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2019/06/14 11:10

■儀礼行進曲「陸路からも、海路からも」
By Land and Sea
ケネス・J・アルフォード(Kenneth J. Alford/本名:フレデリック・ジョセフ・リケッツ)


 今日“イギリスのマーチ王”として世界的に知られているリケッツは、作曲家としてはケネス・J・アルフォードのペンネームを使用していた。
 石炭商人の息子として生まれたリケッツ(弟も、レオ・スタンレーのペンネームの作曲家である)は、14歳の時に少年楽手としてロイヤル・アイリッシュ・レジメント第1大隊バンドに入隊し、コルネット、ユーフォニアム、ヴァイオリンを担当した。1904年には、ネラーホールの王立陸軍軍楽学校に入学し、1906年から1908年までは同校の副音楽監督も務めた。卒業後、1908年から1927年まで、アーガイル・アンド・サザーランド・ハイランダース第2大隊バンドの楽長を務め、11曲のマーチを作曲した。1927年、大尉に昇進し、ケント州ディールにあるイギリス王立海兵隊バンド(日本での通称はロイヤル・マリーンズ・バンド)の音楽監督を命じられた。1930年にはプリマス基地の海兵隊バンドの音楽監督として異動し、1944年6月に少佐で退役するまで当地での任務を全うした。
 1927年から1944年までの海兵隊時代には、7曲のマーチを作曲した。
 プリマスの海兵隊バンドは愛称“リケッツ・バンド”として大変大人気を博した。
 スーザ同様、リケッツも大変優れた自作自演マーチ作曲家でありバンド・コンダクターであった。
 退役から1年弱の1945年5月15日、リケッツは64歳でその生涯を閉じた。
 彼の作曲した全18曲のマーチを紹介しよう。
 (1) The Thin Red Line
 (2) Holyrood
 (3) The Vebette
 (4) Colonel Bogey
 (5) The Great Little Army
 (6) On the Quarter Deck
 (7) Voice of the Guns 
 (8) The Middy 
 (9) The Vanished Army 
 (10) The Mad Major
 (11) Cavalry of the Clouds
 (12) Dunedin
 (13) H.M.Jollies
 (14) Old Panama        
 (15) Staudard of St.George
 (16) Army of the Nile
 (17) By Land and Sea
 (18) Eagle Squadron  (1908年) シン・レッド・ライン
(1913年) ホリールード
(1913年) 騎馬哨兵
(1914年) ボギー大佐
(1916年) 偉大なる小陸軍
(1917年) 後甲板にて
(1917年) 砲声
(1917年) ミディー
(1918年) 消え失せし陸軍
(1921年) 気違い少佐
(1923年) 空の騎兵隊
(1928年) ダニディン
(1929年) H.M.ジョリース
(1929年) 古きパナマ
(1930年) 聖ジョージの御旗
(1941年) ナイル河の陸軍
(1941年) 陸路からも、海路からも
(1942年) イーグル飛行中隊
 長いこのミリタリー・キャリアにしては、全18曲というマーチの作品総数は決して多いほうではなく、むしろ少ないと言った方が正確だろう。しかしながら、1曲1曲が独創性を備えた極上のマスターピースであることに驚かされる。
 私の推測では、アルフォード(リケッツ)は、1曲1曲精密かつ丁寧に、あたかも精巧な建物を構築するが如く、職人のような精密さで18曲のマーチを創り上げていったように感じる。天才肌でメロディーとオーケストレーションが次から次へと湧き出てきたスーザの作曲プロセスと、アルフォードのそれとはまさに正反対のものであった様に推測されるのである。
 それはアルフォードの各楽器群の細に入り微に入りの巧妙な使い方、そして主旋律とカウンター・メロディーとオブリガートとの同じく計算され尽くしたが如き巧妙なつづれ織り振り、そして両者のリンクがもたらすダイナミズムのデリケートな抑揚感、そんな点にアルフォード独特の職人気質を感じるのである(例えは正しいかどうかわからないが、血液型になぞらえるとアルフォードはA型的、スーザにはO型的作曲家気質を感じるのである)。
 また、アルフォードのマーチには、多くのイギリス・マーチの特長である端正さからくる一種の格調と気品が感じられるが(一方、スーザを代表するアメリカのマーチには、情深い郷愁感と壮大な歓喜の爆発感が感じ取れる)、さらに一種独特の寂寞感も作風の奥深くに感じられる。
 これは、彼のミリタリー・マーチにも強く感じられるので、大変興味深い考察対象項目であろう。
 これまた私の推論となるが、リケッツは10代初めの頃に両親を失くしている。そのことがリケッツの心の奥底のキャラクターに影響を与えている気がしてならない。
“吹奏楽によるマーチでありながら、かくも美しく切ない名曲の数々が如何にして生まれたのか”―――――精鋭のリケッツ研究者による“リケッツ論”がいつの日か語られていることを、切に期待したいものである。
 さて、この「陸路からも、海路からも」は、イギリス海兵隊のモットーをタイトルとしたもので、Ceremonial Slow March(儀礼用スロー・マーチ)との添え書きが付いている。
 イントロの勇壮なメロディーに続くレジメンタル・ドラムのソロが実に粋でスタイリッシュであり、トリオでは当時のイギリス海兵隊の3つの基地のビューグル・コールがフィーチャーされている。
 また、このアメリカ海兵隊バンドの演奏はコンサート・マーチ・スタイル・ヴァージョンで演奏されているため、オペラティックな劇的エンディングがオプションとして付加されている(パレード・マーチ・スタイル・ヴァージョンでは省略され、演奏されない)

マーチ・マスターピース 〜世界のマーチ名演集 アメリカ海兵隊バンドMarch Masterpieces【吹奏楽 CD】SPHCD-1009

最終更新:2019/06/14 11:10

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