『バケモノの子（２０１５年）』 (その他)

こんばんワン♪
大して期待せずに観た映画が面白いと嬉しくなりませんか？
映画好きにしかわからないほんの小さな喜びですが、
例え世間的な評価が低い映画や無名の映画でもそういう映画は自分の心に印象深く刻まれる事が多いです。
細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』もそうでした。
あまりに名が通った作品がゆえに「所詮大衆に迎合した作品か」と高を括っていたのですが、
あの切なさ、叙情感が心から離れずいまだ余韻の中にいます。
『バケモノの子』はその『おおかみこども～』に続く細田作品。
家出した子供が渋谷の街の路地裏から思いがけずバケモノたちの世界に迷い込んでしまうというお話。
正直に言うと前作の余韻が抜け切れていないまま観賞してしまったため、
ストーリーのあまりの荒唐無稽さに面食らってしまいました。
前作の叙情感などどこへやら。
『ベスト・キッド』さながらの空手アクションから
『AKIRA』さながらの超能力バトルまでもはや何でもありです。
まとまりがないと言えばそれまでですが、現実とおとぎ話の境界線を行ったり来たりするのは
『おおかみこども～』と一貫するものがあるし、完成度は別として
細田監督が作りたい究極作に行き着く途中経過が今作のような気がします。
その意欲に拍手を送りたいです。

魂の評価 ★★★☆☆

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