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2012/01/19 15:41

ドクラの鋳込み作業「型にはまる」なんていう言い方があります。同じようなやり方しかしないとか、独自の工夫がないとか、人間の行動に当てはめるとそういう否定的な意味になります。

しかし型というものは同じものをたくさん作るのに便利な道具です。身近なところではクッキーの抜き型とかタイヤキの焼き型とかチョコの流し型とかいろいろあります。全部食べ物関係ですが、型を使えば同じものが簡単に大量に作れるわけです。

また工業製品に至っては、そもそもが量産を前提に開発しています。同じ形のものを同じ方法で大量に作ることで、性能を揃えたりコストを抑えたりするわけです。またメンテナンスの時にも部品がすべて同一規格で作られていれば、ネジ穴が合わないから穴をあけ直すとか、形がちょっと違うので曲げたり削ったりするとかの現場合わせをしなくて済むので楽なのです。

とまあ現代の生活に於きましては、型で作り出される均一の製品たちが、私たちに快適さと安心感を与えてくれているのは間違いありません。

でも人間というのは実に勝手なもので、そんな安心快適な「型もの」に対し、「おまえはまったく個性がなくてつまらんやつだ」みたいなことを言ってしまうのです。 ひどいわひどいわ・・・

でまあ私も日頃は「快適型もの生活」を満喫しているのに、ここでは「個性あふれる一点もの」を高らかに宣伝してしまうので実に勝手なのです。 型ものたちよ、すまん!
でも実際人間というのは手作り一点ものにも惹かれるものです。特に身の回りが型もの均一製品に囲まれていればいるほど、そうした手作り感あふれるものが欲しくなるものなのです。

ドクラの型出し作業インドにはまだまだ素晴しい手仕事がたくさん残っています。
今回はその中から「型を使いながらも型にはまらない」インド先住民の作る金属作品を紹介致します。

彼らは先祖から受け継いだ技法を今も忠実に守りぬいています。まあそれだけですとそれこそ「型にはまったやり方しやがって」と思われてしまうかもしれませんが、その作業は実に手間と根気と技術を必要とするもので、決してルーティーンワークなどではありません。

その作業をごく簡単に説明致しますと、頭に想い描いた造形を蝋で作りそれを土で固めます。次にその土で固めたものを焼いて中の蝋を飛ばします。こうすることで土の中に空洞ができ、それが型となるわけです。最後にその型に溶かした金属を流し込めば出来上がりです。こうして書くと簡単そうですが、実際にはもっと面倒で大変な作業です。

さて、この技法で作り出されるものはある意味「型もの」です。でも型は作品を取り出す時に壊してしまいますので、同じものは二度と作れません。なので量産を意味する「型もの」では決してないのです。
しかも金属を流し込む時に偶然性が加わります。たとえば金属に含まれる不純物が表面に付着したり、型の一部が決壊して金属が流れ出たりといった具合にです。そしてそれがまた作品に一味加える要因となり、一点ものとしての価値をさらに高めてくれるのであります。

そんなインド先住民の工芸品は こちら にずらっとございます。

ぜひとも「型ものの一点もの」という不思議な作品を、生活の場に加えてやっておくんなせえ。

最終更新:2012/01/19 15:44

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