宝石には，その美しさと稀少さ故に様々な伝説があります。
ゴルコンダのダイアモンド、モゴクのルビー，ムソーのエメラルド、そしてカシミールのサファイア等、いずれも比類のない品質と色合いとで伝説的な存在となっています。
　
中でも、カシミールのサファイアとなると、宝石そのものが市場に出ることが非常に少ないので、まさに伝説、幻の宝石と言えるでしょう。
そのカシミール産のサファイアを、５ピースセットしたブローチ、ペンダントを作成しました。

　

カシミールのサファイアはそれぞれの石により、色合いが異なります。
ビロードのような潤んだ色合いは他の産地のサファイアには無いもので，これがカシミール産のサファイアの際立った特徴です。
独特の澄んだ色合い、透明感をたっぷりと感じることのできるルース。
ほぼ枯渇してしまったと考えられるカシミールのサファイを、すべて色を変えて５ピースセットできる幸運は、私たち、ジュエリーの作り手にとっても忘れがたい１つとなっています。

１ピースのダイヤモンドは、お客様からお預かりした婚約指輪のダイヤを使用。
サイドからご覧いただくとはっきりとわかるように、すべての石枠は高低差をつけ、同じ高さに石がセットされないようにしています。
このために、それぞれのサファイアの発色が際立ち、光が湧き上がるような、こぼれるようなリズム感がでてきます。

これは、稀少なカシミール産サファイアでお作りいたしましたが、カラフルなトルマリン、モルガナイト、アクアマリン、インペリアルトパーズなどを組み合わせてデザインしても素敵です。（サロン　内藤）