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(1)結晶の骨組み(周期性と異方性)

鉱物の結晶の中で原子が規則正しく並んでいる様子を、炭素だけでできているダイヤモンドを例につかって見てみましょう。
ダイヤモンドの中での炭素原子の並び方を違った角度から見た図を図1のa~eにまとめて示しました。
a図は炭素原子(球)と原子間の結合(棒)を三次元的に示したものです。
この並びは直線で区切った六面体が単位になっています。
この単位をその長さだけ前後、左右、上下に動かしても、その前とまったく同じですから、単位だけを考えればよいことになります。
この単位だけをとりだして示したのがb図です。
その中で一つの炭素原子のまわりを囲んでいる炭素原子の様子(四面体的に取り囲んでいる)を示したのがc図です。
c図のような炭素原子間の結び付き方が無限に三次元的につながって、結晶構造(a図)ができていることが分かります。
この骨組みを違った方向から見たのがd図、e図です。
これを見ると、結晶とは原子の並びが同じ周期で繰り返しており(周期性をもっている)、その周期は方向によって違います。(異方性がある)ことがよく分かります。



結晶の持っている一番大切な特徴は、この周期性と異方性です。
結晶のもつさまざまな物理的性質は、みな周期性、異方性に支配されています。
ダイヤモンドの硬さが、結晶の中の方向によって違うのも、その故にダイヤモンドの粉をつかって地球上で一番硬いダイヤモンドを研磨できるのも、この特性によります。
非晶質では、硬さに異方性はありません。(これを等方的といいます)
ガラスがどの方向に切っても、同じように切れるのは、ガラスの硬さが等方的だからです。
しかし、結晶質でも、めのうのように小さな結晶がたくさん集まってできている多結晶の集合体では、一つ一つの結晶がもっている異方性は相殺されて等方的にふるまうようになります。


(2)硬さと劈開(へきかい)

ダイヤモンドが地球上で一番硬い物質なのは、ダイヤモンドの結晶をつくる炭素原子が相互に硬く結びついているからです。
固体の硬さは、その中での原子間の結びつきが、どの程度強いかによって決まります。
そこで硬さを示す指標として、天然の鉱物の中から10種類の鉱物を選び、1番から10番までの番号をつけました。
ドイツのモースという鉱物学者の発案なので、このセットをモースの硬度計といいます。

硬度宝石・鉱物名
1度滑石(タルク)
2度石膏(ジプサム)
3度方解石(カルサイト)
4度ほたる石(フルオライト)
5度燐炭石(アパタイト)
6度長石(オーソクレース)
7度水晶・石英(クオーツ)
8度黄玉(トパーズ)
9度コランダム(ルビー・サファイア)
10度ダイヤモンド


一番軟らかいモース硬度は、表のように滑石です。
一番硬いダイヤモンドが10番です。
9番のコランダムはダイヤモンドで引っかきキズがつきますが、8番のトパーズでは引っかきキズをつけることはできません。
同様に81/4とあらわされる鉱物は、81/2の鉱物ではキズがつけられるが、8番のトパーズではキズがつけられない鉱物という意味です。8.5とか8.25という表現はしません。

ダイヤモンドの骨組みの図を見ると、方向によって周期が違うことが分かります。
八面体の結晶面に垂直な方向の周期(図d)は、他の方向に比べてずっと幅広い周期をもっています。
これは、この方向で結合が一番弱いことに相当します。
そのため、外から力がかかると、八面体の面に並行に割れやすいことになります。
一定の方向に割れやすい性質を劈開 cleavage と呼んでいます。
ダイヤモンドは八面体の方向に劈開する性質をもち、雲母は板に並行に劈開する性質をもっているわけです。
鉱物には、その種類によって劈開をもっているものと、それをもたないものとがあります。
それぞれの結晶構造に由来して決まっている性質です。


(3)光の屈折:単屈折と複屈折

結晶の中に光が入ると、結晶の中の原子の並びによって、光の進行方向が変わります。
これを光の屈折といいます。
光線のまがる程度のことを屈折率といい、それぞれの鉱物で特有の屈折率をもっています。
屈折率は宝石を鑑別する上で大切なよりどころです。
屈折率が大きいと反射率が高くなり、輝きが強く、光沢が良くなります。
金属は反射率が大きく、金属光沢を示します。
ダイヤモンドは無色透明でも屈折率が大きいので、金剛光沢と呼ばれる強い光沢をもっています。
ルビー、サファイア、エメラルドなどは、ダイヤモンドよりも屈折率がずっと低く、光沢もガラス光沢です。

ガラスのような非晶質やダイヤモンドやスピネル、ガーネットのような結晶(この3つの鉱物は等軸晶系に属する結晶)です。
結晶の中に3本、または4本の軸を想定すると、結晶は7種類の結晶系に分類できます。
中に入った光は1つの屈折率でしか屈折しません。
この種の個体のことを単屈折する個体、あるいは光学的に等方体といいます。

これ以外の結晶では、光は2方向に分かれて屈折します。
一番よくわかる例として、方解石の結晶を通してみた文字の写真を示します。

文字が二重に見えます。これは、方解石を通った光が2方向に分かれて進んでゆくからで、この現象を複屈折といいます。
等軸晶系以外の結晶系に属する結晶はみな複屈折を示し、屈折率が2つ(1軸性)または3つ(2軸性)のものがあります。これらは光学的異方体といいます。
大切なことは、結晶(宝石)の種類によって、屈折率の値も、等方体、異方体、1軸性、2軸性の違いもあるということです。
ですから、これらの性質を調べれば見掛けだけが似た宝石でも間違いなく違う宝石と鑑別することができます。


(4)色の原因

ルビーは赤、サファイアは青、緑、黄などの色を示します。
ルビー、サファイアの鉱物であるコランダム(純粋なときは無色です)は同じ鉱物でありながら、いろいろな色を示していることになります。
一方、孔雀石のように、どのサンプルでもきれいな緑色を示す宝石もあります。
宝石の色はどうして生まれるのでしょうか?

人間が目で感知できる光を可視光線といいます。
光は波ですから波長をもっています。
可視光線の波長は、380~780nm(ナノメーター)ぐらいの範囲に入り、短い波長の方が紫、青、長い波長部分が赤色で、この間虹色に分布しています。
虹色の全ての色がまじりあうと太陽の光線のような白い色(無色)の光となるわけです。
もし、380~780nmの波長の中から特定の波長だけが結晶によって吸収されてしまうと、結晶は残った波長の色を示すことになります。
これが、その宝石の示す色です。
全体が吸収されてしまうと黒、吸収が全く起こらなければ無色透明になります。

結晶(宝石)に可視光線が入ると、吸収が全く起こらなければその石は無色透明に見えます。
一部の波長が、何らかの原因で吸収されると残りの波長に相当した色を示すことになります。
吸収の原因はさまざまありますが、宝石で一番大切なのは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、CoおよびCuなどの遷移元素と呼ばれる元素です。
これを化学式の中で主要な成分として含んでいる宝石は、その鉱物種ごとに特有の色を示します。
孔雀石やトルコ石などがその例で、この種の鉱物のことを自色鉱物といいます。

一方、この種の元素を微量に含んでいる鉱物では、さまざまな色調を示します。
コランダム(Al2O3)は、純粋なときには無色ですがごく微量にCrを含むと赤いルビー、FeとTiを含むと青いサファイアになります。
同じCrでも緑柱石(ベリル)に含まれると、美しい緑色のエメラルドになります。
このような鉱物のことを他色鉱物といいます。

上の説明では、太陽からくる白色光線のどの波長を宝石が吸収するかによって、宝石の色が決まると説明してきました。
380~780nmにわたる白色光線の代わりに、別の光源の下で宝石を見てみましょう。
波長の分布は、太陽光線とは大きく違っていますから、宝石による吸収のされ方も違うはずです。
たとえば、ナトリウムランプの下では、物の色がまったく違って見えるのは、このためです。
アレキダンドライトが太陽光の下では緑色に、白熱灯の下では赤紫色に見える理由も同じことで、色の原因になっているCrによる光の吸収のしかたが微妙だからです。

結晶の最も大切な性質は、異方性です。これが色にも影響します。
結晶中の方向によって光の吸収のしかたが違うため、違った色として表れます。
このことを多色性 pleochroism といいます。
同じルビーやエメラルドでも、見る方向によって色が違います。
宝石の持つ美しさを最高に発揮するためには、色が一番良く見える方向をテーブル面にもってくるようにカットすることが大切です。

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