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2011-06-15 12:47

震災で芽生えた異業種連携の動き(JGGAニュース) (匠からの一言)

「震災とゴルフ」というテーマをぶら下げて、業界各所を訪ね歩いた。地震直後から現在に至るまで、かなりの人数と、かなりの時間を費やしたはずだが、結局のところよくわからない。それが正直なところである。
 当初このテーマ設定は、あまりの災禍に国中がショックを受けてしまい、被災地への哀悼ゆえ自粛ムードが全国を覆い、その自粛対象の上位にゴルフがあげられて、マズイッ!と慌てたのがそもそもだった。
 地震直後、業界各所の売り上げは7〜8割減といったように、これまでみたこともない数字が羅列された。戦後最大の国難を前に「ゴルフなんかしてる場合じゃない」という、極めて当たり前だが不快な台詞も、多々聞かれた。大袈裟ではなく、業界が潰れる、そんなことを口にする関係者は多かった。
 物が売れずにキャッシュフローが止まれば、仕入れや返済に窮する専門店が続出する。無論これは、ゴルフ業界に限った話ではないが、情報を生業とする弊社の元には頻々と悲鳴が届けられた。
 当時に比べ少しは落ち着きを取り戻したとはいえ、厳しい状況は変わらない。対峙すべきは自粛ムードという、茫洋とした空気である。
 「自粛」を辞書でひくと「自分の行いを慎む」とある。「慎む」をさらに調べると「過ちがないようにする」となる。つまりゴルフをプレーするということは、過ちなのか?と相当な飛躍をした挙げ句、自分で自分の危機感を煽りつづけた。茫洋とした空気は「世間」でもあるから、世間を納得させるためにはゴルフの意義や価値を正当化して、ロジカルに説明しなければならない
 そんな責務を勝手に背負って、業界各所を訪ね歩いた。訪ねられた皆様は、多少、迷惑だったかもしれない。
 この間を振り返って思うのは、「ゴルフ」を解釈するうえでふたつの視点があることだ。自粛は世間一般の事象であり、ゴルフの特異性には起因しない。つまり、ゴルフだから自粛されているわけではないという主張。
 他方は、ゴルフの特異性を強く意識する。贅沢な娯楽というイメージをノンゴルファーである9割の国民がもっており、1割のマイノリティーであるゴルファーが、世間に怯えて自粛した。であればゴルフ業界は、ゴルフが人生を豊かにするという美点を再構築して、ゴルフ人口を2割3割と高めつつ、脱マイノリティーを図らねばならない。そのような文脈を形成する。ゴルフ人口の拡大という、業界の悲願にも連なる話だ。
 ただし、今回のケースでゴルフの特異性をみとめない立場も、ゴルフ人口の拡大を別の論拠で図っている。人間はそもそも多様であり、その多様な人間がそれぞれの人生でゴルフを自由に使えばいい。ゴルフこそが多様性を備えれば、必然的にプレー人口も増えるだろう、と。
 どちらも一理ある。自在性でゴルフと向き合う立場と、特異性や美点を明確に示して向き合う立場―。
 「震災とゴルフ」というテーマをぶら下げて業界を歩き、結局のところ、よくわからない。しかし、そのわからなさは決して居心地の悪いものではなく、むしろ、この産業の未来に向けて大きな期待感に置き換えられる。そんなことを実感する。
 今回の取材は、極力「業界内異業種」の声を集めることを心がけた。そして、異口同音に聞かれたのは、旧来の縦割を痛感するという反省だった。
 ゴルフ場、練習場、メーカーや小売店、インターネットやアパレル、シミュレーションといったように、ゴルフ産業の構成メンバーは多彩な顔ぶれに溢れている。 過去、これらが連携するケースは稀だったが、未曾有の惨事と向き合って、「ゴルフなんか」と揶揄されて、心底の危機感を覚えた結果、加速度的な異業種連携がはじまっている。
 当初それは、純粋な義援活動であったものが、日を経るに従って様々なチャリティー企画が登場し、それぞれの得意分野を持ち寄った産業復興の融合策へ転じつつある。被災地への哀悼が、はじまりだった
 長く険しい復興への途上で、「文化・心」の支援が求められる。そのとき「ゴルフ」は大いに役立つはずだ。

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2011-06-15 12:46

大手ゴルフクラブメーカーがメーカーでなくなる? (匠からの一言)

15年以上前に、私がメーカーで設計に携わっていた頃にすでにこの流れは始まっていましたが、近頃の大手ブランドのゴルフクラブは 自社工場で生産されていない ことがほとんどで、ゴルフクラブの評価だけでなく、どのようにゴルフメーカーを捉えてどのように評価していくのかも難しい時代になってきました。シャフトメーカーがシャフトを製造し、ヘッド製造メーカーがヘッドを製造する。グリップメーカーがグリップを製造する。そしてクラブメーカーはそれぞれのパーツを集めて組み立てるだけ、という状態になっているのが現実で、名の通ったブランドほどその傾向は強いと言えるかもしれません。

今では 組み立てだけを専門に請け負う会社があり、繁盛しているという噂も聞きます。資本の大きい有名メーカーのゴルフクラブほど、 自社で何かをやることを極力放棄して、企画設計と販売戦略をたてる商社体質になってきているのです。

これだけ様々なパーツが、性能に対して複雑に影響し合っているゴルフクラブなのに、パーツごとの品質管理を含め、このような作り方で本当に品質が保てているのか、個体差は大丈夫なのか、真剣に疑問に思うことがあります。メーカーごとに、1本のゴルフクラブを、マネーを産む単なる商材と捉えているのか、それともゴルファー一人一人のことを考えて設計・製造をしているのか、表立って把握することは一般的には難しく、雑誌やTV広告の露出量や、プロの帽子やキャディバッグで、ロゴをよく見るとか見ないとか、そういった単純なことで、ブランドイメージを個々人が形成し、そのイメージを引きずってゴルフクラブそのものまでを評価する傾向があります。当然ですが、これは非常に危険なことです。

低価格戦争に勝つためには、このようにどんどんコストダウンさせていく必要があるのは理解できますが、一方ではメーカーのイメージはあるけれど、実態としてはメーカーではない会社がたくさんあることも知って、 本当にゴルフクラブのことを真剣に考えている本物のメーカーの中から、長く使える本物のゴルフクラブを選んで欲しいと思っています。

また、○○のメーカーだったら大丈夫、というようなメーカーでくくって何でも大丈夫的な神話も現実的ではありません。そのような評価や評判は無視すべきです。あくまで特定モデルのゴルフクラブが良くて、たまたまそれが○○というメーカーだったというだけで、同じメーカーでも別のモデルを手に取ればハズレという評価だったり、仮にヘッドが同じモデルでもシャフトによってハズレという評価になったりする。しかもそのハズレが、別のゴルファーにとっては当たりだったりするワケで、評価をするということ自体も、どこから何を見て評価しているのか、その判断基準を自分自身が見失わないことが大切です。

いずれにせよ、物を考えて、設計して、製造して、商品化するまでを全部自社で行うメーカーは、とても少なくなりました。


2011-06-15 12:44

数字が示すもの (匠からの一言)

ゴルフクラブがお好きな方やゴルフの組立を仕事とされている工房スタッフの方なら、重心深度やら慣性モーメントやら、様々な専門用語をご存じかと思います。ネットで検索すれば教科書的な意味が出てきますが、 そんな表面的な知識では、組立の作業はできたとしても、開発現場の仕事はできません。
このような知識は断片的には正しいことなのですが、実際に人間がスイングを行ってボールを打つことになると、それぞれがほぼ同時に起こり、お互いが実に複雑に関与してひとつの結果を導き出していることに気付いてくるでしょう。すべては、とても短い時間に、ほぼ同時に起こっているのです。本当の現実がわかっている人ほど、 断片的な数字を語ることの無意味さを知っている はずです。
さらに突き詰めて行くことができると、どんどん数字の無力さを感じることになるでしょう。実はゴルフに関して数値化できていることは、全体の極わずかの限られた事象でしかないのです。極論するなら、シミュレーション技術に用いられているいろいろな係数も、ある一定条件で様々な実験を繰り返し、その事実から逆算してこうなるであろう数字を抽出して近似値を決めているに過ぎません。 ものの根本は、なかなか数値化できないのが現実です。

例えば、ある種類の金属の固まりが、別の金属の固まりとぶつかった時のシミュレーションであれば、正確に数値化されていることも多く、比較的簡単なのですが、ドライバーのヘッドのような、薄く伸ばした合金を部分ごとに厚みや素材を変えて成形し、カーボン素材のような曲がるシャフトでそれを押して、潰れて戻る動きを繰り返す特殊な特性を持ったボールに力を与えて、その物体を遠くに飛ばす・・・。様々なことが瞬間的に起こっています。細かい時間軸の概念も必要です。これを数値化することが、果てしないことだということは、一般の皆さんにもイメージできることでしょう。

ゴルフクラブの開発は難しい、と言ってしまえばそれまでなのですが、このような様々な背景があることも知っていると楽しいかもしれません。


2011-06-15 12:30

ユーティリティ (匠からの一言)

簡単にいえば、ウッドとアイアンの中間的な形状と性能を持ったクラブだといえます。この“中間的”という部分が、わかりにくいと感じたり、ヘタな人が使うクラブ、といったイメージを持っている方が多いようです。しかし、その認識は大きく間違っているんです
アイアン系ユーティリティはロングアイアンが易しく
ッド系ユーティリティはフェアウエイウッドが易しく
なったクラブと認識下さい

2010-06-09 13:44

シミュレーション技術が発達しても、やはり最後は人間 (匠からの一言)

ゴルフクラブの開発を取り巻く環境は、他の業種と同様にシステム化されてきました。特にコンピュータによるシミュレーション技術は、ゴルフクラブの開発に大きな変革をもたらし、その技術の元に、様々なゴルフクラブが開発され続けています。

ゴルフクラブの開発から設計、工場での生産立ち上げ、ディーラーへのプレゼンテーション、大型量販店での販売応援まで全てを経験しました
モデルに関しては、ヘッド、シャフト、グリップの部品全ての選定をしています。例えば○○社などは担当が細分化して、グリップの担当者はグリップのみ、シャフトの担当者はシャフトのみで、他のパーツにはノータッチというのが一般的でしたが、ゴルフクラブの部品に関係する全てを、一括して経験できたのは幸運と感じています。

その経験を元に言うと、限界に近づいたゴルフクラブの開発は、単純なだけに、本当に難しいことであると言えます。それ故に、これだけシミュレーション技術が進化しても、いまだ ゴルフクラブの完成形となるものは世に出ていません。もっといいものを・・・、と終わりなき追求でもありますし、高反発規制などの技術的の制約を受けるなどもして、技術開発はまた新たな局面を迎えている真っ直中にあるような状況です。

コンピュータによるシミュレーション技術は、開発のスピードを飛躍的に短縮しましたし、開発コストも削減しています。スイングロボットに関する技術も進み、最新スイングロボットは、上手に人間の動きを再現していますし、弾道のシミュレーション技術の発達にも驚きました。

 しかし、「最終的には人が実際に打つが最も大切である」と思います。
人間が打ってなんぼという考えなのです

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