわかったのです。

吸収量の差としては 2%程度の小さなものなのですが、この程度の差でも、人間にあてはめますと、

「 10年で 19キロの体重差となる」

のだそう。

食べ物を食べるたびに、カロリーの吸収量に差があり、それが蓄積されていくのです。

これだけではなく、肥満と腸内細菌については、いろいろとこの本にも多くの研究が記されています。

まあ、それらの詳細はともかく、今の医学では、

「肥満は腸内細菌のバランスにより決定づけられている」

という可能性が高いということが、ほぼ結論づけられています。

しかも、肥満に至るというのは、あまりいいバランスではない状態だといえるかもしれません。

なぜなら、過去十数万年の「人間の体系」は基本的に肥満ではないからです。

人口集団の多数が肥満という状況は、長い地球の歴史の中の「過去数十年で急速に現れた」もので、原因があるとすれば、この「数十年にある」のだと思われます。

前回と今回は人工甘味料のことを書いていますが、腸内細菌のバランスを破壊するものは、現代社会にはいくらでもあるはずです。

抗生物質のように「直接、腸内細菌を殺す作用」がある可能性があるものから、間接的に腸内環境に影響を及ぼすような物質も多々あるような気がします。

たとえば、人工甘味料にしても、

「もともとは、腸内環境を破壊するために発明されたものではない」

わけですけれど、しかし結果として、そのようになっている。

このような「結果として腸内細菌のバランスに影響を与えている」ものは、本当にいろいろとあるだろうなあとは思います。

詳細にすべてがわかることもないでしょうけれど、しかし「明らかに腸内細菌の環境に良くない」とわかっているものに関しては、日常でなるべく避けることは悪いことではないと思います。

抗生物質などの場合は、病気や怪我や手術によっては使わざるを得ない局面もあるかと思いますが、人工甘味料にはそんな局面はないですので、人工甘味料入りのドリンク(缶入りアルコール飲料も)などを含めて、なるべくなら摂取しないのが良いような気もします。

まあ、個体差、つまり「人による」というのはあるのでしょうけれど。

たとえば、今回の記事を書いていて、ふと、昨年 12月の以下の報道を思い出しました。

ダイエット・コークを1日12本、トランプ氏に専門家が懸念
CNN 2017/12/12

トランプ米大統領はカロリー、糖分ゼロの炭酸飲料「ダイエット・コーク」が大好物で、1日12本のペースで飲んでいることが、米紙ニューヨーク・タイムズの最近の記事で分かった。専門家らは、人工甘味料などによる健康への影響に懸念を示している。

最近の研究では、人工甘味料「アスパルテーム」を使ったダイエット飲料は甘い物への欲求をかえって強めることや、体内で砂糖入り飲料と同じような生理反応を引き起こすことが分かってきた。

ダイエット飲料を飲む人は飲まない人に比べ、生活習慣にかかわる2型糖尿病や高血圧、脳卒中、認知症のリスクが大きくなると、米パデュー大学のスーザン・スウィザース教授は指摘する。

テキサス大学の研究チームが65歳以上の年代でダイエット炭酸飲料と腹囲の変化の関係を長期的に調べたところ、ダイエット飲料を飲むと腹部の肥満が悪化し、さらに心臓病のリスクも増すとの結果が出たという。

栄養学の専門家は「トランプ氏にはダイエット・コークの少なくとも半分を水に換えるよう勧めたい」と話している。


この報道の、締めの

> ダイエット・コークの少なくとも半分を水に換えるよう勧めたい

にはちょっと笑いましたけれど、しかし、米大統領が、脳や腸が機械仕掛けのロボットでない限り、その腸内環境はものすごいことになっていそうです(機械仕掛けなのかもしれないですが)。

今回は「肥満」の話から入りましたので、ダイエットのための記事のようになってしまったかもしれないですが、そういうことでもなく、結局はこれもまた「腸」の話ではあります。

まあ……私自身が肥満ですので、気になる話ではあり、ご紹介しているのも事実ですが。

ちなみに、私、腸内環境改善の一環として、2ヶ月くらい前から、インドのアーユルヴェーダで腸内環境を改善するとされる「トリファラ」というものを毎朝飲んでいるのですけれど、これはとてもいいと実感はできます。しかし、「信頼できるような販売元がわからない」ということもあり、ご紹介することができないのですよ(私自身はインドから直接買っています)。

効能や体験は「トリファラ 腸」などで検索されるとおわかりになると思われます。

何というか、尾籠な表現ですけれど、「便の匂いがほぼなくなった」のですね。しかも、このせいかどうか知らないですが、確かに痩せますしね。

あと数カ月くらい自分で人体実験をして、良さそうならご紹介したいとも思うのですが、日本でもきちんと扱ってくれるといいのですけれど。

以前も書きましたけれど、崩壊した腸内細菌バランスが完全に元に戻ることはないと私は考えていますが、現代人の私たちは、「不完全な腸内バランスの中で最善の環境を保つ方法」を考えて生きていくしかないのかもしれません。

最終更新:2018/10/18 21:05

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