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今まで宝石のもっている性質をごく大まかに見てきました。宝石の大部分は、鉱物の結晶です。
これらの結晶は、地球の中のどこかであるとき一瞬にしてできたものではありません。
長い時間をかけて、ゆっくり成長して、現在見られる結晶にまで育ち、人間の手でカットされ、そのもつ美しさが引き出されたわけです。
すべてが順調に成長したものではなく、多くのものが他とぶつかりあったり、他をとりこんだりしながら育ってきました。

こうして結晶の中にとりこまれた別の鉱物や液体、気体をインクルージョン(包有物)inclusion といい、結晶の育った環境条件を反映しています。
一つ一つの結晶が個性とおいたちの記をもっているわけです。そこに宝石のもつ神秘さや面白さがあるのかもしれません。
天然石の中には優等生として育ち、色つやも良く傷(包有物)も少なく、カットするだけで宝石として使えるものもありましょう。
しかし、中には包有物だらけで色も透明度も良くないものもあります。むしろ、この方がずっと多いでしょう。
そうしたものの中には、人為的な手段を加えると宝石のもつ美しさが復活するものもあります。
熱を加える、放射線をあてる、オイルや高分子化合物を含浸させる、染料を使って染める、などさまざまな方法がありますが、こうした手段を施した天然石のうち、そのことによって価格が大幅に変わるものや、使っているうちに色が変わってしまうようなものをトリートメント treatment、そうはならないものをエンハンスメント enhancement と呼んでいます。
現在、大部分の宝石種においては、人間の手が加えられております。
中には、現在の鑑別手段では、はっきりそうだと判断できな場合もありますが、その証拠が実証されるものについては、その旨鑑別書に記載されています。
しかし、すでに市場に受け入れられているものの大半が人為的手段を施されている場合には、天然石として扱い、鑑別書の所定の位置にその旨が記載されています。

宝石は高価です。
もっと安価な材料でみかけだけを高価な宝石に見せかけようとする働きが生まれてくるのも当然です。
この種のものは模造石 imitation stone と呼び、古くから知られていました。
鉛をふくみ屈折率を高くしたガラスをダイヤモンドのイミテーションとするのなどは、この種の例です。
模造石には、張り合わせ石などさまざまな種類があります。
注意して調べれば鑑別は容易です。

天然の宝石と化学組成も結晶構造も同じものを人間の手でつくってやろうというのは、多くの人が夢想することでしょう。
19世紀中ごろ、ドイツでエメラルドがつくられたのがその種の試みが成功した最初です。
20世紀初頭には、ベルヌイというフランスの化学者がルビーを作る新しい方法を考えました。この方法でつくったルビーは、市場にショックを与えましたが、天然石との鑑別が容易につけられることがわかって以降、天然ルビーの価格は安定化しました。
第二次大戦後には、アメリカのチャザムがエメラルドを合成し、市販しました。
今ではルビー、サファイア、エメラルド、アレキサンドライト、アメシスト、シトリン、トルコ石、ラピスラズリ、オパールなど大半の宝石が合成に成功し、また市販されています。
宝石質ダイヤモンドも合成に成功しています。
こうして、天然の宝石と同じ内容の結晶を人間の手で合成したものを合成石(シンセティック synthetic stone)と呼んでいます。

レーザーに使う単結晶合成が半導体工業の分野で盛んに研究されました。
こうしてできた結晶は、カットするとダイヤモンドにみまちがうばかりの美しさを示します。そこでカットしてダイヤモンド代用品として市場にでてきました。
YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)、CZ(キュービックジルコニア)などがそれで、一時質屋にショックを与えました。
これらは天然では知られていない素材ですから、上の合成石とは区別して人工石とか人造石 artificial stone と呼んだ方がよいでしょう。

天然、処理、模造、合成、人造にかかわらず、みかけが類似した素材をまとめて類似石 simulant といいます。
類似石同士の間は、みかけだけは似ていますが、物理的性質は違います。
注意して調べれば、鑑別は難しくありません。




ここまで述べたように、ジュエリーに使われている宝石には、さまざまなものがあります。
目で見ただけで判断できるものばかりとは限りません。
比重、光学的性質、屈折率などを測定して、科学的根拠をもとにこの種類だと判断を下したデータが必要になります。
この要望に答えたものが鑑別書です。

これに対して、品質のグレードを根拠とともに示したのがグレーディングレポートで、これは現在ダイヤモンドについてしか発行されていません。

グレーディングレポート、鑑別書の実例については、それぞれダイヤモンド、カラーストーンの章を参照して下さい。

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