≪ 宝 石 珊 瑚 と は ≫
珊瑚と言えば、真っ先に
青い海にカラフルな魚、そこにあるサンゴ礁を思い浮かべると思いますが
実際は、光の届かない深海を含め世界中の海に
数千種類の珊瑚が生息しています。
珊瑚はクラゲやイソギンチャクと同じ仲間で、刺胞動物門に属し、
ポリプの触手の数によって、六放珊瑚亜網と八放珊瑚亜網にわけられます。
六放珊瑚と八放珊瑚それぞれに、固い骨軸を持つハードコーラルと骨軸を持たないソフトコーラル
また、褐虫藻と共生し、褐虫藻が行う光合成によりエネルギーをもらう種類と、
共生していない種類がいます。
褐虫藻と共生している種類は、光合成のために光の届く範囲でしか生きられませんが
共生していない種類は、光の届かない深海でも生きられる能力を持っています。
宝石珊瑚の説明で、造礁珊瑚が六放珊瑚で褐虫藻と共生し
八放珊瑚が深い海に生息し、宝石になると紹介されていることが多いですが
実際には、六放珊瑚の中にも深海に生息する種類も沢山あり
八放珊瑚の中にも、浅瀬に生息し褐虫藻と共生する種類もあります。
そして、八放珊瑚のほとんどは、固い骨軸を持たないソフトコーラルで
一部の種類だけが、固い骨軸を持っています。
宝石として研磨される固い骨軸部分は、珊瑚のポリプから分泌されたものが、
永い年月を掛けて少しづつ結晶化したもので
主成分は、炭酸カルシュウムで、わずかにタンパク質も含まれています。

( 深海珊瑚の原木 )

( 珊瑚のポリプ )
この骨軸部分が原木と呼ばれますが、
ほとんどの原木には成長過程にできる年輪なような色ムラや空洞、
不純物を取り込んでできた小さな傷穴、珊瑚を餌にする海綿体によって食べられてできた虫穴
水圧の高い深海から引き上げられる事で出来たヒが有ります。
これらは宝石としては評価が低くなるため、その部分はカットしたり削り落としたりして
綺麗な宝石を作り上げますが、貴重な珊瑚を無駄にしてしまう部分も多くなりますので
当店では、通常カットや削り落とされる部分も、無理にカットせず
削り落とした方がいいか、残した方がいいか、一つ一つ原木の状態を見ながら
自然の風合いを活かした製品作りを心がけています。
形やサイズ、色を統一されて加工されたものには無い
自然が作り上げた不思議な造形美や色など、趣のある唯一無二の宝石となります。
是非、高品質なジュエリーと共に、自然が作り出す珊瑚の風合いも
珊瑚の魅力の一つとして、お楽しみください。
【珊瑚種類】

(日本珊瑚商工協同組合 ホームページより)
HPでは、ピンク色は深海珊瑚としてひとまとめに紹介されていますが
当店では、このピンク色の珊瑚を、それぞれ
深海珊瑚、ミッド珊瑚、ガーネ珊瑚、ミス珊瑚と、個別の表記もしています